中庭みかな先生「星灯+」を読みました!
商業BL小説「沈まぬ夜の小舟」シリーズの、情深い麻酔科医・高野とやり手の若手外科医・瀬越、天涯孤独の高校生・創のお話です。
登場人物とあらすじ、どんな人にオススメなのかなど、ネタバレ感想とともにがっつりご紹介します!☺️✨
登場人物とあらすじ
「沈まぬ夜の小舟」の攻め・麻酔科医の高野、外科医の瀬越×受け・天涯孤独の高校生 のお話。
<あらすじ>
サイト掲載オリジナル小説「沈まぬ夜の小舟」短編集。
web掲載の16話+新規書き下ろし7話を収録。
こんな人におすすめ
- 「沈まぬ夜の小舟」シリーズが大好き🚣♀️✨
- 中庭みかな先生の文章が大好き📝
- 不憫受けが幸せに過ごしている姿が見たい🥹✨
ネタバレ感想
それぞれの短編の題名が書かれてるページに、一艘の船とそれを漕ぐ人の影が描かれているのだけど、それがなんともいえずみかな先生の文章と雰囲気が合っていて素敵。どこか切なくて、孤独で、なのに、未来に漕ぎ出す希望と輝きも感じられて…🚣♀️✨
1.終着点
<あらすじ>
高野がデスクに飾っている、実家で飼われている犬のジェントル君と創のツーショットを見た瀬越。写真をくれないかと高野に頼んでみるが…?
若い研修医に「(犬が)かわいいっすね」と言われて、「(創は)性格もいいんだ」と嬉しそうに返す高野先生に笑ってしまう。かわいすぎる🐶💕
「誰に何を思われて、何を言われても、今の瀬越には大した問題とは思えなかった。自分と自分の大切なものに集中することを、もう知っている」瀬越先生の過去を思い出させてくれる深い一文。これだけでぐっと世界観が深まる😭✨
「実家の両親に紹介したり、デスクの上に写真を飾れるような、そんな関係にはなれないのだとしても。(中略)この感情の行き着く先は、きっともう、これ以上ない。だから、ここが終着点だ」ここが終着点だ、の重さ。瀬越先生の覚悟を感じて涙が滲む。高野先生への憧れ、寂しさ、全部をひっくるめて覚悟してる瀬越先生が眩しくて苦しい。
「恋でも、愛でも、ないのかもしれない。けれど、世の中には変わらないものがあるのだと知ることができたのだから、多分、上出来だ。いまはそのことを、強がりではなく幸せだと思う」普段生活していると、社会が恋や愛を強要してくるように感じる。当然のようにみんなが恋愛をして結婚をする。でもそれだけが幸せの終着点ではないのだと改めて考えさせられる。幸せだと言い切る瀬越先生が、辛いくらい愛おしくて泣いてしまう😭
2.うつろい
<あらすじ>
高野のために夕食を準備して待っていた創は、思いがけず二人の女性を伴って帰ってきた高野に衝撃を受ける。ショックを隠そうと、慌てて嘘をつき、外に飛び出してしまうが…。
「春までは冬眠、と割り切って、創は今、何もしていない状態だ」創ちゃんが休むということを覚えられてよかった。ほっとする。新聞にのってたレシピを再現するというレトロ感が、創ちゃんっぽくていい📰✨
「深く考えもせず、その場の流れで、つい嘘を言ってしまう癖は、直そうと思っても、なかなか治らない」創ちゃんの過去の傷を垣間見て、胸がチクリと痛む。苦しい。それに、掃除しながら後から自分の行動を反省する感じ、めっちゃ分かる。共感できすぎる🤦♀️
「俺、やっぱり、だめな奴だな……」ダメじゃないよ、恋人が知らない女の人たちを連れて帰ったら、嫌な気持ちになるよ。と、心の中で私が大騒ぎして泣いてる。創ちゃんはダメな奴でも嫌な奴でもないよ。
「高野はこんな創なことを、そのままで良い、と言ってくれる。だからこそ、創は、自分が未熟な子供であることが恥ずかしかった。身に余るほどの信頼を、裏切ってしまっている気がした。」自分がなぜダメな奴かを言語化できる創ちゃんはすごい。信頼を裏切っている、かあ…。このままで愛されているのだからそれでいいのだとあぐらをかかずに、反省する創ちゃんの謙虚さに胸を突かれる😭✨
「自分がみっともなくて、涙が出そうだった。一人で勝手に面白くない気分になっていた。そんな子供っぽい自分を隠したくて、聞いていない、と、メールが届いていないことも言えなかった。嘘をついて取り繕うのではなくて、素直に言えていれば、誤解もすぐに解けたはずなのに」創ちゃんの、自分への不甲斐ない気持ちが伝わってくる。好きだからこそ迷惑をかけたくなくて素直に言えないのもわかるし、嘘をついちゃうのもわかるし、苦しいよね、と涙が勝手に出てくる😭
「まぁいいか、で、決めつけて考えるのをやめる。そういう小さな積み重ねが、ひととの関係を少しずつおろそかにしていくことを、俺は知ってたはずなのに」
高野先生の真摯さよ。まあいいかと思うのは人を楽にしてくれる。思考放棄だから。でも反省できる人は少ない。だって考えすぎると生きるのが苦しくなるから。でも高野先生は苦しくても誠実である方を選ぶんだ。かっこよすぎるよ。
「どうしても埋められない年齢の差、立場の差。これからも、それを思い知らせ知らされて、悩んだり、苦しいと感じてしまうことは、たくさん訪れるのだろう。この人を好きでいるということは、きっと、そういうものと付き合っていくことだ。まだまだ子供で、できないことだらけで、困らせてしまうことも多いけれど」年齢差BLってよくあるけど、これこそがリアルに恋をする2人の覚悟と愛だよなと思った。胸に沁みる。響く💘
3.内緒話
<あらすじ>
学校に提出する書類を書く創。高野の続柄に「彼氏」と書こうとしている創に、高野は慌てふためき…!?
続柄を「彼氏」と書き間違えるのでは…という高野先生のラブい勘違い、あまりにもかわいすぎるよー!!!🥹💕「後見人」と途中まで書き方が同じだなんて、気づいたみかな先生は恋の神すぎる💕
「近頃では、少しずつ、甘えるのも上手になってきた。書類を書く前には、洗濯をしていたためか、肌を触れ合わせると、柔軟剤の清潔な甘い香りがした」創ちゃん、そんな香りがするの…ドキドキする…かわいい…🥹💕
4.あまいゆび
<あらすじ>
高野の指から、バニラの香りがする。創が不思議に思って尋ねてみると…?
「俺だって、甘いのがほしい」ギャーーーー!!!!高野先生!!!!!無自覚天然小悪魔創ちゃん!!!!指舐めなんてえっちすぎるよ…自分もアイスの香りがいいって答えるのも、どことなく背徳感が🍨💕
5.個人情報
<あらすじ>
創の携帯を買い替えることになった。あまりに古くて使い勝手が悪かったのだ。データを新しい携帯に移すことになり…。
創ちゃんの先生メモ、かわいすぎる。「実は肉より魚が好き さしみ まぐろ(←シャケじゃない)」に身悶えた🐟
「あとで、「ときどき、いじわる」って書いておきます」
「ちゃんと「おまえにだけ」って書いとけよ」
のやり取りよ…!!!甘い、にやける🤤💕
6.告白
<あらすじ>
高野の頼みを聞く代わりに、創に「愛してる」と言えと唆す瀬越。とても言えそうにないと頭を抱える高野だが…。
「高野が思うよりも、ずっと早い速度で、彼は前に進もうとしているのかもしれない。うっかりしていたら、その成長を見逃してしまう。一つ一つ、どんな些細な変化さえも、見逃したくないのに」創ちゃんがお父さんとの関係を修復しようとしてるなんて思ってもみなかった。創ちゃんは大人だな。私なら傷つけられた記憶をいつまでも引きずって、死ぬまで恨んでしまうと思う。創ちゃんの前に進む速さに私も置いていかれそうだ😢✨
「愛してる。醤油」で噴き出した。高野先生!不器用な男〜!!😂💕
「言い慣れなさと照れが如実に滲む、ぎこちない言葉」創ちゃんの愛してるを聞ける高野先生が羨ましすぎる。いいなあ…🥹💕
7.082
<あらすじ>
痩せぎすの創のために、高野は「おやつの時間」を設けている。しかし困った問題が一つ浮上してきて…?
082って何だろう?と思ってたら…隠語?だったか!!がりがりの創ちゃんにはおやつをいっぱい食べさせたいよ。幸せ太りする高野先生、かわいいね☺️🍪🍘🍫🍬🍿🍩🥞
8.214
<あらすじ>
世間がバレンタインデーに浮かれる中、創は「あれは女の子のための日だから」と無関心だった。しかし高野の方はそうでもなかったようで…?
「そこに近づくと、何日もずっと同じ歌が流れている。お店の人は嫌になってしまわないんだろうか、少し気の毒に思った」この創ちゃんの感性が好きなんだよ〜😭✨誰だからとかじゃない、世界の全員にどこまでも気を遣う優しさ、誰かにとってこれは悲しみや苦しみではないかとすぐに考えられる繊細さよ。
鍵の開く音で玄関まで迎えに来てくれる創ちゃん、かわいすぎる。忠犬だ…🐶🔑✨
「高そう」のチョコを食べて「すごく高そう」グループに入れるべきではとびっくりする創ちゃんがかわいすぎるから、創ちゃんにとびっきり美味しいチョコレートをプレゼントしたい🎁✨
チョコレートが欲しくて効能を説明しちゃう高野先生〜!!愛おしすぎるよ〜!!不器用め〜!!!(萌え転がる)💕💕💕
「こんばんは、チョコレートです…」かわいすぎてにやけが止まらん。誰にも見せられん顔をしてしまう。かわいすぎる(大事なことなので2回言った)10年先のことまで考えてる創ちゃん、愛おしいなあ。
「本当は、いつだって伝えたいし渡したい。でも、思いを全部伝えようと思っても、キリがない。気持ちを言葉にしても、ものを送っても。だから特別な日があるのだと、そんな気がした。きりのない思いを、ほんの一部でも、何かに託して送ることで、伝えても良い日」バレンタインをそんなふうに考えられるのって素敵だなあとしみじみ思った。きりのない思いの一部を伝えられる日かあ…みかな先生は言葉の魔術師だなあと思う🧙💫
9.ホームドクター
<あらすじ>
アメリカへ行く直前の瀬越と昼食をとる創。瀬越は創への愛を噛み締めながら、彼の未来を想像する。
「ひとはずっと同じ場所にはいられない。そんなことはよく知っているはずなのに、自分の希望だけで変わって欲しくないと望んでいる身勝手さを、また思い知らされた気がした」本編を思い出して切なくなる。自分の好きな相手でずっといてほしい気持ちは、誰にでも多かれ少なかれあるよね。
「かつて創が、何も写っていないような目をして、この街にいる理由は無い、会いたい人なんて誰もいない、と語った言葉を、瀬越はよく覚えていた。他でもない、瀬越自身が彼に言わせたことだ」胸が切り裂かれたような気持ちになる。あの頃の創ちゃんへの贖罪の気持ちが、私の中にも蘇る。
「生まれたての赤ん坊でもないのに、どうしてこんなに目が澄んでいるんだろう、と、瀬越はそのたびにいつも、不安にも似た思いで胸が塞がれる」創ちゃんのことを思う時、いつもこの「目が澄んでいること」を思い出す。創ちゃんはガラスみたいに繊細なのに水のようなしなやかな強さもあって…創ちゃんは無色透明のきれいな、特別な生き物みたい🫧
「笑って、ありがとう、と答えた。今のこの顔の方が、さっきより上手に笑えているのだろうな、と思いながら」瀬越先生の、心の一部を創ちゃんに残している感じが本当に苦しくて愛おしくてたまらない。瀬越先生…😭😭😭
「(…創ちゃん)笑って手を振り返しながら、心の中だけで、そう告げる。(中略)大事にできなかったけど、心から欲しかった」泣きながら書き写した。世界一哀しい「好き」だよ…。みかな先生はどうしてこんなにも、いろんな「好き」のグラデーションを描けるのだろうと感動する。瀬越先生のもう叶わない「好き」。でも、その好きな人のそばにはいられる苦しみ。それがこの数行に詰まってて、胸が苦しくて、涙になって溢れてくる。「大事にできなかったけど、心から欲しかった」の一行を読み返すたび号泣する。瀬越先生は過去に戻りたいかな。やり直したいかな。でも、高野先生との未来を応援しそうな気もする。不器用な瀬越先生が愛おしいよ😭💕
10.カナリア
<あらすじ>
創と一緒に暮らし始めて、彼が少しずつ変わってきたと感じる高野。その変化は、高野にとって快いもので…。
「魚よりもひっそりと、彼は世界に遠慮するように生きていた」創ちゃんっぽい。そしてこの一行が出てくることが本当にすごい。みかな先生の表現力よ…。世界に遠慮するように生きる人。こんな的確で、それでいて詩的な余韻があって、こんな言葉が自分の中から出てくるには一体何度生まれ変われば叶うのかと途方に暮れてしまう。すごい。この一文のためだけにでも、この本を買ってよかったと心から思う。感動した…😭✨
11.おもかげ
<あらすじ>
かつて売春をさせられていた時、とあるAV女優に顔が似ていると言われた創。それをふと思い出して、動画を探してみるが…。
「もし生まれ変わって、次の人生でもどこかで会えるなら、その時は、優しい言葉だけを使って話し合えたらいいな、と創は思っていた」創ちゃんの底抜けの優しさというか、辛すぎてどこか麻痺してる感覚に泣けてくる。そんな奴に創ちゃんの特別な優しさなんてかけてやる必要ないと私は切り捨ててしまうけど、創ちゃんはそんな人をまでも包み込んで愛そうとしてくれるんだ。愛の人だ、創ちゃんは😭
「この映像を初めて見たとき、高野のことを思い浮かべながら見ていたことを思い出す。この人がこういうことをするときは、一体どんな顔をするのだろうと考えていた。今は、その答えを知っている。そのことが、とても嬉しかった」創ちゃんは、強い。儚いのに、強い。辛い過去をちゃんと受け止めながらも、それを消化してる。創ちゃんの若竹のようなしなやかな強さを感じるたびに、私は泣けてきて仕方ない。創ちゃんに辛い思いをさせたくなかった、あの時もしもああだったら、こうだったらと後悔ばかりしてしまう。でも、創ちゃんは違うんだよね。そんな過去も全部大事に包んで未来の幸せな糧にしてる。すごいよ、創ちゃんは、すごい😭かっこいいよ😭大好きだ😭
12.夏の日
<あらすじ>
勤務する病院の近くで、夏祭りが行われていた。創のためにお土産を買って帰る高野だったが…。
創ちゃんはくまが好き!!私も好き!!と共通点を見つけて嬉しくなった🧸💕
「幸せ」と「口に入れるなりすぐに溶ける」「惜しむように少しずつ少しずつ」という言葉が呼応しているように感じる。幸せの儚さを噛み締めているような。いい…。
13.やまい
<あらすじ>
創は体調を崩してしまい、瀬越に看病されることに。高野と瀬越が軽快に言い合う姿を見ながら、創は…。
熊はトシヤ君っていうのか。あっ、瀬越としや君…!!なんて背徳的な(?)ネーミングなんだ…🧸💋
気を遣って病気のふりをしたつもりが、まさかの現実になってしまうという…。うう、創ちゃんかわいそうだ。家事しちゃだめだよ!!😡💦
「今のところ創ちゃんに看病してもらったことがあるのは俺だけなんだよ。それは嬉しいんだ、とでも言いたげな口調だった。それでいいんだ、と言い聞かせているようにも聞こえた。創にも、瀬越自身にも」瀬越先生の葛藤。なんだかいつまでも瀬越先生だけが看病されたものであってほしいような気持ちになってしまう。(瀬越先生ファンゆえ…)
高野先生と瀬越先生、二人に囲まれた空間こそ創ちゃんにとっての最上の幸せなのかも。胸が苦しい…😢
14.1122
<あらすじ>
離婚した父と彼の新しい妻と子と会った創。心が弱りきった創は、高野にあることを願う。
高野先生の作るあったかいうどんこそが一番弱った創ちゃんを元気にするんだ。泣ける。高野先生、うどんいっぱい作ってあげてください。
「俺が死んでも、人類がみんな滅亡しても、先生はずっと長生きして…」創ちゃんのそばに高野先生はずっといるよ。大丈夫だよ。いなくなったりしないよ😭😭😭
「まだ弱い火を腕いっぱいに抱いて守るような思いで、彼の寝息が聞こえるようになるまで、ずっとその髪を混ぜていた。長生き、長生き、と、約束するような思いで、ずっと」創ちゃんを弱い火と表現するのが……本当に素敵。高野先生の腕の中で安心して眠ってね😭🔥
高野先生に長生きして欲しくて減塩醤油を買う創ちゃんのいじらしさに泣いてしまった。幸せなワンシーンのはずなのに。絶対創ちゃんより長生きしたい。創ちゃんのかわいさを死ぬまで目に焼き付けておきたい。
喧嘩ばかりのひどいお母さんだしひどいお父さんだった、けど、どんな顔で弟と会ったらいいか分からなかったよね…。創ちゃん頑張った。頑張りすぎなくらいだよ😢💪✨
15.かすがい
<あらすじ>
「子はかすがい。おかげで夫婦円満」という謳い文句を聞いて、凍りつく創。高野が傷ついていないかと不安がるが…。
「子はかすがい」なんてそんなの嘘だよ!!!!!!
「傷なんてもうどこにもないです。先生が、一緒にいてくれるから」創ちゃんのその言葉に救われるような、苦しいような。高野先生こそが創ちゃんにとっての、かすがい。
16.星のかけら
<あらすじ>
高野が創に指輪をくれた。そっけない銀の指輪を見ながら、創が思うのは…。
夜空の星が指輪を飾る宝石みたいに見える描写、素敵だ。胸がぎゅっとしめつけられる💫✨
「この指輪が羅針盤になる。揃いのもう一つの存在と、そこに飾るいくつもの星灯が創を正しく導いてくれる」タイトル「星灯」を代表するような作品。指輪の光が羅針盤って、素敵すぎて泣いた🧭✨
17.こころは夢のすぐそばに
<あらすじ>
高野は夢を見た。離婚した頃の空っぽの自分をはっきりと思い出す。そして今、高野は…。
「考えることと思い出すことしか、もうできなかった」鬱だった時の自分を思い出す。それしかできない苦しみが蘇る。
「代わりのきかない唯一無二。もしかして高野は自分がとてつもなく大事なものを失った気でいたのかもしれない。それは紙切れ一枚だけを残して消えた結婚相手ではなく、「自分は誰かの唯一無二である」という世界における土台だ」自分は唯一無二であるという世界における土台…それがなくなった時、高野先生は生きる意味が分からなくなったんじゃなかろうか。高野先生も、よくぞ生きてくれた…。
「どんなに痛む傷跡だとしても、自分を作るものの一つだから、と大事に抱えていこうとする。そんな魂の持ち主だから」本当にそう…。だから創ちゃんが壊れないか不安になるけど、私たちが思うより創ちゃんはずっと強いんだよね。守られるばかりの雛鳥じゃない。小さい羽でも力強く大空に飛び立っていく若鳥だ。頑張れ、創ちゃん🕊️✨
18.クリスマス
<あらすじ>
「クリスマスに欲しかったけどもらえなかったものは何ですか?」と、創に尋ねられた高野は悩んだ。一体何だったろう。
「何が欲しいか聞いてくれたらそうお願いするのにって、考えてた気がする」聞いてもらえなかった創ちゃんの幼少期を思って、胸が苦しい😢
「彼のことが、本当に可愛いと思う。どれだけ一緒に夜を過ごしても、何年たっても、変わらずにずっと」高野先生の創ちゃんへの愛の深さ、強さをしみじみと感じて嬉しい…😭🙏💕
19.夏への小鍋
<あらすじ>
高野が大事に選んだ鍋を焦がしてしまった創は、瀬越とともに新しい鍋を買いに行く。焦がした鍋をどうにか活用できまいかと悩む創だが…。
焦げた鍋を(高野先生が大事に選んだものだからというのもあるけと)大事にする創ちゃん、めっちゃ想像できるし、大事にし方がかわいい☺️🫕💕
「部屋の中はあたたかいし、それ以上に高野の大きな手から伝わってくる熱に何より安心する。そう感じる時、創はいつでも同じ言葉を口にしてしまう。「…先生、大好き」」胸をいっぱいにして創ちゃんがこう言ってるのが伝わってくるから、「大好き」が本当に愛おしく感じる。尊い…😭🙏✨
20.お年玉
<あらすじ>
命を削るようにして貯めた貯金を、創は「引っ越しなどの資金に」と高野に渡す。高野は絶対に使えないと思いながら受け取るのだが…。
「一緒に生活するようになってしばらく経ったけれど、高野の些細な言葉をひとつひとつを手のひらで大切に受け止めるような反応は変わらない」創ちゃんらしい。手のひらで大切に受け止めるようなという表現が好き🤲💕
21.野の花(2日目)
<あらすじ>
高野の実家に行った際、創は高野から美しい白い石を貰う。それはどうやらとても大切なもののようで…?
「胸がしんと明るくなる」静かに明るくなる様子が目に見えるよう🥹✨
ペンギンに石を集める習性が!たがいを一生大事にしあう二人が目に見えるよう🐧🪨
22.新しい場所で
<あらすじ>
高野と創は引っ越しをすることになった。創にも自分だけの部屋があった方がいいと言う高野に、創は…。
できるだけ高いところに住みたい理由が「空に近いから(空に近いと星にも近い気がするから)」なのが、創ちゃんらしい。寝袋に住んでいた頃の創ちゃんを思って泣きそうになる😢
23.きょうはいい日だ
<あらすじ>
創の誕生日、二人は近所の公園のボートに乗った。のどかな光の中、高野は考える。
「ほんとうにいい日だ。彼がまたひとつ、大人になる」この余韻よ。春の木漏れ日の中で、創ちゃんが若木のようにすくすくと伸びていく、成長していくさまを見ているよう。ああ、いいなあ。創ちゃん、お誕生日おめでとう🎉🎈🎂✨🎁
まとめ
「感動の涙で溺れる」「いつ書籍化されるの?」と伝説的人気を博したWeb発BL小説「沈まぬ夜の小舟」シリーズから、同人誌が発売されましたー!!やったー!!🥳🎊🎉
高野先生と創ちゃんの何気ない日常の中に潜む、しんしんと降り積もるような寂しさや切なさ、温かな嬉しさや愛おしさを23編も丁寧に描いてくださっています。
また、瀬越先生好きにも朗報✨ 瀬越先生もたくさん活躍していますよー!!瀬越先生が、本編+after storyを経て、創ちゃんを今どんなふうに愛しているのかも描かれています。
常人では耐えられぬほどの絶望と飢餓に必死で抗い、やっとの思いでささやかな幸福を得た創ちゃん。
その慎ましく清らかで可愛らしい姿を、一人でも多くの方にぜひ見ていただきたいです😭💕💕💕
追記:本編「沈まぬ夜の小舟」上・下巻+After story「金平糖の海」のネタバレ感想の記事も書いています。気になった方は、ぜひ読んでいってください!絶対後悔させません!