映画「最初で最後のキス」のネタバレ感想|ゲイフォビアが招いた悲劇

映画

「アマプラ同時上映会」第4弾!

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イタリアの高校を舞台に、かけがえのない絆や未来を無知ゆえに破壊してしまう若者の残酷さを描いた青春ドラマ、「最初で最後のキス」

早速見てみましょう!

登場人物とあらすじ

引用:Amazon.co.jp: 最初で最後のキス(字幕版)を観る | Prime Video

はみ出し者の高校生3人の恋と友情 のお話。

<あらすじ>
個性的なロレンツォは、愛情深い里親に引き取られ、トリノからイタリア北部・ウーディネにやって来るが、奇抜な服装で瞬く間に学校で浮いた存在に。
ロレンツォは同じく学校で浮いている他の2人――ある噂から“尻軽女”とのそしりを受ける少女ブルーと、バスケは上手いが“トロい”とバカにされるアントニオと友情を育んでいく。
自分たちを阻害する生徒らに復讐を試みるが、それを機に少しずつ歯車が狂い始める…。

 

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予告編・予告動画

 

こんな人におすすめ

  • イタリアのおしゃれな青春映画を観たい🇮🇹
  • あっと驚くラストで度肝を抜かれたい👀
  • ゲイフォビアについて考えてみたい💭

 

 ネタバレ感想

イタリア北部・ウーディネ。親を亡くして施設にいた個性的なロレンツォは、愛情深い里親に引き取られ、トリノからこの町にやって来ますが、奇抜な服装で瞬く間に学校で「オカマ」と呼ばれ浮いた存在に。
同じく学校で浮いている、ある先輩と付き合っていることとイケメン上級生3人と4Pしたせいで“尻軽女”とのそしりを受ける少女ブルーと仲良くなるロレンツォ。

ロレンツォは確かにゲイです。マニキュアをしていたというだけで担任に問題児扱いされますが、両親は懸命に守り抗議してくれます。
しかしフェイスブックには「アンチ・ロレンツォの会」といういじめのページができます。やりきれない思いを抱えたまま、ロレンツォは学校の壁に書かれた落書き「ブルーはヤリマン」を夜中にペンキで消しに行きます。

アンチ・ロレンツォのフェイスブックページで、ロレンツォはブルーと同級生のいじめっ子・クラウディアが誕生日会の宣伝をしているのを見つけます。2人はバスケは上手いが“トロい””知覚障害児”とバカにされるアントニオに目をつけ、誕生日会に呼ばれなかった3人でパーティーを開き、友情を育んでいきます。3人が一緒なら楽しくて矢のように時が過ぎていきます。

彼らは自分たちを阻害する生徒らに復讐を試みます。まずは、カテリーナ、イレーネ、クラウディアのいじめっ子三人娘のゴシップとバスケ部のいじめっ子ジャコモの陰部の小ささを暴露する動画を作って、動画サイトに流します。ロレンツォの両親たちはマリファナを吸ってラリっている3人にお灸をすえます。
帰宅したアントニオは死んだ兄マッシモの幻覚を見ながら、「自分が生き残ったのは間違いだった。寂しい」と呟き眠りにつきます。

翌日、学校中の生徒が動画を見てカンカン。父のクレジットカードをくすねたブルーはロレンツォの誘導で3人ペアルックで古着屋に向かい思いきりファッションショーを開催します。
ブルーは作家の母が「人生録」というブログで自分の交友関係を暴露し、「夢のない子」「自分の夢を彼女には託せない」と言っていることにひどく傷つき激怒します。「夢を掴み損ねた夫」「平凡な男」と父と弟を称しているのもブルーにはショックでした。
帰宅したアントニオはマッシモの幻覚からブルーは好きだけどロレンツォは嫌いだと言われ、友達なんだと言葉を振り切ります。

ロレンツォ、ブルー、アントニオが教室に行くと、壁中に悪口が書かれていました。3日間の停学処分にさせられる3人。壁のペンキ塗りを命じられます。3人は机や互いの体中にペンキを塗りたくって遊ぶ妄想をしながら、壁をきれいに塗り直します。

アントニオは父から母さんを心配させるな、留年するなと何度も念を押され、馬鹿にされていると感じます。ブルーは自分のことを書かれた一件から一度も母と口をききません。ロレンツォの両親は彼を心配し、別の接し方があったのではと悩みます。

停学中に川に泳ぎに行く3人。着替えている最中に思わずロレンツォはアントニオの裸に触りますが、アントニオは激しく嫌悪感を示し、ロレンツォは悲しみます。
その後ロレンツォはアントニオに連絡しますが無視され、「僕につきまとうな」と激怒されます。アントニオはブルーが好きなのでした。

ブルーの母と弟は祖父母の家に帰り、ブルーと距離を置きます。アントニオは誕生日を迎えます。母は不出来な息子に密かに失望します。彼の誕生日にプレゼントを渡しにいくロレンツォですが、ぼこぼこに殴られます。ロレンツォが渡しに来たのは、ブルーと3人で撮った写真でした。その後、アントニオはロレンツォに謝りに行き、2人はキスで仲直りします。浮かれるロレンツォ。
ブルーは彼であるジョヴァンニが卒業する時に無理やり4Pさせられたのですが、その動画を彼に見せられ彼女はひどく傷つきます。母に縋りつき号泣するブルー。

アントニオはロレンツォとキスしたことが学校中の噂になっているのではと怯えます。
ブルーの母は娘が警察署に暴行された被害届を提出しに行き、学校にも事情を話します。
ロレンツォの母は学校の塀に「ロレンツォはアントニオを掘ってる」と落書きされているのを見つけて絶句します。
アントニオは登校すると、持っていた銃でロレンツォを撃ちます。そのままロレンツォは帰らぬ人となってしまいます。

16歳のブルーは大人の自分に向けて、些細なことであの惨劇は防げたはずだ、大人の自分は同じ悲しみを繰り返さないためにできることをしてくれと手紙を書きます。

 

まとめ

たこわさ
たこわさ

映画単体で観ると、「そもそもロレンツォがアントニオに気持ちを押し付けたのが悪いんじゃん…殺すほどではないとはいえ…」と思ってしまうんですが、本作のモデルになった「ラリー・キング事件」を知ったらその考えはガラリと変わりました。実際の事件ではアントニオ側がナチスの教えに傾倒していたりとかなりヤバい人で…ロレンツォ側はいじめに屈せず懸命に生きていたただの少年でした。アントニオも含めて、人々のホモフォビア的偏見がなければ起こらなかった悲劇だと、鑑賞後苦しかったです。

小錦あや
小錦あや

ラリー・キング事件をググると、何ともいえない複雑な気持ちになります。銃社会のアメリカではいつこんな事件が起きてもおかしくないのだと思うと、銃が自衛手段として許可されている社会で生き抜けること自体奇跡と感じてしまいます。映画以上に事件の印象がトラウマ並みに強く根付いてしまい、自分はもう二回目は観られない作品だな…と思いました。

逆襲のゆりこ
逆襲のゆりこ

2人が上で話している事件については本作以外でも「Valentine Road」という作品でも触れられており、かなり社会に衝撃を与えた事件だということが分かります。

作品単体で評価するならば、ロレンツォの独りよがりさを感じてしまうので考えるところはあるのですが、彼の底なしの明るさ、前向きさが表現されていてよかったです。ブルーの複雑な心理描写もよかった。アントニオはもう少し悪者っぽく?サイコっぽく?描いても良かったのかなと思うのですが、あえて青春のきらきら感と対比させることで我々観客の心にラストシーンが爪痕を残すように仕向けたのかなとも思いました。全体的に明るくて興味深い、面白い映画でした。

今回3人が見た「最初で最後のキス」は、Amazonプライムビデオで無料視聴できます。

ぜひチェックしてみてくださいね〜☺️✨

引用:Amazon.co.jp: 最初で最後のキス(字幕版)を観る | Prime Video

 

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