映画「囀る鳥は羽ばたかない The clouds gather」のネタバレ感想|鉄面皮チンピラ×美人ヤクザの痛くて切ない片想い

映画

ヨネダコウ先生による「ihr HertZ」(大洋図書)にて連載中の累計発行部数140万部を越える人気BLコミック『囀る鳥は羽ばたかない』が劇場アニメ化!「囀る鳥は羽ばたかない The clouds gather」

全編のネタバレ・あらすじ一覧・本作をより楽しむための小ネタなどを掲載しています。

早速見てみましょう!

登場人物とあらすじ

引用:Top | 劇場アニメ『囀る鳥は羽ばたかない The clouds gather』公式サイト

健気ワンコなチンピラ×淫乱美人若頭 のお話。

<あらすじ>
被虐趣味で好色な一面を持つ真誠会若頭の矢代。
そんな彼のもとに、傷害事件を起こし服役していた元警察官の百目鬼が、付き人兼用心棒として雇われる。
自己矛盾を抱えて生きる矢代と、愚直なまでに矢代に従う百目鬼ー互いの欠落を補いながら、次第にひかれ合っていく2人だったが…。

 

予告編・予告動画

 

こんな人におすすめ

  • ヤクザBLが好き🔫
  • ヨネダコウ先生のジャジーな世界観が大好き🌍️
  • 健気ワンコな部下×淫乱美人若頭を見たい🥺❤️

 

本作をもっとよく知るための小ネタ

①本作でメインキャラクターである矢代と百目鬼(どうめき)を演じるのは、2013年から7年間にわたって本作のドラマCDにて同役を演じている新垣樽助と羽多野渉だ。

引用:劇場アニメ「囀る鳥は羽ばたかない The clouds gather」特集 新垣樽助(矢代役)×羽多野渉(百目鬼役)対談

②──羽多野さん演じる百目鬼は、寡黙で、矢代とは対照的なキャラクターです。そのため、ひとことのセリフでも重みのあるキャラではないかと思いますが、どんな点で苦労されましたか?
羽多野 原作を読むとよくわかるんですが、百目鬼って、なんとも言えない返事やモノローグなど、音で表しきれない部分が多いんですね。頭の中では考えているんだけど、それをあえてセリフにしていない描写が非常に多い。だからといって何も発しないと、間だけになってしまう。ドラマCDでは、そうした「……」の描写は、息のアドリブを入れて間をつないでいくお芝居をしていました。でも劇場アニメだと絵がお芝居をしてくれるので、逆に息を入れないほうが間のお芝居が成立するな、という発見がありましたね。

引用:劇場アニメ「囀る鳥は羽ばたかない The clouds gather」特集 新垣樽助(矢代役)×羽多野渉(百目鬼役)対談

③──おふたりとも、さまざまに苦心して人物を作り上げていったことがわかりました。特に難しいと感じたシーンはありましたか?
新垣 僕はお風呂場のシーンですね。向かい合って目を見て会話しているわけではない、背中越しのあの感じ。それに口数が少ないやり取りは、一言一言に意味や思いがぎゅっと凝縮される。羽多野くんが掛けてくる言葉の中にもたくさんの思いが詰まっているから、それを返していいのか、受け止めていいのか、その時々のお芝居の中で自分の瞬時の判断で出していくので、セリフが多いシーンよりも難しかった印象があります。

引用:劇場アニメ「囀る鳥は羽ばたかない The clouds gather」特集 新垣樽助(矢代役)×羽多野渉(百目鬼役)対談

 

ネタバレ感想

「道心会」傘下の「真誠会」若頭である矢代は、高校時代からの親友である町医者の影山が、チンピラの久我とセックスする様子を盗撮します。影山に淡い片想いを続ける矢代ですが、本人に気持ちを伝えるつもりはありません。

そんな中、元警察官の百目鬼が矢代の付き人兼用心棒として仕えることに。矢代は「ドMの変態、淫乱猫、幹部(特に三角)の公衆便所」と聞いていると率直に話す百目鬼を面白がり、インポだと言う彼にフェラしてやります。百目鬼は矢代を「綺麗な人だと思った」と面と向かって伝えます。

小錦あや
小錦あや

本作中、フェラシーンは全部で3回ほど?出てくるのですが、1回1回が結構長い!!めちゃ丁寧なフェラで、つばが口元を濡らす音や、ちん…をバキュームする音、舐めしゃぶる音なんかをしっかり聞けるので、原作準拠のきれいな絵も相まって、背徳感がヤバいです。目と耳がえちえち!!

義父に男へ売春させられていた高校時代。高校を卒業してからは、偶然にも当時「真誠会」組長だった三角に気に入られ、彼の愛人を経て、若頭になりました。今の「真誠会」組長は平田ですが、三角は平田よりも矢代を推しています。三角は「道心会」の跡目争いに巻き込まれており、上層部から自分は嫌われていると矢代にこぼします。それと同時に、影山のようなカタギとつるむのはやめろと釘を刺します。

逆襲のゆりこ
逆襲のゆりこ

兄貴分の三角がとにかくいい人!!
もとは愛人として矢代を囲っていたという過去から、他の男とセックスする矢代に嫉妬して暴れたりするシーンがあるのかな?と思ったのですが、三角はあくまで矢代の幸せを願っているようで、影山への淡い恋心も見抜いた上で「これ以上あいつに近づかない方が良い、戻れなくなるぞ」と忠告したり、矢代にいいポジションを譲れるように立ち回ってくれていて…個人的に、作中で唯一心から信用できるキャラでした。

泥酔した矢代を家まで送りながら、百目鬼はいつから男が好きなのかと問います。男が好きかどうかを知る前に、男に犯されていたと話す矢代。矢代は高校時代の影山と百目鬼が似ていると感じ、百目鬼の「ヤりたくて仕方ない」顔を見てみたいとふと思います。

矢代の舎弟であり百目鬼の兄貴分である七原は、熱っぽく矢代を見つめる百目鬼に「矢代さんは、惚れられたら難癖をつけて首を切る」のだと忠告します。

そんな中、百目鬼の妹が事務所に殴り込んできて、「ヤクザをやめさせてください」と矢代に懇願します。百目鬼と妹は腹違いらしく、レイプされていた妹を助けるために義父を殴り殺したために、百目鬼は刑務所に入ったのだそう(これをきっかけに百目鬼はインポになった)。妹は百目鬼に恋愛感情を持っているようです。
百目鬼はヤクザになるつもりはなく、借金を返すために金融会社に就職したと思っていたら、ヤクザのシマだった…ということのようです。
矢代は百目鬼の妹に、百目鬼を気に入っているので手放すつもりはないとにこやかに伝えます。
百目鬼は矢代と過ごしながら、これほど心惹かれた人はいない、そばにいられるなら何でもしたいと思うようになります。

百目鬼は矢代が影山に片想いしていることを見抜きます。インポだと言いながらも、矢代の艶めかしい生足に興奮する百目鬼。

「道心会」傘下の「松原組」組長であり、矢代を一方的に敵対視している竜崎は、矢代のシマで暴れた挙げ句、矢代に挑発されて彼を犯します。そこを三角に見られてしまい、真っ青になる竜崎。三角は「お前はどうでもいい奴としかやらない」と矢代に呆れます。
竜崎は上納金を稼ぐために、組ではご法度のシャブを売りさばいているようで、それを組長には知られたくないようです。

たこわさ
たこわさ

矢代と兄弟分の竜崎は、短気でメンツをすごく大事にする、いかにも(?)ヤクザな男。
三角はインテリヤクザ、竜崎は暴力に思いっきり針が振れているヤクザという感じがします。矢代に何かとつっかかってくるのでホモフォビアかつ敵対しているのかと思いきや、矢代が誘うとあっさり彼を抱いたりして、愛憎入り混じった複雑な感情を持っているんだな…と面白かったです。矢代とのセックスを三角に見られた時には、一瞬で縮み上がって焦りまくっているのがいかにも小者感があって笑ってしまったな…w

百目鬼は影山の彼氏・久我に、「矢代さんは優しくて強くて綺麗だ」とのろけ、爆笑されます。矢代を嫌いな久我ですが、百目鬼は気に入ったようです。
百目鬼は影山に、矢代は影山のことが好きなのだと打ち明けようとしますが、矢代に邪魔されてしまいます。
帰り道に寄ったピンク映画館で、スクリーンに映る女優が矢代に見えてしまい、勃起しそうになる百目鬼。しかし、もし勃起しているのがバレたら、矢代への好意がバレたら、捨てられてしまうと恐れます。
そのまま映画館で夜を明かす二人。映画館から出た矢代は怪しげな男に銃で撃たれます。高校時代に影山を好きだと思いながらも孤独感に泣いたことを思い出しながら、救急車で運ばれていく矢代。

 

まとめ

最初から最後まで(EDまで)世界観が統一されていて、気だるくて艶っぽいアダルティーな雰囲気漂う素敵なBLアニメ作品でした。

最初はただの鉄面皮で面白みのない男というイメージの百目鬼でしたが、矢代と過ごすほど、「優しくて強くて綺麗で…」と彼に対して尊敬の念が高まっていく様子なのにときめきました。しかも終盤は矢代の痴態を想像してインポが治りそうになっていたし。矢代の痴態、すごい威力だ…。

あと、最後がかなり気になる終わり方でしたね。矢代を撃った男は、誰の差し金なのか…。
矢代に恨みを持つとしたら、竜崎かな?いや、自分の地位を揺るがしそうだと思って、平田が差し向けたのかも…。
心臓を狙えない(狙ったけど下手くそで外した?)男に対して、「下手くそ。タマ取ってみろよ」と銃を握る矢代の気迫はすごかったですね。画面越しでも矢代の迫力を感じて、まるで彼が目の前にいるような感覚になり、ゾワッと背中の毛が総毛立ちました。

暴力と恫喝が飛び交うヤクザの世界で、百目鬼と矢代のピュアな片想いが光っていて、そのギャップが素晴らしかったです。原作の絵柄が大事にされているのも、観ていて嬉しいポイントでした。

あと、矢代役の新垣樽助さんの演技が本っっっ当に素晴らしかった!!どこか奔放さを感じさせながらも、生きることへの諦めのようなものも混じった、大人の色気たっぷりの男…という矢代のイメージぴったりの演技を終始してくださっていたと思います。
波多野さんの抑えた演技も良かったなあ。百目鬼は口数が少ないので、その中で感情を表現するのってすごく難しいと思うんですが、「抑えたいのに抑えきれない感情(矢代への恋慕とか怒りとか)」を上手く演技してくださっていたと感じました。

原作コミックの「囀る鳥は羽ばたかない」シリーズは長編なので、映画の方も、第二弾、第三弾、と続編が作られてほしいです!

映画 囀る鳥は羽ばたかない The clouds gather [Blu-ray] 
作者:ヨネダコウ
被虐趣味で好色な一面を持つ真誠会若頭の矢代。そんな彼のもとに、傷害事件を起こし服役していた元警察官の百目鬼が、付き人兼用心棒として雇われる。自己矛盾を抱えて生きる矢代と、愚直なまでに矢代に従う百目鬼。互いの欠落を補いながら、次第にひかれ合っていく2人だったが…。

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