櫛野ゆい「孤独なゴブリンは王子の愛から逃れたい」のあらすじ・感想・レビュー・試し読み|身分を隠した王子様と無垢なハーフゴブリンの、期間限定同居生活

小説

櫛野ゆい先生「孤独なゴブリンは王子の愛から逃れたい」を読みました!

登場人物とあらすじ、どんな人にオススメなのかなど、ネタバレ感想とともにがっつりご紹介します!☺️✨

登場人物とあらすじ


フロイデンタール王国の第2王子×人間とゴブリンのハーフ のお話。

<あらすじ>
魔王が勇者に倒されてから三十年後ーー、魔物と人間の間に生まれたリュイだったが、人間はまだ魔物を嫌悪していてどちらの種族からも受け入れられず、リュイは森の奥深くで暮らすしかなかった。
そんな彼のもとへ怪我をした騎士・レオンが現れ、一時的に視力を失っていたのでリュイが半分魔物だと気づかない。
命を狙われているというレオンを匿うことにしたリュイだったが、レオンとの二人暮らしは孤独だったリュイに暖かな感情を抱かせるようになる。

 

こんな人におすすめ

  • 不憫健気受けに幸せになってほしい😭✨
  • スパダリ攻めがなによりの好物🤤💕
  • 甘々濃厚なえっちを堪能したい🥹💕

 

ネタバレ感想

①ありのままの自分じゃ愛されないと嘆く受けに、親友から愛の一喝!涙😭

目を負傷した美しい青年レオン(攻め)を助けた、ハーフゴブリンのリュイ(受け)。人間も魔物も愛しながらも、どちらでもない自分は誰にも愛されないと卑下していました。

しかし、人間のレオンを好きになり、自分がハーフゴブリンであると打ち明けようとします。けれども、レオンが魔物はまだ魔術で操られる可能性があるから完全には心を開けないと言うのを聞いてショックを受けてしまいます。もうレオンにはこの想いは打ち明けまいと親友のウェアウルフ・フラムに相談すると、フラムはこう言うのです。

自分にも相手にもどうにもできない理由に逃げるなよ…(p86)

優しいフラムは、リュイにああしろこうしろとは言いません。この時も、お節介だったと謝って立ち去ってしまいます。
しかし、フラムのこの言葉を思い出すたび、私はフラムの限りない優しさを感じます。

愛しているならどんなに傷ついたとしても愛を伝えてほしい、それこそが愛に対する誠意なのだと、お前の愛する両親の結晶であるお前をなぜ恥じるのかと、そんなフラムの強い思いを感じるのです。

愛する人ができた時、自分は「ありのままの自分では愛されないから」と何度も逃げて、自分を否定してきました。だからこそ、自分の真の姿を打ち明けたリュイも、その背中を押したフラムも、とても眩しく、かっこよく感じます。
恋愛で、自分では相手に釣り合わないとか、今のままの自分ではダメだと苦しんだことがある人は、とても響く言葉なのではないかと思います。

 

②まさかの伏線に衝撃!パズルのように噛み合っていくパーツがまるで謎解き!

物語の前半に出てきたギィの実が後半でとある特効薬だと分かったり、魔王を倒した時に得た魔石が後半で大きな役割を果たしたり、人間とゴブリンのハーフである受けがなぜハーフである必要があったのかとか、一つ一つの設定に意味があって、読んでいくほどその謎が一つずつ解き明かされていくんです。

私も一次小説を書いたことがあるのですが、「特に理由はないけどこういう設定にしたいんだ」という理由で小説を書いてしまうと、読んだ時にすごく貧弱な印象になるんですよね。作者のご都合主義なのがバレバレで、作品の世界に入り込めないんです。

その点、本作は全ての設定に意味と意義があるので、「この設定はこの伏線回収のためか!」とか、「まさかこの展開のためにこの設定があったとはね!」と驚きの連続です。
読み進めるほどワクワクが止まらず、櫛野先生にはシリーズものとか、もっと長編の作品も書いてほしい〜!!と思いました✨

 

③受けの愛を信じる攻めの強さに、キュン!🥹💕

ほっこり、男性、ハート

リュイがレオンの幸せを思って、そしてありのままの自分を受け入れてもらえる自信がなくて、彼の前から姿をくらました後、レオンは必死でリュイを探しました。
そんなレオンの姿を見て、姉のアンナはこう言うのです。

「彼があなたから逃げたのは、あなたのことを愛しているからよ」
(中略)リュイは必死に自分を愛してほしいと言っていた。彼は、自分の姿を目にしても、レオンが心変わりしないか不安でたまらなかったのだ。それは紛れもなく、彼が自分のことを愛してくれている証だ──。(p149)

それを聞いたレオンも、アンナの言葉に深く頷きます。リュイの想いを疑わず、自分の想いに正面から向き合うレオン。その真っすぐさが眩しくて、ときめきが止まりません。
まさに、本作のタイトルどおり「逃れたい」と思わず思わせるほどの王子レオンの愛!溺愛!

ほとんどの作品では相手から一度拒絶されたら「一度は好きと言ってくれたけれど、心変わりしたのだろうか?」「私のことをもう好きではないのかも…」と思う展開があるあるですが、拒絶されてもなお相手のそれまでの言動を見極め、「彼は私を愛しているはずだ!」と思えるレオンの強いメンタル、めちゃくちゃ好きです!!!😭✨✨✨

ちょっとやそっとの波風がたっても、決して受けを好きな気持ちに翳りはない。相手も自分もお互いを大好き!!と信じられる、根っから真っすぐな攻めが好きな方は、絶対にレオンが大好きなはずです!!✨

 

まとめ

優秀な魔術師であるゴブリンの母と、医師である父の愛の結晶である、ハーフゴブリンのリュイ。魔物は人間から恐れられている(危害を加えられる)ため、リュイは寂しさを感じながらも1人で森の奥に住んでいました。
しかしそんな時に、目を負傷した1人の美しい騎士が迷い込んできます。彼の目を治すために、1ヶ月間2人は同居することになり…。

1ヶ月間で、2人はどんどんお互いを好きになっていきます。
レオンの強さと、それを他人が困っている時にしか使わない優しさ。リュイの、富や名声を求めず、人のために生きようとする奉仕の精神。自分にはできないことを軽々とやってのける互いに、2人は惹かれていくのです。

しかし、リュイはハーフゴブリン。人間と魔族の間には、まだ大きな溝があります。その溝をどう乗り越えるのか?本当にレオンはリュイを愛してくれるのか?

受けのことが大好き!一直線な溺愛攻め×不憫健気な心優しい受けが大好きな人におすすめしたい、王道甘々ラブストーリーです☺️💕

孤独なゴブリンは王子の愛から逃れたい
作者:櫛野ゆい
魔王が勇者に倒されてから三十年後ーー、魔物と人間の間に生まれたリュイだったが、人間はまだ魔物を嫌悪していてどちらの種族からも受け入れられず、リュイは森の奥深くで暮らすしかなかった。そんな彼のもとへ怪我をした騎士・レオンが現れ、一時的に視力を失っていたのでリュイが半分魔物だと気づかない。命を狙われているというレオンを匿うことにしたリュイだったが、レオンとの二人暮らしは孤独だったリュイに暖かな感情を抱かせるようになる。

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