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本屋大賞2020受賞作家・凪良ゆうの大ヒット作を萩原利久・八木勇征(FANTASTICS from EXILE TRIBE)ダブル主演で実写ドラマ化!「美しい彼」。
全話のネタバレ・あらすじ一覧・本作をより楽しむための小ネタなどを掲載しています。
早速見てみましょう!
登場人物とあらすじ
吃音症に悩む内気な高三×クラスの「キング」 である美しい同級生 のお話。
<あらすじ>
言いたい言葉がはっきり伝えられない「吃音症」に悩んでいた、高校3年の平良一成は、幼い頃から周囲に馴染めず、友達がいない。
趣味に、と両親が買ってくれたカメラで、何気ない日常を写しては、自分の人生に半ば諦めを感じていた。
そして迎えた、高校最後の新学期のクラス替えで、平良はいつも以上に緊張し、自己紹介で「吃音」が出てしまい、自分の名前が言えなくなってしまう…。
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予告編・予告動画
こんな人におすすめ
- 作家・凪良ゆうが好き📚✨
- 美しく気高い女王様受けにキュン👑💕
- 忠犬攻めがかわいくてたまらない🐶🐾
本作をもっとよく知るための小ネタ
①「美しい彼」は、本屋大賞2020受賞作家・凪良ゆうのBL代表作で、累計55万部を突破した大人気シリーズ。「BLアワード2015」小説部門で第1位を獲得。 またシリーズ2作目『憎らしい彼』は「BLアワード2017」小説部門で第2位 、3作目『悩ましい彼』は「BLアワード2020」小説部門、番外編集『interlude』は「BLアワード2022」小説部門でそれぞれ1位を獲得している。
引用:ドラマ特区「美しい彼」
②「カラメル」(シーズン1)、「Bitter」(シーズン2)は、平良一成の目線で書き下ろされた楽曲、「Follow」(シーズン1)、「キンモクセイ」(シーズン2、映画)は、清居奏の目線で書き下ろされた楽曲である。
引用:ドラマ特区「美しい彼」
③本作は第59回ギャラクシー賞『第16回マイベストTV賞』グランプリ、および、八木勇征が「ソウルドラマアワード2022」アジアスター賞を受賞した。
引用:ドラマ特区「美しい彼」
ネタバレ感想
第1話
<あらすじ>
うまく言葉が伝えられない「吃音症」に悩んでいた、高校3年の平良一成は、幼い頃から周囲に馴染めず友達がいない。
両親が買ってくれたカメラで、何気ない日常を写しては、自分の人生に半ば諦めを感じていた。
そして迎えた、高校最後のクラス替え。
ーー地球は丸いと言われるけど三角形のピラミッドだ。一番最下層にいる「俺」、平良一成は透明人間だ。幼い頃から吃音症でうまく人と話せず、両親はいろんな病院に連れて行ってくれたけれど治らず。せめて趣味を見つけたらとカメラを買ってくれたけれど、何を見てもきれいだとは思えなかった。
高校3年生17歳、高校生活も残り1年になって両親の転勤が突然決まり、一人で祖父の家に残ることになりました。新学期のクラス替えと自己紹介が行われる、この時期が一番憂鬱です。通学路にある用水路で流れるアヒル隊長を写真に撮ります。
ーーアヒル隊長も好きで泥水の中を流れているわけじゃないように、俺も好きで言葉を詰まらせているわけじゃない。この一年どうか平穏に過ごせますように。
自己紹介で吃音を起こしてクラス中から笑われていた時、清居奏が入ってきます。
ーー美しい彼からは引力めいたものを彼から感じた。
自己紹介から一ヶ月、クラスの最下層で透明人間として空気扱いを受ける平良。でもそれでいいのです。一方で、清居が放つ言葉には誰も逆らいません。
ーー彼とクラスメイトの時間は一ミリも交差していないみたいだった。その様子は生まれついてのキングみたいだ。
クラスで眠る清居の寝顔に惹きつけられる平良。「自己紹介の時に、遅れてきてくれたおかげで、今静かに過ごせてるから、ありがとう」とたどたどしく言う平良に、「意味わかんない、お前キモい」と言い放つ清居。
化学室の掃除が分担され、自分と清居になってしまいます。掃除をさぼって同級生たちと話す清居は「お前、ファミレスに並んどいて。席空いたら連絡してこいよ」と平良の手のひらに自分の電話番号を書いて走らせます。清居のためならば、ただのパシリでもいいと思ってしまう平良。平良を体の良いパシリ扱いする清居の金魚の糞たちを見て、「馬鹿野郎、お前らのために席とっといたんじゃねえよ」と心の中で毒づく平良。
清居の取り巻きたちは、清居がいとこからコンテストに勝手に出されたことを離しており、平良は「清居は特別な存在なんだ」と改めて感じます。
清居はいつものように平良に飲み物を買ってくるように指示します。同時にクラスメートの吉田がバケツの水をひっくり返し、「ひーくん(自己紹介のときに平良が「ひ、ひ…」と繰り返していたため)、拭いといて!」と雑巾を押し付けます。それを見た平良は吉田を恫喝。自分で拭けと言い、平良に飲み物を買ってこいと再度命令し、余った金でアイスでも買ってくればと言います。
ーー自分が早く飲み物が飲みたいからと吉田を潰した。そんな自分勝手で自由な人間を始めて見た。
春の嵐のような力強い清居に惹かれる平良。清居から手のひらに書かれた電話番号は、もう消えてしまいそうです。清居から飲み物のパシリ代としてもらった金を、家にあったビーカーに貯めていく平良。
ーー見えていた世界が変わっていくのが分かる。
カメラを持って公園で写真を撮り続ける平良。その時、偶然にも清居を見つけます。気持ち悪いことをしているとは分かっても気になってしまい、つい清居を追いかける平良。平良はビルの中にあるダンス教室に入っていきます。
ヒップホップとジャズダンスを主にレッスンしているというダンススタジオで一心不乱に踊る清居。「学校にいる清居と全く違う」と平良は感動します。しかしそれが清居に見つかり、「お前なんであそこにいたんだよ」と詰問されてしまいます。
言葉に詰まる平良に「ゆっくり話せよ、適当に待ってるし」とふてくされたように言う清居。清居が「お前と話してたらイライラする」と言うので、「俺も」と言う平良。
「他のやつにダンス通ってること言うなよ」と口止めしてくる清居に、「コンテストに出されたのは仕方なくって感じだったけれど、清居はちゃんと努力している。でもその努力する姿を見せたくないんだ」と理解する平良。
「家でも学校でもひとりだし、口が避けても言わない」と約束すると、「言わないと殺すって言われたら?」と凄んでくる清居。「殺されるよ」と返すと、「キモい」と言われます。
思わず清居の横顔を撮ってしまう平良ですが、「二度と撮るなよ、お前うざい」と言って清居は去ってしまいます。
平良は、誰かをこんなに見つめたのは初めてでした。胸を焼かれるような気持ちの正体がずっとわかりませんでしたが、清居が好きなのだとやっと気づく平良。この気持ちを打ち明ける日など、きっと来ないのでしょう。
第2話
<あらすじ>
清居への気持ちが「恋」だと気づいた平良。
もうすぐ夏休みとなり、会えなくなってしまう…そんな寂しさを感じていた矢先、清居と城田や三木らが平良の家に来ることに。
そして「2人だけの秘密」を守っているか清居に問われた平良は、部屋で2人きりという状況に、ドキドキが止まらない。
もうすぐ夏休みがやってくるので、清居にしばらく会えないと思うと平良は苦しくなります。
相変わらず、清居のパシリとしての日常は続いています。進路志望は何を書いたかと話題になり、「清居は芸能人だろ」と騒ぐ取り巻きたち。芸能人になりたくて努力していることは自分と清居だけの秘密なのだと改めて嬉しくなる平良。
海に行きたいと騒ぐ清居の取り巻きたちに、清居は「こいつの家、一人暮らし」と突然言い放ちます。平良の家に集まる清居と取り巻きたち。
平良が課題を全部終わらせたと言うと、取り巻きたちは「写させて」と群がってきます。平良が自分の部屋に課題を取りに行くと、なぜか清居もついてきて「お前言ってないんだ?ダンスのこと。なんで?」と詰問してきます。
清居と二人だけの秘密が嬉しかったからとは言えず口ごもると、部屋に貼ってあったアヒル隊長の写真を見て「お前、写真が好きなのか」と問いかけてきます。「好きじゃない。写真、興味あるの」と平良が問うと、「コンテストにまた写真が必要って言われて」と清居が言うので、自分が撮ろうかと言いかけます。しかし以前「二度と撮るな」と言われたのを思い出し、言えない言葉ばかり胸に溜まっていく平良。
清居の取り巻きの筆頭である城田は、狙っていた女子が清居のべったりなので不服そうです。女子がアイスを食べたいと言い始めたので、くじで買いに行く人を決めることに。清居が当たったものの、女子が「清居くんと話したい」と言い始め、平良と女子グループの中で最下層らしい村田と二人で行かされそうになります。平良は「女子は浴衣だし、浴衣で歩くのは大変だから」と一人で外に出ていきます。
どんなにかわいい女子がいても、清居以外にこんな気持ちにならない、と平良が噛み締めていると、突然清居が後ろから自転車で追ってきます。
なぜアイスを買いに出たのかと清居に問われ、「清居が居心地悪そうだったから」と答える平良。
「歩いて帰るのもだるいし、漕げ」と自転車を渡してくる清居。夢なんじゃないだろうかと思いながら、清居を背に平良は自転車を漕ぎます。
「お前さ、写真好きじゃないって言ったけど、なんで写真撮ってるんだよ」と清居に問われ、「俺は透明人間になりたいから。ファインダーを覗くと世界から自分が切り離されたみたいに感じる。誰にも干渉されない、一人でいてもいい世界」と答える平良。「お前、ぼっちにしてくれてありがとうって言ったり、透明人間になりたいって言ったり、変な奴だな」と清居は笑います。
自転車の二人乗りで補導される清居と平良。キングにこれ以上罰を与えてはいけないと、課されたバスケットボール磨きを自分一人でやろうとする平良。清居はおもむろにホースを掴むと、水を出して「暑い」と言いながら自分にぶっかけます。そのあまりに美しい姿に言葉を失う平良。
「お前いつも俺のことばっか見てるよな」と言う清居に、「清居くんがきれいだから」と返す平良。「清居くんって呼ぶのやめろ、清居でいい」と言われるも、すぐには変えられない平良。
びしょ濡れの二人は平良の家に戻り、清居は平良の服を借ります。「ジンジャエール切らしてて」と麦茶を差し出した平良に、「今度買っとけよ」と言う清居。平良は身の程知らずな期待と憂鬱に襟首を掴まれてしまいます。
残っていた花火を見つけ出すと、一人で楽しみ始める清居。きれいだなんて、そんな簡単な言葉で清居への気持ちは表現できません。言葉を費やしても伝えられる気がしません。平良は、ただ、見つめることしかできないのです。
「お前、花火嫌いなの?」と言う清居に、「花火より好きなものがあるから」と答える平良。
清居にカメラのレンズを向けると、「清居」と呼びかける平良。清居は「呼べたじゃん」とレンズに向かってにやりと笑います。その笑みに見惚れる平良。
第3話
<あらすじ>
夏休みが終わり、清居のコンテスト当日を迎えた。
平良はクラスメイトたちと応援に行った帰りに、いつものファミレスで打ち上げを行うことに。
しかし、コンテストの結果を受けて、学校ではある変化が起こっていた。
コンテストに参加する清居を応援うちわまで作って応援しようと意気込む取り巻きたち。村田が平良に話しかけるのを見た城田は「村田ってひーくんみたいな奴、好きでしょ!告っちゃえよ」とおちょくりますが、清居は「どうでもいい。そんな話して面白い?」と一刀両断。清居を見つめる村田の視線の熱さに、平良は彼女の恋心を感じます。
コンテストの結果、清居は優勝を逃してしまいます。思わず追いかける平良。本気で落ち込んでいる清居を初めて見て、平良は言葉をなくします。
ファミレスで取り巻きたちが開催した気まずげな打ち上げで、平良は「出過ぎた杭は打たれるけど清居をそんな低レベルな争いに巻き込むな!」とマシンガンをぶちかましたくなりますが、ぐっとこらえます。
清居がふらりと店を出ていき、追いかける平良。「声はかけない、自分みたいな奴が話しかけても意味がない」と自分に言い聞かせても、足が清居に向かってしまいます。
清居は「ガキの頃、テレビの中に入るのが夢だったんだ」と打ち明けます。「清居は清居のままで特別な存在だよ」と言う平良に、「俺のことかわいそうだと思ってんだろ」と激昂する清居。平良は「清居が好きだ。俺にとっては清居が一番だ。死ぬほど清居が好きだ」と勢いで告白しますが、「俺は死ぬほどお前が嫌いだ!キモいんだよ」と振り払われてしまいます。
学校が始まり、「清居って昔アイドルになりたがってたらしいよ」「ナルシスト」と生徒たちは陰口を叩くように鳴ります。教室のヒエラルキーはちょっとしたことで変わっていくのです。
清居と取り巻きたちにパシらされた平良に、「俺が食いたいのはツナパンなんだよ」とたまごパンを押し付けて激怒する城田。「みっともねえな」と城田を黙らせる清居ですが、城田は憎悪のこもった目で清居を睨みつけます。
そして後日、階段を登っていた清居にトマトジュースを頭からぶちまける城田。「ジュースこぼしちゃったから、ひーくん買ってきて。ああ、清居悪いな。手が滑って」と白々しく言う城田。清居は怒りの形相で城田の胸ぐらを掴みますが何も言いません。清居を挑発する城田にキレたのは、平良でした。思わず城田を殴ってしまいます。
担任には「平良が手を出すなんて珍しいな。清居を守るためだったんだな」と納得してもらえました。しかし、平良は内心、清居のためではなく、清居がいるから汚水の中でも前を向いていられるのだと思うのでした。
教室にいない清居を探すと、空き教室で寝ている彼を見つける平良。「石鹸で髪洗ったからゴワゴワ。触ったら分かる」と目を覚ました清居が言うので、平良はそっと彼の髪に振れます。「きれいだ」と平良が言うと、「またそれ」と呆れる清居。
「今日はカメラ持ってないのか」と清居に問われ、「家にある。明日から毎日持ち歩くよ」と約束する平良。清居から「おかしなことに使うなよ。抜いたり」と言われ、平良は動揺します。「キモい」と清居に言われたので、「一回だけだよ!した後すごく嫌な気持ちになったから」と慌てて弁解する平良。「お前、男が好きなのか」と清居に問われ、「分からない。けど、他の男子も女子も好きじゃない。きれいだって思うのは君だけ。君だけが特別」と伝える平良。「キスしたいとか思うの。ほら」と手の甲を差し出され、からかわれていてもそれでもいいと、跪いてキスする平良。
それから清居はたまに平良の家に来るようになりました。ほぼ会話はなく、一緒に過ごすだけ。学校ではよそよそしい関係ですが、校外では一緒に過ごす時間が増えました。
そんなある日、コンテストで清居に目をつけた芸能事務所がおり、清居はその縁で雑誌のモデルデビューを果たしたらしいとクラスメートの女子たちの噂話で知る平良。生徒たちはあっけなく清居をまた持ち上げるようになり、平良との関係はまた疎遠に。そのまま高校最後の日を迎えます。
生徒たちに騒がれる清居ですが、送別会にも出ずに帰ってしまうようです。平良は、「俺のキングを最後にこの目に、胸に焼き付けたい」となぜか校舎裏に向かう清居の後を追いかけます。すると、「来たな、ストーカー」と振り向くなりにやりと笑う清居。「お前、俺に言うことないの?」と問われ戸惑っていると、突然清居からキスされます。「じゃあ、またな」と言って去っていく清居。
お情けみたいなキスは、これ以上追いかけるなと言われているようでした。「またな」という言葉はひどく痛いのに、清居の口からこぼれた言葉だと思えば手放すことはできません。思い出だけ残して平良のキングは世界から消えました。こんな世界は壊れてしまえばいいのにと思う平良でした。
色を失った世界で大学生として生きる平良。無味無臭な数年間、ただ年齢だけを重ねていました。
第4話
<あらすじ>
大学で写真サークルに入った平良は、小山和希と出会う。
小山のおかげで、平良に対する侮蔑や揶揄はすっかり消え、平穏な大学生活を送っていたが、高校卒業以降、憧れのキング・清居と会えない日々に、平良は虚しさを抱えていた。
ある日、テレビに映る清居に、平良が釘付けになっていた様子に気づいた小山は、とあるサプライズを決行。
清居にキスされた衝撃で、スマホを近くの排水溝に落としてしまう平良。しかしもう清居に会うことはないのだから必要ないと自分に言い聞かせます。
普段の自分ではやらないことをやってみようと1年前に飛び込んだ写真サークル。自己紹介で吃音が出てしまった平良に、「緊張しないで」と言ってくれた小山和希と仲良くなります。彼の兄も吃音症なのだそうです。
小山は裏表のない性格なので、平良は彼の前では楽に息ができます。ちょうど流れたCMに清居が写っており、正座で見つめる平良。小山には「そのCM、いつもガン見してるね」と笑われます。小山から「人を撮ったことないの?」と写真を見ながら問われ、「一人だけあるよ。きれいな人。他校の女子が騒いでたくらいだから」と答える平良。「男?平良が”そう”とは…」とぶつぶつ独り言を言う小山。小山は突然平良を遊びに誘い、その日は誕生日だから平良と一緒に過ごしたいのだと笑います。
小山とともに舞台を見るレストランに行き、そこに役者として現れた清居に衝撃を受ける平良。「サプライズ成功した?清居さん、好きなんでしょ?」と嬉しそうに言う小山。彼の兄が清居の知り合いということで、平良に清居を紹介してくれます。
すると、第一声で「ストーカー」と蔑むなり、「高校の同級生なんです」と小山の兄に笑いかける清居。「この後、打ち上げあるけど来る?」と清居が誘ってくれますが、行くと言いかけて、隣にいる小山が気まずげにしているのが目に入った平良は、「今日用事があって」と絞り出します。「お前が来ようがどうしようが俺には関係ないけど」と清居に突き放され、落ち込む平良。
平良の家に小山とともに帰宅すると、小山から「清居奏があんな人だとは思わなかった」と謝られます。「清居はいつもあんな感じだったし」と言いつつ、逆に自分も大した料理でもてなせず申し訳ないと返す平良。小山は「平良といると楽しいから大丈夫」と笑ってくれます。清居は絶対にこんな言葉くれないでしょう。
買っておいた誕生日プレゼントを渡す平良。中に入っていたカメラのストラップを見つめ、「大切にするね」と言ってくれる小山。このあたたかい時間を大切にしようと思う平良。
しかし、小山が帰った後に高校時代に撮った写真を引っ張り出してしまいます。穏やかな学生生活・理解してくれる友達…清居はせっかく実った果実を嵐のようにすべてもぎ取っていってしまうのです。
変装してまで清居が出演するレストランにこっそり通い、感想アンケートに清居の演技がよかったと熱烈に書き綴る平良。しかしあっさりと清居に見破られ、「応援しなきゃって」と言い繕います。「打ち上げ来たきゃ勝手に来れば」と清居に言われ、前のめりに参加すると答える平良。
清居と話せるかもと期待したものの、当然のようにそんな機会はなく。それでも清居を見つめていられるだけで疎外感のある飲み会にも意味があると思っていると、近くに座っていた男女が、「清居って入間さんのお気に入りだよな」「入間さんが若い美形好きなのは有名じゃん」と話し出します。入間とかいう俳優が清居の恋人なんだろうか…清居はキスしたりそれ以上のことをするんだろうか…と、入間の手が清居の膝に伸びるのを見て、不安を募らせる平良。ちょうどそこに小山の兄が来て、「平良くんは弟の彼氏だから、手を出さないでね」と牽制して去っていきます。それをじっと聞く清居。
清居と入間の関係を深く考えたくないと過度に酒を飲んでしまう平良。打ち上げがお開きになっても店の前で酔いを冷ましていると、清居が千鳥足で店から出てきます。平良は慌てて清居を追います。
清居のために酔い覚ましのジンジャーエールを買ってくる平良。夢と現実の間で必死に手を伸ばし続けている清居は、高校時代よりもずっときれいに見えました。清居は「見に来たきゃ来いよ。事務所通してないから宣伝するの大変なんだよ。今の家、壁が薄いから稽古場を確保するのも大変で…」と、次の舞台のビラをくれます。平良は「稽古場、うちを使うのはどう?稽古って何をするのか分からないけど…」としどろもどろに提案します。清居はおもむろにスマホを取り出すと、「番号。お前なんで携帯の番号変えたんだよ」と詰問します。平良は「水没したから…」と答えますが、「水没したからって番号変えないだろ」と睨まれ、黙り込んでしまいます。
「小山さんの弟と付き合ってんの?」と清居に問われ、否定する平良。しかし、「付き合う可能性はあるってこと?」と問われ、「なんでそんなこと気にするの?」とおどおどと尋ね返します。すると清居は平良の胸ぐらを掴み、「あいつと俺どっちが好きなんだよ」と言うなり、平良のすねを思い切り蹴って帰ってしまいます。
この先もずっと清居を追いかけるのだろうかと思いながら、高校時代に撮った清居の写真に自分のふとんをかける平良。どれだけ追いかけても手が届くはずがないと思うのに、平良の心を手放してはくれません。しんどい、苦しい、と思うのに、ずっと清居のものでいたいと思ってしまう平良。清居からの電話に出る平良。「間違えてかけた。セリフ練習しにお前の家、行っていい?」と言われ了承する平良。しかし急に小山が熱を出してしまい、病院に連れて行かなくてはいけなくなります。
「あんな男からの連絡を待っていたなんて」と自分に猛烈に腹を立てる清居。平良が何を考えているのか、昔も今も清居には全く分かりません。無味無臭な数年間、清居はただ年だけを重ねていました。
第5話
<あらすじ>
「好きだ」という台詞に清居は苦戦していた。
舞台を演出する洋平や入間に指摘され、今まで「好き」と気持ちを伝えたことがなかったことに気づく。
思い出されるのは、高校時代…。
清居は母子家庭の鍵っ子で寂しい思いをしていたので、幼い頃は「テレビの中で楽しそうにしているアイドルになりたい」と思っていました。小3で再婚した母と父の間には弟と妹ができると、両親の愛情はそちらに移ってしまい、誰かに強く求められたいと清居はまたテレビの中の世界に没頭するようになっていきます。
芝居の稽古をする清居は「好きだ」という言葉がしっくりこないと小山の兄にダメ出しをされてしまいます。
平良に初めて会った時、まるで世界に清居しかいないように見つめるその目に惹きつけられました。眠る清居を見つめて「きれい」とつぶやく平良。こんなに情熱的でまっすぐな言葉を初めて貰った、と清居は思います。段々と、「彼の目にまた見つめられたい」と思うようになっていきました。
清居は平良が自分に何を求めているか知りたいと思いました。彼を信じていいのか、その目を、他の人間と彼はどう違うのか。憧れのコンテストに応募して落選し、清居が特別じゃないと分かるとみんな離れていきましたが、平良だけは違いました。
清居と平良の間にちょうどいい名前はありませんでしたが、清居は平良がいたおかげで淀んだ空気の中でも前を向いていられると感じていました。
点と点で交わらないまま、高校最後の日を迎えます。清居は最大限譲歩しましたが、平良は黙りこくっていました。最後かもしれないんだぞ、お前は俺が好きなんだろ、と焦る気持ちのまま、平良にキスします。自分で自分が信じられませんでした。ファーストキスを、なぜ勢いであんなやつに捧げたのか理解できません。
家に帰る道姿、「今俺があいつのことを考えてるなんて思いもしないんだろう」と思う清居。平良こそが王様でした。平良は清居の気持ちを考えもしないのですから。
卒業してから平良は音沙汰なしです。意を決して電話をしても、「現在使われておりません」というアナウンスが流れるばかり。「あんな唯一みたいな目をしていたくせに」と思う清居。誰かに電話番号を聞くなんて絶対に嫌でした。
そんな時、小山の兄が「弟に彼氏ができたんだ。平良っていうんだけど」とのろけていました。どんな彼氏なのかと清居は写真が見たいとねだります。そこには平良が笑っていました。「こいつのために俺との連絡を断つなんて」と怒りがこみ上げる清居。
彼氏がどんな子なのか不安と言う小山の兄に、「実際に会ってみたらどうですか。舞台に招待するとか」と提案する清居。
いざ平良が招待された舞台の日、清居の心臓は破れそうなほどうるさく鳴っていました。清居に釘付けになる平良の目。「俺はこの顔が見たかった」と清居は思うのでした。
打ち上げに誘えば「行く」と即答する平良を見て、小山に勝ったと思ったのはつかの間、小山の誕生日だからと「行かない」と断る平良を見て、「俺をあんな目で見つめていたくせに」と心の中でなじります。
しかし平良は清居の出る舞台の日は毎日店に現れるようになり、「お前はあいつを選んだはずなのに、なんでまた俺の前に現れるんだよ」と清居は内心怒りを感じます。
打ち上げでは、入間から「平良くんのこと、随分熱心な目で見てたね」とからかわれ、「なんであんな奴に小山さんの弟が惚れるのか分からない」と清居は高飛車に返します。しかし入間には平良への好意を見抜かれ、「好きだってうまく言えないなら俺で練習する?」と足を触られます。「こいつに触られても高ぶらない」と思う清居。
小山の兄に指摘された「好きだ」というセリフを川辺で練習し、怒りのままに足に拳を叩きつける平良。川に流れ着いたペッドボトルのごみを見つめ、高校時代を思い出します。
高校時代、排水溝を流れるアヒルのおもちゃを見て、自分みたいだと思っていました。望まぬ場所につれてこられて、馴染めず、どこかに仲間がいるのではと探し続けている…そんなおもちゃを写真に撮る平良を見て「キモい」と吐き捨てます。
練習の成果あって、「好きだ」の演技がうまくなったと褒められる清居。平良に会いたい・会いたくないの気持ちの間で苛立ちばかりが募っていきます。ステージで何百の瞳に見つめられても、平良のあの瞳には叶いません。
平良に電話してみるものの、折返しがなければ諦めようと決めます。しかしすぐに折り返しがあり、「セリフの練習したいから家に行く」と傲岸不遜に言い放ちます。
看病のために平良の家につれてこられた小山は、写真の入った缶を倒してしまい、平良が撮った高校時代の清居の写真を見てしまいます。「泊まってもいいかな」と甘える小山に、戸惑う平良。その時、ちょうどチャイムが鳴り、平良は玄関に走ろうとしますが、小山に「行かないで!好きだ」と抱きつかれてしまいます。ちょうどその場面を目撃してしまう清居。
平良は慌てて小山の腕を振りほどくと、清居の腕を掴んで「ごめん」と謝ります。「もうどうでもいいって言っただろ!じゃあな」と怒りをあらわに去っていく清居。
縁側で落ち込む平良。「ごめん、好きになって。平良を困らせて。でも俺、平良が好きだ。俺じゃだめかな?」と不安げに尋ねてくる小山。「俺、サークル辞めるよ」とだけ言う平良。「清居くんだろ?平良が好きだった人って。清居くん、平良のことキモいっていったじゃないか。そんな奴のどこが好きなんだよ」と小山は泣きじゃくります。「ごめん、説明できない」と謝る平良に、「理由なんかないけど好きって、一番強いって俺も分かるよ」と言う小山。「さよなら、平良」とだけ言い置いて、小山は去っていきます。
今まで通りでいたいけどそんな都合の良いことはできない、もう元には戻れない…そう思う平良でした。
最終話
<あらすじ>
「好きだ」と、平良を抱きしめる小山。
そして、その状況を見てしまった清居は、平良の家を飛び出してしまう。
追いかけた方がよいことは分かっていたが、平良はただ立ち尽くすことしかできなかった。
スタッフの人でが足りなくなったからと、兄に頼まれて舞台の裏方仕事を手伝う小山。「平良に告白したよ」と報告する小山に、清居は「お前らが付き合おうがどうでもいい」と吐き捨てます。しかし小山は「平良は人物を撮ったことがあるのは人生に一人だけ、すごくきれいな人だって言ってた。理由はないけど好きなんだって」と続けます。困惑する清居に、「好きな人には幸せになってほしい。ただそれだけ」と言って彼は去っていきます。
いざ舞台の当日、小山が急遽来られなくなったからと、小山の兄から手伝いを頼まれる平良。平良は裏方仕事を手伝いながら、「小山が何を考えているのか分かった気がした」と心の中で思います。「好きだ」とセリフを言う清居を見つめながら、「一生自分には向けられない言葉だ。このまま清居を照らすライトでいたい」と思う平良。
舞台後の片付け中、清居と二人きりになり、上から落ちてきた物から清居を守って倒れ込む平良。清居の上に平良がかぶさる形になります。清居の指から出血したのを見た平良は、とっさに彼の血を舐め取ります。あわやキス寸前でしたが、平良が「ごめん、どうかしてた」と慌てて飛び退きます。
「お前にとって俺は何なんだよ」と清居が声を荒げると、「世界で一番好きな人」と即答する平良。しかし、清居が「付き合いたいって思わないのかよ」と問うと、「清居はキングだから。俺はそれに仕える人間だから」と言います。「お前は恋人でもない奴にこんなことするのかよ!現実の俺のことはもうほっといてくれ。俺の気持ちお前には一生わかんねえと思う」と涙声になりながら去ろうとする清居。しかし、平良は「これで終わりになる気がするから嫌だ」と清居に抱きついて離れません。「俺がお前のこと好きだって、一瞬でも考えたことあんのかよ」と激怒する清居に、「ありえない」と言う平良。平良を突き飛ばし、清居は去っていきます。
清居の受け取った平良からのメッセージは、彼にとってすべてが的はずれでした。平良からの電話もメールもすべて無視する清居。オーディションや舞台の稽古、雑誌の取材などで慌ただしく毎日は過ぎていきます。「あいつは俺が告白したなんて思っていないのだろう」と自嘲する清居。
するとある日突然、「これで連絡するのを最後にします。清居が助けてくれた場所で、朝まで清居への思いを捧げようと思います。清居のことを思うのは、今日で最後にします」と平良からメールが届きます。「俺はもうこの気持ちを終わらせないと」と思う清居。
かつて自分が使っていた机の上に座り、清居を待つ平良。日付が変わっても清居は現れず、「清居は来るはずがない。これが現実だ」と思い知ります。空き教室に高校時代の清居の幻影を見た平良は、清居と同じ場所に寝そべって、清居からはどんな世界が見えるのか考えます。「一生分愛した人を忘れよう」と決意する平良。
そこに現れたのは、息を切らした清居。平良は思わず清居に近づきますが、清居は逃げ出します。慌てて追いかける平良。
「忘れたくない。思い出したくない。自分が気持ち悪いことなんか分かってる。けど、自分に嘘をつけない。清居は憧れで、自分勝手で、だからこそ清居という存在に救われた。今までの清居も、これからの清居も、すべてを知って抱きしめたい」と思う平良。
「何がキングだ!ふざけんなよ!俺は好きな人と付き合いたい普通の男なんだよ」と平良を罵倒する清居。「清居は好きな人がいるの」と呆然とつぶやく平良に、「お前だよ!卒業式の日俺からキスしただろ!」と激怒する清居。「なんで清居は俺なんかのこと…」と不可解そうな平良に、「分かんねえよ。先に好きって言ったのはお前だろ!電話番号変えられた時の気持ち、お前に分かるのかよ。平良のくせに!死ね!」と清居は泣きながら叫びます。
「神様みたいに思ってるのに、自分の手が届くなんて思わなくて」と平良がしどろもどろに言うと、「俺は神様じゃねえよ」とつぶやく清居。「清居。俺、清居に触っていいかな」と平良が手を伸ばすと、清居は「今までと同じならやだ」とつぶやきます。「清居、好きだ」と言うなり、清居を抱きしめる平良。そのまま二人はキスをし、激しく抱き合います。
翌朝学校から自転車に二人乗りをして帰りながら、「お前、写真以外に大切なものないの」と問う清居。「清居との時間」と真面目に言う平良に、「ものだよ!知りたいんだ」とふてくされる清居。平良が思わず「かわいい」とこぼすと、すかさず蹴りが入ります。「一つだけある。フラスコに貯めた小銭。高校時代に清居のためにジンジャエールを買いに行ってた時のおつりを、家にあるきれいなフラスコに入れてるんだ」と言う平良に、清居は「俺、なんでお前みたいなキモいやつ、好きになったんだろ」と笑います。「もう貯めないから、もっかい言って」と頼み込む平良を「しつこい」と突き放しながらも「ほんとキモ」と嬉しそうに言う清居。
平良の家に帰宅した二人は、広いベッドで裸になり、一緒に眠るのでした。
まとめ

原作既読ですが、随分前に読んだので記憶が定かではなく…小説二巻分くらいをぎゅっとまとめてる感じですかね?
二人の独白の多さが原作が小説ならではの作品という感じがして、とても新鮮でした。その独白の内容がまたすごく的を得ていて、聞いていて気持ちいいんですよね。今その気持ち知りたかった!を教えてもらえる感じで。
シーズン2も劇場版もあるので、まだまだ「美しい彼」の世界観に浸れるのが嬉しいです。

BL版シンデレラ・ストーリーでした。みすぼらしい私が、憧れの王子様に見初められる…という王道展開。だからこそ、約束された結末が見えるからこそ、楽しい。ただ、王道は王道ゆえに描くのが難しいと思うんです。「ありきたりだ」と言われる可能性を多分に秘めている。なのにこれだけ多くの人の心を動かしているということは、やはり原作者である凪良ゆう先生のストーリー構成力、描写力が卓越しているからだろうと思います。
てっきり平良視点のみだと思っていたので、予想外にも清居の心の変化をつぶさに知られたのが、個人的に一番楽しかったポイントでした。

小山って原作にも登場しているんでしょうか。あまりにも健気な当て馬すぎて、不憫になってしまいました。誰よりも平良を理解しようと努力して、実際そうなっていて、平良も彼にだけは特別心を開いていて、お互いに優しくしあえる関係で…なのに、平良の心を占める圧倒的な「キング」には叶わない。理屈じゃない愛で殴られる。辛かったろうな…。なのに、清居を焚き付けたり、平良にまた清居に会う機会を与えてあげたりと、小山は優しすぎるんですよね。私は好きな人の幸せを寝返る優しい小山にこそ、幸せになってほしいよ、と心から思ってしまいました。
今回3人が見た「美しい彼」は、Amazonプライムビデオ、Huluで無料視聴できます。
ぜひチェックしてみてくださいね〜☺️✨