過保護な用心棒と桜咲組の跡取り息子のヒューマンラブストーリー、仔縞楽々先生「ハレルヤベイビー」シリーズを読みました!
登場人物とあらすじ、どんな人にオススメなのかなど、ネタバレ感想とともにがっつりご紹介します!☺️✨
登場人物とあらすじ
桜咲組所属・冬夏の用心棒(高校1年生)×極道一家・桜咲組の1人息子(高校1年生) のお話。
<あらすじ>
極道一家の跡取り息子、用心棒に溺愛されておりまして。
荒っぽい一族の中で唯一暴力反対を掲げる桜咲組(おうさきぐみ)の跡取り息子・冬夏。
用心棒 兼 友人の都は冬夏を献身的に護衛するが、どうやら過保護が行き過ぎているようで…?
こんな人におすすめ
- 裏社会モノに惹かれる🔫
- 少女漫画のようにキラキラかわいいお話にときめきたい💕
- 「顔はかわいいのに腕っぷしは最強」という攻めのギャップにキュン💪
本作をもっとよく知るための小ネタ
①――主人公たちはどんな攻×受ですか?
呉都:攻め/最高にかわいい顔面を持つ。不安定で儚げでヘラりがちだけど愛にまっすぐで冬夏くんさえいればなにもいらない。
桜咲冬夏:受け/都のメンタルを全力で抱く無自覚スパダリ。都のことが大好きで大切に守りたいと思っている。暴力は苦手でヤクザとしては完全に不適合。
引用:仔縞楽々先生インタビュー 2022/01/23 作家インタビュー|BL情報サイト ちるちる
②――当て馬や重要な脇役は?
冬夏と都の周りの桜咲組の大人達です。
冬夏と父親、母親だったり、都の上司であり先輩の西川さんやタケさん、恋敵の重がいます。
まだ未熟で不安定な2人にとってなくてはならない「ガワ」の人たちです。
引用:仔縞楽々先生インタビュー 2022/01/23 作家インタビュー|BL情報サイト ちるちる
③――苦労した点、また楽しかった点など聞かせてください
つねにたのしい。
かわいくて不安定で包容力ギリギリなうえ、ヤクザな攻め(未成年)をこんなにのびのびかかせていただき感謝しかないです。
引用:仔縞楽々先生インタビュー 2022/01/23 作家インタビュー|BL情報サイト ちるちる
ネタバレ感想
ハレルヤベイビー
非暴力を愛する高校一年生の桜咲冬夏は、暴力団「桜咲組」組長の一人息子。彼のそばには、いつも義兄弟かつ冬夏専門SPの同級生・呉 郁がいます。一途な愛を向けてくる郁に、冬夏の気持ちは揺れて…。
郁が誰かに恋しているのでは?と勘繰った冬夏が、「あいつにとって俺より大切な存在とは?」「俺の知らないところで郁が恋をしていたのがつらい やるせない」と苦しむ様子はかわいそかわいかった…!
そこからの、「冬夏くんに好きな子ができるまででいいから俺にこの恋を追いかけさせて」「もう追いついてたらどうすんの?」の会話はあまりにも胸キュンすぎましたね。普段はさほど頼り甲斐がある雰囲気ではないのに、ここぞという時にとりわけカッコいい冬夏にときめきます。ずっしりとした言葉の重み、説得力の強さは、両親譲りなのかな。
桜咲組の腹心幹部の長男である六町 重から「昔から目的のためなら手段も選ばない 冬夏のためなら仲間だって平然と殺す狂人」と評されていたり、「冬夏くんをめちゃくちゃにして全部食べたいなあ」と本人を前にぼやいたり、「逃げられたら地獄の果てまで追いかける、冬夏くんは俺の全てなんだ」と重の婚約者のサラに語ったりと、普段はほわほわかわいい系の郁ですが、冬夏に関して飲みちょっとサイコパスみを感じますね。でもその執着の重さがたまらなくいい💕(重症)
あと、冬夏のお父さんが襲撃された後に「俺の帰る場所なんてはじめからあなた以外ないんだ」と俯きながら冬夏に語るのも良かった。普段は楽観的でおふざけモードなことが多い郁だけど、組の一大事にはここまで覚悟を決められるのだと、彼が抱いた「譲れないもの」への思いの強さを見せられた気がしました。
冬夏の父を襲撃した部下・厚木へしっかりお灸を据えられたご褒美に、二人は箱根旅行へ!次巻でいよいよベッドイン…か…!?
ハレルヤベイビー 2
晴れて恋人同士になった冬夏と都は、二人きりで箱根旅行に行くことに。キス以上H未満の関係を打破したい都は、旅行中、“好き”が抑えられずに冬夏を抱きつぶしそうになるのをこらえるのに必死で…!?
1巻まるまる箱根旅行回です。
途中で悪漢に襲われかけますが、冬夏の知らないうちに郁がサクッとお片付け。旅館では終始イチャイチャラブラブ…キス以上エッチ未満な二人がどぎまぎしながらその先に進もうと頑張る姿が甘酸っぱすぎて…!「両想いは高カロリー」に激しく同意すぎて赤ベコになりました。
初エッチへの気合が入りすぎて冬夏を前にすると正気を失ってしまう郁や、温泉での冬夏のフェラ、そしていざ本番での浴衣エッチ…郁を煽ってしまう冬夏のエロさも、冬夏の全部を自分で埋める郁のどでかい愛も、なにもかもが尊い…。9時間にも及ぶ初エッチ、お疲れ様でした!!
しかし、最後に郁が背中に背負った天竺牡丹の刺青の存在が明かされ、そもそもなぜ郁は桜咲家に来たのか?という謎がちらつかされます。郁はどうやら冬夏を愛してはいるけれど、「未来はいらない」(ずっと冬夏と一緒にはいられない)と覚悟を決めている様子。
郁と冬夏はそれぞれ白紙の進路希望調査票を出したものの、それぞれどんな未来を思い描いているのかが不安です。
ハレルヤベイビー 3
16歳の生誕の儀で晴れ姿を見せた冬夏。見惚れて顔を綻ばせる都が一転、護衛役としての顔つきに。寂しさを募らせる冬夏へ追い打ちをかけるように、重から都の秘密を聞いてしまった冬夏は…?
天竺牡丹が咲き乱れる中、盛大に行われた冬夏の16歳の生誕の儀。その裏で毎年暗躍している都。どうやら、桜咲家を狙っているように見せかけて郁が狙われている?様子。
都の幼少期の秘密が明らかに。幼少期の凄惨な記憶、今なお郁の命をおびやかす者の正体、そして、なぜ郁が桜咲家に引き取られたのか(冬夏と郁の母親同士が仲良しだったから?)の謎が解き明かされます。冬夏と幸せな時間を過ごしていても、ふと垣間見せる諦めに似た表情はこういうことだったか…と胸が苦しくなったり。
真相を知った冬夏の行動はまさにスパダリで、自己犠牲もいとわず、愛する都の全てを抱きしめて守り抜こうとする強さに感涙です。郁にとって、冬夏は心の安全地帯的な存在。冬夏が言葉に出して郁が大切だと言ってくれたので、不安定な郁の心が随分落ち着いたように見えます。おたがいにちゃんと「好きだ」とか「大切だ」としっかり伝えられる二人の勇気に震えます。
ハレルヤベイビー 4
進級して新たな学生生活を迎える冬夏と都。極道一家の特殊な立場ゆえ、縁遠かった同級生と同じ平穏な日常を噛みしめる毎日。初参加の体育祭に心躍らせる2人の前に新たな人物が…。
2年に進級した冬夏と郁。初詣のレンタル着物デートにはじまり、相思相愛のバカップルぶりを見せつけてくれます。
前巻が終始シリアスムードだったのに対して、本巻は普通の高校生活がメイン。大好きな冬夏の前ではバブになったりタコになったりと、黙っていればただのイケメン✨なはずの郁がザ・三枚目キャラになっているのが面白すぎます😂
交際も学生生活も順風満帆で、去年は出られなかった体育祭では同級生たちとも打ち解け、自分の出来ることを頑張る冬夏が健気で愛おしすぎます。応援にきた両親も微笑ましくてほっこり。
ただ、裏社会に関わる進展もあり。都と因縁のある新たな刺客が登場します。友達の菅谷もろとも標的になってしまった冬夏が大ピンチに。
ハレルヤベイビー 5
学校の更衣室で何者かに襲われた冬夏。クラスメイトの菅谷と怪しげな薬を打たれた冬夏は気を失い、どこかに連れ去られてしまいます。誘拐された冬夏のもとに向かう都ですが…。
前巻とは打って変わって、糖度ほぼゼロのシリアス巻です。
誘拐された冬夏を救出に駆けつけた郁。菅谷はボロボロながら無事だったので一安心。
奈倉の郁への執着はすさまじいですね…。冬夏が幼い頃から体に毒を入れて慣らしていたのには驚きましたが、生まれながらにして裏社会に君臨する定めゆえの業という感じがして切ないです。
冬夏と郁が離れ離れになる前の最後のデートでは、二人がいちゃいちゃするシーンは見られるものの…別れが分かっているからこそ辛くて、二人がただ寄り添っている姿を見るだけで、ただただ涙が溢れてしまいました。
郁が冬夏から離れる決断をしたのは、世界一愛する冬夏を守るため、お互いの未来のためだとは頭では分かっているんです。でも、心は全然ついてこない。冬夏と郁も同じ気持ちだったのかなと思います。早く二人に再会してほしい。完全無欠のいちゃいちゃが見たい。「約束されしハピエン」でも、つらい巻でした。
ハレルヤベイビー 6
護衛役であるはずの自分のせいで冬夏を危険な目に巻き込んでしまった都。冬夏を守るため、そして自分自身も知らない過去にけりをつけるために冬夏の前から離れることを決意して――。
ついに都が冬夏のもとを離れ、彼自身でさえ知らない過去に触れる任務へと旅立ちます。
都と離れたことでかつてないほどに憔悴してしまう冬夏。郁もまた、冬夏がいないことで心が闇に飲み込まれそうになります。それでも、冬夏は涙をこらえて郁を探そうと動きだします。けれど再会は叶わず。それでも、郁は冬夏の痕跡だけで浮上でき、二人がお互いの存在そのものにどれだけ救われているのかを思い知らされます。一度離れ離れになったことで、さらに二人の絆が強固になったように感じました。
そして、思いがけず冬夏と接触し、彼が都の大事な人だと認識した藍浮。藍浮がどう冬夏に近づくのか不安です。桜咲の家でも一体何が起こっているのか…次巻が待ち遠しいです。
ハレルヤベイビー 7
過去を清算するため華楼を拠点とする藍浮(ランフウ)のもとで起居する都。冬夏に危害が及ばぬよう桜咲組を離れたはずが、冬夏と藍浮の邂逅で廃人だった饕餮(とうてつ)に異変が…。一方、冬夏は都奪還のため覚悟を決めて…!?
引き続きシリアス巻ですが、今回は特に物語が大きく動きます。
とはいえ、メインは藍浮と主、饕餮です。藍浮の主に対する切ない思慕や都への嫉妬が明らかになり、ぐっとリアリティが増しました。正気に戻りつつある饕餮が何を語るのかも気になるところです。
離れ離れの間も、互いを想い合いながらそれぞれの場所で奮闘していた冬夏と郁。西川と重の力添えもあり、冬夏の努力でとうとう郁と再会が叶います。やっとだ…!!😭
二人がかわす言葉の一つ一つから、揺るぎない愛が伝わってきます。
非暴力を掲げて、時には「ケーキ屋を開きたい」とぼやいて現実逃避していた冬夏が、愛する郁を守るために裏社会で生きる自覚を持ち変わっていく姿に成長を感じます。過去の闇はたしかに不穏ではありますが、今の二人ならどんな試練も乗り越えられるはずだと信じさせてくれます。
まとめ
暴力団「桜咲組」の時期組長・桜咲冬夏は、義兄弟兼用心棒の同級生・呉 郁に過保護なほど溺愛されています。郁に守られる日々はうっとおしくも心地よいと感じていた冬夏ですが、郁に好きな人ができたらしいと聞いて動揺し…!?
高校一年生同士のピュアな恋を描くかたわら、片方は暴力団組長の一人息子、片方は組でも実力者の名高い鉄砲玉ゆえに裏社会でのごたごたに巻き込まれる展開もあり、一筋縄ではいかない恋物語になっています。
顔はかわいいけれど腕っぷしは最強の部下・郁、非暴力を信念としながらも肝っ玉の座った次期組長・冬夏。どちらもが魅力に溢れています。彼らを取り巻く大人たちも個性豊かで、二人の恋のよい助っ人になってくれます。
繊細でやわらかな線で描かれる二人の日々は、まるで少女漫画の世界のようにやわらかできらめいています。二人のセリフもキュンとときめかされるものが多く、爽やかな恋のまたたきをあちらこちらで感じさせられます。
しかし、そんなときめきに溢れた輝く日々の一方で、裏社会での血なまぐさい日常にもしっかり触れられます。お互いの出自や過去のしがらみが原因で抗争に巻き込まれたり、拉致されたり、離れ離れになったり。
ただ、好きな人とそばにいたいだけなのに、それが一番むずかしい…。そんな苦しみに苛まれながらも、二人は懸命に互いを求めてもがきます。
高校生二人の、かわいくもハードボイルドな純愛ラブストーリー。ぜひあなたも、青い二人が少しずつ本気の愛を学んでいく姿を見つめてみませんか?