台湾BLドラマ「My Tooth Your Love ラブリー・クリニック」の全話ネタバレ感想・あらすじ・評価・動画配信|“君の歯は僕のものだ”─厳格な歯科医と歯医者恐怖症の患者。交わらない2人が繰り広げるクリニック・ラブストーリー!

ドラマ

「アマプラ同時上映会」第119弾!

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台湾BL最大のスターとなり、ディーン・フジオカに続く存在として注目されるYUを輩出し、レイ・チャン&シー・ジーティエンという実力派俳優に特別出演として1組のCPを演じさせ大ヒットした台湾BLドラマ「We Best Love」のジャン・ルイジー(姜瑞智)監督と、「HIStory2 越界」「HIStory3 圏套~ラブ・トラップ~」の脚本家リン・ペイユー(林珮瑜)が、再び組んで制作する注目の台湾BLドラマ、「My Tooth Your Love ラブリー・クリニック」

全話のネタバレ・あらすじ一覧・本作をより楽しむための小ネタなどを掲載しています。

早速見てみましょう!

登場人物とあらすじ

引用:My Tooth Your Love ラブリー・クリニック|フジテレビの人気ドラマ・アニメ・TV番組の動画が見放題<FOD>

厳しすぎる歯科医師長×歯医者恐怖症のビストロオーナー のお話。

<あらすじ>
歯医者恐怖症の白朗は、数日歯が痛くて左頬が腫れているのを、姉の白晴に見つかり、無理やり歯医者に連れてこられた。
父の後を継いで若くして歯科医院の院長となった晋循安は、姉の後輩で腕は確かだが治療には厳しい。
白朗がオーナーのビストロ「白夜朗朗」の店長アレックスは、家族に反発して行く所のないRJを白朗の意見で、「白夜朗朗」で泊まり込みのアルバイトをさせることにした…。

 

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予告編・予告動画

 

こんな人におすすめ

  • 台湾BLドラマが好き🇹🇼✨
  • 両片思いのすれ違いにきゅんきゅんする🥹💕
  • カプたちがいちゃいちゃラブラブしてるのを見ると幸せ☺️💕

 

本作をもっとよく知るための小ネタ

①「We Best Love」&「HIStory」製作陣が集結/ヒットメーカーが贈る話題作!

大ヒット台湾BLドラマ「We Best Love」の監督ジャン・ルイジーと、「We Best Love」に加え人気シリーズ「HIStory」の「HIStory2 越界」「HIStory3 圏套~ラブ・トラップ」の脚本を手掛けたリン・ペイユーが再びタッグを組み注目を集めた話題作。台湾BLドラマ界のヒットメーカーが集結し、新たなラブストーリーを作り上げた!

 

②主役カプもサブカプも、演技力の高い俳優陣ばかり!

白朗を演じるアンディ・ウーは、ドラマ「恋の始まり 夢の終わり」でデビュー。晋循安を演じるジン・ユーは子役からキャリアを出発、MV、ドラマで活躍してきた。アレックス役は、「We Best Love 永遠の1位」の「分手放手」というエンディング曲と挿入曲「唯一写過的情書」歌ったアレックス・チョウ。彼はバーテンダー役としても「We Best Love」に出演していた。今回は、もう一組のカップル役で同じくバーテンダー。RJ役を演じるのはマイケル・チャン。

 

③まるで大人の青春!爽やかなメインビジュアルにきゅん💕

今回公開されたメインビジュアルは、俳優たちが真っ白なシャツを着ているため、白の純白さ、背景のブルーのさわやかさ、微笑んで見つめ合っている姿からはぬくもりを感じさせる。さわやかで温かい恋愛ストーリーをイメージしている。主人公白朗の経営しているバーを想起させる窓は、サブCPが知り合い分かち合っていく場所。ガラスに映るボトルは、ロマンチックさを醸し出している。ロゴの周りに、歯科クリニックで使用する道具も入り、かわいらしいビジュアルに仕上がった。

 

ネタバレ感想

第1話

<あらすじ>
ビストロ「白夜朗朗」のオーナー白朗(バイ・ラン)は、数日前から歯が痛くて左の頬が腫れていた。
姉の白晴(バイ・チン)に見ぬかれ、彼女の大学の後輩晋循安(ジン・ジュンアン)の歯科医院に連れて行かれてしまう。
幼い頃のトラウマで歯科医恐怖症の白朗の抵抗で、なかなか治療は進まず…。

生きとし生けるものは皆、偶然に出会いともに生きていく。友となりさらにその先の関係へー。人は一生の間に大勢と関係を築く。ある時にある場所でー。誰かとすれ違う。もしかしたら、昔出会っていたのかもしれない。でも、どのみち誰なのか分からない。出会うまで僕たちは知らなかった。人生でその人がどれほど大切かを。重要なのは誰に出会うかではない。出会った人が大切な誰かになるかどうかだー。

閉店時間になったビストロ「白夜朗朗」では、店内でオーナーのバイ・ランは歯の痛みに苦しんでいました。従業員から歯医者に行けと言われても、「嫌だ。不愉快な思いをするだけだ」と強硬に拒みます。麻酔薬だと言って酒を飲む始末で、従業員は呆れます。人手が足りないから人を雇ってくれ、昇給はいつだと言う従業員の言葉を受け流すバイ・ラン。帰宅するとシャワーを浴び、手際よく栄養の整った食事を作りますが、一口食べた瞬間から左の頬が痛くてたまりません。腫れた頬に氷嚢を当て、痛みをやりすごそうとふて寝します。

バイ・ランと同居する姉のチンは彼の作ったハンバーガーを、美味しい美味しいと食べ尽くします。「花蓮に行くから1ヶ月も会えないのに顔も見せないの?なぜ部屋に鍵をかけてるの?」と部屋をノックする彼女を、「朝寝たばかりで眠いんだ」と無視しようとするランですが、チンに強引に扉を開けられ、頬が腫れていることを見破られてしまいます。チンはタクシーでシュンイン歯科に強引に連れてくると、診察を受けさせます。
シュンイン歯科の院長はチンの後輩だそう。「院長がまぶしいから他の人に診察してほしい」「ホッケーの試合が待ってるから早く痛みをとってほしい」などと、待合室ではいろんな患者の悲喜交々の声が飛び交います。ランはさまざまな理由をつけて病院から逃げようとしますが、チンはランを治療室に押し込みます。

治療台に向かう時、まるで監獄に向かうような気持ちになるラン。「お前の歯は俺のものだ!歯をちゃんと磨かないからだ!」とサイコパスのような歯科医に治療される妄想を繰り広げるラン。
院長のシュンアンが待合室に現れます。チンは大学時代の恥ずかしい写真をSNSをあげてやると脅し、ランの治療を優先させます。ランは歯科恐怖症のようだと言うシュンアン。DASやPTSDの症状はないかとチンに尋ねると、TCIを使えば大丈夫かもと返してきます。2人が何を言っているのか分からず、恐怖心が高まるラン。

チンは花蓮で手術しなくてはいけないからと出ていってしまいます。ランは「僕の歯のことは僕が一番分かってる。痛みもそんなにひどくない。薬さえもらえればいい」と主張しますが、シュンアンは「診察しないと薬は出せません。治療を受けたくないのならそうお姉さんに伝えてください」と冷静に言います。ランはシュンアンが気に入らないようで、「冷たい言い方だ」と文句を言います。ランはどうにか診察台に座り、歯科助手のピングオのおかげで口を開けるところまではできましたが、目を瞑った瞬間にトラウマが蘇ります。乳歯の入ったビー玉を握り、必死で耐えるラン。「歯が痛いよ!具合が悪いんだ!早く帰ってきて!パパ、ママ、そばにいて!明日行くよ。僕は勇敢なんだ」と幼い頃の自分の声が脳内で響き渡ります。思わず起き上がるランですが、シュンアンは「痛みも先輩の心配も続くし、僕は先輩に悩まされる。お互いに不利です」と説得して治療を続けます。

治療を終えて、「口の中を見ただけで金を取るつもりか?俺を騙したのか?」と大騒ぎするホッケー選手のチーに、「あなたのは顎関節症です。現代人はストレスで顎に負担がかかりやすいんです。またご予約を取られてください」と案内する、子ども専門の歯科医・ダーA。「これから2週間は忙しいんだ。週末は試合で平日は練習…鎮痛剤を多めにくれ」と頼むチー。

ランは親知らずのせいで歯茎が炎症していたようですが、ランはどうしても歯に触れられたくないため「最近胃が痛いんだけど、関係ない?」と要らぬ話ばかりをします。シュンアンは痛み止めの注射を患部に売ってやり、「左の親知らずが水平に生えています。可能なら手術で抜歯したい。次の予約をとってください」と案内します。起きあがろうとしたランは突然の地震でビー玉を取り落としてしまい、思わず手近にあったシュンアンの白衣を思い切り掴んでしまいます。ついシュンアンを突き飛ばしてしまい、彼は器具に思い切り頭をぶつけてうずくまります。ランはシュンアンに謝ると、ビー玉を拾い、そそくさと診察室を出て行きます。

ピングオがランに歯磨きの仕方を教えていると、シュンアンが「3日後の午後4時に再診して。ひどい炎症を起こしてるので、様子を見て抜歯の日時を決めます」と言います。怯えるランの頭についた糸屑をとってやると、「先輩の頼みだ。しっかり治療しますよ」とシュンアンは言いますが、「どの医者も事故を起こす前に腕を過信する」とランは嫌味を言います。
シュンアンは「頑張ったご褒美です」と歯の形をした器から生えた多肉植物の模型をくれ、「僕を信じろ。必ず治す」とその模型にアテレコします。

チンからランを預けられた時、ランはシュンアンの手を不安気に握っていました。シュンアンは、「なぜあの時僕は簡単に引き寄せられたのだろう。そもそも、最初から彼に抵抗できなかったのか」と思い返します。

 

第2話

<あらすじ>
晋循安は帰宅途中、白晴から頼まれて白朗の様子を見に行くことになる。
部屋に入るとベッドサイドに睡眠薬があり驚くが、白朗は爆睡しているだけだった。
翌日、白朗は特製のパエリアを持って病院を訪ねるが、パエリアに苦い思い出のある晋循安は冷たく当たり、2人の中は更に険悪に…。

模型を見ながら「今日から俺がお前の主人だ」とつぶやくラン。「また変なものを買って」と従業員から言われたので、「歯医者にもらったんだ。姉に強引に連れて行かれた。前に歯医者に行くのが遅くなったことがあって、それで…」と何かを言いかけますが、唐突にやめます。

白夜朗朗に出勤したランに、従業員たちは「足手纏いです、休んでいてください」と言いますが、「家に帰ってもどうせ1人だから残る」とランは聞きません。説得され、ランは帰宅することに。

シュンアンは患者のカルテを見ながら、ランのことを思い出し「手のかかる患者だ」とぼやきます。
車で帰宅しながら母と電話するシュンアン。「あなたの過労を父さんが心配してる。もう30歳でしょ。帰国した理事長の娘さんと会ってみる?暇な時を教えて」と言う母に、「今は仕事が一番なんだ。しっかり働けば親孝行もできる。スペインに行きたいんでしょ?」と返し、さらにかかってきた電話に出ます。電話はチンからで、ランを見にいってほしいという頼みでした。「こんな大雨の中、冗談でしょ?」と笑うシュンアンに、「診察中も怯えてたし、薬の服用は久々だからアレルギー反応が不安なの。VIP待遇の対応をお願いよ」と言うチン。彼女に言われるがままランのマンションの呼び鈴を押しますが、誰も出てきません。「電話も出ないし店にもいない。早くに両親と別れたから心配なのよ。あの時弟は8歳だった。歯が痛むと言って1週間泣いてたわ。翌週、私に自分で歯医者に行くと言ったの。弟は成長を余儀なくされ、相談することをやめたの。私を心配させないように大丈夫と言ってしまうの。弟の弱点は歯、弟は私の弱点なの。あなたは生徒会で仕事をしてなかったでしょ。今こそ私を助けてよ」と言うと、「変電室に鍵があるから家に入っていいわよ」とあっさりシュンアンにランの家に入らせます。しかし家は留守のようです。チンに命じられるがまま部屋を探して回ると、ランは自室で爆睡していました。「かわいいでしょ。映像を撮って見せて」と姉バカを爆発させるチンの言葉を聞きながら、シュンアンは枕元に睡眠改善薬があるのを確認します。チンはさらに「火の元と戸締りも見て」と命じて、さっさと電話を切ってしまいます。

ランの寝相を直そうとしたシュンアンは彼の体に利き腕を下敷きにされ、あまりの激痛に叫んでしまいます。「わざとだろ!クソッ」と悪態をつきつつも、きちんと火の元と戸締りのチェックをしてやるシュンアン。

翌日、目を覚ましたランはワイヤレスのイヤホンが床に落ちていることに気づきます。それはシュンアンが昨晩つけていたものです。完璧に戸締りがされていることに焦るラン。「昨晩家に来た?」とチンに電話をすると、シュンアンに安否を確認させたと言うので納得します。

ランはパエリアを作ると、シュンアンに会いに行きます。「昨日のこと姉から聞いた。ほんの気持ちだけ。海鮮パエリアを作った」と渡してくるラン。シュンアンは若い頃、イエという先輩から炊き込みご飯を食べさせられたことを思い出し、受け取りを拒否します。「そんなことよりも明後日診察台に来てください」と踵を返すシュンアンに「人の患者に対してその態度はちょっと失礼だ」と苦言を呈すラン。「それは君の独りよがりだろ」と返され、カチンときたランはシュンアンに強引に渡すと帰ってしまいます。

「そんなに医者が偉いのかよ。人の厚意を無駄にして。時間と食材の無駄になった」と白夜朗朗のバックヤードでぐちぐちと文句を言うラン。従業員のアレックスにパエリアを「あーん」で食べさせてやると、適当に撮った写真をSNSにアップし従業員を募集します。

診察日、ランは予約をドタキャン。チンは「今回はありがとう。今度弟の店でご馳走するわ」とお礼のチャットを送ってきます。シュンアンは義務感に駆られ、ランを迎えに行くことに。
白夜朗朗では常連の女性・アギーがランに恋人はいないのかアレックスに尋ねていました。ランは常連客に大人気で、あちこちの卓を行き来しています。

シュンアンは強引について来させた部下のダーAが「白夜朗朗という店はパエリアが美味しいらしいから行きたい」と言うので、ついて行きます。店内でランを探すシュンアン。ランは常連とともに酒を飲んでおり、その後に鎮痛薬を飲もうとします。シュンランはその手を掴むと「薬と酒を一緒に飲むな」と叱ります。ランは一瞬戸惑いますが、顔の下半分を隠してやっと、シュンランだと分かります。

シュンイン歯科では、シュンアンがランの持ってきたパエリア弁当を食べようとしていました。弁当には手紙がついており、「午後の診療も頑張れよ。忘れ物があったぞ」とイヤホンが同封されていました。恐る恐るパエリアを食べるシュンアン。パエリアの他にも、「THX」と書かれた植木鉢型のケーキも入れていました。
「良心は汲み取るべきだ。当然に思えることや、目に見えぬ思いやり、だが一度受け入れたら隙ができる。ある感情を芽生えさせてしまう。それは徐々に育っていく…」とつぶやくシュンアン。

 

第3話

<あらすじ>
晋循安は大Aを連れて食事をしようと「白夜朗朗」に行き、店内で見つけた白朗に、なぜ診察に来なかったかを問いただす。
わだかまりが解け明日の治療を約束して、晋循安は店を後にした。
母親の誕生日を「白夜朗朗」で祝うRJは、両親への腹いせにアレックスにいきなりキスをする…。

意外な場所で出会った。もう会えないと思っていた人にー。

人との関係がさらに深まると、そこにあるのは名前か肩書か。

シュンアンはなぜ再診に来ないのかとランに問いますが、ランはシュンアンを恋人だと言って、盛り上がった場の雰囲気を崩さないように嘘をつきます。それを聞いたアギーは驚いて立ち上がり、ランはシュンアンを連れ出します。
「一度行ったんだから十分だろ。どんな医者の言うことも僕は聞かない。僕の店でみんなを悪い気にさせるなんて」と高圧的なランに、最初は「僕は君の主治医だぞ。完治させる責任がある」と言っていたシュンアンも気分を害し、「なら自分でお姉さんにそう言ってくれ」と言って店の外に出ようとします。姉が怖いランはシュンアンを引き留めます。「あれは酒じゃなく炭酸水だ」と言い訳するランに、「もしかして処方薬を飲み切って、まだ痛いから市販薬を?」とシュンアンは心配そうに尋ねます。ランは「焦ってるのか?僕に気でもあるのか?」と煽ります。
「悪いが、恐怖は自分で克服するしかない。克服なしに進歩はない。僕を信じろ。僕は患者を裏切らない」と断言するシュンアン。そして、「あのパエリア、美味かった」と気まずげに言います。「明日待ってる」と言って帰っていくシュンアンを見送るラン。
「アギーに気がないならはっきり言え。シュンアンが恋人だなんて嘘をつくな」とアレックスから怒られます。シュンイン歯科のホームページを見ながら、この若さで親の病院を継ぐなんてよっぽど腕はいいんだなとぼやくラン。

白夜朗朗では、「母親の誕生日をこんな店で祝うなんて」と子連れの父親が文句を言っていました。RJと呼ばれた息子は「僕に興味なんてないくせに。僕を恥じていて誰にも自慢できないんだろ」と反抗的な態度を取ります。RJは立ち上がるなり、ドリンクを持ってきたアレックスにキスして「男が好きでも?」と言います。父親は激怒しアレックスを突き飛ばして店を出ていき、食器は割れてしまい、店内は騒然とします。

憤然としながら業務をこなすアレックスに、ランは「裏口に頬をぶたれたような子供が座ってた」と言います。気になって見にいくと、RJがうずくまっていました。「両親はいつも正しい。間違っているのは僕だ。荷物を下ろす間もなく車から下ろされた。僕を恥じている」と言うRJに、「恐れに立ち向かえるのが大人だ」とアレックスは諌めます。ランは「キスの責任を取らせよう。グラスの弁償もさせるんだ。彼に帰る家はないし、店は常に人手不足。彼をバイトに雇ってみよう。あの性格と見た目からきっと裕福な家の子だ。あの子に何かあったら責任が取れるか?」と提案します。「これこそが本物の成長だよな?立ち向かうべき自分のハードルだ。バイ・ランは越えられる!あとはお前に任せる!」とランは自分を鼓舞しながら消えていきます。頭を抱えるアレックス。

シュンアンは残業してまでランを待っていました。もう病院を閉める時間になってランが現れ、シュンアンは「病院が閉まってたらそれを理由に再診に来ないつもりだったんだろ」と言いながら、ランを診てやります。ランが音楽がなくて嫌だと言うので、彼の好みの音楽を選ばせてやります。
「まず検査をしてから抜歯をするか決める」と言うシュンアン。ランは診察台の上でパニックになり、シュンアンは「ここを歯医者じゃないと思え」と言って落ち着けます。「まだ終わらないのか」と文句を言うランに、「歯が僕と離れたくないのかも」とふざけるシュンアン。シュンアンは抗生物質を処方し、薬を必ず飲むこと、飲む時は水で飲むように指示します。
外は雷が鳴っており、ランの顔色が悪くなります。それでも無理して帰ろうとするラン。

雨の中帰宅していると、「歯が痛い!痛くてたまらない!」と叫ぶ幼い頃の自分の声が聞こえます。車で帰っていたシュンアンは、前後不覚になりながら「待っている人がいるから探しに行かなきゃ!一人で平気だ!ほっといてくれ!」とぶつぶつと独り言を言いながら雨に濡れながら帰るランを見つけ、強引に車に乗せます。車に乗っている間にランは落ち着いたようで、お礼を言って帰っていきます。「大丈夫か?」と心配するシュンアン。

チンが「ランは大丈夫と言うけど大丈夫じゃない」と言っていたことを思い出し、心配でつい彼の家に戻ってくるシュンアン。ランの家の扉を叩き、「家まで遠いんだ。ずぶ濡れになったからタオルと着替えを貸してくれ」と頼みます。ランはシュンアンを部屋に入れてやります。

RJは「迷惑をかけたくない」と店を出ようと来ますが、アレックスは「家に帰れるのか?グラスの弁償もまだなんだからここにいろ」と説得します。RJの身分証を見ると、本名はホー・チンティエンというようです。近くのソファをベッドにしろ、服は明日貸すからとアレックスはてきぱきと指示します。

ランに生姜湯を作ってもらい、二人で飲むシュンアン。なぜ何も話を聞かないのか、他人に興味がないのかと言うランに、シュンアンは「他人の歯形になら興味がある」と返します。「治療が終わったら君の歯形を取ろう。歯並びがいいから教材になる。親知らずの抜歯の教材に…」と言ってランの顎を掴むシュンアン。二人はぎこちなく見つめ合います。服は後日返すと言ってシュンアンは家を出ようとしますが、ランに裾を引かれます。「時間も遅いから夜食を一緒にどう?空腹でないならアイスもあるけど…」と必死でシュンアンを引き止めるラン。シュンアンは引き寄せられるようにランの部屋に入ります。

歯の治療中にあまりに不安がるラン。「気を逸らせと言っておいて、「君に気を取られるなんて…彼に近づきたい。どういうことだ?」と自問自答するシュンアン。

 

第4話

<あらすじ>
白朗と晋循安は、夜食を食べながらなぞなぞで盛り上がる。
翌朝、お礼にと晋循安を訪ねると、高熱なのに仕事をしていた。
白朗は晋循安を病院に連れて行き看病する。

家は僕にとって城だ。僕は砦の中にいる。そこでは望むことが何でもできて、他人に干渉されることもない。どんな悩みも隠せるし、見つかる心配もない。

写真立てに入った家族写真を見つめながら、ランは呆然と何度も灯りを付けたり消したりを繰り返します。そこにシュンアンが訪れたのでした。誰かが侵入を試みている。どうすれば正解なのか。中へ入れるか、それとも、去るまで待つか。そう思いながら、ランはシュンアンに扉を開けたのでした。

ランに作ってもらった料理を食べ、「料理が好きなのか。大した腕だ」と褒めます。最初は姉の健康のために作っていたが、社会に出る時に姉に開業を勧められたのだと言うラン。「毎晩誰かと食事ができるのは賑やかでいいしな」と言うランですが、シュンアンは「だから毎日不規則になって寝つきが悪いのでは」と心配します。「睡眠改善薬は眠れない時に飲んでいるだけで常用はしていない」と言うラン。シュンアンはどんな時に眠れないのかと尋ねますが、はぐらかされます。

歯医者は心労が多いだろと言い、なぞなぞを出しては楽しそうなランを見つめるシュンアン。そのうちシュンアンがそんなランを見て笑うと、いつもそんな風にしていればいいとランは笑います。ランのなぞなぞを本気で解こうとトイレにこもってまでググってなぞなぞを探すシュンアンでしたが、その間にランはソファでうたた寝していました。シュンアンがなぞなぞを説明しているうちにまた寝入ってしまうラン。

シュンアンはランに毛布を着せ掛けながら、「君は何に怯えてる?眠れないほどに…」と考えます。するとランがシュンアンの腕に縋りつき、「僕は知らない。わざとじゃない。母さん、本当にごめんなさい。知らないんだ」と震えて泣きはじめます。彼の背を撫でてやるシュンアン。

翌日、目を覚ましたランは部屋の電気が消えていることと、普段ベッドに置いているぬいぐるみたちがソファにてんこ盛りにされていることに気づき、シュンアンのおかげかと微笑みます。

RJは親に電話しますが、「迷惑なんかかけないよ。いつもなぜ理由を聞かないの!」と喧嘩腰なせいで、電話を切られてしまいます。アレックスは彼が投げ捨てた携帯を拾い上げると「理解を得るには接し方を考えろ」と説教します。

感謝の弁当を届けに来たランは、シュンアンが出勤時から体調が悪いのに帰宅しないと歯科衛生士にぼやかれます。熱があるだけだと言うシュンアンを説き伏せ、ダーAに全てを任せ、無理やり病院に連れていくラン。

開店前の白夜朗朗を掃除するRJ。そこにRJの母が現れ、「家に帰りましょう。考えてみてよ、家出してこんなところで働いて…誰かに見られたらお父さんの面子は?早く荷物をまとめて。父さんはカードを止めたのよ」と息子を説得しようとしますが、RJは聞く耳を持ちません。アレックスがRJの代わりにお茶を飲みながら彼の母の話を聞いてやったにも関わらず、RJは「茶なんか飲んでまるでナンパだ」と吐き捨てます。RJの母は機嫌良く帰っていきます。「どうせ条件付きだろ!僕を監視するつもりなんだろ!」とアレックスを敵視するRJに、「譲歩が必要だと答えた。礼は仕事で返せ」とだけ伝えます。

ランはシュンアンを彼の家まで送ります。シュンアンをベットに寝かせて「何かあれば呼んでくれ」と言うと、ランは粥を作りはじめます。食欲がないと言うシュンアンを強引に起こすと、ランは熱い粥をふうふうと吹いて食べさせ、薬を飲ませます。

アレックスが物置からRJのために簡易ベッドを出してやっていると、配線が古いため停電してしまいます。つまずいたRJはアレックスを壁ドンするような体勢になってしまいます。アレックスの腕に傷ができてしまい、慌てて手当てするRJ。開店時間間近だからいいと言うアレックスを説き伏せます。RJは「この間はキスしてごめんなさい」と改めて謝り、アレックスは「なぜ蒸し返す?まさか初めてか?大丈夫、本当のキスじゃない。心がなければただの接触だ。数には入らない。いつか分かるよ、小僧」とからかいます。

トイレの場所さえ間違えるシュンアンを放っておけず、店にも返らずつきっきりで看病するラン。服を脱がせようとしますが、途中でドギマギしてしまい、「自分で着ろ」と放り出します。薬を飲ませたので帰ると言うランですが、シュンアンは熱で朦朧としていて聞こえていないようです。

シュンアンが目を覚ますと、隣でランが寝ていました。思わず眠るランにキスしかけ、その瞬間、ランが目を覚まします。

帰りかけたランを、シュンアンは「待って。僕の看病でろくに休めていないだろ」と引き止め、ベッドに押し倒したのでした。無意識か故意か、ときめきと鼓動は区別が難しい…とランは思います。「君がそばにいると落ち着く」と言うシュンアンに、「僕が近くにいると不幸を招くってアレックスなら言うね」と返すラン。「それでも君と会えてよかった。手を…」とランを抱きしめるシュンアン。咳をするシュンアンの背をさすってやるラン。「こんな時はひとりではダメだ」とランはその場にとどまることを選択します。

 

第5話

<あらすじ>
親知らずを抜く日、白朗を安心させるため看護師を付き添わせず、晋循安が一人で手術を行う。
終わってから、抱き枕をプレゼントされ、白朗は断らずに持ち帰った。
こんなに簡単に心が乱れるのか、アレックスに相談していると、RJが「恋に落ちただけだ」と言い、アレックスを呼ぶと突然壁ドンして…。

目を覚ましたシュンアンは自然と眠るランに引き寄せられます。
その行動が無意識か故意かは分からない。でも分かった。体は心よりずっと正直と言われる理由が…。そうシュンアンは独白します。
ランはシュンアンと額を合わせると、「熱が下がって良かったな。いい子だ」と二度寝します。体の熱は下がったものの、心は燃えるようだ。もとより人は無防備でいると不意打ちを喰らう、そういうものだ。とシュンアンは心の中でつぶやきます。何かに抱きつこうとするランの腕に抱き枕を入れてやるシュンアン。

「発熱は自己防衛機能とはいえこれで助かった」と回りくどく感謝するシュンアン。病院に来たランは「もう3回目だ。歯を抜くのか?親知らずを抜いたら小顔になるのか?」と興味津々で尋ねますが、シュンアンは「君はこのままでいい」と返し、しかも歯科助手のピングオにランと二人きりにしてくれと言うので、ランはドギマギします。
ピングオは歯科助手のジューツーにシュンアンがランといい雰囲気だと噂し、それを聞いたダーAは失恋の痛手からやっと立ち直ったのかとホッとします。

親知らずをやっと抜き、「まだ歯科医が怖い?」と尋ねるシュンアンに「君なら怖くない」と答えるラン。「君の歯は僕が守るよ」と言うと、シュンアンはランに歯ブラシ型の抱き枕をプレゼントします。僕が幼稚だと言いたいのか?それともこれをシュンアンだと思えと言うことか?と悩むラン。
ダーAはピングオから質問攻めにされ、噂では学生時代に親密な人がいたけれどそれ以来7年間も恋人を作っていないらしいと喋ってしまいます。それを聞いたランはシュンアンのことかとピングオを問い詰めますが、彼女は知らん顔。そこにシュンアンが現れ、抜糸後40分は極力話すな、睡眠薬と鎮痛剤は一緒に飲むな、不眠の原因を解決して薬に頼るなとアドバイスします。「どうしても眠れないなら僕を抱け、僕の抱き枕を抱くんだ」と言うので、ランは動揺して帰っていきます。

白夜朗朗に戻ったランはアレックスから「彼が気になる?」と問われ、「何とも言えない感覚だよ。こんな簡単に心が乱れる?」と笑います。「その感覚って、人が大勢いてもその人が最初に目に入るとか、目に入った途端に心がモヤモヤして胸はドキドキする、時が止まったとさえ感じる」とアレックスが言うと、RJが「それは恋だよ」と割って入ってきます。RJはアレックスを呼びつけて壁ドンすると、「気になるとこんな感じになる。相手を囲い込み、近づいて、触れたくなる。さらには、感電したようになる」と言いますが、アレックスには「ふざけるな」と一笑に伏されてしまいます。RJは懸命に雰囲気を作りましたが、アレックスはちっともドキドキしなかったようです。

ランのカルテを見るシュンアン。借りたシャツをじっと見ていると、ダーAが来週の研究会の資料を持ってきます。一緒に食事に行こうと誘うシュンアン。

開店した白夜朗朗ではランが女性のグルメブロガーに手作りピザが1番のおすすめで、「心ときめくラザニア」もイチオシだと熱弁していました。そこにダーAとともにシュンアンが現れます。服を返すと、具合はどうかと尋ねます。「少し腫れぼったいけど、思うより悪くない。酒も飲んでないよ」と言ってシュンアンを座らせるラン。シュンアンは料理はなんでも良いと言うので、ランは「歯は君任せ、料理は俺任せだな」と言って笑って去っていきます。シュンアンはグルメブロガーに嫉妬したようで、「喋りすぎだ」と注意します。

ランはダーAがトイレに行くのを見計らって、シュンアンの失恋の話を詳しく聞きます。
食事を終えて、ダーAと親しげに話すランに違和感を覚えるシュンアン。そこにRJが「ビトゥウィーン・ザ・シーツ(ベッドに入って)」と言うカクテルを持ってきます。グルメブロガーの女性がシュンアンに奢ったようですが、シュンアンは女性の会計は自分が持つからカクテルは彼女に返してくれと頼みます。いやいや自分が支払うとシュンアンの言葉を遮るラン。
ランも客からカクテルを贈られることがあるかとシュンアンが尋ねると、自分は奢るばかりだとランは言い、「他人の好意は軽々しく受け取らないことにしている」と返します。「つまり僕は他人じゃないってこと?抱き枕を受け取ったよね」と迫るシュンアンを呆然と見つめ、「何も見ていません」としらばっくれるダーA。

白夜朗朗が閉店時間を迎えると、RJはアレックスに恋をしたことがあるか、恋愛経験はあるかと尋ねます。ぞんざいに「想像に任せる」と答える彼に、「ビトゥウィーン・ザ・シーツがほしい?」と追撃するRJ。「いいか。勇気と無分別は紙一重だ。誰もが愛を受け入れるとは限らない。分かるか?」とたしなめると、アレックスは店の掃除に向かいます。

アレックスと屋台で夜食を食べるラン。「誰かいい人を紹介してくれ」とにやつきながら言うランに、「最近あの院長と仲良くやってるんだろ」と突っ込むアレックス。ダーAの話では「イエという先輩と親密でいつも一緒にいたんですが、先輩にさんざん利用された挙句結婚して捨てられたとか」とランは言います。「僕は不運な人間だ。自分の心も分からない。僕が彼を再び傷つけるかもしれない。友人として付き合うのが彼にはいいと思う」と続けるランに「YOLO」と声をかけるアレックス。「どうせ俺は「優柔(ヨーロー)」不断男だよ」とふてくされるランに、「人生は一度きりって意味だよ。兄貴はいつも考えすぎる。それとも何か心配事が?なぜ一歩踏み出さずに自分を縛る?心に従えよ」とアレックスはランの背を叩きます。

帰宅したらシュンアンはランのことを思い出しながら就寝準備をします。

帰宅したランにシュンアンから電話が。「あさって医院が休みなんだけど、スポーツでもどう?刺激的なのがいい?穏やかなのがいい?」と言うシュンアンに「どちらでもいいよ、君が決めて。場所を送っておいて」となげやりなランに「睡眠薬は飲むなよ」と釘を刺して電話を切るシュンアン。自宅のソファーにはランにあげたのと同じ歯ブラシ型の抱き枕が鎮座していました。

ランは自分のベッドでぬいぐるみたちに歯ブラシの抱き枕を新入りだと紹介し、「名前をつけると捨てる時に辛くなるからつけないよ」と言ったものの、彼が返してくれたシャツを嗅いで「いい香りだ」と言うなり、「君の名前はシュンアン抱き枕だ」と命名して寝る準備に入ります。

翌日、ダーAはチーから主治医になってほしいと頼まれていました。「小(シャオ)A」と名前を間違えられて憤るものの、「全く痛くなかった」と治療を褒められて嬉しいダーA。チーに食事に誘われ、さらには試合を見にきてほしいとまで言われます。

ランはシュンアンにクライミングに誘われます。「クライミングは一人でできるし落ち着くから好きだ」と言うシュンアンに、「なんでも一人が好きなのか?」と尋ねるラン。シュンアンは「大切でもない人と時間を過ごして人生を無駄にしたくない」と言うと、苦戦するランに手を差し出します。

ランの歯の治療中、シュンアンは「緊張しているならこれを」と歯ブラシ型の抱き枕をランに与えます。「緊張しなくていい。主治医は僕なんだから」と言うシュンアンに、「分かってる。君だからここに寝てる」と答えるラン。シュンアンは「安心して任せろ。いいね?」と言い、ランは頷きます。
怖くないのは克服したからじゃない。彼がいるからだ。もしある日彼がいなくなったら、僕はまた一人取り残されるのか?と思うラン。

 

第6話

<あらすじ>
晋循安が白朗を誘って、室内クライミング行くと、白朗の友人の女性夏明蒸(シア・ミンイェン)が現れ、晋循安は突然不機嫌になる。
白朗に勝負を挑む夏明蒸に「僕と勝負しよう」と持ち掛ける。
アレックスはRJから、カクテルの作り方を教えて欲しいと言われ、一瞬迷うが、基本から教えることにする。

ソファーでうたた寝していたランは、写真縦に飾られた両親の写真を見て、「父さん、母さん、姉さん」と嬉しそうに声を上げます。しかし、窓辺に座るランとよく似た男が「よく眠れた?友人ができたようだが覚悟はあるのか?成長に恋愛は付きものだ。ただ、彼はずっとそばにいるかな?」と尋ねてきます。「試すしかない」と答えるランに、「そうすればまた失う辛さを理解できる。僕には理解できないよ。幸せを求め、自分が強くなったと思い込み、過去の過ちを忘れるつもりだろ。両親を死なせたのに。何を望もうと勝手だが、愛される価値が?」と返し、ランは黙り込んでしまいます。
「シャオミンのお話だ。シャオミンは両親に頼り切りで、一人では何もできなかった。ある嵐の夜にシャオミンの歯が痛みだした。姉が歯医者に誘うと、シャオミンは両親の帰りを待つとごねた。両親は別の車と衝突し…」「歯が痛いよ、パパとママのそばにいたい」「お前のせいだ」と小さなランが現在のランに吐き捨てます。
ランはベッドから転げ落ちてしまいます。

過去の過ちのために未来に怯える。悪夢から目覚めた後も、まだ勇気を持ち続けられるのかー。

クライミング中のランに、女性が声をかけてきます。彼女はシア・ミンイェンというエンジニアです。シュンアンが彼女を冷たくあしらうと、ミンイェンはランにアプローチをかけてきます。ミンイェンは今日が初めてだと言うランに勝負を挑んできますが、シュンアンが二人の間に割り込み、「彼は今日が初めてだから僕と勝負だ」と壁を登り始めます。
実はミンイェンはアレックスが紹介した女性で、ランは彼に電話し、「彼女は移り気すぎてシュンアンに全然合わないよ」と文句を言います。ランはシュンアンに紹介する女性をアレックスに頼んでいたのでした。

開店準備をするアレックスとRJ。アレックスがカクテルを作っていると、RJが開店準備は終わったからとアレックスにまとわりついてきます。「今週は先週より客足が15%多い。酒の提供スピードが遅くなってる。バーテンダーを雇いたくても彼らの給料は安くない。でも僕を教育すればウェイターの給料で済むよ」と言うRJ。「教えるのが下手じゃないならカクテルの作り方を教えてよ」と強引なRJに呆れ顔のアレックス。アレックスは「まずは基本から」と教えます。

シュンアンと車で移動中、彼について根掘り葉掘り尋ねるラン。クライミング以外の趣味は乗馬だと言う彼に、「人と距離をとる趣味だ。人付き合いが苦手だろ。僕と全然違う。みんなで歌ったり踊ったり、うまいものを食べたり、今度うまい店に連れて行くよ」と言うランに、「もしかして誘ってる?」とふざけるシュンアン。「バカ言うな。僕ばかり構うなよ。面倒見が良すぎる」と悪態をつくランに、「僕にとって君は患者以上だ」と答えるシュンアン。「冗談でも軽々しく言うな。軽率なことを言うと責任を負うことになるぞ」と苦虫を噛み潰したような表情のラン。「僕は軽率じゃないし、性別にもこだわらない。大事なのは自分の望みに責任を負うことだ」と答えるシュンアン。

突然車が飛び出してきてシュンアンが急ブレーキを踏みます。その後、突然ランの言動がおかしくなります。「シャオパオが、彼が見たのは、でもその教授は…」としゃべりたてるラン。シュンアンは車を路肩に停めると、ランを抱きしめて落ち着かせます。
「取り乱した姿を見せてしまった」と申し訳なさそうなランに、シュンアンは「僕はもっとひどかった。口腔がんの患者の口を診察した時、化膿した歯茎を見て…」と慰めようとします。「僕の知り合いにいい心理カウンセラーがいる。もし君が必要なら僕が引き合わせる。さっきのような状態は急性ストレスによるものだと思う。両親が事故死したと先輩に聞いた。何かが君の不安を煽ってるんじゃないか?それで不眠になり薬を飲み始めたんだろ。だから心理カウンセラーと話せばよくなるかと」とシュンアンが言うと、ランは「今日の件と薬のことは姉に言わないでくれ。心配させたくない」と頑なな態度をとります。「いいけど、どういう時にさっきみたいな過剰な反応が出るんだ?」とシュンアンが尋ねると、ランは「シャオミンは小さい頃、頑固で、歯が痛いのに我慢してた。彼は運転中の両親に帰宅をせかした。両親は彼を安心させようと電話に出て…事故にあった。電話から聞こえたのは急ブレーキと、雷雨の音だった。そして衝突の音やあらゆる叫び声…。それ以来シャオミンは歯医者とブレーキ音、特に雨の日が苦手に。明かりなしでは一人でいられず、一人で寝るのも嫌がった」とランは説明します。「それでシャオミンは、ずっと自分を責めてるのか」と言うシュンアンに、ランは無言で肯定します。「バカだな。これは君だけで抱え込む問題じゃない。一人で背負うな」と言うシュンアンに、「シャオミンの話だ」とランは強がります。ランは「ありがとう」と言うと、改めて席に座り直します。
「じゃあ聞くが、今日は僕が君を誘ったのに、さっきの女性はなんだ?女性を斡旋したのか?」と言うシュンアンにすっとぼけるラン。ランは白夜朗朗に着くと、常連客に囲まれて酒を煽ります。

シュンアンはアレックスにランが情緒不安定だと知っているかと尋ねます。アレックスは「雷雨の日は特にね。でも原因を聞いても一切答えない」と困ったように答えます。「深刻な状態をなぜ放っておくんだ?」と不思議そうなシュンアンに、「彼はすごく頑固なんだ。姉でさえお手上げだよ」とアレックスは言います。「なら僕に任せろ」と言うシュンアンに、「それは同情?本気?」とかまをかけるアレックス。「もちろん本気だ」「家族の理解は?」「家族が僕らの関係を拒むと?」「僕に認めてほしい?」「君がどう思おうが僕らに関係ない」「じゃあなぜ僕に話した?」「君は彼の親友だからだ。それを尊重する」「反対したら?」とアレックスが尋ねると、彼の作ったカクテルを押し戻して「飲まない」とシュンアンは笑います。

ランは常連客たちにシュンアンを紹介します。シュンアンを借りていくといって場から離れさせるシュンアンを見ながら、アレックスは(彼を思いのままにできる者がいたとは)と考え込みます。RJは「客はランとあなたのメロドラマって思ってるよ。カウンターに篭りすぎた」と煽りますが、アレックスは「カウンターの外で客に唇を奪われたのがトラウマでね」とやりこめます。

シュンアンはランを店外に連れ出すと水を飲ませます。「医学系の人間は酒に強いと聞いた。麻酔をよく吸うからと。本当?」と尋ねるランに、「僕は酒を飲まないけど、試してもいいよ」と答えるシュンアン。ランを家に送ろうとするシュンアンをベンチに引き寄せるラン。「また引き寄せられた。初めて診察に来た時、君は僕を引き寄せてを下敷きにした。次は布団をかけなおしていた時に、君はまた僕を引き寄せ、手を下敷きに。他にもある。熱を出した僕を着替えさせてた時に…」と言うシュンアンに、「僕と出会ってからろくなことがないな」とランは言います。
シュンアンは「実は初めて出会った時、思った。君はまるで甘やかされた子どものようだって。でも親しくなって気づいた。そういう反応がかわいくてからかいたくなると。だから、医者と患者以上になりたいと望んでる。僕は君の人生の…」とランの鼻をこづきますが、そこにアレックスが来て「もうお陀仏だ」と言います。聞き返すシュンアンに「ランが頬杖をついたら、起きてるように見えても記憶はない。大事な話をするなら後日がいいぞ」とアドバイスします。

閉店後、アレックスはRJにカクテルの作り方を教わる中で、酒言葉を調べたと自慢げに知識を発表します。「ピンクレディは、”あなたが好き”」と言うRJに、「よく調べたな。でも今日はそれは作らない。ジン・トニックを作るぞ」と言うアレックス。戸惑うRJですが、アレックスに従います。

シュンイン歯科に来たランに、シュンアンは歯が痛むのかと慌てて駆け寄ります。しかしランは「同業者を連れてきた」とジンリーという女性を紹介します。明らかに診療目的以外で来た彼女に嫌悪感を示し帰らせようとするシュンアンは「彼女の診察が終わったら君を片付ける」と凄んで診察室に入っていきます。シュンアンはランを呼び止めると、僕は君みたいに女性と楽しく話せない。お似合いだよ。治療をして欲しいなら予約しろ。割り込ませるな。君以外はダメだ。他人を介在させるな」と怒ります。「紹介しただけだ」と言うランに、「本当に覚えていないなんてバカを見た!」と激怒し、ピングオたちに席を外させます。「この間酒を飲んだ時に僕が何かしたんだな。アレックスに何か言われたのか?どうりで今日君は怒ってるわけだ。君に女性を紹介するよう僕に勧めたとか…。いや、絶対にお節介はしないよ!」と言い訳をします。無言のシュンアン。「これまで余計な世話を焼いたことは認める。厚意が裏目に出た。ただ力になりたくて。君は冷たく付き合いにくいと思われがちだけど、思いやりもあるし面倒見もいいから、君を理解し大切にできる人を見つけたいと思ったんだ」と言うランに、「考えなかったのか?僕の心にはもう決まった人がいると」とシュンアンは壁ドンします。
ランはダーAとの話を思い出し、「先輩だろ。でももっと君は幸せになれる。振り向かない者を追うのはやめろ。残念だったが現実と向き合え」と言い、「そんなのは大学時代の話だ。どこで聞いた?」と呆れるシュンアン。そこに新たな患者が訪れ、シュンアンは目を奪われます。

ランはシュンアンをコーヒーの店に連れて行きます。ケーキが口に合わず慌てて熱いコーヒーを飲んだせいで火傷しかけるランを見て、コーヒーをふうふうと冷ましてくれるシュンアン。「こんな優しさは反則だ。踏みとどまらなきゃ。愛はロマンチックだ。でも、そこに飛び込む勇気が僕にあるだろうか」と思うラン。

 

第7話

<あらすじ>
白朗が晋循安に過去の恋愛のことを尋ねていると、一人の男性が入って来る。
晋循安が驚いて迎えた男性は、葉其然(イエ・チーラン)という大学の先輩。
その様子を見て白朗は、挨拶をしたまま出てくる。

新入生のシュンアンは、歯学部四年生のイエ・チーランに声をかけられます。シュンアンは、自分は医学部だと言いますが、なぜか歯学部だと知っているぞと絡まれます。服が似ているから仲良くなれるはずと言われ、医学には協調が大切だぞといきなり肩を組まれます。俺も一年の頃は君のように格好をつけていたが、いずれは実習という狭い輪の中で常に顔を合わせることになるんだからと言い、イエは自分は学生自治体の一員だからなんても話してくれとコーラをおごってくれます。シュンアンはようやくぎこちない笑顔を見せてすぐにそこを離れようとしますが、イエはシャオシューという後輩に強引に彼を紹介します。シュンアンは、人生はまるで列車だと思います。途中で乗ってきた人がすぐ降りるかずっと隣に座るか分からないからです。

シュンイン歯科に訪ねてきたイエを嬉しそうに出迎えるシュンアン。「米国にいたのでは?」と話し込む彼を後ろから見ながら、ランは「話は済んだので帰ります。よければ店に来てください」と言って帰ってしまいます。

休憩室でお茶をするイエとシュンアン。自分の好みのコーヒーを覚えていたかと尋ねられ、戸惑いながらも当然だと答えるシュンアン。「連絡もなしに帰国するなんて。何か頼みがあってここに?」とシュンアンが言うと、イエは大学時代の昔話をし始めます。

「お断りします」とシュンアンが答えると、先輩たちは「教務課長がピアノ伴奏を依頼してきたけれど、ピアノを弾ける知人がいないんだ」と頼み込んできます。イエは「2人で伴奏するよ」と勝手に引き受けてしまいます。どうやらいつも授業をサボるので教務課長に弱みを握られているようです。

「君と出会って僕は大いに助けられた。大学でもバイト先でも家庭でも」と独白するイエ。イエの年の離れた妹を、バイト中の彼に代わって病院に連れて行くシュンアン。イエ特製の炊き込みご飯を食べさせられたこともありました。

「大してうまくなかったろ」と笑われ、シュンアンは苦笑します。アメリカに戻る前に食事でも行こうとシュンアンが提案すると、イエは「帰らない。離婚したんだ」と打ち明けます。

白夜朗朗に戻ったランは「昔片想いしていた相手が現れたら、一緒にいたいと思う?」とアレックスに尋ねます。アレックスは「離れてた理由による。別れた選択をして後悔したか、何かが起きて関係が壊れたか。後者なら友達に戻れるけど、前者なら取り戻したものを手放せなくなる」と答えます。シュンアンの”決まった人がいる”とは誰のことなの気になるランですが、「成り行きに任せて見守ろう」と去勢を張ります。ランとアレックスの会話を聞いたRJは「恋愛経験があるんだね。相手は誰?」とアレックスに興味津々で尋ねますが、開店準備をしろとせっつかれてしまいます。

シュンイン歯科では、イエが「もう料理は作ってない。息子が炊き込みご飯を嫌いなんだ」と言うと、シュンアンにハグして帰っていきます。それをかぶりつきで見ていた従業員たちをじろりと睨むと、「不真面目な従業員たちを解雇すべきか相談していた」と言うシュンアン。ダーAたちは震え上がります。

シュンアンはランに電話をかけます。白夜朗朗が盗撮され支店を勝手に作られるのではと不安を吐露する従業員たち。シュンアンは「話の途中だったのになぜ勝手に帰ったんだ。あさって仕事が休みだから暇なら…」とランを誘いますが、彼は「今は新メニューを考案中で忙しいんだ。またな」とそっけなく電話を切ってしまいます。

帰宅したランはイエに会った時のシュンアンの態度や、アレックスの言葉を思い出し、なかなか眠れません。シュンアンに当てつけるように睡眠薬を飲もうとしますが、思い留まり、彼にもらった抱き枕に「薬はやめた。君の主人は…心に決まった人がいるならむやみに僕を誘うなよ。やっぱり初恋は忘れられないよな」と話しかけ、抱きしめて眠りにつきます。

起床したシュンアンはランニングに向かいます。思い出すのは大学時代のこと。「シュンアンはイエ先輩の言いなりね。利用されてるとは思わないの?」と言う同級生に、「僕は他人を利用する人が嫌いだ。先輩がそういう人なら離れてる。僕がしたいからやってるんだ」と答えるシュンアン。

イエの妹を彼のバイト先の料理店に連れて行き、熱があるからとスープを飲ませようとしていたシュンアン。それを見てイエは「妹のことは僕に責任があるけど、君は関心を持ちすぎだ」と困ったように言います。シュンアンは「妹さんが先輩に連絡しないのは多忙だと知ってるからです。知り合いが面倒を見てもいいのでは?僕は暇ですし…」と彼の妹を庇います。イエはついでに塾の代講もシュンアンに頼み、去っていきます。

「困難を分かち合うのでは?代講を任せてくれれば連弾してあげます」と言うシュンアンに「お前はいい奴だな。食べちまいたいよ!」と言うイエ。周りから羨ましがられると、「僕のだ。取るなよ」と牽制します。

「気持ちをはっきり伝えなければ先に進めない」とランのことを思い出すシュンアン。「他人の好意に対して僕は積極性が足りない?」と悩みます。

シュンイン歯科では、ピングオが「白夜朗朗がランチの宅配を始めるって!オーナーが配達をしてくれるんだって」と大騒ぎします。部下のアークァンに仕事のダメ出しをすると、白夜朗朗の出前をするなら自分が奢ると言って立ち去ります。

白夜朗朗では、「多忙なのに宅配までやるのか。自分で宅配すると疲れるぞ」とアレックスがランに注意しますが、ランは上の空で聞いていません。シュンアンはランが届けに来ると期待していましたが、「店から頼まれた。料理の代金も配達代も店が持つらしい」と、配達員のアルバイトをしているらしいチーが料理を運んできます。シュンアンはランチは要らないと不機嫌になってしまいます。チーはダーAに試合のチケットをくれますが、ダーAは興味がないのにと困り顔です。

シュンアンは白夜朗朗に行くと、「診療所が奢られる理由がない。君自身が配達に来てくれると思っていたのに。僕と君の仲だろ」とランに言いますが、ランは「だから奢ったんだ。仕事中だから」と店の中に戻ろうとします。ランの腕を強引に引き寄せるシュンアン。シュンアンはその後どうしたらいいのか分からず、「歯が絶対に痛いはずだ」と診療所に連れて行き、アレックスはランを快く送り出します。

診療所に戻ったシュンアンは診察をすると言って聞かず、「これからは毎週検診を受けに来い。定期メンテナンスだ」と言う始末。ランは呆れて「済んだらすぐ帰るぞ。それにそんな時間はない」と怒り心頭。しかし診察中にランは寝てしまい、シュンアンは従業員たちに静かにするように命じます。

アレックスの指示通り、店の掃除をするRJ。眠るアレックスを見てRJはキスしようとしますが、キス寸前に気づかれてしまい、「オーナーがまだ店に戻ってないならバイトの子に連絡しろ」と淡々と命じられてしまいます。

事務作業を終えたシュンアンはランの診察室に戻ります。「よく眠ってしまった。迷惑じゃなかった?」と心配するランに、「君にとって僕は睡眠薬より役に立つ?」と嬉しそうに尋ねるシュンアン。店に戻ろうとしながら唇をいじるランの腕を引き留めて「悪い癖だ」と注意します。そして食事もしたいから店まで送ると言いますが、ランは「さっきみたいな居眠りは場所の無駄遣いだ。僕は僕の場所で休む」と反発します。「でもよく眠れた。だろ?」と言われ、ランは苦笑して先に店に戻ります。

白夜朗朗でシュンアンへの料理をRJにサーブさせようとするラン。アレックスに「逃げずに向き合え」と言われてしまいます。シュンアンは「疲れてるだろ、休め。僕がそばにいなくて眠れなかったんだろ?」と言いますが、ランは「話をしよう」と有無を言わさず彼をバックヤードに連れて行きます。「最近態度がおかしい。君の気に障ることをしたのなら言ってくれ」と懇願するシュンアンに、ランは「何もしてない。君と先輩のことを考えてた」と答えます。「なぜ先輩のことを?何か吹き込まれたな。だから僕を避けてるのか」とシュンアンはランに自分と視線を合わさせます。シュンアンが何かを言いかけますが、ランは「やめろ!」と手を払いのけます。「友達でもいられなくなる」と言うランに、シュンアンは呆然とします。

ランの歯をチェック中のシュンアン。見られると照れるから目を閉じろと言われた後、「照れるのはなぜだ?なぜ直視できないんだろう。僕の考えすぎか?それとも…僕の考えすぎだ」と自問自答するラン。ぐっすり眠ってしまったランに彼のジャンパーをかけてやると、「君を束縛できない。歯が治れば君は離れていく。君にとって僕は何なのだろう。僕にとって君は一途になりたい未来だ」とシュンアンは独白します。ランにキスをしかけるも、無意識の彼に顔を背けられて苦笑するシュンアン。

 

第8話

<あらすじ>
「白夜朗朗」に来た晋循安を連れ出し、白朗は「僕と君の思いは同じじゃない」と告げる。
葉其然は息子を連れ循映歯科を訪ね、仕事の世話を頼むと、晋循安は歓迎すると答えた。
白朗は新作料理を持って、日頃のお礼を兼ね循映歯科のランチ時間を訪ねる。

ランは「ここは楽しい。昼も夜も賑やかだから寂しくない。誰かが去ることを不安に思う必要もない。客たちは深入りせず今を楽しむ。深く付き合わなければ失っても平気だから。歩み寄りも分かってもらう必要もない。1人で十分だ。1人でも大丈夫」と白夜朗朗を見回しながら自分に言い聞かせます。

白夜朗朗の裏手で、ランはシュンアンに「君が期待していることは分かる。君の大学時代の話を聞いた。先輩ってあの人だろ?彼に特別な感情を抱いてたんだろ。初恋は美しい。失った人が戻ったんだから大切にしろ。同じ過ちはよせ。正直言って君ほど気の合う人はいない。とても大切な存在だが、誤解させたなら謝る。そういう意味じゃない」と言います。シュンアンは「怒らないでくれ。本音じゃないよな?僕と君の思いは同じのはずだ」とランの首を抱きますが、「違うよ。僕らは医者と患者で、姉を通じて出会っただけ。それに診療所と店が近いから食事もすれば話もする。それが僕は楽しい。そういう関係さ。親友だよ。店が忙しいから帰る」とランは言い置いて店に戻ってしまいます。呆然とするシュンアン。

翌日、シュンイン歯科ではダーAがイエの息子・ジャンヤンの遊びに付き合いながら「パパと帰国の報告に?」と尋ねていました。「またここで働けるかな」と言うイエに、「もちろん。決めたんですか?」と尋ね返すシュンアン。イエは「もちろんだ。息子を養わなきゃ」と答えると、「重要なのはまた友人同士かだ」と言います。「友人同士だとまずい?」と返すシュンアンに、「いや、それでいい」と歯に物が挟まったような物言いをするイエ。友達と聞いてシュンアンはランの昨晩の発言を思い出します。

同じ頃、ランは家事をしながらチンと電話していましま。「またシュンアンが利用されないといいけど。イエはシュンイン歯科で実習をしていたの。実習が終わると彼は開業し、その後結婚して渡米しちゃったのよ」と言うチンに、「良かれと思ってした選択が逆に彼を傷つけた?」と不安になるラン。シュンアンの話ばかりだと言われ、友達だから気になるだけだと返すラン。ランはイエをどう思うかとチンに尋ねます。「楽な暮らしではなかったと思う。病気の妹と事故で半身不随になった父親を抱えていたわ。努力家で向上心のある若者って感じかな。小児歯科医としての評判も良かった」と答えるチン。ランはお似合いの2人だなと思いつつも、機会を見て2人の様子を確かめようと決めます。

白夜朗朗で料理を袋に詰めるラン。「それは診療所に?なるほど、偵察ってわけか」と言うアレックス。ランはアレックスの「俺たちの昼食は?」と言う声も無視して出て行きますが、RJがバックヤードから「オーナーからです」と昼食をかざしていました。「素直じゃないな」と笑うアレックス。

シュンイン歯科では、昼食はなんでも奢るとシュンアンがイエに言っていると、一階でランが食事を並べていました。「みんなには世話になったから、新商品を食べてもらいたくて」と笑うランの腕を掴み、「せっかく来たんだから手が空いたら話を…」と縋るシュンアン。それをイエはじっと見ています。「話なら食事の後にしよう」と言うランは、「正直な感想を頼むよ」と言ってみんなを席につかせます。ジューツーに弁当の一つを取ってもらったシュンアンを見て、「食の好みは昔のままだな」と言うイエ。ランの表情が曇ります。「仲が良かったんですね」と無邪気に言うダーAに、「バイトで忙しい時は彼がいつも妹を見てくれた。今は僕を煙たがるくらい元気だけど」と返します。「そんな話初耳です!もっと聞きたい!」と言うダーAに、「全部聞かせるべきだったか?尾ひれをつけて適当なことを言うな」と怒るシュンアン。しかしダーAは好奇心旺盛なだけだと言い、「伝説の2人が目の前にいるんだからサインもらわないとな。知らない?伝説のユニット”自由自在”だよ」と言い出します。「この院長先生は大学時代、クールで誰にも従わなかった。連弾を頼まれた時もその場で学友に断っていたよな。僕が手伝わなきゃ実現しなかった」と言うイエに「手伝ったのは僕の方だ」と言いますが、「いや僕だ」とイエが言い返し、ランはその場でどんどん影が薄くなっていきます。シュンアンはこの空気を止めたいと思いながらも、どうすることもできません。

打ち上げで王様ゲームをするイエとシュンアンを含む学生たち。王様に「3番と5番はキスして」と言われ、イエにキスをされそうになるシュンアン。その後、飲みすぎた学生たちは全員で雑魚寝をします。
イエは、自分に懐くシュンアンを見ながら「君は僕への思いを断つべきだろう」と思っていました。
朝早く目が覚めたので風呂に入ったイエは、シュンアンが起きていることに気づきます。「3番が僕以外でもキスをした?」と尋ねるシュンアンに「しないかも」と答えるイエ。「先輩、僕と付き合って」と頼むシュンアンに、イエは「君が僕によくしてくれるのは、同情してるからだ。奉仕活動に夢中になるのと一緒だ」と言います。「ありえない。一緒だと楽しいでしょ?幸せになれるのに、何を言うんですか」と返すシュンアン。「知ってたか?僕はずっと君を羨み、嫉妬してる。君は全てを持ってるが、僕には何もない。時々、平気で君を頼る自分に腹が立つ。みんなも特別な関係だと思ってる。君と付き合えば、僕の劣等感が虚栄心で満たされてしまう。一方、君には葛藤などない。君は完璧だからね。でも僕は違う。僕は苦労続きだ。一緒になった後の僕の立場を考えたか?」と挑むように尋ねるイエ。「苦労はさせません」と縋るシュンアンに、「そうか。それから?僕は言われる。大学では後輩を、社会ではパートナーに依存してると。”自由自在”なのに、僕には自由がない」と答えるイエ。「あなたは僕に特別な感情を抱いたことはないんですか」とシュンアンが辛そうに尋ねると、イエは逡巡します。「聞かなかったことに」と言い、その場を去るシュンアン。「僕がいない方が君は自由になれる」とその時のイエは思ったのです。

シュンアンの個室を訪ねるイエ。「僕を利用してランの気持ちを探るつもりか?」と尋ねるイエに、「そう見えますか?」と笑うシュンアン。「そう見えるさ。もう昔の君とは違うな」と言うイエ。「時が経てば違って当然です。人は変わる」と答えるシュンアンに、「時が経っても愛情は残ってる?君を拒絶したことを後悔してるんだ。もう一度チャンスをくれ」とイエは言い出します。シュンアンは苦笑し、「先輩、自分の選択には責任を持つべきです。あなたも僕もね。昔は何が愛がわからなくて全てを手に入れようとした。でも今は分かる。愛とは寄り添い守ることです。だから、昔のわがままをあなたに謝りたかった。感謝もしてます。あなたが分からせてくれた。当時告白した時は、自分自身にも混乱していました。何か証明したかったのかも。その後、愛とは何かを理解した」と言います。イエは「感謝するのは僕だよ。君には助けられた。僕は何も返さず、君を傷つけた」と言い、「傷つけた?あれは慣れだったんです。頼られて初めて自分が成立する”慣れ”です。何も分かってなかった」とシュンアンは返します。「期待してた。まだ待ってると」とイエが言うと、「待ってますよ。違う人を」とシュンアンはニヤリとします。

診療所の一階で、プリンがいい、ドリアがいいと新商品に盛り上がるピングオやジューツーに囲まれつつ、気が気でないラン。「そろそろ帰るから院長に挨拶してくる」と言い、2階に上がってきます。そこでランはイエとシュンアンがキスしているように見えてしまい、慌てて「店に帰る」と走り出してしまいます。すぐさま彼を追いかけるシュンアン。

ランは歩きながらシュンアンが自分にしてくれたことや言ってくれたことを思い出していました。また、アレックスから背中を押されたことも。

ランは来た道を走って戻り始めます。途中でシュンアンに会い、「話を聞いてくれ」と呼び止められます。ランは「ごめん。君を欺いてた。この前、君と僕の思いは違うと言ったけど、嘘だ。僕の思いは君と同じだ」と告白します。しかし突然「同じ」と言われてもシュンアンは困惑します。「不要な時は他人に押し付け、必要な時だけ僕を呼ぶ。それで”同じ”だと?」と言うと、シュンアンは踵を返します。「でもシュンアン、君も…。僕はただ君に伝えたくて…」とランは彼を追いかけますが、「僕が君を避けたか?駆け戻って来たのも、本気か衝動か分からない。これで思いが同じなんてよく言うよ。初めて家に送った時から、君を思ってたのに気づかなかった?伝えようとしても君は最後まで聞かず、考え込むだけだった」とシュンアンは言って、早足で歩き出します。「気づいてたよ。でも怖かったんだ。君を傷つけそうで怖かった。僕には問題が…」と答えるランに、「怖い?僕の気持ちを考えたか?問題なんて僕には関係ない!女性を紹介したり、先輩に譲ったり、”友達でもいられない”と脅しまでして勝手すぎる!僕の思いを知ってるのに!」と激怒するシュンアン。「誤解だよ、君には悪いことをした。僕は愛する人に身勝手になる。それで家族を失ったから、愛される資格がないと思い続けてた」と必死で縋るラン。「じゃあなぜ戻ってきた?好きだと言うのも身勝手な理由からか?僕が感激して君にキスして抱きしめ、平和に終わるとでも?いいか、バイ・ラン。一方的ではダメだ。それにこんな…こんなふうに伝えるなんて…僕だって不安だった」と言って診療所へと歩き出すシュンアン。「今日は先輩のことが不安で診療所に来たんだろ。君は自分の真の望みを分かってるのか?好きという言葉に責任が持てるか?」と言うシュンアンに、「シュンアン、本当にごめん」とランは再度謝ります。しかしシュンアンは「謝罪はいらない。まだ分からないのか?」と苛立ったように言います。「じゃあどうすれば信じるんだ?」と同じように苛立つランに、「僕は君を信じてる。君は自分を信じてるのか?」と言って、シュンアンは1人で診療所へと戻っていってしまいます。ランは怒り、その場で地団駄を踏みます。

イエが「本当に変わったな。より自由で自信に満ちている。相手が誰か知りたい。もし僕が…」と言うと、シュンアンは「”もし”はない。もうはっきり伝えたはずです。本当に僕を理解してた?」と尋ねます。「君は彼を理解してるか?彼が君を理解し応えてくれると思うか?」とさらに尋ねるイエに、「はい。僕が必要だと分からせてやれるから」と答えるシュンアン。イエはランが階段を上がってくるのを見るなりシュンアンにハグし、「ここに僕がいても彼は君を信じられるかな」と尋ね、シュンアンは「もちろん」と答えます。シュンアンは信じられないという表情でイエを見ると、ランを追いかけます。
「結果はどうであれ、話し合いは必要だ。けじめをつけて歩き出すために。あと君たち次第だ」とイエはひとりごちます。

 

第9話

<あらすじ>
白朗がお店のガラス戸を手で拭いている。
どうしたらいいのか悩んでいるのだ。
結果、晋循安の胃袋をつかむと宣言して、毎日お弁当を配達することにした。

イエに告白した後、シュンアンは失恋を乗り越えようと必死になっていました。姉に会いに来たランは目薬をさしたばかりのシュンアンが泣いていると勘違いし、姉に渡すはずだった弁当の一つにメモをつけると「元気出して」と言って去っていきます。メモには「世界が終わる日にだって太陽は昇る 頑張れ」と書かれており、中にはお菓子が入っていました。チンに「楽しみにしてたのに」と怒られながらも謝りつつ帰宅するラン。

窓を素手で拭くランを見て、「自己嫌悪に陥ってるな」と冷静に分析するアレックス。RJはアレックスといつ友達になったのかと尋ねますが、貯蔵庫で見つけたロボットだとはぐらかすラン。RJの熱意に負け、白夜朗朗を買った時には店にいたんだと説明します。メモを取るRJ。彼の中国語名はアイリーコースー、ジョウ・チャンハオで…と彼の望むままに答えてやりますが、師匠に興味津々だな、僕には興味はないのかと揶揄います。ランはRJの腕を掴んで引き寄せると、「彼は優しいから拒絶されなきゃ望みはある」と言ってやります。RJは調子に乗り、「感情が生まれないって話も、それを恐れて愛さないのも変だ。相手を嫌いでなければね」とランに大人びた口を叩きますが、開店準備をしろと脅されて慌てて掃除を始めます。

ランは家でシュンアンになんと言って仲直りすればいいのか悩んでいました。誠意が伝わらなきゃいけない、相手は人間だ…と言いつつ、サボテンを殴って気を逸らします。「一言だけでいいんだ。ラン、本気を出せ!」と気合を入れると、「僕は本気だ。付き合おう」とシュンアンにチャットを送りますが、すぐさま取り消します。いややっぱり送った方が、ストレートすぎるか?と「君は歯医者恐怖症を治してくれた。情緒不安定も治してくれる?」と書きますが、内容が変かも…とまた取り消します。「僕を信じてくれないなら、歯の治療を誰からも拒まれる罰を僕に与えてくれ」と送るも、これじゃ彼にも拒まれるってことか…と頭を抱え、シュンアンにもらった抱き枕に相談してまた取り消します。

シュンアンはチンとビデオ通話します。ビデオ通話は嫌いなのに珍しいわねとパックをしながら電話の意図を探るチン。シュンアンは「ランと交際させてください」と頭を下げます。「ビデオだから殴られないとでも!?治療を頼んだだけで喧嘩を売るの!?」と激怒するチンに、「先輩はランにとって最も大事な人だから、交際を認めて欲しいんです。そうすれば彼は安心して僕のところへ」と言うシュンアン。チンは「シュンアン一体どういうこと?頼んだのは歯の治療よ。手短にお願い。でも何を言われようと絶対に認めないからね!」と啖呵を切ります。

シュンイン歯科を尋ねたランは、ジューツーから「院長は研修で不在ですよ」と不思議そうに尋ねられます最初は。「歯石取りに来たんだ」と嘘をつくランですが、クッキーを持ってきたと打ち明け、「この前僕が帰った後、院長の様子に変化は?」と前のめりに尋ねます。「特には…」と返され、「じゃあ、院長の嫌いなことと好きなことは?」とダーAやピングオも巻き込んで尋ねます。「嫌いなことも好きなことも多いですよ。患者の無断キャンセル、順番抜かし、裏表のある人間も嫌いだから話は率直に…」と彼らの話を録音して後で聞いていたランは、「僕はずっと彼の地雷を踏んでたのか!」と頭を抱えます。アメリカ料理は豪快すぎるし、タイ料理は辛すぎる、韓国料理や中華じゃムードがない、パエリアはもう作ったし、巻き寿司は鮮度が心配、地中海料理、インド料理…と、料理本を読み漁るラン。壁には「臨時作戦本部」と書かれた黒板が下がっています。

シュンアンがシュンイン歯科に戻ると、ダーAが「弁当を預かっています」と恐る恐る彼に差し出します、クーラーバッグを開けると、弁当には「まずは君の胃袋を掴む。僕の真心を受け取ってくれ」とランの手書きのメモが貼り付けられていました。弁当箱を返してくれたジューツーは「院長、嬉しそうでしたよ。ダーAが後で写真を送るって」と言って楽しげに帰っていきます。「幸先がいいな」とウキウキするラン。

翌日の弁当には、「過去を償うより、行動で未来を証明するよ。真心を込めた最高の和食だ」とランのメモが。弁当は天丼です。返された弁当箱には「みりんが多すぎて甘い」というシュンアンからの返事のメモが。燃えるラン。

翌日の弁当には、「甘酸っぱい味はまるで愛情そのもの」とメモが添えてあり、シュンアンは微笑みます。「酸味が強いと歯を痛める」という返事のメモを見て、渋い顔のラン。

自分の部屋で弁当を開けるシュンアン。今度は弁当箱に何も入っておらず、「出前は以下の番号へ、自分で注文を」と書いてありました。溜めたメモを見ながら楽しそうなシュンアン。
返ってきた弁当箱のメモには何も書いておらず、ランは頭を抱えます。「そんなことに配達員を使うな」とアレックスに注意され、ランは「もうやめた」とメモを剥ぎ取ります。

閉店後、RJは「母さんから父さんが病気だと言われた。どうせ嘘だけど。体裁が悪くて本音を言えないんだ。譲歩したら調子に乗っていろいろ要求してくるから僕は譲らない」とアレックスに打ち明けます。「嘘をついてでも帰ってきてほしいんだよ。譲れるのが大人だ」と注意しますが、RJは「もう僕は大人だ」とアレックスに背を向けます。

診療所を閉めるシュンアンに、ランは「約束したよな。歯形を作るんだろ?僕は歯並びがいいから教材に適してるって」と声をかけます。「今更何の冗談だ?望んでるのか?」と言うシュンアン。「僕を避けてるのか?僕が逃げてもいいと?」とランが声を荒げると、「歯科の権威者、僕の伝説を教えてやる。好かれてる人に歯形を作られ、製作者の名まで刻まれたら、その人に一生食いつかれることになる」とランを引き留めて囁きます。ランはシュンアンに連れられるがまま、診療所の中へ。
「君は自ら網にかかり、名前を刻まれるのを待ってる。もう逃げられないよ。いいね?」と言うシュンアンに、「僕も君の歯形を作り、僕の名を刻もう」と返すラン。「不思議だな。以前は怖かった診察室が、今は心地良い」とランは懐かしそうに言います。「認めるよ。僕の思いは君と同じだ。でもいいのかな。僕は問題のある人間かも」と不安げなランに、「いいも悪いもない。僕だって問題がある人間だけど、2人で向き合えばきっとうまくいく。君のご両親のことは、君は悪くないと僕が言っても意味がないだろう。君は自分を責めてる。僕にできるのは、そばにいて君を守ることだけ。一緒に苦しみを乗り越え、君の傷を癒す。それだけだ」と返すシュンアン。
「持たなければ失う恐怖はないと思ってた。でも今は、失う恐怖があっても欲しい」と言うと、ランはシュンアンを診察台に押し倒してキスをします。「君が好きだ。一緒にいよう」と言うランを抱き寄せると、キスを返すシュンアン。

ランと住む家に戻ったチン。夜遅いのに家にいない弟を心配し、アレックスに「帰りに夜食を買ってきてほしくて」と偽って電話をします。

「君は親知らずみたいだ。歪んでるのか、いつ現れるのかも分からない。ほら、君の歯形だ」とランの歯形を見せるシュンアン。「僕の歯形は本当に綺麗なのか?」と悪戯っぽく笑うランに、シュンアンは照れた笑いを返します。
「科学者によると、軽いキスは約3kcal消費する。情熱的なディープキスなら1分あたり26kcalだ。だからさっきから今まで…」とシュンアンの背中を突くラン。シュンアンは「腹が減った。海鮮パエリアがいい」と言い、ランは「作るよ」と嬉しそうに返します。「そろそろ診察台から降りろ。キスを思い出して診察台が見られなくなる」と言うシュンアンに笑うラン。

アレックスはRJに帰らないのかと声をかけます。「今回は譲歩するけど、譲歩ばかりするのは男じゃない」と言うRJを「成長したな」と褒めるアレックス。RJはアレックスの腕を引くと、強引にキスをします。呆然とするアレックスに、「今度こそ初キスだ。行くよ」とアレックスの引き止める声も聞かずに店を出ていきます。アレックスは動揺します。

家に戻ったランとシュンアン。2人がイチャイチャしようとすると、そこにはチンが。シュンアンといつからそんな仲になったのか、店にも行かずどこで何をしていたのかとランを詰問するチン。歯形を取っていたのだとシュンアンは説明しますが、チンの怒りは収まりません。「久しぶりだから僕の夜食を食べたいよね?」とシュンアンの助けを借りて料理をしようとしますが、チンはその手を遮り、「鬼姑にはならないわ。最初からそうだもの。頭から全部説明しなさい」とシュンアンをソファーに座らせます。

ランがチャットを送っては消し、送っては消し…としていたことを、シュンアンは携帯の通知ですべて知っていました。
「恋愛は簡単に人を愚か者にする。内緒にしてるつもりでも容易に露見する。恋心は、隠しても隠しきれない」とひとりごち、チンにテレビ電話を始めるシュンアンなのでした。

 

第10話

<あらすじ>
白朗と晋循安が帰宅すると、突然花蓮から戻って来た白晴に遭遇する。
晋循安をベランダに連れ出した白晴は、いきなり1発殴ると、白朗と一緒に過ごす覚悟があるのかと聞く。
アレックスは、RJがいなくなった部屋で、1冊のノートを拾った。

チンはシュンアンの腹を殴り、「ランは見た目ほど単純じゃない。覚悟がないなら放っておいて」と頼みます。「先輩は放っておいたんですか?実の姉なのに?」とシュンアンが詰め寄ると、チンは「患者がその気にならなきゃ医者でも救えない。私が平気でいたと思う?私は干渉できなかった。ガラスの乳歯を見た?あれは弟を支えると同時に責苦を負わせてる。両親の死のことで弟は自分を責めてるの。あの子と一緒に背負える?それともイエの身代わり?耐えられる?」とイエはシュンアンを責め立てます。シュンアンは「僕が誓う相手はあなたじゃない。見守っていてくださあ。今日から彼は闇夜も孤独も怖くない。僕がいるから」と胸を張ります。何度も殴られ困惑するシュンアン。姉に何かされたのではと不安がるランに「大丈夫」と落ち着かせるシュンアン。

シュンイン歯科が開くのを待っていたチーは、出勤したダーAを捕まえて「君に朝食を。この前の試合はなぜ来なかった?来週はいつ頃空いてる?」と質問責めにします。「院長に呼ばれたので」と朝食を受け取りながら愛想笑いをするダーA。チーは日曜に試合があるから来てくれと改めてチケットを渡し、「このために待ってたわけじゃない。たまたまだ」と強調します。さらに俺が教えてやるからスケートに行かないかと誘い、楽しそうに去っていきます。美味しそうな朝食に頬が緩むダーA。

一緒に車で出勤するランとシュンアン。「いつもと違うから恥ずかしい」と互いをこづきあって恥ずかしそうな2人。「今日は僕らが交際して初めて出勤する日だろ。緊張してるよ。こわな感覚初めてだ」と恥ずかしそうなシュンアン。シュンアンはランにキスをし、よそ見をするなとランは怒りながら笑います。

手を繋いで白夜朗朗まで行き、ランを見送るシュンアン。「仕事をサボって僕と過ごす?」とふざけつつ、店に入っていくラン。
開店準備をするアレックスはRJの使っていた簡易ベッドからノートが落ちたことに気づきます。ノートには、「腹いせにアレックスというおじさんにキスをした」「彼は若いのに説教が好きだ。でも僕に強要はしない。彼にときめくか?とランに問われて、彼への気持ちに気づいた」「彼を手伝いたくてカクテルを学び始めた。彼はピンクレディの酒言葉の意味を知りながらジントニックを選んだ」「アレックスはいつもコートを忘れる。古い帽子が2つ、野球帽は3つ」とイラストとともに言葉が綴ってありました。思わず笑ってしまうアレックス。ランに見つかりそうになり、咄嗟にノートを隠します。

白夜朗朗を閉めたランはシュンイン歯科でシュンアンの仕事が終わるのを待っていましたが、飽きてしまいます。仕事を邪魔しようとすると、「責任をとってもらうぞ。休みをとって1泊2日で出かけよう。どう?」と提案され、乗り気のラン。2人はキスします。

デートに30分も遅刻したランに、「遅刻した時の罰則を決めたよな?」と言うシュンアン。ランはペアネックレスを見せ、「このために遅れたのか。怒れるわけがない」とシュンアンは笑います。「誰も君の仕事を邪魔しないように。僕を除いて」と言うランにキスをするシュンアン。

チーに誘われてスケートをするダーA。「うまくなれば試合もできる。君と試合がしたい」と言うチーに、「僕は歯科医ですよ。観戦だけで十分です。愛好者でもない僕をなぜ誘ったんです?」とダーAは渋い顔。「君はいつも診療所から出ないから、外で運動してほしかったんだ。それに俺のホッケー仲間と遊べるかなと」と言うチー。「僕のレベルでは無理そうですね。まず食事をしましょう」と提案するダーAに、チーは大喜びします。

市場に寄ったランは野菜を買い付けます。そこにイエが現れ「シュンアンは香菜が苦手だ。チンゲンサイもダメ。泥臭いのが苦手だ。山菜やオクラみたいな粘る食材も嫌ってる。敵に遭遇した気分か?」と言って立ち去っていきます。ランは彼を追いかけると、「僕を怒らせたいのか。君は過去で僕は未来だ。彼のことは僕が理解してる」と睨みますが、イエは「彼のことを教えてあげただけだ。当時は僕も理解してるつもりだったが、身勝手だった。あの頃僕は自分の不遇を盾にして、互いに必要なものも与えなかった」と言います。「僕なら彼が望むものを与えられる!」と言うランに、「言い切れる?彼の望みが何か考えたことは?」と返して踵を返してしまいます。

カクテルの試作をするアレックスは、思わず入ってきたランに「RJ」と呼びかけてしまい、「彼が心配なんだろ」と図星を当てられてしまいます。「彼の親を見ただろ?今頃殴られた挙句、軟禁されてるかも」と言うランに、「RJの問題だから、心配してもしょうがない」とクールに返すアレックス。「しかし電話一本かけないなんて薄情だよな。お前から連絡したら?内心は焦ってるだろ?いいか、愛は口で奏でろ」と言うランを、配達に追い出すアレックス。

イエとカフェに来たシュンアン。「昔はスイーツなんか食べなかっただろ」と言われ、「好きな人ができて分かったんです。人は変われる。自分を貫くのも大事だが、柔軟性も必要。これは彼のためなんです。次に彼と来た時、好きそうなものを教えてやれる」と嬉しそうにケーキを頬張るシュンアンに渋い顔のイエ。「いつ花蓮へ?」と緊張した面持ちで訪ねるシュンアンに、「年明けだ。ここ数年で僕が得たのは息子のジャンヤンだけだ。もしかしたら僕ら親子は運命の人を待ってるのかもな」と返すイエ。

シュンアンに弁当を持ってきたランですが、シュンアンが見当たりません。イエと出かけていることを知らせたくないピングオたちは、必死で話を逸らそうとしますが、うっかりダーAがバラしてしまい、ピングオたちから非難を受けます。慌ててカフェに来たランは、イエが立ち上がりシュンアンにハグを求めているのを見つけてしまいます。「ハグなら僕が」と代わりにハグをした上、「僕のシュンアンが世話になった」とドヤ顔のランに笑ってしまうシュンアン。ランはシュンアンの隣に座り、「君は警戒心が足りない」と文句を言いますが、シュンアンに「これは君好みだよ」とケーキを口に運ばれてしまいます。
「妬いているのは僕だよ。誰かさんはいつもアレックスと店にいるし、女友達も多い。僕の方が心配だよ」と言うシュンアンに、「ランにら恋人がいるって店に張り出すよ。僕の誠意だ。君一筋だと証明するために特別な弁当を作ってきた」と言って弁当を見せます。「山芋の胡麻味噌あえ、香り高い香菜、チンゲンサイの飾り切り、イタリア風ナス料理」と献立を説明すると、「言い忘れてた。先日君の先輩と会っていろいろアドバイスを受けたよ。やっぱり彼の料理には及ばないかな?」と言うランに、「まずはスイーツから食べる」と言って彼の唇を奪うシュンアン。

1人でカフェを出たイエは学生時代のシュンアンとの思い出を思い返します。彼との甘酸っぱい思い出に微笑みつつ、「君には本当の自由を見つけてほしい」と心の中でつぶやいて、足を早めます。

白夜朗朗で昼寝をしていたアレックスは、RJがちまちまと働く後ろ姿を見ながら思わず笑ってしまいます。何度も自分が起きているか確認している時も、実はずっと起きていたのです。「動物の子は恐れ知らずだ。興味のあるものに引き寄せられ、いつの間にか罠にハマる。逃がすべきか、それとも連れていく?」と考え込むアレックス。

 

第11話

<あらすじ>
白朗と晋循安は、1泊2日のアーバンキャンプを楽しむ。
ロマンチックな雰囲気の中、晋循安はブレスレットを白朗に送る。
晋循安の両親の話になり、もし関係を反対されたらどうしようと白朗が心配する。

なぜシュンアンではなく自分を買い物に付き合わせるのかと文句を言うアレックスに、友達付き合いも大事だからと嘯くラン。チョコレートを購入しようと棚を移動すると、途中で若いヤンキーカップルから「邪魔」と舌打ちされます。「うちのRJはかわいいもんだ」と言いながらチョコを物色するランの隣で、アレックスは一つの板チョコを手に取ります。
その板チョコは白夜朗朗の棚にランが置いていた私物で、勝手にRJがおやつとして食べてしまったのでした。今日が賞味期限だからと言い訳する彼を叱るアレックスに、「ランの分も買ったよ。そんな恩知らずじゃない」とRJは睨んで去ってしまいます。
店のカードで食料を買います。

いざシュンアンとアーバンキャンプへ来たランですが、機嫌が良くありません。「楽しみにしていたのに一泊だけとは」とぶすくれる彼に、「授業のことを忘れてた。学校と連携して歯の健康に関する啓発をするんだ。忙しいんだよ」と謝ります。怒っていると言いつつも、ランは「一緒にいるだけで嬉しい」とシュンアンを抱きしめます。
ホットワインを作ると、シュンアンに飲ませます。「普段僕が飲まないのを知ってるくせに、どうする気?」と嬉しそうなシュンアンに、「飲ませたら君の本音が出るかなと思って。大胆になるかなって。あとは、飲んだ後で…」と2人笑い合うラン。

「君の両親はどこに住んでるの?」と突然尋ねるランに、「僕の両親に会いたい?」と返すシュンアン。「ご両親に反対されたらどうしよう。どの程度受け入れてくれるかまず試さないか?突然だと動揺して診療所を追い出されるかも」と不安げなランに、「全てを失っても一緒にいる?」とシュンアンは訪ね返します。ランは俯くと、「僕と一緒にいる人は大変だって。扱いにくいから。素直じゃないし、カッコつけるし、子供の頃に焦って大人になろうとしたせいで今は子供返りてるって」と言い、シュンアンは「いいじゃないか。僕がいる」とランを後ろから抱きしめます。
「僕らは互いを安心させるパートナーになることを学ぶべきだ。喧嘩した時も一緒に解決策を考える。相手が悩んでいると気づいたら、心を開くまで待つ。いいね?僕に自信を持たせて」とシュンアンを抱きしめ返すラン。
シュンアンはランにブレスレットを贈ります。「手錠だ。これで逃げられない」と言ってランの腕につけてやります。ブレスレットには「ジュテーム A」と彫られています。「Aの意味は考えてみて。僕の分はここにあるが、何も彫られてないから君が彫って」とランに手渡します。2人は抱きしめ合います。

白夜朗朗のバックヤードでRJのノートを見るアレックス。ノートにはアレックスとRJが徐々に距離を縮めていくパラパラ漫画が描いてあり、アレックスは思わず笑ってしまい、自分の頬を叩きます。

ランはシュンアンを刑事のように尋問し、「あの時、その目を見て気づいた。ゆっくりと好きという思いが目から心に伝わってきた。この事実を認めるか?左手を出せ!じっとしてろ!これから君は僕のもの。反抗するのも訴えるのも許さない」と言うなり、彼の左手にブレスレットをつけます。ブレスレットには「君は僕の鼓動 僕の愛」と彫られていました。ムードがないとぶつくさ文句を言うランに、僕はあんなにロマンチックに贈ったのにと唇を尖らせるシュンアン。「この文字は僕が三日三晩寝ずに彫ったんだぞ」とランは怒り、「こんなかわいい刑事さんはいないよ。逮捕して」とシュンアンはランをキス責めにします。
そこにシュンアン宛に電話が。ランの前では電話に出ない彼に、イエ以外にも昔の男がいるのかと不安になるラン。
シュンアンのために夜食を作るランですが、店で問題が起きたようで、シュンアンが電話をしている間に店に戻ります。夜食にはランのメモが。「RJが不在でアレックスが手一杯だ。冷蔵庫の中、空っぽなんだね」と書かれていました。シュンアンは「帰ってこないで」という誰かへのチャットに「明日帰る」と返信して、疲れたようにイスに座り込みます。

ランは診療所に美味しいと評判のフレンチトーストを持って行こうとしますが、「今日はみんな手術で忙しい」と断られてしまいます。ミルク餅の有名店の写真を送って「ここのはきっと気にいるよ」と連絡しても、「僕は不在だ。ピングオたちに渡して」と言われてしまいます。

シュンアンのために買ったものを白夜朗朗に持って返り、スタッフたちに食べさせるラン。アレックスは「満腹だ、スタッフたちに渡せと言われたんだろ」と言いますが、ランは「忙しい時に迷惑をかけたくない」と不貞腐れています。「この調子だと振られそうだ。彼は何も言ってないけど、この10日間で1回か会ってないんだ」とチンに不安を吐露するラン。
そこにシュンアンからの電話が。ホッとするラン。「会いたい。今君の家に近い公園にいる」と言われて、会いにいきます。ランが彼をきつく抱きしめようとすると、シュンアンはそれを激しく拒みます。「疲れているから…」と言うと、「ごめん、多忙で一緒にいられる時間がなくて」とシュンアンは謝ります。ひどく痩せてしまった彼を不安がるラン。雨が降り出したから家に来いと言っても、「まだ仕事が残っているから」とシュンアンは拒みます。「僕がひと段落ついたら、美味しいものを作ってよ」と頼む彼に、「僕に何か隠していることはないよな?」と不安そうに尋ねるラン。「忘れてた。君の好きなクッキーを買った。新しいフレーバーだ」とシュンアンは疲れ切った様子でクッキーを手渡してきます。「忘れないで、君は1人じゃない」とランはシュンアンを気遣うと、自宅に戻りました。

まるで戦地に赴くようなひどい顔だったとチンに報告するラン。チンは「真剣に恋してくれているのが嬉しい」と笑いますが、ランは「彼は忙しくて仕事ばかり」と愚痴を言います。「彼は仕事にかまけて恋人を粗末にする人なの?」と尋ねるチンに、「そうじゃないと思うから悩んでるんだ。何かを隠してるのかな。僕が彼なら問題を解決するまで待っててほしい…」と言い、チンはそういうことよとでもいうように肩をすくめます。最悪の場合は彼を始末してランにもっといい人を見つけてやると言うチン。チンは恋愛しないとかとランが尋ねると、「1人はいいわ。幸せの定義は人によるものよ。あんたが幸せなら私も幸せ」とチンは明るく話します。チンはどうやらどこかへ行く予定のようです。

白夜朗朗に来たチンとラン。チンはあちこち汚れていると指摘し、スタッフのチンが作った新作パエリアを口にします。「あんたのより美味しい」と言いかけ、ランに睨まれてしまいます。
そこにジャンヤンがやってきて、「パスタが美味しかったから食べたい」とねだってきます。後ろからイエもやってきて、2人でチンに挨拶します。何の目的で来たのかと疑うランに、「あの日彼を訪ねたのは別れを告げるためだ。誤解するな」と答えるイエ。
「今更現れて彼を困らせるな」と牽制するランに、「僕がなぜ戻ったのか知りたい?…僕は若かった。シュンアンに近づきたい一方で妬ましかった。彼はいい奴すぎて僕は引け目を感じてた。だから僕は米国に渡って家族を作った。僕にとっても家族にとってもそれが最適解だと思ってた」とイエは昔話をします。「君は家庭に劣等感を抱き、僕は過去の自分を責めてる。僕らを戸惑わせるほどシュンアンはいい奴だ。人生は選択の連続だけど、重要なのは選択の中に幸福を感じることだ」と頷くランに、「君もいい奴だな。米国から帰ってきてまずシュンアンを訪ねたのは、大海原で流木を取り戻そうと考えたからだった。君のおかげで自力で何とかすべきと気づいた。君は自分の思いを彼に直接伝えろ。でないと彼の裏の行動に不満を抱くことに」とイエは遠い目をします。「どういう意味?」とランは尋ねますが、イエは「そのうち分かるよ」としか言いません。

イエはチンの学生時代は、男は誰1人近寄らず「人間凶器」と呼ばれていたと息子に話します。そして花蓮で教師をすると打ち明け、シュンアンとランを祝福すると言ってくれます。

帰宅したランはシュンアンに飽きられたのかと不安になります。「互いを安心させるのがそんなに難しいことか?」と彼にもらった抱き枕を殴りますが、「君は悪くないから許そう」とベッドに持ち込んで抱きしめて眠ります。
シュンアンから「ごめん。最近一緒にいられなくて」とチャットが届いていましたが、ランは夢の中。

「眠れない時はブルーチーズを」と黒板に書きながら、ランは店は活気があるのにやる気が出ないと悩んでいました。シュンアンがいないからかとブレスレットち触れますが、そんな彼の姿をシュンアンは遠くから見つめて、踵を返してしまいます。

実家に帰ってきたシュンアンは、母から「なぜまた戻ってきたの。先週もあんなに殴られたのに」と息子を気遣います。「先週はランのことで不安定になっただけだよ。父さんと話がしたい」と父を庇うシュンアンに、母は「ランって子が家族に話せって言ったの?」と困惑。「彼は内心反対されるのを恐れてる。僕が隠したくないんだ。幼い頃に両親を失った彼に、家族を与えたい」とシュンアンは言い、「また夜通しひざまずくならマットを渡すからね」と母は心配します。
その後、ランに「会いたい」と電話をしたのでした。身体中の痛みを耐えながらランを待つシュンアン。
「愛はいつも人を悩ませる。自分のやり方でお互いを守る。安心して君が来られるように」とつぶやくシュンアン。
「愛はいつも人を悩ませる。疑うことなく互いを待つ。恐れずに君の元へ行けるように」とつぶやくラン。

 

第12話

<あらすじ>
「白夜朗朗」の5周年記念にも晋循安は現れない。
電話で明日の昼に、と言われ、乗馬倶楽部に白朗が行くと、晋循安は乗馬服を着たら、最近何をしていたのか教えると話す。
白朗は馬に乗り、晋循安に引かれて海辺に出た。

白夜朗朗では開店5周年記念パーティーが開かれていました。シュンイン歯科のメンバーを全員招待したのに、シュンアンだけがいません。「院長は疲れているようです」と言われ、複雑な表情のラン。
ランは、「もう3週間だぞ。僕をこんなに放っておくなんて。人という字は二画で完成する、一画では成立しない」と心の中でつぶやきます。アレックスは、「1人でも平気だ。でも時々大勢の中にいると寂しさが募る。1人で孤独を恐れるか、2人で裏切りを恐れるか、君はどちらを選ぶ?」と心の中でつぶやきます。

ランに電話したシュンアンは開口一番謝り、「もう解決したから謝ることはないよ。もう済んだことだ」と言います。服を脱いだシュンアンの背中には、殴ったり鞭で叩いたあとのような傷痕が。「僕に何を隠してる?」とランは探りますが、シュンアンが「明日の昼は空いてる?僕を信じて」と言うので、ランは何も聞かず彼を信じることに。

シュンアンに指示された場所は乗馬場。馬に乗って優雅にこちらに駆けてくるシュンアンに、「待たせた挙句にこんなところに呼んで釈明か?これまで何をしてたんだ?」と呆れて声をかけるラン。「乗馬服を着たら教える」と言われ、渋々彼の言う通りに。
「君に会うのが怖かった。君に会えば心が挫けて離れられなくなるかも」と言うシュンアンに、ランは「一緒に向き合う約束だ。1人で耐えるな。次は許さない」と厳しい口調で言い、キスをします。ランを馬に乗せ、シュンアンは馬を引きます。

馬を返すと、2人は手を繋いで海辺を歩きます。「来週家に行こう。未来の夫の両親が住む家だ」と提案するシュンアンに、「君の両親は僕を受け入れるかな」とランは不安げ。「重要なのは僕の思いだ」とシュンアンは勇気づけます。

白夜朗朗のバックヤードで、RJの使っていた簡易ベッドを片付けるアレックス。ちょうど電気が落ちてしまい、アレックスがあたりを見回すと、懐中電灯を持ったRJが「薄情だね。もう片付けるなんて」と言いながら現れます。「父さんが本当に病気だったから、休みを取って看病してた。聞いてないの?ずっとあなたを思ってた。あなたは?」と尋ねるRJに、アレックスはバッジを手渡します。アレックスに抱きつくRJ。「僕を思ってた?」とさらに追撃するRJに「そうかもな」と笑うアレックス。

シュンアンの実家に行ったランは、「許さん。絶対にだ」と彼の父に激怒される想像をしていました。「僕ほど彼を幸福にできる者はいません」と言っても、彼の母には「自惚れないで」と罵られ…そう想像して、自分の肩を勇気づけるように叩くラン。シュンアンに手を繋がれて実家に入っていきます。
シュンアンの実家には両親だけでなく叔母の家族も来ており、みんなで水餃子を包んでいました。ランはよければ店で皆さんで食事でもと誘いますが、シュンアンの父はだんまりを決め込んでいます。自分に会いたいと言われて帰ってきたと聞いたのにとへそを曲げたシュンアンの父は、「騒々しくて頭が痛い。機嫌が悪いんじゃない。休むよ」と1人で2階に戻ってしまいます。落ち込むランに、「また機会はあるから」と親族たちは気を遣ってくれます。

シュンアンの母は親族を帰すと、一緒に料理をしようとランを誘います。ようやく彼の父が一階に降りてきました。ランはシュンアンの母と相談しながら献立を決めていきます。リビングで将棋を指しはじめるシュンアンと父。

シュンアンの母は、「問題をどう解決したかシュンアンは話してない?」とランに尋ねます。「私は子どもが幸せならそれでいい。でも父親は違う。この数週間、シュンアンがどれだけ罵倒され殴られたことか」と辛そうに言います。
シュンアンは父に会いにいくたび、「お前は私を憤死させる気か!」と何度も鞭で叩かれました。父の部屋の前で跪き続けるシュンアンの膝はひどく擦りむいていました。
「シュンアンは言ったの。あなたに完全な家庭を与えたい。ただの伴侶じゃなくてうちの家族にしたいと。彼は昔から何でもできたけど、何事にも執着しようとしなかった。こんなにこだわる姿を見たのは初めてよ。好きな人と結ばれるのは稀有な縁。その意味を体現して、その価値を証明しなきゃね」とシュンアンの母はランを見ます。「実を言うと私は息子が増えて嬉しい。私が母親でもいい?父親のことは後で考えましょう」とシュンアンの母は涙ぐみながら言います。

そこにシュンアンの父親が現れ、「食事は作らなくていい。君の好きな四川料理の店を予約した。4人で」と言います。シュンアンの父は「将棋の腕はまだまだだな」とシュンアンに言うと、自分の部屋へと消えていきます。

辛いものが苦手なランは、食事を終えてげっそり。シュンアンに水を飲ませてもらって、介抱されます。ランはシュンアンを抱きしめ、「胸が痛むよ」と謝ります。「心配ない。苦肉の謀ってやつだよ」と言うシュンアン。シュンアンの父に将棋に誘われるラン。シュンアンの部屋の壁には、「世界が終わる日にだって太陽は昇る 頑張れ」というランのメモが貼られていました。

駅前で荷物を持ったまま眠りこけているチンを見つけるイエ。チンが転びそうにり、顔を掬い上げてやります。花蓮でこれから研修だと言うイエは、「サンドイッチを作った。食べるか?」と言い、チンは嬉々として食べます。イエは「知ってたか?ジャンヤンは君が好きだ。あの子は母親にあまり甘えられなかった。だから、君の温もりでそれを補ってるのかもしれない」と言い、チンは「あなた。粗末にした人はきっと後悔する」と彼の背を撫でます。イエに頬を指され、キスして欲しいという意味かと勘違いして照れるチン。これけら2人とも同じ街で働くんでしょ、箸が一膳増えるだけだからお姉さんを養ってあげてよとジャンヤンに言われ、照れるイエ。

8ヶ月後、シュンイン歯科のダーAにチーが「キャンセルが出たから持ってきた」と大量の差し入れを持ってきます。しかし全部ダーAの好物ばかりです。ダーAはチーを引き留め、「日曜は空いてますか?」と尋ねます。チーはすぐさまチームに連絡して「日曜は代わりにチームを頼む」と言います。

シュンアンと待ち合わせるラン。「店に集合なのにどうしてここに…早く行かないと姉さんに殺される」とランは慌てますが、シュンアンは「愛してる」と言い、ひざまずいて2人分の指輪を取り出し、「式まで待てない。今から君の歯、君の心、君の何もかもを僕に任せてほしい」と縋るように言います。ランは指輪をしまわせると、自分のポケットから同じように2人分の指輪を取り出し、彼の指に嵌めます。「君のは返品しよう。これからは僕を頼って」と言うなり彼にキスします。
ランは「キスしたけりゃ僕を追いかけて!」と白夜朗朗までシュンアンを連れていきます。結局遅刻してしまい、「結婚式のリハーサルをする予定だったでしょ!」とチンに激怒されてしまいます。義兄さんと呼ばれたイエは2人の間を取り持とうとします。
店にはチーとダーAも来ていました。RJがノートに何かを書いていると、「大事なものを放っておくな。俺は大事じゃないのか?」とアレックスに囁かれます。「えっ今なんて言ったの!」とRJは慌ててアレックスを追いかけます。

チンとイエの披露宴の余興を練習する一同。みんなでダンスを踊り、チンもノリノリです。「君は私の一番」というライトが店内に眩しく付きます。

ぬいぐるみだらけのベッドで目を覚ましたラン。ぬいぐるみの先にはシュンアンが眠っていました。「休みなのに早起きだな。あと5分寝かせて」と寝ぼけ眼のシュンアンに、「絶好の撮影日和だ」とランは彼を揺り起こします。
「生活は簡単だ。共に営み、共に積み重ねていく」とつぶやく2人。ランの家で2人は同棲を始めました。苦手なオレンジをランのプレートに移して「食べさせてほしい」とシュンアンが甘えたり、靴紐が結べないとランがシュンアンに甘えたり。
「屋根の下で2人、食事と季節を楽しむ。君がいてよかった」という2人の独白の後、シュンアンの父に肩を組まれたランの写真が写ります。

 

まとめ

たこわさ
たこわさ

一見朗らかで明るいけど実は闇をかかえているランと、厳格で近寄りがたいけと実は思いやりシュンアン。歯医者さんを舞台にBLなんて…どうやって?ロマンチックになるの?なんて思っていた私が浅はかでした…!めちゃくちゃロマンチックだった!!「君の歯は僕のものだ」はちょっと笑っちゃったけど、パワーワードすぎて大好きです🦷✨

小錦あや
小錦あや

年齢12歳差のアレックスとRJのCPは、結構衝撃でした。アレックスが大人すぎてRJに靡くことなんて一切なさそうなそぶりだったのに、お話の後半にいくにつれてどんどんクールなアレックスが実は気配り屋で情に厚いことが分かってきて。RJのひたむきなアプローチは、しっかりアレックスに届いていたんですねえ。RJの初恋が叶ってよかった🩷
RJがいかにも子ども!って感じの華奢で可愛らしい外見なので、体格のいいアレックスと並ぶとちょっと犯罪臭がするな…と思ったのはここだけの秘密です😂w

逆襲のゆりこ
逆襲のゆりこ

「重要なのは、誰に会うかではない。 出会った人が“大切な誰か”になるかどうかだ」と作中で語られていましたが、しみじみと噛み締めてしまいましたね。私たちは誰に会うかばかりを気にしてしまうけれど、誰が”大切な誰か”になるなんて実は予想もつかないものだよなと面白く納得させられました。
実際、ランとシュンアンは全く正反対の性格ながらお付き合いするに至ったわけで…。人生って、恋って、不思議で楽しいものですね。

今回3人が見た「My Tooth Your Love ラブリー・クリニック」は、Amazonプライムビデオ、Huluで無料視聴できます。

ぜひチェックしてみてくださいね〜☺️✨

引用:My Tooth Your Love ラブリー・クリニック|フジテレビの人気ドラマ・アニメ・TV番組の動画が見放題<FOD>

 

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