Guilt | Pleasure「In These Words」シリーズを読みました!
登場人物とあらすじ、どんな人におすすめなのかなど、ネタバレ感想とともにご紹介します☺️✨
登場人物とあらすじ
<あらすじ>
精神分析医の浅野克哉は、悪夢に悩まされていた―それは顔の見えない男に監禁され、犯され、「愛している」と囁かれつづける夢。
夢に現れる男の言動とそっくりな連続殺人犯が浅野の仕事相手として現れたとき、その夢は現実との境を越える―。
連続殺人犯と浅野の関係は?浅野の悪夢の理由は?
「In These Words」シリーズは、日本で最も有名なM/Mロマンスコミックと言っても過言ではないでしょう。
最終巻である4巻の発売時にはGuilt | Pleasure作品特集が各大型書店で組まれ、スピンオフの小説は日本語翻訳版がすでに3冊も発売されています。
シリアルキラーに頭脳戦を挑み続ける精神科医 浅野の地獄のような日々を描いた作品です。
生きることと死ぬことは紙一重なのだとゾッとさせられたい、愛の尊さを噛みしめたい方にぜひ読んでほしい!!
こんな人におすすめ
- シリアルキラーが登場するサスペンスが好き🗡
- 犯罪心理分析に興味がある🤔
- 骨太なストーリーのボーイズラブコミックが読みたい❤️
ネタバレ感想
1巻
浅野が精神分析を依頼されたのは、ある古びた洋館に収容されている連続殺人犯。犯人は、平凡な弱者をいたぶることを愛するサイコパスだと聞かされます。
顔の見えない男に何度も切りつけられながら犯される浅野の描写に、吐き気がする。侵されるっていうのは全然快感とか全くなく、暴力としての「犯す」です。なので、見てる方も相当しんどい。
読み進めるほど恐怖が増すのに、読み終えると結末を知りたくてたまらない。グロテスクさと肉体美が複雑に絡み合う、恐ろしい吸引力の物語です。
…と、こんな感じで本編はかなりシリアスなんですが、電子書籍限定収録のおまけ漫画「がんばれ柴田君!」はすごくコミカルで、いい息抜き?になりましたw
柴田君の浅野先生に対するピュアでほのかな恋心がかわいくて仕方ないです☺️
柴田君、名前からして柴犬っぽい忠犬みがあって好きだ〜〜🐾
とはいえ、柴田君の時々見られる挙動不審さに違和感が残ります。もしや犯人に買収されてるのでは?洋館からの脱出を共謀するのでは?と予想しています。どうなるのだろう。
そしてこれは4巻まで読んで気づいたんですが、表紙の、骸骨にキスする浅野の絵。
ドクロは見た目からしておどろおどろしいイメージしかなかったけれど、実は「再生と豊穣」「障害からの克服」「新しい未来」など、ポジティブな意味が多いようです。
それを踏まえると、実は1巻で既にこの物語のハッピーエンドは暗示されていた…のかも?🤔💭
2巻
犯人だと浅野が思っていた男 篠原の正体は刑事で、浅野の恋人…!?
浅野が何をどこまで仕組んでいたのか、なぜ記憶が曖昧なのか?3巻で明らかになるのか?次々と疑問が溢れ出てきます。
そして、おまけで描かれていた7年前の浅野の物語、デービット刑事と浅野の関係も気になりすぎます!
艶っぽい浅野がオンパレードのえっちな巻でした😚❤️
2巻でも表紙絵の意味を考えてみました。篠原が持つペストマスクについて、かなり異様な見た目ですが、17世紀の詩の中では、彼らは善意の力を持つ者とみなされていたそう。
「篠原は真犯人ではない、善意の力を持つ存在だ」という暗示なのかな?
3巻
本物のシリアルキラーに死ぬ寸前まで追い詰められながらも、徹底して己の尊厳を守り抜く浅野の強さに心震えます。浅野もある意味狂人ですね…。
本当はすみずみまで語りたいんですが、ネタバレ感想と言いつつもなるべくネタバレしたくない!!
なぜなら、まっさらな状態で読んだ時の衝撃がハンパないからです。ぜひ脳を直接揺さぶられるような衝撃の展開に魅了されてほしい…!
瀕死の浅野を前に、浅野を守れなかったと絶望する篠原に涙が…🤦♀️
篠原との恋人らしいやり取りで、赤面する浅野を見られる貴重な巻でした❤️
そして3巻の表紙絵について。表紙の犯人が手に持っているのは、タロットの「塔」。
キーワードは崩壊・衝撃・緊迫。正位置の意味は「これまで維持してきた関係が崩れ去る、致命的な失敗や衝撃が生じた。警戒する必要がある。」だそうです。
まさに浅野の登場は犯人にとって致命的な衝撃。犯人が捕まるのも時間の問題かもしれませんね…。
4巻
篠原の記憶が消えてしまうことに泣き、「約束を忘れないでください、私を待っていてくださると」と願う浅野に号泣しました…🤦♀️
浅野は他人の愛など必要としないタイプかと思っていましたが、想像以上に篠原のことを想っていたんですね。
「命をかけて先生を愛するから」という篠原の言葉に再度号泣😭
そして、篠原は言葉どおりその約束を守り抜きましたね…。2年間かけてよくぞ犯人解明に辿り着いた…素晴らしい作品でした。
この作品が人気である理由が分かりました。間違いなく傑作です✨🏆✨
4巻まで読んだあと、改めて殺人犯が浅野を嬲った3巻を読み返して、「いよいよあのシリアルキラーを捕まえられるのか」と感慨深さをかみしめました。
浅野をここまで追い詰めた犯人は、どうやって捕まるのでしょうか。犯人の最後が気になります。
そして、4巻の表紙絵について。浅野が篠原の生首を捧げ持っていますが、タトゥーだと生首には「自分の運命を誇りを持って受け入れる」「輪廻転生の様な、めぐる人生」という意味があるそうです。
さらに、生首に群がる蝶は色や柄からして「オオカバマダラ」っぽいです。これは「5000キロにもおよぶ壮大な旅をする唯一のチョウ」。
シリアルキラーに殺されかけながらも生還し、もう一度死の危機に瀕する(しかも自分の提案で!)という人生の選択は、確かに壮大な旅だ…としみじみ感じました。
まとめ
In These Wordsシリーズ、私は初めて試し読みしたとき、底知れない仄暗さに恐怖を感じて読むのを断念しました。
今回ふと思い立って読んでみたわけですが、実際読んでみた感想としては…一番おぞましいと感じたのは1巻でした。
3巻が一番グロテスクですが、1巻を乗り越えられたら意外とスムーズに読めます。むしろのめり込んじゃう。
2・4巻は1・3巻の答えあわせという感じなので、全く怖くないです。
しっっっかし、読後の余韻がすさまじい作品でした。
母親への憎しみが殺人に繋がったシリアルキラーの思考、鋼のような浅野の自尊心、浅野を全身全霊で愛する篠原の献身愛…どれもが心に深く突き刺さって抜けません。
間違いなく、BL漫画のサスペンス×恋愛部門最高峰作品です!!✨🏆✨
BL好きに限らず、サスペンスやミステリー好きなど多くの方に読んでいただきたい名作でした。