キム・フィールディング「ALASKA」のネタバレ感想|貧しく孤独な少年2人の小さな約束ー儚い希望と愛の物語

小説

キム・フィールディング「ALASKA」を読みました!

登場人物とあらすじ、どんな人にオススメなのかなど、ネタバレ感想とともにがっつりご紹介します!☺️✨

登場人物とあらすじ

ネグレクトされている少年と貧乏孤児三兄弟の苦労性長男 のお話。

<あらすじ>
幼いマルコとスコットが肩を寄せ合って交わしたクリスマスの約束、「いつかお前を助けてやる。一緒にアラスカに逃げよう」。
だがその後二人は離れ離れに。
やがて成長したマルコとスコットは、思いがけない形で再会する―。

 

こんな人におすすめ

  • 短編でも世界観がしっかりしたBL小説を読みたい!
  • 苦労した攻め・受けが報われるお話が好き😭❤️
  • 一途な攻め・受けに萌え悶えたい🥺❤️

 

ネタバレ感想

①互いへの愛を糧に努力し、報われる感動のストーリー

兄弟のために必死で働きクリスマスプレゼントを買うのに、自分はサイズが小さい靴を履き続けるような自己犠牲的・献身的すぎるマルコ。

そして、親にネグレクトされ、時には盗みを働き、酒やドラッグに溺れながらもマルコから与えられる無償の愛に救われ這い上がったスコット。
幼い頃から、貧しく孤独で苦しい時期を2人で励まし合って乗り越え、その後10年間も離れ離れでもその関係が変わらなかったことに感動します。

マルコもスコットも、辛い現実に屈せずよく頑張ったね、2人の間に愛があってよかったと涙が溢れます。

 

②スコットからもらった時計を大事にしてるマルコに爆萌

マルコはスコットがクリスマスプレゼントにくれた時計を、もらった日からずっと大事にしています。

ぼろぼろになっても修理してつけ続けて、クリスマスがくるたびに「今年こそスコットが来てくれるかもしれない」と、期待している…。

そんな、いじらしいマルコに胸が締めつけられます。

 

③情報の取捨選択能力の高さ半端ない

キム・フィールディングさんの作品は、どれも「短編でよくぞここまでキャラクターの人生を掘り下げられるな…物語に緩急をつけられるな…!」と感嘆します。

必要な情報だけを徹底的にピックアップして描くのが上手いんだと思います。本当に稀有な作家さんです。

BLを書いてくれてありがとう…😭🙏✨

 

④情景描写力が高い

マルコとスコットは、幼い頃クリスマスの日に「お前を救い出す」「いつか2人でアラスカに行こう」と約束します。不自由な現実の中で、それだけが2人の希望の星でした。

そしてスコットは酒やドラッグに溺れながらもマルコの愛を思い出し、単身アラスカで依存症を断ち切り、マルコを迎えに行けるように真面目に仕事を始めます。

スコットがアラスカの漁船でどれほど過酷な労働をしていたのか…アラスカの身切るような寒さ、吹雪が一文一文からひしひしと感じられます。

また、マルコがやっと兄弟を養わなければいけない呪縛から解き放たれて男遊びをしようとするも失敗ばかりのシーンでは、ディスコの目に痛いレーザービームや暑苦しい空気感、喧騒が伝わってきます。

シーンごとに文章のタッチががらりと変わる、すごい情景描写力です。

 

まとめ

短編と感じさせない、貧しく孤独な少年2人の奥深い愛の物語です。

お互いの愛だけを頼りに20数年間生きてきた2人のことを思うと、涙が込み上げてきます。

終盤は駆け上がるように感動が迫ってきて、最後の一行でブワッと涙がせきを切ったように溢れます。

クリスマスに読みたい、優しい名作です🎄🎅🍗🎂🎁🎉✨

ALASKA
作者:キム・フィールディング
幼いマルコとスコットが肩を寄せ合って交わしたクリスマスの約束、「いつかお前を助けてやる。一緒にアラスカに逃げよう」。だがその後二人は離れ離れに。やがて成長したマルコとスコットは、思いがけない形で再会する―。
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この記事を書いた人

たこわさ
たこわさ
夜明けの腐女子。樋口美沙緒先生「パブリックスクール」シリーズ・葵居ゆゆ先生「愛傷コレクション」・伊勢原ささら先生「嫌われ魔物の大好きなひと」・中庭みかな先生「沈まぬ夜の小舟」シリーズが愛読書。
スパダリ執着攻め×一途健気受けが性癖。