野白ぐり「雷々来世」のあらすじ・感想・レビュー・試し読み|王子だけを見つめる一途な護衛騎士×孤独な王子の、時を超える純愛。もしも生まれ変わってまたあなたに会えたら…。

コミック

野白ぐり先生「雷々来世」を読みました!

登場人物とあらすじ、どんな人にオススメなのかなど、ネタバレ感想とともにがっつりご紹介します!☺️✨

登場人物とあらすじ


高校2年生、前世は受けに仕える護衛騎士×転校生、前世は王族 のお話。

<あらすじ>
高校生の七星にはずっと見つづけている夢がある。
それは前世の記憶で、そこで七星は何よりも大切な主人に仕える騎士だった。
記憶が本物か疑っていた七星だが、ある日、主人であったレオが転校生の雷央として目の前に現れる。

 

こんな人におすすめ

  • 部下×上司、平民×貴族など、身分違いの恋に惹かれる🥹🩷
  • 転生もの、生まれ変わりものって運命的で好き♻️
  • 繊細な絵柄のBL漫画が読みたい📚✨

 

本作をもっとよく知るための小ネタ

執筆のきっかけは、プロットを作り始めた頃のブームが主従で、特に「でっかい男が自分より小さくて弱い存在にメロメロのよわよわ状態で跪いてる姿が見たい」、という気持ちがあったから。そこに、誰しもが一度は考える「生まれ変わって好きな人と同じクラスになれたらどうする!?」というあるある妄想をそのまま追加した。
同じ人をずっと好きでいる時の執着心と、それに対する罪悪感も最近のテーマ。

レオは桃とバラ、七星はバニラの香りだったらいいなと思いながら書いていた。

作者のお気に入りは、前世で王様になったレオが七星を突き放すシーン。ここのレオの心情は複雑で、だからこそそういった表情を頑張って書くのは楽しい。

引用:『雷々来世』発売記念! 野白ぐり先生独占インタビュー – ebjニュース&トピックス

 

ネタバレ感想

①切なすぎる、護衛騎士→王子への片想いに号泣😭

レオポルト王子を幼少期から護衛していたヨハネス。レオポルトはどれだけ努力しても他人に疎まれたり、陰口を叩かれても、隠れて涙しては、苦しみを決して見せまいとする人でした。

ヨハネスの腕の中でだけは素直に泣くレオポルトを見つめながら、ヨハネスの彼への親愛の情はどんどんと膨らんでいきます。

作中では

困難な道を行く立派な人 生まれついての責任を全うしようとしている 孤独も疑いも その小さな体に押し込めて

小さな肩 本当は温めてあげたい だれか温めるべきだろう 許されるならこの手ですっかり覆ってしまうのに

この人がこの先何一つ苦しい思いをしませんようにと そうして俺は いつしかあの人を世界の全てにしてしまった

こんな愛情 まるで呪いだ

と表現されていました。

ヨハネスは護衛騎士として、ただ真っ直ぐにレオポルトだけを見つめ続けます。
まるで呪いのような、と本人も評するほどの重すぎる愛。

レオポルトが成長していく間に、同じようにいつしかそれほどまでに育ってしまった恋心に切なくなります😢🩷

 

②互いを思いやり、愛するが故のすれ違いに懊悩…😭

ヨハネスのこめかみには、傷がありました。それはレオポルトが幼い頃に巣から落ちた小鳥を元に戻してやろうとした時に、彼を担いでいたヨハネスに親鳥が攻撃した時についたものです。その傷を、二人だけの秘密だとヨハネスはずっと大事に感じ続けていました。

しかし、レオポルトが隣国に婿入りさせられたことで、ヨハネスの恋は一生叶わないものとなりました。自分についてきたせいで不幸になっているのではとレオポルトに心配をかけまいと毎晩女を漁り、酒を煽るヨハネス。その噂は、レオポルトの耳にも入っていました。

そんなある日、レオポルトを悪漢が襲撃します。女の元にいたヨハネスは慌てて駆けつけますが、後の祭り。レオポルトは無事でしたが、冷たい目を向けられてしまいます。

お前には罰を与えようか 持ち場の警護をおろそかにした罰

そういえばあの傷はもう消えたのか

あの傷は俺のせい あなたのせい 二人だけの宝物 消えないように何度もなぞった なのに今では跡形もない

もう一度つけてやろうか?私がお前に一生消えない傷を

ええ どうかこの身にもう一度あなたがつけた傷を 一生どころじゃ足りない 次とその次まで残る傷を

許すから出ていけ もう二度と私の前に現れるな

その記憶を持っていたからこそ、ヨハネス(現世では七星)は、生まれ変わっても決してレオポルトだけには会うまいと思っていました。愛する彼の命令に従いたかったのです。

優しいあの人は俺を見たらきっと気に病むから 忘れてほしいどうかそのまま ふさわしい場所にいて そこは光に満ちた場所 俺のこの醜い執着に気づかないで きっと俺はここをいつまでも離れない それどころかあの約束を一人持ち続けるだろう だからどうかあの人が現れませんように もし生まれ変わってもどうか 俺と会わずにいられますように

こんな浅ましい姿を見られたくはなかったのに

しかし、レオポルトの思惑はヨハネスとは真逆でした。ヨハネスを突き放したのは、ヨハネスのためだったのです。
婿入りしてもなおヨハネスを手放せない自分に嫌気がさし、ヨハネスを手放してやるきっかけをずっと窺っていました。それが、襲撃事件だったのです。

今度こそちゃんと手を離すから だからそれ以上苦しまないで 今度こそお前を自由にする

レオポルト(現世では雷央)はずっと七星を探しながらも、心のどこかでは彼を手放せない自分を恥じていたのです。

二人とも互いを強く求めながらも、だからこそ縛りつけてはいけないと手を離そうとする…このすれ違い…!!!😭😭😭
切なすぎて涙が止まりません😭😭😭

 

③圧倒的ハピエンにまた号泣。こんな運命の恋、何万回だって読ませてほしい!

前世で一度は突き放しながらも、なぜ雷央が現世で七星と会いたがっていたのか。それは前世に理由がありました。

一人で孤独を抱え込んで涙するレオポルトを、ヨハネスだけが支えてくれました。何も言わずに、ただそばにいて、レオポルトを守って愛してくれました。
だから、レオポルトは言ったのです。

この先俺がもういいって言ったとしても、そんなの嘘。だからずっとそばにいて

ねえ、また迎えに来てくれる?俺がお前に背を向けても、たとえ笑っていたとしても嘘だって気づいてくれる?

ええ、必ず。何があっても迎えにいく。約束します。その時はこうしてかついであなたをさらって一緒に逃げます

雷央はその約束を覚えていました。何度生まれ変わっても、ずっと。そして、七星に言ったのです。

やっぱり忘れてたでしょ。俺はその約束だけ覚えてた…

号泣です。もう、滝の涙です😭😭😭

七星はレオポルトが「二度と私の前に現れるな」と言ったことだけを強く覚えていたのに対して、雷央はヨハネスが「何があっても一緒にいます。あなたを攫って一緒に逃げます」と約束してくれたことだけを強く覚えていたんですね…。
それを聞いて思わず雷央を抱きしめる七星。このシーンを読むたび、次から次へと涙が溢れてきます。レオポルトとヨハネスが無事に出会えてよかった、想いを通い合わせられてよかった…と😭✨

 

まとめ

前世は護衛騎士だった七星は、自分の通う高校に現れた転校生・雷央を見て驚天します。なんと彼は七星が前世で仕えた王子様・レオポルトだったから!

前世でできなかったことを一緒にしたいと言う雷央に言われるがまま、帰り道に寄り道したり、授業をさぼったりしているうちに、互いが忘れていた前世の記憶が思い出されて…!?

ザ・王道設定・展開ながら、その期待を遥かに超えるロマンチックさとえっちさにドキドキが止まらない一作です。

野白先生ファンはもちろん、転生もの好き、攻めと受けの体格差(攻め>受け)好き、護衛騎士×王子様という下剋上ラブ好き、寡黙攻め好き、溺愛執着攻め好き…とあらゆる方におすすめしたいです!!

ちなみに、After Storyでは、現世で雷央とえっちしてる時に七星の記憶が混濁してしまい、雷央を「殿下」って呼んでしまうんですが、よりそれでえっちが盛り上がってしまい…🩷というのが描かれていて、えっちすぎて鼻血が噴き出しそうでした🥹🩷背徳的で最高です🩷本編後の二人もお見逃しなく☺️🩷

雷々来世
作者:野白ぐり
高校生の七星にはずっと見つづけている夢がある。それは前世の記憶で、そこで七星は何よりも大切な主人に仕える騎士だった。記憶が本物か疑っていた七星だが、ある日、主人であったレオが転校生の雷央として目の前に現れる。

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