樹生かなめ先生「もう二度と離さない」を読みました!
登場人物とあらすじ、どんな人にオススメなのかなど、ネタバレ感想とともにがっつりご紹介します!☺️✨
登場人物とあらすじ
<あらすじ>
日本画の大家を父に持ち、美貌と才能に溢れる若き洋画家・佐伯渓舟は、助手であり恋人でもある相良司とともに暮らしている。
小さなトラブルが起こることもあるが、強い絆で結ばれているふたりは幸せな毎日を過ごしていた。
そんなある日、司の過去を知る男、そして渓舟の過去を探る男が現れたことにより、平穏な生活は少しずつ狂い始めていくー。
こんな人におすすめ
- 心身への暴力的な描写が好き💥
- 攻めが受けに依存してるとグッとくる🥺
- 闇の腐女子である✌️
ネタバレ感想
①理不尽なシーンがたびたびあり、ツッコミどころ満載
本作を読んで真っ先に自分が感じたのは、理不尽なシーンが目立つということでした。
「男が浮気をするのは当たり前。女にされるのは許せない」というキャラの発言に対し、登場人物全員が納得するシーンetc…。
他にも、若い頃に暴力を人もところも構わず振るいまくっていたこと、法を犯していたことを「若かったから当然だ」と開き直り、その暴力の被害者である受けに「仕方なかったんだ」と押し付けていたり。
15年前のBL小説はだいぶ攻めていたなあ…と思いました。今こういう作品を出すと、読者からクレームが殺到して炎上しちゃいそうですもんね。
しかしこういう理不尽なことって、令和になった今なお至る所に存在しています。
本作は、現実を決して美化せず、ありのままを描写している。作者の美学というか、気迫というか、「強さ」を感じました。
②結構エグめな暴力描写が多い
前半は攻めが受けを真綿に包むようにかわいがっているだけなので、「攻め→受けの溺愛モノかな?」と勘違いしそうになるのですが、中盤から雲行きが怪しくなり、後半では
攻めは受けを仲間達に強姦させたり、受けを見つけたら外でも家でも誰に見られようと強姦し、挙げ句の果てには彼の友人たちは受けの局部を切り取ろうとしたり…
とても人間、生き物に対する扱いとは思えない性的暴力描写が多かったです。
心臓の弱い方はどうかお気をつけて…。
③共依存エンド?は賛否両論かも
最終的に受けはストックホルム症候群のような状態になって、攻めとラブラブセックスして物語は終わるんですが…これをハピエンと捉えるか胸糞と捉えるかは意見が分かれそうです。
個人的には、どんな精神状態にしろ受けは攻めを愛しているのだから、当人同士以外が勝手に自分の「幸せ」の尺度で彼らを測り、いちゃもんをつけるべきではない…つまり、本作はハピエンだと思います。
ただ、光の腐女子はこういう物語を読むと死ぬ気がするので、勧める相手は選ばなければならないと思いましたw
まとめ
読後改めてタイトルを読むと、攻めの狂いっぷりが改めて理解できて薄気味悪くなります。
愛がメーターを振り切ってしまい、つい攻めが受けに暴力を振るってしまうような…そんな歪な関係にグッとくる人におすすめの作品です。