Guilt | Pleasure「THE DOLL」のネタバレ感想

小説

Guilt | Pleasure「THE DOLL」を読みました!

登場人物とあらすじ、どんな人におすすめなのかなど、ネタバレ感想とともにご紹介します。

登場人物とあらすじ


武闘派のなんでも屋×美貌のアンドロイド のお話。

報酬さえ貰えればどんな仕事も請け負うと評判の、武闘派なんでも屋「リンチ」。

ある日彼は「何億もの資金をつぎ込んで作ったアンドロイドが脱走したので、連れ戻してほしい」という依頼を受ける。

アンドロイドは「DOLL」と呼ばれ、どんな目にあわされても、持ち主の要求を満たすためにひたすら尽くしてくる生命体だと説明される。

説明の中で、クライアントたちがDOLLにどれほどおぞましい暴力的な実験をしているかを知ってしまい、「報酬さえ貰えれば何でもする」というリンチの信念は揺れる。

わずかな手がかりを手に、リンチは「DOLL」を探すがー。

 

こんな人におすすめ

  • ノワール小説(※)が好き
  • Guilt | Pleasure作品が好き
  • 人間とAIの恋など、近未来SFものが好き

(※)ノワール小説とは、犯罪者などいわゆる悪役を主人公に据えた作品のこと。

 

ネタバレ感想

Guilt | Pleasure作品の中では、かなりダーク度は抑えめでした。「はじめてのGuilt | Pleasure作品」にはちょうどいいかも。

この作品で一番しんどいのは、DOLLの生みの親である相馬博士とDOLL(カイという愛称で呼ばれている)の愛情あふれる関係です。

実はカイはクライアントの腹違いの弟でした。

カイの母親は子供ができにくい体質で、やっと授かったカイは死産。発狂した母親は子供が生まれたその日に自殺しました。クライアントとカイの父親は科学者で、妻と子供を同時に失うことに耐えきれず、カイだけをアンドロイドとして生きながらえさせます。

カイの父親はただカイを実子のようにかわいがりたかっただけで、アンドロイドの研究材料として使う意図は全くありませんでした。しかし、兄は違いました。

カイの人間として育てられた時代の記憶を消し、「感情を持つアンドロイドの研究」と称して、彼にあらゆる暴力をふるうようになっていきます。

カイは痛みを感じるアンドロイドです。痛ければ涙するし、叫びます。助けを求めます。でも、兄は弟への暴力を「研究」と称して、何年も何年も繰り返し行い続けました。何億もの金を注ぎ込み、心身ともに彼を追い詰め続けました。

暴力、DV、虐待

相馬博士はカイに対して、普通の青年として愛情を注いでいました。カイもそんな相馬博士を「パパ」と慕っていました。

だからこそ、相馬博士はクライアントが求める実験に耐えられず、自分が殺されてもかまわないという覚悟でカイを研究所から脱出させたのでした。

しかし、その結果は無惨なものです。

私は、相馬博士にカイともっと生きてほしかった…。これを書きながらも涙がとまりません。相馬博士の最期はあまりにむごく、言葉にするのがはばからるほどです。

カイは最終的にリンチに一度殺され、その後なぜかクライアントである兄は自殺。カイは研究所に勤めていた科学者の手で蘇生します。

カイ以外にも、彼と似たアンドロイドたちはクライアントの手元にたくさん残っています。彼らはこれからどうなるのか?カイとリンチはどうなるのか?

続刊「追放者-Persona Non Grata-」ではそれも描かれるのかもしれません。うう、楽しみ!

同時収録の「After the Fall」は、主人公リンチの過去話。続編ではどうやらここで登場したビアンキが活躍するようです。

ナルキッソス先生と咎井先生の対談「STUDIO NOTES」も興味深かったな。どんな経緯でこの作品ができたのか、その時の心境、そして各挿絵がどんな意図で描かれているのかが詳しく語られていました。Guilt | Pleasureファンは必読です!

 

まとめ

「人間」を「愛する」とはどういうことなのかを考えさせられる作品でした。

寿命があり、感情と記憶を持ち、思考するのが人間のはずだけれど…読み終えて、何もかも分からなくなりました。現実も空想も紙一重だと思わされる作品📖✨

 

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この記事を書いた人

たこわさ
たこわさ
夜明けの腐女子。樋口美沙緒先生「パブリックスクール」・葵居ゆゆ先生「愛傷コレクション」・伊勢原ささら先生「嫌われ魔物の大好きなひと」が愛読書。スパダリ執着攻め×一途健気受けが死ぬほど好き。