「アマプラ同時上映会」第23弾!
当サイトの運営者3人が、Amazonプライムビデオでアニメやドラマ・映画を同時視聴する企画です🎬✨
2017年・第26回レインボー・リール東京(東京国際レズビアン&ゲイ映画祭)のコンペティションでグランプリを受賞した短編作品、「カランコエの花」。
早速見てみましょう!
登場人物とあらすじ
LGBTの授業を受け、面白半分に当事者探しを始める高校生たち のお話。
<あらすじ>
とある高校2年生のクラスで、ある日唐突に『LGBTについて』の授業が行われた。
しかし他のクラスではその授業は行われておらず、生徒たちに疑念が生じる。
「うちのクラスにLGBTの人がいるんじゃないか?」生徒らの日常に波紋が広がっていき…。
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予告編・予告動画
こんな人におすすめ
- 日本のリアルなLGBT作品が観たい🌈
- 学生特有の閉鎖的な空気感を感じたい🏫
- 愛の尊さに泣きたい😢
ネタバレ感想
7月4日月曜日、ツキは母からカランコエの花のように真っ赤なシュシュを贈られます。
吹奏楽部でクラリネットの朝練をこなした後、同級生で病弱なサナと一緒に教室へ向かい、新しく赴任した物理の教師が塩顔イケメンだと友人たちと騒ぎます。
そこに花ちゃんと呼ばれている保健教師が現れ、英語のヤマノ教師が体調不良で休みなので保健の授業にすると言われ、突然LGBTについて説明されます。なぜいきなり花ちゃんがそんな話をし始めたのかと生徒たちはざわつきます。
ツキは家で母に「LGBTの人って怖くないのかな?」と素朴な疑問をぶつけます。
7月5日火曜日、お調子者のユウヤは日本史の教師カトウが嘘をつく時にいつも鼻を擦るのをからかいます。そして、LGBTに関する講義が自分達のクラスだけ行われたと知った彼はクラス内にLGBT当事者がいるのではないかと探しはじめます。
ユウヤと親友は花ちゃんに彼氏がいるのかとふざけて聞くのと同時に、「他のクラスに授業してないってことはうちのクラスにレズとかゲイとかキモいやついるんでしょ?ぜってえ探してやる」と意気込みます。花ちゃんは困惑。
7月6日水曜日、カトウが「このクラスにLGBTの人がいるからといってあの授業を開いたわけじゃない」と弁明しますが、鼻を擦ったのでユウヤは「ガチでLGBTのやついるんじゃん」と面白がって周りをゲイやレズよばわりし始めます。
サナは吹奏楽部の練習に来ますが、体調が悪いのかずっと窓の外を見ています。サナはツキを呼び出すと、「私みんなが噂してる人が誰か知ってる。先週末、保健室に行った時にその人と花ちゃんが話してるの聞いちゃった。その人すごく辛そうにしてるのにどうしたらいいか分からなくて」と打ち明けます。ツキは誰なのかと尋ね、サナは「サクラちゃん」と恐々と答えます。
サクラはツキがいつも一緒にいる友達の1人です。帰りにサクラと一緒になり、ツキはうまく話すことができません。
ツキの自転車の後ろに乗るサクラは、苦しそうにツキに抱きつきます。サクラは半端な場所でツキに下ろしてもらい、「本当はこんな形で言いたくなかったけど、ツキちゃんにはちゃんと理解してほしかったから…」と言った後、「やっぱりいいや。じゃあね」とバスに乗って行ってしまいます。サクラはバスの中で1人涙します。
7月7日木曜日、ツキはサクラに褒められたシュシュをつけていこうか悩みます。カランコエの花言葉は「あなたを守る」。母はツキにお守りだと思ってつけていけばと声をかけます。
学校に行くと、黒板に大きく「小牧桜はレズビアン」と書かれていました。ユウヤの友達は「マジでこんなことあるんだ!」と楽しそうに笑います。サクラは淡々と授業の準備をして、周囲は彼女を遠巻きにします。ツキは「サクラはレズビアンなんかじゃないよ!」と落書きを消し、サクラは教室を飛び出します。「なんでかばうの!?」と彼女は泣き、「あれ、黒板に書いたの私なんだ…ごめんね」と走り去ります。呆然とするツキたち。
ユウヤはサクラのことが好きだったようで、「レズとかきっしょ!」と笑う親友に殴りかかります。
7月8日金曜日、サクラは学校に来ませんでした。ツキはその日、シュシュを外して、思わず涙してしまいます。
7月1日金曜日、サクラは保健室で花ちゃんに「好きな人がいる」と恋バナをしていました。サクラはツキのことが好きだったのです。一緒に帰れるのが幸せと話しながらも、好きって言いたいけれど女の子同士だから…と彼女は悩んでいました。そこにサナが来て、話は中断します。サクラは花ちゃんが唯一の理解者で、また話に来てもいいですか、と笑顔で去っていきました。
まとめ
サクラ役の女優さんの演技がうますぎて……エンドロール中にずっと語られる、サクラからツキへの「大好きなところ」があまりに素朴で、優しくて、涙が止まりませんでした。
ただ、同性を好きになった。それだけで「キモい」「怖い」と言われ、遠巻きにされる。
どうしてそんなことをされなければいけないんだ、ととめどない怒りが湧くと同時に、どうして分かってくれないんだと偏見を振りかざす人々への虚脱感に襲われました。
ただ人を好きになること、それを誰にも咎められない世界になってほしいです。
正直に言うと、こういう小さな映画祭の作品は芸術性が高く、映画に疎い人が観ると理解しづらいのではないかなと思っていました。
なので、観る前は全然期待していなかったんですが…観てよかった、と今は心から思います。日本にもこんな素敵な視点でLGBT作品を撮ってくれる監督がいて、こんなに心えぐる素敵な演技をしてくれる俳優さんたちがいると知られて、本当によかった。
何度も観るにはつらい映画ですが、映像の美しさもある作品なので、人に積極的に勧めたいです。
映画のタイトル「カランコエの花」を象徴的に使いたかったのは分かるのですが、ちょっとわざとらしいかな…と思いました。でも、全体的にくすんだような画面の中で、ツキの赤いシュシュはかなり映えていて、間違いなく印象的なアイテムではありました。
映画のキャッチフレーズが「ただ、あなたを守りたかった」なのもいいですよね。ツキはサクラを守ろうとしたつもりだったけれど、それは逆にレズビアンである彼女を傷つける決定打になってしまった…。
それにしても、最後にツキがシュシュを外して泣いていたのは、もしかしてサクラが自殺したからとかだったりしませんよね…。シュシュを外すという行為が死の暗喩ではと勘ぐっています。そこも含めて、とても興味深く面白い作品でした。
今回3人が見た「カランコエの花」は、Amazonプライムビデオで無料視聴できます。
ぜひチェックしてみてくださいね〜☺️✨