キャラ文庫アンソロジーⅢ「瑠璃」を読みました!
登場人物とあらすじなど、ネタバレ感想とともにがっつりご紹介します!☺️✨
キャラ文庫アンソロジーⅢ 翡翠とは?
キャラ文庫から出版されている人気作品の番外編を集めた本です。
「Ⅲ」とつけられていることから分かるように、このアンソロジー企画はシリーズもので、既刊に「Ⅰ 琥珀」と「Ⅱ 翡翠」があります。
毎回執筆作家は変わりますが、ⅠとⅡ、ⅡとⅢなど、連続して参加されている作家もいます。
たとえば樋口美沙緒先生なんかは、Ⅱ、Ⅲと「パブリックスクール」シリーズの番外編を連続して書かれていらっしゃいますね。
店舗特典について
コミコミスタジオとホーリンラブブックスで購入すると、それぞれ店舗特典がつきます。
- コミコミスタジオ…B5クリアファイル
- ホーリンラブブックス…カバーイラストブロマイド
特典はどちらもなくなり次第終了なので、ほしい方は早めに予約・購入したほうがいいかも!
さて、長々とこの本について紹介しましたが、以下では収録作品についてがっつりネタバレ感想を書いていきます。
購入を迷われている方、どんな作品が収録されているか気になっている方の参考になれば幸いです。
尾上与一「初恋をやりなおすにあたって」番外編「午前零時の紫の上」
<あらすじ>
連敗続きの雪は失意の中、兄弟子の柊一郎に恋人がいることを告げる。
柊一郎には、雪が幼い頃から棋士としても恋人としても育ててきたという自負があり、一般人とではなく自分と付き合った方がいいと話すが雪の決意は堅い。
後日、雪は柊一郎と一戦して勝ち、恋人と付き合い続けることを認めてもらうのだった。
柊一郎〜!!!!😭😭😭
柊一郎がめちゃくちゃ愛おしいです…「ヒカルの碁」の緒方さんを思い出しました(推し)。どうか幸せになって😭
将棋のことは正直さっぱり分からないのだけど、本編未読でもすごく面白く読めました。
タイトルの意味も、最初見たときは何のことやらという感じだったけど、読んでみるとものすごくしっくりきます。午前零時の紫の上、いいなあ。素敵なタイトルです。
敦也の雪への甘やかしっぷりににやけますね〜。たおやかに見える雪の勝負師な一面もかっこいいです。ギャップ萌!
雪の胃に優しい食事も美味しそうで、飯テロでした☺️
宮尾葵「悪食」番外編 「嫉妬」
<あらすじ>
水琴はとある男性から「亡き親友から結婚祝いに貰った絵を見てほしい」と依頼を受ける。
鑑定をすると、なんとその絵は依頼者の妻の不貞を告発するものだったー。
「己の身を滅ぼしてでも、愛する人の消えない傷になりたい」という、依頼者の亡き親友の気持ちがわかるとひとりごちる、泉里の独占欲にぞくぞくします。
英田サキ「DEADLOCK」番外編「You’re just a boy」
<あらすじ>
ネトを空港まで見送るディックとユウトは、ディックの幼馴染みサイラスと出会う。
夜遅くまでサイラスと話し込んだディックは泥酔状態でユウトを抱こうとし、激しく拒絶される。
ユウトはサイラスへの嫉妬心をディックに話し、ディックの過去の話を聞きたいとねだるのだった。
幼少期のディック話。
施設にいたディックはメリッサという少女と共にロリコン親父の家へ養子としてもらわれるが…かなり凄惨な結果になり、ディックもメリッサも心の傷を負ってしまいます。ディックにユウトがいてよかったな…とお話を読みながらしみじみ思った。
孤独と寂しさで周りも自分も傷つけ続けてきたディックの心を優しく包み込むユウト。素敵な夫夫だ…。
エッチシーンもねっとり濃厚で甘々!にやけがとまらんです。
夜光花「式神の名は、鬼」番外編「最高の恋人は鬼でした」
<あらすじ>
櫂が羅刹とともに昔お世話になった新宿二丁目のバーへ顔を出すと、元彼の利賀がやつれているから顔を見せてやってくれと頼まれる。
利賀のもとを尋ねると、なんと彼は元彼の生き霊に取り憑かれて自殺寸前だった。
櫂は羅刹とともに利賀に取り付いた悪霊を退治するのだった。
櫂と羅刹のセックスが最高すぎました!!!!
鬼になるとどこもかしこも大きくなるんだけど、櫂に挿れてる最中に鬼に変身して、櫂を結腸責めするところが特に好きでした。えっち〜❤️
あと、やってる最中に櫂が失禁した(潮吹き?)って情報を教えてくれる羅刹にグッジョブ!!!!って心の中で親指立てましたね…👍✨
そして大食らいな羅刹がかわいい❤️いっぱいステーキ食べさせてあげたいです。
可憐な見た目に反して、意外と櫂がしたたかな性格なのも面白かったなあ。本編が読みたくなりました!
樋口美沙緒「パブリックスクール」シリーズ 番外編「画廊オーナーの気がかりな案件」
<あらすじ>
エドは礼のためにギャラリー「パルム」を作った後、たびたび視察に来ていた。
愛しい恋人・礼にべったりな世界的アーティスト・デミアンにうんざりしうつ、エドは礼が同棲するためにイギリスに来てくれた時のことを思い出していた。
甘美な思い出と感傷に浸りつつも、またあの時のような日々を過ごしたいと甘える礼にエドは頬を綻ばせるのだった。
ここここのために「瑠璃」を買いました〜!!!!😭エド礼ィィィ!!!!
エドの「礼が何か持っていてもいなくても愛した」「お前の思い出の棚の全部に、俺を入れておきたい」に心震えます😭
エドの庇護欲、独占欲…色んな愛を見られて幸せです…🥺💕
エドが礼から「この間の七日間がすごく楽しかった」と言われて、その拙い独占欲を喜んだり、「気負いなく言えるのは俺ほどの独占欲がないからだ」と仄暗い気持ちになったりするさまが、ああ恋するエドってこんな風に揺れるんだ…と愛おしい気持ちにさせられます。
「君のおかげで幸せに働ける、ありがとうエド」と、自然にエドと共生している礼の姿にもほっとしました。最新作「ロンドンの蜜月」では、エドから自立しおたがいに対等であることに意固地になっていたから不安だったんです。少し肩の力が抜けて、よかった。
「素の礼は12歳の頃とあまり変わらない」というのが、エドの庇護欲を駆り立てるのかもしれませんね。時にはいきすぎてしまう、礼を傷つけたくないというエドの純粋で苛烈な愛情に胸を掴まれます…🥺🌹
松岡なつき「FLESH&BLOOD」番外編「掌中に永遠」
<あらすじ>
細密画家兼スパイのヒリアードは「スパイとしては優しすぎる」と仕事を干され、困窮した生活を送っていたが、ある日世話になっている貴族の子息から細密画の仕事を依頼される。
依頼主であるカイトとジェフリーに会いに行ったヒリアードは、自分の絵に思いもよらぬ称賛を受け、目頭を熱くする。
誰かに認められたい、自分の絵を愛して欲しいという画家としての燻っていた願いが叶えられ、ヒリアードは彼らの絵を描きたい、素晴らしい絵を描きたいと胸を膨らませるのだった。
素晴らしかった……。
本編未読の自分でさえ、短編のこの物語に引き込まれ、最後には涙していました。すさまじい文才、魅力に溢れた作品です。
ジェフリー×カイトの物語ですが、短編の内容はそれだけではありません。
むしろ、主軸はヒリアードという平凡な細密画家の人生です。彼がどんな画家になりたかったのか、どんな風に生きたかったのか…後悔や悲しみ、人生への疲れがひしひしと感じられて、胸が苦しかったです。
でも、ジェフリーとカイトが登場する中盤以降はガラリと変わります。彼らの生き生きとした魂、言葉にヒリアードは魅せられます。そしてそれは読者も同じ。
カイトがてらいの無い言葉でヒリアードを絶賛し、ヒリアードは恐れ多い…と及び腰になりながらも「ずっと欲しかった言葉だ…」と目頭を熱くする姿に、読者の私も感動しました。
ずっとずっと思うように人々に認められなかった不遇の画家、ヒリアード。彼がカイトに絵を褒められてどれほど嬉しかったろうと文章からひしひしと伝わってきます。
ジェフリーが自由にカイトを愛するさまは、とても美しいものです。美青年だからという理由だけでなく、大海のような懐の広さ、真夏に照りつける太陽のような明るさ、あふれる生命力の美しさをジェフリーからは感じます。
一方、可憐な容姿、かつ、機知に富み、言葉の端々から愛情深さが伝わってくるカイト。
色っぽさよりも、まるで色の違う小鳥がじゃれ合っているような微笑ましさがありました。
読後もずっと、ジェフリー、カイト、ヒリアード…登場した彼らの言動が映像となって脳内で再生されます。色鮮やかで美しいお話でした。本編もぜひ読みたいです!!!
まとめ
キャラ文庫アンソロジーⅢ 瑠璃を読んで「ここがよかった!」と思ったのは
- 全作品、新規絵の扉絵つき!
- 1作品が結構長い!
の2点です。
意外と読み応えがあり、驚きました。それに、扉絵もまさか描き下ろしだと思っていなかったので、開いた瞬間あまりの神々しさに目が潰れるかと思いました…。
あと、これだけは注意していただきたいんですが、これからこの本を買おうと思われている方は、電子か紙か特にこだわりがなければ紙で買うことをおすすめします。
というのも、電子化される時には、ほぼ間違いなく挿絵が削られるからです。
私はこれまでⅠとⅡを電子版で買いましたが、どちらにも挿絵は入っていませんでした。Ⅲから突然挿絵つきになるとは考えにくいですよね。
発行年から時間が経つと、紙の書籍は手に入りにくくなります。それに、最近はBL小説レーベルがどんな老舗・大手でもばたばたと休刊・廃刊しています。休刊・廃刊すれば、紙の本はほぼ手に入らなくなります。
なので、もしこだわりがなければ、ぜひ紙で買われてください。
あれこれお話しましたが、掲載されている作品はどれも超人気作ばかり。 そして番外編だからとキャラたちをかなりはじけさせている先生が多かったので、読んでいてメチャクチャ楽しかったですw
ぜひ皆さんも、読まれてくださいね〜!!
続巻もあります♥️