葵居ゆゆ先生「これからは別れのお時間です~薬屋兄弟と疫病神の縁直し~」を読みました!
登場人物とあらすじ、どんな人にオススメなのかなど、ネタバレ感想とともにがっつりご紹介します!☺️✨
登場人物とあらすじ
関わる人に不幸を招く疫病神体質の大学生と不老不死の少年 のお話。
<あらすじ>
関わる人に不幸を招く疫病神体質ゆえに大学進学を機に親戚宅を出た譲吉は、上京当日に下宿が燃え、再会した幼馴染のすず子の家を突風で半壊させてしまう。途方に暮れる譲吉に、すず子は作家・七雲静宅を紹介する。
彼のもとを出入りする小学生の舞人は静の兄だというし、副業の薬処の客は人じゃないし、譲吉を招き入れたのは「不幸を呼び込んで静を死なせてほしい」から…ってどういうこと!?
こんな人におすすめ
- 葵居ゆゆ先生の作品が好き!
- キャラ文芸というジャンルに興味がある🤔💭
- 生きる、死ぬことについて改めて考えさせられたい!
ネタバレ感想
別れって、多くの人が避けたいものだと思います。
自分自身の肉体との別れ、愛する人や動物との別れ…けれど、本作を読んで、「また出会えた時の喜びはひとしおだよね」と心から思えるようになりました。
私は今年夏に20年近く連れそった愛犬を亡くしたのですが、彼(愛犬は男の子でした)がいなくなってから1ヶ月ほどは食事が喉を通らず、10kgも痩せたほどショックでした。
そんな時、この本を読み返しました。
昔々、死にかけた舞人を生かすために魔法使いと取引をして死なない体になった静。
舞人は静のもとにずっといてやりたいのにいつも自分は先に死んでしまうことを申し訳なく思っています。
静を人並みに死なせてなりたいと願う舞人。
そんな静と舞人を見ながら、愛犬の死を看取れたのは良かったことなのかもしれないと思えたのです。
死なないということは、親しい人を作れないということです。
愛しても先立たれ、自分は永遠にひとりきり。
愛する人たちに囲まれて逝けて、愛犬は幸せだったかもしれない。そして、私は愛犬の人生を最期まで一緒にいられて、愛せて、幸せでした。
愛犬がいつかこの地球の砂に、風に、海に、もしかしたら人間や犬に、生まれ変わった時に、私もそばにいられたらいいなと、今は願うような気持ちでいっぱいです。
何のために死ぬのか、有限な命をどうやって生きたいか、深く考えさせられる一冊です。
あと、この作品は舞台が浅草、かつ、生と死を舞台にしている…ということで、ちょうど刊行時期に放送されていたアニメ「さらざんまい」と似たところがたくさんあります。
「さらざんまい」に心を打ち抜かれた人は、ぜひ本作も読んでみてください!!
絶対絶対、心に刺さるはずです💘✨
まとめ
「さらざんまい」好きは絶対好き!!!!!
兄弟愛、ペット愛…いろんな愛が生む事件を通して「絆があれば、死も時間も越えてまた出会える」と、別れを肯定的に捉えられるようになる超良作です😭
温かい涙が止まらん…😭✨