映画「Aichaku」(2025)のネタバレ感想・あらすじ・評価・動画配信|都会から離れた場所で交差する心の“愛着”を描く

映画

「アマプラ同時上映会」第230弾!

当サイトの運営者3人が、Amazonプライムビデオでアニメやドラマ・映画を同時視聴する企画です🎬✨

脚本家自身の実体験を脚本に織り交ぜた心揺さぶるゲイ・ロマンス、「Aichaku」

全編のネタバレ・あらすじ一覧・本作をより楽しむための小ネタなどを掲載しています。

早速見てみましょう!

登場人物とあらすじ

引用:Aichaku | Tokyo Cowboys

蒸発した母を探す寡黙な作業員×日本で英会話カフェを開く夢を持つアメリカ人講師 のお話。

<あらすじ>
日本の片田舎に住むアメリカ人のルーカス。
彼は経営難の小さな英会話学校で働きながら、少ない稼ぎの中でも心豊かに暮らしていた。
同じ町には、外国人の母親を持つミックスルーツの日本人、ケンが住んでいた。

 

\ 国内最安の動画見放題サービス /

 

予告編・予告動画

 

こんな人におすすめ

  • 日本ののどかな田舎の風景を楽しみたい⛰️
  • 日本で生きる外国人の閉塞感を感じたい😢
  • 国籍や言語を超えた愛を体感したい❤️

 

本作をもっとよく知るための小ネタ

本作の舞台は、都会ではなく田舎にすることで日本の美しさも伝えることにした。撮影は5月〜8月、主に千葉県と茨城県でロケが行われ、千葉県フィルムコミッションといばらきフィルムコミッションが協力している。この作品で使用されたロケ地の多くは、2022年に撮影されたアウトドアドキュメンタリー番組「ゲッティング・ダーティ・イン・ジャパン」で監督が茨城県を訪れた際に感銘を受けた場所でもある。

引用:Aichaku – Wikipedia

脚本を担当したクリス・マッコームスは15年間に渡る日本での生活で体験したことを物語に反映させた。

引用:Aichaku – Wikipedia

日本人監督の西坂來人とイギリス人監督のマイケル・ウィリアムズのダブル監督体制で行われた理由は、日本を舞台に外国人とミックスルーツの日本人とのラブロマンスが描かれる過程で、日本の描写や外国人の描写がよりリアルになるよう配慮がされたものだ。

引用:Aichaku – Wikipedia

 

ネタバレ感想

自転車を押して廃屋と化したカフェにやってきたルーカスは、外から中をしばらく見つめるとそのまま去っていきます。

木曜日、それぞれの家で目を覚ます二人。
朝から縄跳びをすルーカス、ボクシングをするケン。二人とも、運動を終えるとシャワーを浴び、身支度を整えて朝食を作ります。
「行ってくる。着いたら俺のところに来い」と言われ、叔父のノブに言われ、黙って頷くケン。冷蔵庫を見ると何も入っていないと困惑するルーカス。ルーカスに宅配便が届きますが、業者が男が日本語を話せないと思ったのかジェスチュアーで「あなたの荷物?」と問われます。

ルーカスが自転車にまたがると、「学校まで乗っていく?」と同じアパートに住むよしこが英語で話しかけてきます。娘のマリエは「放っておきなよ。あそこの前を通りたいんでしょ」とよしこを小突きます。「バッグも自転車もボロボロで…新しいのを買えばいいのに」とぼやくマリエ。

富永興行の前を自転車で通り過ぎるルーカスを見て、ケンの同僚・リョウスケはタバコを吸いながら「あいつ、知り合い?」とケンに尋ねます。「たまに駅前で英会話スクールのビラ配ってるのを見るよ」と答えるケンに、「狙われてんじゃねえの。あいつに襲われないように気をつけろよ」とバカにしたように笑います。

ルーカスはまた廃屋カフェに向かい、嬉しそうに中をじっと見回します。

今日は自己紹介をしましょう。まずは僕から。名前はルーカス、アメリカ出身で、年齢は35歳。お菓子作りが趣味です。良い自己紹介は、相手に自分との共通点を見つけてもらうこと。恥ずかしがらないのが一番重要なことです」と言うルーカスを冷めた目で見つめるマリエ。
5分間の練習中、ルーカスはスタッフのエリカから書類にサインするように頼まれます。「今年こそ1年以上のビザになればいいんだけど。新規の申し込みは足りてる?学校が終わったらチラシを配りに行かない?」と誘うルーカスに、「これから本社との会議があるの。あなたとの契約についてももう一度確認するわね。チラシ配りはコーヒーを奢ってもらいたいだけでしょ」と笑うエリカ。

上司であるノブに呼び出されたケン。「お前の父さんは一度も負けたことがないんだよ。兄貴は…この会社を立てる時、なけなしの財産を注ぎ込んだ。この会社はお前の父さんの夢でもあったんだ。お前、働き出したのは何歳だった?」と思い出話をします。「15」と答えるケンに、ノブは「お前も苦労したことは俺もよく知ってる。兄貴が亡くなってから俺はお前をよく面倒みてきたつもりだ。中村さんが引退したらポストが空くだろ?そこにお前を昇進させたい」と言います。黙っているケンに、「お前を汚れ仕事したくないってか?中卒のお前がやれる仕事なんてねえんだよ!やるか、辞めるか来週までに返事しろ。ついでに銀行に売上持ってけよ」と檄を飛ばすノブ。

ノブの部屋を出ると、リョウスケが「お前、まさか昇進するんじゃないだろうな?お前は大卒でもねえし管理職の経験もねえし、金にも困ってないだろ」と絡んできます。「親もいないし、未婚で子どももいないくせに金なんて必要ねえだろ。お前まさかクミにプロポーズすんのか?もう付き合って3年だもんな」と言うリョウスケに、「プロポーズはしない」と言って去っていくケン。

ビラを配っていると、「外人さんだよ。ハローって言ってみて」と母子に絡まれるルーカス。「ふれあい動物園みたいな扱いはもうたくさんだよ」とエリカに愚痴ると、「初めて見る外国人だから珍しがってるのよ」慰められます。加えて、「今日は給料日だからちゃんとチェックしてね」と言われます。

郵便局に給料を確認しに行くルーカスと、売上を持って行くケン。二人は偶然出会い、出口で先にどうぞと譲り合います。「さっきの話だけど今夜どう?」とクミに電話をかけるケン。
ルーカスが郵便局を出ると、よしこに夕食に誘われます。給料が厳しくてと断るルーカスに「マリエと英語で話してくれたらご飯をおごるから」と頼むよしこ。

レストランに行くと、ルーカスが日本語を話しているにも関わらず、店員はカタコトの英語で話しかけてきます。さらには「外人さん、箸が使えないから!フォーク!」とこれみよがしにフォークを渡され、ルーカスは苦笑します。
「マリエは英語が上手になったかしら?この子はあなたよりちょっと若いけど独身よ」とマリエを押し売りしてくるよしこに「10歳も年下ですよ。それに彼女は僕のことを好きじゃないと思うし」と困惑するルーカス。
そこによしこの旧友のしおりが現れ、よしこは「会うの久しぶりだね」と大騒ぎ。その隙に、ルーカスとマリエはハンバーグをナプキンでくるんでバッグに詰め込みます。その時、ルーカスの携帯が鳴り、出会い系アプリでマッチした男性から「こんにちは、元気?夕食食べに行かない?」と連絡が来たことを知らせます。
「食事はもう食べちゃいました。明日の準備もあるし、今日はありがとう」とよしこにお礼を言って帰るルーカス。

帰宅途中でカバンを落としてしまい、ハンバーグを道に落としてしまうルーカス。夕食がだめになったことにため息をつきます。出会い系でマッチした男性から「夕食はいつがいい?」と問われ、「今夜はどう?」と答えるルーカス。
いざ店に行くと、「あなたはフランス人じゃない?プロフィールにはフランス人と書いてあったはずだけど。フランス人っぽいね」とやけに男はフランス推しをしてきます。「いや、アメリカ人って登録してるよ。それに、僕はアイルランドとイタリア系なんだけど」と困惑するルーカス。
男は「どうしてもフランス語は話せない?フランス語の教科書を一緒に読もうと思ったのに」と言ってきて、ルーカスは「僕をフランス語の家庭教師にしようと思ってたの?」と呆れます。

ルーカスたちが食事をしている店にクミと来たケン。クミは「仕事忙しいの?リョウスケお兄ちゃんが、ケンは昇進するらしいって言ってたよ。管理職になったら家庭も持てるよね?」と言います。「特別な日は特別な場所で過ごさないとねなところで食事しないとね」と意味深なことを言うクミ。ともったいぶった言い方をするクミ。
「近くに有名な温泉があるんだ。。行ったらもっと親しくなれるかも」と言う男に、と誘ってくる男に「タトゥーがあるので入浴できません」を拒否するルーカス。男は「フランス人がタトゥーを好きなんて知りませんでした」と言い、ルーカスに「いい子で待っててね」とキスするとトイレに立ちます。鳥肌が立ったルーカスはと断るルーカス。男は「ちょっと待っててね、ハニー」とトイレに席を立つついでにルーカスの鼻先にキスします。鳥肌がたったタッパーを取り出すと急いで目の前の料理をその中にぶち込みます。
それを見ていたケンが「他の国に住むってどんな感じなんだろうな。知らないものに囲まれるわけだろ」と言うと「怖いんじゃないかな?それに寂しいと思う」とクミは言います。ケンが「ここを離れたいって思ったことあるか?」と問うと、クミは「今の生活に満足してるし」と言います。「お兄ちゃんが今夜プロポーズしてくれるんじゃないかなって言ってたの」と恥ずかしそうなクミは、ケンに「聞いていい?私は結婚したい。母親になりたい。でも全部ケンには興味ないんだよね?」と問います。ケンが「ない」と端的に答えると、クミは、「こんな関係続けてると私みたいな女がどうなるか分かる?ケンちゃんがある日いきなり大切なものに気づいて、私はひとりぼっちになるの。ひとりぼっちは嫌。私にはケンちゃんにも、幸せな人生を歩む権利がある。このままじゃだめ。自分がほんとにほしいものを考えてね」と言うと先に席を立ちます。
「家まで送るよ」と言う男に、「日本の電車が好きなんです」と断って先に帰るルーカス。帰り際、一人で席に座るケンをちらりと見ます。

帰宅すると母のキャシーからテレビ電話が鳴ります。荷物を送ってくれたようです。「アメリカの下着だ!日本のは前か後ろのどちらかがきついんだよね。でもこれブリーフじゃん!ボクサーパンツを送ってよ」と困惑顔のルーカス。今日はデートをしたと報告すると、「せっかくいるのにもっと外に出たら?もっとお金を貸せたらいいんだけど。退職金はもう送っちゃったしね」と申し訳無さそうに言うキャシー。「じゃあそっちは朝だからスコーンを焼く妄想をして、こっちは金欠の時間だから僕は食べる妄想をするのはどう?」とルーカスはふざけます。

帰宅したケンはノブが執務室で居眠りしているのを横目に、ベッド下に現金を貯金し、残高をノートに追記します。英会話の本を開くと、そこには金髪の女性とケンのツーショット写真が挟まれています。黙々と自己紹介の練習をするケン。「私の名前はケン、30歳になります。趣味はボクシングです」。

金曜日、ルーカスとケンはそれぞれいつも通りの朝の日課をこなします。ゴミ出しをするルーカスに「おはよう」と英語で声をかけるマリエ。よしこは「やればできるじゃない」と誇らしげで、マリエは複雑そうな表情です。
廃屋カフェの中を見つめて、「あともう少し」とつぶやくルーカス。しかし車がルーカスの自転車を轢いてしまい、自転車は真ん中から折れてしまいます。自転車を担いで職場に向かうと、教室には「至急!授業が終わり次第職員室へ」と教室に張り紙がしてあります。頭を抱えて職員室へ向かうルーカス。

配達のために荷物をバンに積み込みながら、イヤホンをして「あなたの夢はなんですか?」という英会話の練習を黙々と続けるケン。リョウスケは「クミの3年間を無駄にしやがって!」と胸ぐらを掴んできますが、ケンは無視して車を発進させます。

ルーカスがエリカに遅刻を謝ると、エリカは「来月学校が閉鎖されるわ。県内の5つの学校がすべて閉まるそうよ。維持できる資金がないんだって。黒字の学校に生徒を流すように言われたわ。あなたも他の学校に異動できるし、本社はあと2週間でビザが切れることも知ってるはず。明日返事が来るから、休みに悪いけど立ち寄ってくれる?」と申し訳無さそうに言います。

ルーカスが職場を出ていくのと同時に、ケンの車が英会話教室の前に着きます。「ここに入学するために金を貯めてたのに」と困惑するケンに、最寄りの他の教室を案内するエリカ。しかしそこまでは片道で2時間もかかります。「家庭教師を案内することもできますが」と言うエリカの言葉を遮り、ケンは不機嫌になって帰ってしまいます。

ルーカスが教室の前で自転車を直そうと泥だらけになりながら奮闘していると、ケンが「手伝おうか?」と英語で声をかけてきます。ルーカスが「車に轢かれて…」と日本語で返すと、ケンは工具箱を持ってきて修理しようとしてくれますが、ぐにゃりと曲がってしまった金属部分はどうしようもありません。「買い直した方が良いかも」と言われ、「よかったら家まで送ってくれない?歩くと1時間はかかるし、自転車も抱えていかなきゃいけないし…」と困り顔のルーカス。ケンは「叔父さんの車だから汚せないんだ。近くの銭湯できれいにして行こう」と誘います。「僕、タトゥーがあって入れないんだ」と左腕に掘られた「希望」というタトゥーを見せるルーカスですが、ケンは「大丈夫」と胸を張って彼を銭湯へ連れていきます。

銭湯に着くと、ケンはさっさと「本日休業」の札を出します。以前、ノブの見積もりが高すぎて、ケンが格安で案件を受け持ったことがあり、その御礼にと時々こうして貸し切りにさせてくれるのだそうです。銭湯に行ったことがないから入り方が分からないと戸惑うルーカスに、「入り方を教える」と言うケン。
先に体を洗って…と教えられた手順どおりにするルーカスに、「せっかくだから特別なお湯に入ろう」とケンは露天風呂を案内してくれます。

名前を尋ねられ、「アメリカではルークって呼ばれてたけど、日本の人はルーカスの方が呼びやすいみたい」と言うと、ケンは「じゃあ、ルークって呼ぶ」とはにかみます。ルーカスに名前を尋ねられたケンは、「俺は、ケネス・ジョンソン。お母さんはアメリカ人だけど、行方不明なんだ。お母さんを探してて、いろいろ質問したくて英語を数年前から勉強してる。俺は、自分が何者なのかとか分からないままでさ」と言います。

ケンはルーカスを食事に誘いますが、ルーカスはお金を貯めてて…と渋い顔。いつも見に来ている廃屋カフェにケンを連れていきます。「なんのためにお金を貯めてるの?」と問うケンに、「ここを買いたいんだ」と夢を語るルーカス。ケンはこっそり店の鍵を開けると、ルーカスに中に入るようにいざないます。「オーナーさんたちが亡くなる前と全く一緒だな。小さい頃に叔父さんと来たことがあるよ」と懐かしそうなケン。とはいえ、室内は木があちこち腐っていて、営業許可が降りるまでは随分時間がかかりそうです。
ルーカスは、ここで英会話のカフェをやりたいのだと言います。カフェの中ではすべてが簡単な英語でやり取りされ、お客さんはカフェに来るだけでアメリカの空気感を感じられる…そんな場所にしたいとルーカスは語ります。
「その場所が自分を待ってた、みたいな感じ…分かる?そして、あるはずがないのに、つながりを感じる。カフェを見たときにつながりを感じたんだ。目標資金にはあと80万円くらいかな。でも僕は外国人だから、保証人がいないと買えなくて」と落ち込んだ様子のルーカス。ケンは「夕食はおごるよ」とルーカスを誘います。

ルーカスは大家のよしこがいつもこのレストランにつれてきてくれることをケンに話します。しかし店員がいつも大きいフォークしかくれず食べにくいので、家に持って帰って食べているのだと打ち明けます。店員がいつものように「箸が使えないからフォークね!」と差し出してきますが、ケンは「箸が使えないことがそんなに面白いか?こいつは日本語もしゃべれるんだから、責任持って箸の使い方を教えろよ」と凄みます。店員は気圧されてルーカスに箸の使い方を教え、ルーカスは無事にハンバーグを箸で食べることができました。

レストランを出ると、リョウスケがまたケンに絡んできます。ルーカスが場を和ませようと英会話のビラを差し出して勧誘すると、リョウスケは面食らった様子。ケンが「ここに行くために貯金してたんだ」と言うと、「高校も出てないお前に英語なんか分かるわけないだろ」と馬鹿にするリョウスケ。ルーカスが「書類を書かないと」と適当にケンを先導すると、リョウスケは「こいつなんて言ったんだよ」と困惑。「高い金出して、大学に言ったんだから分かるだろ?」とケンは言い置いてルーカスとともに車に乗り込みます。

「考え事をしたい時とか、よく来るんだ。お母さんのこととかさ…」と星空の見える公園にルーカスを連れてきたケン。
「俺のお母さん、君の職場で働くために21歳でここに越してきたんだ。お父さんは無敗のボクサーで、母さんに一目惚れだった。二人は結婚して1年後に俺が生まれたんだけど、その1ヶ月後に母さんはいなくなっちゃった。探しても見つからなくて、父さんもいなくなっちゃって…」と語るケン。
その時、ルーカスの電話が鳴ります。キャシーから恒例のテレビ電話がかかってきたのです。ケンは緊張しながらもキャシーに英語で挨拶をします。「カフェの内装、すごくいいじゃない。それに、彼とはそういう意味で出かけてるの?」とルーカスに問うキャシー。ルーカスは「そうだといいね」と希望を語ります。
「ゲームはやる?」と問うルーカスに、「スーファミの格ゲーならこてんぱんにできるぜ」と不敵に笑うケン。「うちにあるよ!一緒に帰ろう」とルーカスは家に帰ります。

帰宅したルーカスはなぜか自宅の電気が点いていることに不安を覚えます。「大家さんの娘さんかも。宿題の相談かな?」と困惑するルーカスに、「今日は帰った方がいいかも。今日は楽しかったよ。また遊ぼうぜ」と帰ろうとするケン。
酒をラッパ飲みして泥酔しているマリエに、「ここで何してるの?」と詰問するルーカス。「ちょっと話したいことがあってね。あたしたちの間には特別な何かがあるって分かってるよね?」と流暢な英語で誘惑してくるマリエ。「え?英語話せるの?英語が話せなくて就職に失敗して帰国したんじゃないの?」と呆然とするルーカスに、「UCLAでビジネス専攻だったんだよ?当たり前じゃん。それにあたしレズビアンだから心配しないで。それにママが手術したあとに私が世話をするために嘘をついたの」とマリエは衝撃の告白をしてきます。「でもママが元気になって、私は海外に行くきっかけを失った。で、これが私達二人の解決策になるってわけ」と結婚指輪を見せてきます。
「私と結婚すれば、私は海外で女の子と遊べる。あなたは日本のビザをゲットして3年後には永住権を取得できる。一石二鳥!」と言うマリエに、「でも法律に違反してる」とルーカスは渋い顔。「配偶者ビザの書類を出すときに、二人の関係を証明するものが必要になる。幸い私達にはたくさんの写真があるわ。ママがたくさん撮ってたからね。まあちょっと考えておいてよ」とマリエは結婚指輪をルーカスに預けて部屋に帰っていきます。

一部始終を窓の外から聞いていたケンは呆然。ルーカスも指輪を弄びながら考え込みます。物音がしたのでルーカスが外に出ると、そこには思い詰めた様子のケンが。「どうしたの?」とルーカスが声を掛けると、ケンは突然ルーカスにキスします。「どうしたらいいのかわかんないんだ」と言うケンを、「見せてあげる」と導くルーカス。

土曜日、二人は同じベッドで絡み合って目を覚まします。ケンのためにパンケーキを作るルーカスは楽しげです。ケンは「甘い」と文句を言いながらまずそうな顔でパンケーキを頬張ります。「僕、何か間違えた?次はない?昨日、特別なことを感じたのは僕だけじゃないって言ってほしい」と不安げなルーカスを無視して、ケンは「そろそろ行かなきゃ」と出ていってしまいます。
ルーカスの部屋から出てくるなり、車のハンドルを殴るケンを見て驚くマリエ。
マリエは「自転車は?彼は?」とルーカスを質問責めにし、ルーカスは一言「学校まで送ってくれる?」と尋ねます。

職場に着いたケンは「昨日はどうしたんだ?好き勝手に抜けるな。これは仕事なんだぞ」とノブに叱責されます。ルーカスが会社の前を通らないかと気にするケン。

職場に着いたルーカスはエリカに呼び止められ、「本社から異動が拒否された。全校の1/4が閉鎖されるんだって。大規模な人員削減も決まった。あなたは解雇される」と言われます。「そんな…僕のビザはあと2週間で切れるんだよ?次の仕事を探す時間も荷物をまとめる暇もない…時間切れか…」と涙するルーカス。
エリカに「何でも手伝うよ」と言われ、「ピザが食べたい」と笑うルーカス。何か手があるはずだとエリカはルーカスを勇気づけます。

リョウスケにまた絡まれるケン。リョウスケは「あのオカマ外国人と叔父さんの車で一発ヤったのか?みんなしょうもないお前を憐れんでんだよ」と煽り、ケンは彼をタコ殴りにします。ノブは「やめろ」と仲裁に入り、「お前はここに来たい時にだけ来る。好き勝手やってるお前が先に昇進したら周りがどう思うか分からんのか?この恩知らずのクソ野郎が!兄貴が残してくれたものに対する恩はないのか!」と吐き捨てます。「俺は父さんじゃねえし!俺は俺だけの大切なもんがほしいんだよ!」と叫ぶケンを抱きしめ、ノブは「お前の父さんは惨めさから抜け出せなくなった。お前には幸せになってほしいんだ」と噛みしめるように言います。父の遺影を見つめるケン。「学校に行きたい。少し考えたいから」と言うケンの言葉に賛同するノブ。
ケンはルーカスが買いたいと言っていたカフェの取り壊し案に関する書類を見つけて驚愕します。今月末には取り壊しが決定すると聞き、ケンは職場を飛び出します。

「仕事がなかったら、ビザが切れたらどうしたらいい?」と絶望した表情のルーカスに、「月曜に入管に電話して状況を説明するわ。たぶん1ヶ月くらいなら延期してくれるから」とエリカは言います。「5年間積み重ねてきたことを強制的に切り捨てられる」とルーカスは吐き捨てます。
そこにケンが訪ねてきます。

「外国で生活するのがどれだけ大変かわかる?どんな簡単なことでも学ばなきゃいけないし、硬みの狭い思いをして惨めになる毎日だ。どれだけ周りに人がいても孤独を感じる。常に無力感を感じる毎日だ。だけどここにいるべきだってそう信じて続けてきたんだ。愛する者のために努力を続けていればたとえ惨めな思いをしてもいつか受け入れてもらえる日が来ると…なのになんで振り向いてくれないの?」と涙するルーカス。「カフェが取り壊される。事業計画書が事務所にあって…」と言うケン。ルーカスは「やっぱりね」と諦めたように言います。「俺には金がある。俺が手伝うよ。アメリカにも行きたい。母さんを探したいし」とケンは言い、ルーカスは彼と額を合わせると、一人で歩き出します。

道の真ん中で座り込んでしまうルーカス。テレビ電話をしてきたキャシーから「どうしたの?」と言われ、「学校が閉鎖される。契約も更新できず、カフェを買う時間もない。だからもしビザがあってもお金を用意する時間がない。どう考えても無理だ。数年前からこつこつ貯金してたのは無駄だったんだ。昨日は久しぶりに幸せだったのに、ケンは逃げた。でも手を貸しに来てくれた。彼に迷惑をかけたくないんだ」と不安をすべて吐露するルーカス。キャシーに「ビザの残り時間は?」と問われ、「2週間」とルーカスは答えます。「336時間もあるわね。まだ終わってないわよ。この状況も突破できるわ。自分を責めるのをやめて。5年間で気付いた仲間たちがいるでしょ?大丈夫じゃないって気づけただけでいいの。今は何をすればいいかそれだけ考えなさい」とキャシーに言われ、不安が晴れていくルーカス。

マリエの家に押しかけ、「結婚してください」と言うルーカス。マリエはよしこに見せつけるようにルーカスに再度プロポーズさせ、芝居がかった喜び方をします。するとよしこは「あんた、やっとアメリカに帰れるわね」とマリエを祝福。マリエとルーカスが「え?」と怪訝な顔をすると、「私が手術するからって英語が話せないなんて馬鹿な設定まで作って帰国して…」とよしえは言い出します。「僕がゲイだってことを知ってたの?」とルーカスが言い、「私がレズだってことも?」とマリエが言うと、「私だって馬鹿じゃないのよ。こんなこと言い出すってことは、もう時間がないんでしょ?どうするの?」とよしこはルーカスに尋ねます。「車を貸して」と頼むルーカス。

酒を飲むケン。ノブのコップにも酒を注いでやります。「やっちまってさ。悪いことしちゃった。そんなつもりじゃなかったんだけど、自分の気持ちをうまく伝えられなくて。でも彼に謝ろうとしたんだ」と管を巻くケンに、「そいつはお前にとって大事なやつなのか?外に白人が立ってたぞ」と言うノブ。
外に出てきたケンに「さっきは僕が悪かった。ずっとうまくいってなかったけど、ケンに出会ってからいろいろよくなった。だから、これからもケンと一緒によくしていきたいんだ。どう思う?」と尋ねるルーカス。ケンは家に引っ込んでしまい、ルーカスは帰ろうとします。ケンは再度出てくると、ルーカスを抱きしめてキスします。「一緒ならもっとよくなる」と言うケン。

1年後の日曜日、ルーカスの家のベッドで目を覚ます二人。眠そうなルーカスを姫抱っこで運ぶケン。畑で重量挙げをして遊ぶ二人は、いちゃつきながらシャワーを浴びます。
取り壊される予定だったカフェで「教材はできるだけ学校から持ってきたわ。新しい学校のチラシも貼ってある。これでうまくいくはず」と言うエリカに、「宿題はここでやってもらうんだよね?完璧だよ」と褒めそやすルーカス。
「お母さんが来たわよ」とルーカスを呼びに来たよしこ。「カリフォルニアに来てくれれば準備は揃ってるから」とマリエに言うキャシー。マリエは「何もかも手伝ってくれてありがとう」と感謝しきりです。
キャシーは「こんなこと信じられないわ。ケンはどこ?」と問い、「頼まれてたものよ」と封筒を渡します。
ルーカスは店の裏で一服しているケンに「母さんからのプレゼント。見つけたって、君のお母さんを。名前も住所も電話番号も分かったんだって」と言います。動揺するケンを慰めるルーカス。ケンはキャシーに挨拶し、その様子をノブは微笑ましげに見つめます。ケンはキャシーに「生きてるって分かっただけでも心が軽くなりました。お母さんと話すために英語を勉強しいえたけど、今はあなたとここで会えたからいいのかも」と彼女の手を握ります。「僕ともね」とケンに頬ずりするルーカス。

「早くあんたも彼女見つけなさいよ。結婚したら急に夜遊びする女になっちゃってね」とノブに愚痴を言うよしこ。よしこの点呼で、全員が集まって写真を撮ることに。「それじゃ、店をオープンします!」とエリカが店の看板を出します。店に来た客に「いらっしゃいませ」と微笑むルーカスとケン。

 

まとめ

たこわさ
たこわさ

ルーカス役のクリス・マッコームスさんは、なんと脚本兼プロデューサー。多才だなあ。実際に15年間日本で生活されていた経験を映画に反映させたとのことで、日本人の外国人に対する差別的言動は「あるある…」と思わされて、なんともしんどさがありました。
個人的に、マリエ役の藤原弥生さんの英語がとても聞き取りやすくて、ナイスキャスト!と嬉しくなりました。藤原さんはイギリスの芸術大学で総合舞台芸術を学ばれたとか。印象的な女優さんなので、他の作品でもぜひ活躍を見たいです。

小錦あや
小錦あや

最後によしこが「結婚してから…」と言っていたということは、ルーカスとマリエはよしこ公認の偽装結婚をしたということでしょうか?もしそうなら、ラストの仲睦まじいケンとルーカスの様子も手放しで喜べなくなるな…。
とはいえ、たった2週間でルーカスになんらかのビザを手配することは現実問題難しいわけで…。
ルーカスがケンとあれだけ公でいちゃついていたら、周囲の人にも関係はバレるでしょうし、強制退去とかになるんじゃないのかなあ…。モヤモヤするラストでした。

逆襲のゆりこ
逆襲のゆりこ

ケンが寡黙すぎて全く感情が読み取れず、ルーカスに惹かれた理由も、ルーカスの夢に出資しようとする理由も、いまいちピンときませんでした。一目惚れと言われればそうかもしれませんが…。
あと、リョウスケがただの悪役で終わってしまったのはもったいなかったように思います。2時間近く尺があるなら、クミも含めてもっと主人公カップルに深く絡ませてほしかったな。

今回3人が見た「Aichaku」は、Amazonプライムビデオで無料視聴できます。

ぜひチェックしてみてくださいね〜☺️✨

引用:Aichaku | Tokyo Cowboys

 

\ 学割あり!国内最安の見放題サービス /

注意事項:視聴可能タイトルは予告なく変更もしくは終了する場合があります。本サイトでは紹介している作品の内容についての責任は持てません。