「アマプラ同時上映会」第228弾!
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無垢ゆえに無知な2人が、交わす言葉もうまく見つからないまま惹かれあい、大人たちの平穏と不穏、そして地方都市の静寂と喧騒の先に見つめる、儚い希望と切ない恋の物語。「イノセント15」。
全編のネタバレ・あらすじ一覧・本作をより楽しむための小ネタなどを掲載しています。
早速見てみましょう!
登場人物とあらすじ
引用:Amazon.co.jp: イノセント15 [Blu-ray]
父にゲイだとカミングアウトされた中学3年生と、母に売春させられそうな同級生女子 のお話。
<あらすじ>
15歳の少年、銀は父親がゲイであることを知り、自分もそうかもしれないと思い始める。
15歳の少女、成美は母親から売春を勧められ、母親の恋人に性を売られようとしていた。
東京に暮らす父親の家に行くことを決めた成美に、「俺も行く」と言い出す銀。
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予告編・予告動画
こんな人におすすめ
- 15歳のみずみずしい恋愛を体感したい🌱
- 家族の性事情に悩まされた経験がある🔞
- 萩原利久さん(15歳)の主演作を観たい🎞️
本作をもっとよく知るための小ネタ
①ぴあフィルムフェスティバルをはじめ、さまざまなインディペンデント映画祭で数多くの賞を受賞した甲斐博和の初長編監督作品。
②主人公の銀役には、『帝一の國』『あゝ荒野』等、映画で頭角を現しつつある若手俳優・萩原利久(撮影時15歳)。
ヒロイン成美役には、LOFT 広告モデル・SHISHAMOショートムービー出演等で女優として活躍しながらも、2年連続でゆうばり国際ファンタスティック映画祭に監督作が招待されるなど、監督としても注目を浴びている女優・小川紗良(撮影時18歳)。
銀の父親役には山下敦弘監督の作品に欠かせない怪優・山本剛史。
成美の母親役にはNHK連続テレビ小説「まんてん」のヒロイン役で人気を博した宮地真緒など実力派俳優が脇を固める。
③1週間の限定上映が発端となり、水道橋博士や西川美和、川上未映子など著名人も巻き込みながらその評判が瞬く間に広がった。
引用:FEATURES:15歳で人を愛すること、悲しみに向き合うこと『イノセント15』 – UPLINK Cloud
ネタバレ感想
後ろを気にしながら走っていた岩崎銀は、高架下のトンネルで、仲間のミンとユウキとおちあいます。彼らと雨上がりの道を歩いていると、派手なシニアカーに乗った老婆が彼らの前を旋回して通り越していきます。老婆の奇妙な動きに苦笑する一同。
佐田成美から「私、銀くんのことが好き」と告白されますが、岩崎銀はすぐさま「ごめん」と断ります。「高校入ったら野球部のマネージャーになる。バレエは辞めたの、お金かかるし。私、銀くんと同じ高校受けるの。受かったらまた告白しようかな」と言うと、一度だけ銀のバットを持って素振りをします。銀の仲間が来たので成美は帰っていきます。「お前、松島先輩も振っただろ。俺も推薦で高校行きてえな」とぼやくミンとユウキ。
帰宅した成美は母の律子から「成美、ご飯作って」と催促されますが、ノイズキャンセリングイヤホンをつけたまま勉強に没頭します。すると律子は呆れたように、「高校なんて行ったって意味ないよ。風俗行きなよ。15歳とやりたい男なんていっぱいいるんだからさあ」とぼやきます。「バカじゃないの」と吐き捨てた成美に激怒した律子は、成美から教科書を取り上げるとトイレに流し、「誰のおかげで学校通えてると思ってんだよ」と吐き捨てます。
車内でタバコを吸う菊池雅弘。彼は車から出ると、銀を送り出した銀の父・大道に話しかけます。「菊池、久しぶり。通夜は明日じゃなかったっけ」と喪服姿の彼を不思議そうに見つめる大道。菊池は大道につられるように彼の旅館に入っていきます。「お客さん?」と問う銀に、「うん、二泊だ」と答える大道。「明日だっけ、熊川さんのお葬式。お客さんの夕飯どうするの」と銀が問うと、「あいつも葬式に行くんだよ。高校の同級生だから」と大道はなんでもないように答えます。
バレエ教室に来た成美は、バレエの衣装を抱きしめながらこっそりと音楽をかけて足を動かします。そこに「久しぶりだね。髪が短いのも似合うよ」と話しかける先生。成美は緊張した面持ちで彼女を見つめ返します。
一緒に夕食を食べる菊池と大道。「飯食ったらカラオケやるか?」と問う菊池に、「カラオケ壊れたんだ。宴会もずっと入ってない。向こうにバイパスができたからみんな向こうを通るんだよ。便利になるって言われて金を集められたけど、みんなバイパスから隣街に行ったり東京に行ったりして人がいなくなった。昔はお前と街の灯りを数えたけど、半分もなくなったよ」とぼやく大道。「屋上行こう。寒い方がきれいだろ?」と大道を誘う菊池。
翌朝、銀に「覚えてない?一番最初にキャッチボールしたのは俺なんだよ」と話しかける菊池。大道は「お前、懐いてたんだよ。こいつ甲子園行ったんだ」と菊池を自慢します。戸惑った様子の銀。
帰宅中の成美に「俺達は成美ちゃんの味方だから」と話しかける銀の仲間たち。成美は無言で頷いて去っていきます。「何、あの子」と仲間の女友達は苦笑します。
喪服姿を鏡の前でチェックする大道と菊池。銀は父の旅館の古い風呂に入っています。
夜中に帰ってきた菊池は「銀くん、お土産あるぞ」と暗闇に向かって叫びます。大道も菊池も酔っています。銀は起きてきて、「お父さん?」と暗闇に呼びかけます。
「母さんのことは今でも大切だ。母さんがいなくなって一人でお前を育てる俺を支えてくれたのが菊池さんだ。ずっと菊池さんが好きだった。これが父さんの本当の気持ちなんだ。それだけは分かってほしい」と言う大道に、銀は「分かんないよ」と言って席を立ちます。「悪かった。帰るよ」と席を立つ菊池を引き止める大道。
「ゲイ 画像」と検索する銀の表情は険しいままです。
夜中に一人で素振りをする銀。菊池は「野球、楽しいか」と銀に話しかけ、足元にあったボールを投げます。「ゲイって遺伝すんの?」と問う銀に、菊池は「君のお母さんの葬式で、君のお父さんは涙を一滴も流さなかった。でも帰りに俺の車の中で生まれたばかりの小さな銀くんを抱いたまま、馬鹿みたいに泣いてた。それ見てたら俺も泣けてきてさ。車を停めて俺も一緒に泣いた。あの時から俺は銀くんのお父さんを愛してる。好きになった人が男だった。それだけだよ」と言います。銀の握っていたバットに触れようとした菊池を、思い切りそれで殴る銀。
こっそりとキッチンでバレエの足さばきを練習する成美。携帯が鳴った瞬間に、律子は飛びつきます。
成美が夜中に家を出ていくと、律子の友人である神林あっくんから「成美ちゃん」と声をかけられます。「私、好きな人いるんです」と言って去っていく成美。「あれ?成美は?」と律子が男に話しかけると、男は「話違えじゃねえかよ。殺すぞ」と吐き捨て、バイクで去っていきます。律子は男の後ろ姿を睨みつけます。
自転車を転がしながら「何やってるの」と銀に話しかける成美。「乗せてって」と言う銀。成美の腰に手を回し、銀は二人で自転車に乗ります。「くすぐったいよ」と嬉しそうな成美。成美は銀を家まで送ってやります。「飯作ってない」と銀に言う大道は「しばらく休業します」という張り紙を旅館に出しているところでした。
頭を怪我して包帯で巻かれた菊池は「銀くんは?ちゃんと家族になってくれ。帰ってくれ。もう会わないから」と大道に言います。黙り込む大道。
キスしようとする銀に「全然嫌とかじゃなくて、怖くて」と抵抗する成美。そこにあっくんが現れ、「成美ちゃん、何してんの」と彼女を連れ戻そうとします。銀が成美の前に立ちはだかると、あっくんは銀の携帯を取り上げます。そこには男性器の写真が映し出されており、「おい、お前ホモかよ」とあっくんは爆笑。そこに大道が現れ、「何やってんだ」と声を荒げます。
「うわ、リアル。中学生でホモって。あっくんさあ、あんたの処女に十万出すって。若いっていいな〜」と布団で簀巻きにされた成美を足蹴にする律子。「顔やめろよ。学校とかうぜえから。俺も萎えるし。成美ちゃん、明日デートしような?」と言うと、あっくんは律子を連れて外出します。
銀の部屋のドアをノックする大道。「何か言うことがあるんじゃないのか」と声を荒げますが、銀は黙ったままです。
成美は財布にありったけの金を詰め込み、こっそりと家を抜け出して銀に会いに行きます。「大丈夫だった?ほんとごめんね。これ結構よく聞く痛み止め。湿布とか栄養ドリンクとか…」と袋に詰めた薬を差し出す成美。銀は黙ったままで、「嫌われちゃったよね。私が悪いもんね」と成美はうつむきます。セーラー服を脱ぎだし、「お父さんが東京に住んでるの。だからあっちに住もうと思って。銀くん今日誕生日だよね?15歳、おめでとう。大好きだったよ。じゃあ行くね」と言う成美。「俺も行く」と言う銀。
「学校は?野球は?ミンくんたちは?住むところは?」と問う成美に、「もういい。しばらく満喫とか泊まって仕事探すよ。俺お金あるし」と言う銀。「じゃあお弁当作って持っていこうか」と成美ははにかみます。
二人は電車に乗り、東京へ向かいます。うたた寝する銀の寝顔を盗み見て微笑む成美。
原宿に着くと、変装のためにとサングラスを買ってつける二人。クレープを食べ歩きし、デートを楽しみます。成美の父の住むマンションに着くと、銀は成美を見送ります。
成美が父・佐田大吾を訪ねると、佐田は「でかくなったな」と困惑しているようです。「もう15だよ」と答える成美。佐田は部屋に招き入れてくれ、ベランダから外を見ていた成美に「ご飯できたぞ」と声をかけてくれます。
銀は成美の父のマンションの一階でうたた寝しており、成美は彼を呼びに行きます。
佐田は韓国人のようで、同郷の友人に韓国語で電話をしながら、銀のことを相談しているようです。顔を見合わせる銀と成美。
「ここはそういうホテルじゃないぞ」と言う佐田に、「何もしてないよ」と言う成美。「そういうことじゃない。母さんに連絡した。帰りなさい」と諭され、二人は佐田の家を出ます。
ラブホテル街を歩く二人。「お金持ってないから漫画喫茶にしようよ」と言う成美。
ある結婚式場の前で立ち止まった成美は、不法侵入します。地下は披露宴ができる広々とした空間になっており、整えられたテーブルと椅子が並んでいます。「きれい」と興奮する成美は「他の階にも行こう」と銀を急き立てます。
「お誕生日おめでとう」とろうそくを立てたホールケーキを銀に差し出す成美。銀は無言でろうそくを吹き消します。
教会の長椅子に座る二人。銀は成美に近づくと、彼女にキスしてすぐに離れます。「銀くん、私のことどう思ってる?私、銀くんのこと好きだよ」と問う成美に、銀は「ただの…」と口ごもります。成美は「なんで一緒に来たの?私で実験したかった?帰るね」と言い、銀は慌てて彼女を引き止めます。その拍子に服が引っ張られ、成美の肩にあるひどい打撲痕があらわになります。「何それ」と問う銀に、「痛そうでしょ。でも全然痛くないの。今までどんなひどいことされても、何されても心は全然平気だった。銀くんまでいなくなったら痛いな。銀くんにはわかんないよね」と言う成美。「どこ行くんだよ」と声を荒げる銀に、「来ないで」と涙する成美。「分かんねえよ、成美…」と涙声のまま立ち尽くす銀。
深夜の街を歩き続ける成美に、荷物を片手についていく銀。成美は朝になるまで歩き続け、ようやく線路沿いで足を止めました。電車を待つ成美にマフラーを巻く銀。
家に帰る成美。銀は外から家の中の様子を見つめます。正門前で成美を待つ銀。成美は片目に眼帯をして登校し、銀を無視します。
夜中に素振りにでかけていた銀に車で近づく大道。大道は失踪していた銀に何も言わず、頬を撫でるだけです。
「銀くんとお前と三人で野球する夢を見たよ」と笑う菊池。黙って頭を下げる銀。「どこ行くんだよ」と問う大道に、「分かんない。でも行かなきゃ」と言って、銀は病室を去ります。大道は
成美はあっくんのバイクに乗り、どこかへ向かいます。それを見つめる銀。
成美を探す銀に、ミンとユウキは銀を見つけて声をかけます。
野球の防具をつけて成美の家に来た銀に、成美は「何それ、野球するの?帰って。今からセックスするの」と冷たく言い放ちます。あっくんに足蹴にされ、バットで脅され、あっけなく退散する銀。ミンとユウキも参戦してくれますが、成美は逃げません。ただじっと銀たちを見つめています。
銀のバイクに乗せられる成美。顔には殴られた痕があり、ぼんやりとした表情です。銀はどこかへ向かって疾走しています。カーブを曲がった先で、老婆の乗るシニアカーと衝突しそうになり、二人は高架下のトンネルの中で激しく転倒します。頭から血を流す銀を心配そうに見つめる成美。「俺、自分のこと好きじゃないけどさ…お前のこと、好きになりたい」と涙をこらえながら言う銀に、成美は「もう駄目だよ」と泣きじゃくりながら起き上がります。おぼつかない足取りで、銀から離れていく成美。
横転したバイクをどうにか立てた銀はエンジンが入るか何度も試しますが、なかなかかかりません。成美は銀の後ろの席に再度またがると、彼の腰にそっと両腕を回します。エンジンを再度回してみろと、今度はつきました。
まとめ

「片親に育てられ、親の性事情に振り回される子ども」という立ち位置では、銀と成美は同じだと言えます。ただ、大道は自分の性的指向をカミングアウトしただけでしたが、律子は「娘に殴る蹴るの暴行を加えてストレスのはけ口にしている」「娘の処女を十万円で売る」というDV及び売春斡旋もしており、その深刻度は全く異なるものになっています。
周りに助けを求められる友人も信頼できる大人もいない…成美の無力感、諦念を、銀は嗅ぎ取ったからこそ「彼女に好意を寄せられているし、自分だけが彼女の事情を知っている。だから自分がなんとかしてやらねば」という義務感に駆られたのだと思いますが…結局は15歳という未成年の二人は、警察に駆け込んだり公的機関に相談していない以上、家に帰るしか選択肢はないわけで…その視野の狭さもまた15歳ならではという感じで、胸が苦しくなります。

大道のゲイ設定はただの飾りでしたね…別にゲイを登場させることに意味なんてなくていいじゃないかとも思うものの、成美の親子関係のとの対比として描くのなら別の設定の方が良かったのではという思いが強いです。クィアな視点を求めて観ただけに、がっかり感が強かったな。
あえて言うなら、あれだけ命がけで成美を救い出してもなお彼女に「好き」と言えない銀は、大道が亡き妻を忘れてあっさりと同性の親友・菊池を好きになったことが理解できない…という意味で、愛のいろんな形が描かれていたとも言えますね。

甲斐監督は、シーンごとの空気感や「間」を大事にされているなと伝わってきました。ただ、それゆえにセリフが少なく、逆に説明的になってしまっているところもあって、それはもったいない気持ちになりましたね。成美役の小川さんは監督業もされているそうで、才能豊かな方だなあと驚きました。荻原さんは「美しい彼」シリーズで今や押しも押されぬ大人気俳優。まるですくすくと育ち盛りの若木のような彼からは、まさに15歳ならではの瑞々しい感性が感じられて、良いキャスティングだなと感じさせられました。
今回3人が見た「イノセント15」は、Amazonプライムビデオ、Huluで無料視聴できます。
ぜひチェックしてみてくださいね〜☺️✨