「アマプラ同時上映会」第234弾!
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もし、男性用の人工子宮の技術が実用化されたら、この社会ではどんなトラブルが起こり、人々はどう対処するのか? そして、私たちはそれを受け入れることができるのか……。「少し未来のある部屋で」。
全編のネタバレ・あらすじ一覧・本作をより楽しむための小ネタなどを掲載しています。
早速見てみましょう!
登場人物とあらすじ
引用:Amazon.co.jp: 少し未来のある部屋でを観る | Prime Video
人工子宮で妊娠した代理出産する男性と、精子提供した男性 のお話。
<あらすじ>
舞台は近未来の日本ーー少子化対策の一環で、男性への人工子宮移植が実験的に始まっている。
そんな中、主人公・貴志は人工子宮の移植を受け、見ず知らずの夫婦の受精卵をお腹の中で育てている。
ある日、貴志のお腹の子の父親を名乗る男が、貴志の家へ来訪するが――。
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予告編・予告動画
こんな人におすすめ
- SF作品が好き🛸
- もし男性が妊娠できたらと想像したことがある💭
- 短編映画が好き🎥
ネタバレ感想
部屋を掃除する貴志のもとへ、友人の潤が「安産祈願」とお土産を持って訪ねてきます。「つわりはどう?」「だいぶ落ち着いたよ」と話す二人。今度個展をやるのだと言う潤をすごいと褒める貴志。
「ルーボのニュース知ってる?俺らの情報もやばいかも」と携帯を差し出す潤。「授業員の作業ミスにより顧客情報10件が流出した。ルーボ株式会社は少子化対策のため国により設立され、卵子・精子の凍結、人工子宮移植を主な業務としている」とニュースの文面を貴志が読み上げていると、不意に彼のお腹を子どもが蹴ります。「今蹴られた」と言う貴志に、「触っていい?…分かんないな」と苦笑する潤。
「だんだんこの子を引き取りたいって思えてこない?」と問う潤に、「代理出産で生まれた幼児の親権は依頼者に属するって規約に書いてあるし。当事者同士で相談して代理父が親権を得る場合もあるらしいけど、トラブルがない限り当事者同士が出会うことはないしね」とクールに言う貴志。
そこに、貴志のお腹の子の父親を名乗る男・笠井が突然訪ねてきます。「ルーボから漏れた情報にあなたの名前と住所があったんです」と言われ、怯えてドアを閉めようとする貴志。しかし、「僕の子どもの件で聞きたいことがありまして」と粘られ、とりあえず家の中に彼を通します。
潤を友人だと紹介する貴志。潤は席を外そうとしますが、外は寒いからと貴志が引き止めます。
笠井はルーボの利用者で、彼の妻は妊娠・出産ができない体だそう。笠井は卵子提供者は妻に近い外見の女性を選んだらしく、ルーボから流出した書類を見せます。依頼者と精子提供者は笠井、卵子提供者の欄を見て驚く貴志。「出産者のところにあなたの名前があって、これは一体どういうことなんだろうと…」と言う笠井に、「ごらんの通り、僕は男性で、妊娠しています」と膨らんだお腹を見せながら言う貴志。呆然とお腹を見つめる笠井。
「男性に人工子宮を移植する技術があるのはご存知ですよね?ヨーロッパで開発されて、去年から日本でも試験運用が始まっています。ルーボの規約には出産が男性の場合もあると書いてあったと思います。追加料金を払えば女性の母体での出産を選べたはずです。ルーボから説明があったと思いますが」と言う貴志に、「説明は受けたと思いますけど…」と頭を抱える笠井。「やっぱり男が生んだ子は嫌ですか?それとも安全性に不安がありますか?」と貴志が尋ねると、「妻もこうして子どもを作ることに葛藤があったんですが、今は代理母のお腹で僕らの子が大きくなるのを楽しみにイメージしてました。その技術は知ってましたけど…」と言い訳をする笠井。
「あなただけの子じゃないです!彼の子でもあるし、卵子提供者の子でもあります」と潤はつい口を挟んでしまいます。
「僕は妊娠を経験してみたくて。お金がほしかった気持ちもあります。人工子宮を促進するために国から結構な額が給付されるんです。でも今はこの子のために寝て食べて節制してます。最近お腹の中でこの子は動いてます。安心してください。生まれてくる時は今よりもっと元気なはずです」と言う貴志に、「ちょっと妻に電話を」と席を外す笠井。
「ごめん」と謝る潤に、「悪い人じゃないし、同じ立場なら俺も混乱するよ」と笑う貴志。「俺、卵巣摘出した時、結構辛かったよ。精巣だったらそんなに辛くなかったと思う。精子は毎日作られて外に出るけど、卵子は違う。ずっとこの体の中にあった。だから俺、子どもは誰よりお母さんのものだと思うんだよね。だから感情的になっちゃった」と言う潤。立ち上がった貴志は潤にお茶を出します。
「潤はこの子の親になりたくない?」と言う貴志に、「え?」と問い返す潤。「卵子提供者が改名前の潤ちゃんになってる。おそらく卵巣摘出前にルーボに寄付した卵子が今、俺のお腹の中にいる。まあどうするかは任せるよ」と、笠井が持ってきた書類を見せながら言う貴志。潤は書類を凝視します。
戻ってきた笠井にお茶を出す貴志。「僕達はやっぱり子どもがほしいです。引き続き生まれるまで子どもの面倒を見ていただけたらと思います」と言う笠井に、「分かりました」と言う貴志。笠井はルーボから流出した書類を持って帰ろうとします。
潤は立ち上がると、「さっきはきついこと言ってすみませんでした。お子さんは葛西さんと奥さんのものです」と言います。潤に頭を下げて、笠井は帰っていきます。
「引き止めるかと思った」と言う貴志に、「ルールだから」と返す潤。「でもやっぱ今回はルーボが悪いわ。こんなの漏れちゃいけないよな」と貴志が笑うと、潤は「貴志、ちょっと立って。お腹の写真撮るわ。いくよ」とカメラを取り出します。「え、いいじゃん。さすがだね」と潤の撮った写真を見て絶賛する貴志。
まとめ

もし人工子宮が移植できるようになったら、まっさきにすべての(健康な子宮を持っている女性以外の)女性にそれを移植すべきという声が上がるんだろうな…そして、女性は、産みたいかどうかの意思を無視され、「産む機械」としてますます消費されるんだ…と地獄絵図を想像してしまいました。しんどい。

潤が卵子提供者だったというのは意外な展開で面白かったですね。ただ、子宮摘出と精巣摘出を比較して「精巣の方が辛くないと思う」と言い切るのは、暴論では?と思ったり。だって、自分には子宮を摘出した経験しかないわけで、精巣を摘出しなければならなかった人の苦しみは想像することしかできないのに、何をもって、どっちの方がつらい・つらくないなどと断じられるのか、それは傲慢と偏見に満ちすぎているのではないかと思ってしまいました。

もし男性が妊娠できる世界になったとしたら、「男だから嫌」という人はたしかに出てきそうだなと思いました。2025年の今でさえ、日本では出産に関しては「自然分娩で産まないと母親の自覚が生まれない」「女の方が痛みに強いから分娩の痛みに耐えられる」「母乳で育てないと子どもとの絆が生まれない」などと謎の信仰が蔓延しているのですから、「男が生んだら云々」という意味のわからない言説が出てきそう。とはいえ、男性が出産できるようになれば、たぶん無痛分娩もつわりのための薬の研究開発も促進されるだろうし、ベビー用品購入のための補助金とかもバンバン出るようになると思うので、そうなったらいいのになとは思いました。
今回3人が見た「少し未来のある部屋で」は、Amazonプライムビデオで無料視聴できます。
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