小綱実波先生「背中を預けるには」シリーズを読みました!
登場人物とあらすじ、どんな人にオススメなのかなど、ネタバレ感想とともにがっつりご紹介します!☺️✨
登場人物とあらすじ
<あらすじ>
かつて身をていして国を守った騎士・イオニアは、天使のように美しい辺境伯の四男・レオリーノに生まれ変わる。
レオリーノは夢の中で、イオニアの人生をたどり、身分差から想いを封じた王弟・グラヴィスへの思慕を思い出す。
さらに敵国の内通者によって殺された記憶までよみがえり、慰霊祭の日に裏切り者と対峙するが、逆に拘束されてしまう。
こんな人におすすめ
- 中世ヨーロッパのような、優美な世界観が好き✨
- 国と国、人と人との政治的駆け引きにワクワクする😆
- 生まれ変わっても愛し合う運命の恋人たち、歳の差カプ、溺愛執着攻め、美少年受け…が好き😍❤️
ネタバレ感想
背中を預けるには1
因縁の敵国ツヴェルフがまた戦の準備をしているという状況下で、まさかのグラヴィス(攻め)、「レオリーノ(受け)は俺が守る」宣言!!
レオリーノの前世であるイオニアの元彼・ルーカスの当て馬っぷりが切ないです。ルーカスに幸せになってほしいけれど、イオニアに一途すぎて…🤦♀️
戦の行方も、18年前の裏切りの真相も、ルーカス・グラヴィス・レオリーノの恋の行方も気になります…!!
背中を預けるには2
イオニアに背中を預ける側だったグラヴィスが、今はレオリーノの背中を預かっている…タイトルが2人の告白シーンで回収されるとは!とワクワクしました。そして、温厚そうなユリアンの意外と苛烈な血統主義。なぜモテ男の彼がレオリーノを選んだのかと疑問だったんですが、そういうことか〜と納得です。
キリオスがいいキャラ!見ているだけで元気になれます。
しかし、18年前の惨劇の最後の生き残り、エッボに会えたのは運命的でしたね。
ルーカスがレオリーノの中にイオニアがいると知った時の混乱っぷりには泣きました…。イオニアへの愛が人一倍深いだけに、レオリーノとイオニアへの心の整理がつかないですよね…。
ラガレア侯爵が19年前の事件の黒幕だったとして、何が目的なんでしょうね?🤔💭
そしていよいよ、イオニアの弟・ディルクにも真実が明かされる…!!ドキドキです…!!
背中を預けるには3
レオリーノの体を借りたイオニアが「これからの人生も一緒にいてほしい」とルーカスに言い、2人がキスするシーン…大号泣でした。
「イオニア、もうあの炎から自由になってそろそろ”ここ”に戻ってこい。そして共に眠ろう」…なんて情熱的な告白なのか🤦♀️ ルーカスへの燃え盛るようなイオニアへの愛を感じて、たまらない気持ちになりました。
そしてエレオノラ王女殿下の口から語られた衝撃の真実…ラガレア侯爵の母君がまさかたった16歳で祖父王タイロンに娼婦扱いされ孕まされた挙句、辺境の臣下に下げ渡される…さらに、愛した人・ブリギッテ妃は父王ゲオルグに召し上げられて…ファノーレンに滅亡をと願うのも無理はないですね。
「悪が孤独と絶望から生まれたものだとしたら、その犠牲になった者達の魂は、どうすれば報われるのだろうか。」というレオリーノの独白が心に刺さります。ラガレアもスミルノフも強者たちに嬲られ続けた被害者だった…。
まさか兄王ヨアヒムとその妻エミーリアも父王に犯されていたとは…地獄のような種明かしだ…🤦♀️
互いに心を、背中を預け合うラストのグラヴィスとレオリーノは爽やかで美しかったです😭🙏✨
背中を預けるには 番外編集 運命の男達
500ページ超えのボリュームも凄まじいですが、4万字もの書き下ろしや、一夜先生による描き下ろしのイラストが6枚も収録されており、さらには詳細な登場人物紹介や、主人公たちが暮らすアガレア大陸図など、もうこれでもか!!というほど「背中を預けるには」の世界が説明&補完されています。
それと、レオリーノのとある秘密がさらりと明かされるんですが…勘の良い読者さんは本編を読んでいる際に気づかれたかもしれません。そこも見どころです。
以下、大きく全5話です。
ブルングウルト協奏曲
レオリーノとグラヴィスの結婚に関するカシュー家のお話です。
末っ子であるレオリーノを溺愛してる両親、兄たちが、レオリーノとグラヴィスの結婚式の裏側で悲喜こもごもの騒ぎを繰り広げるというギャグです。ちょっとだけ感動展開もあり。メインはカシュー家の人々ですが、グラヴィスとレオリーノも幸せそうな姿を見せてくれます。グラヴィス、愛する人とこうして笑い会える未来が来てよかったね…。
運命の男達
エッボ、マルツェル、カイル、父上、サーシャ、テオドール、フンデルト、キリオス、ユリアン、ヨセフ、ディルク、ルーカス…のそれぞれ一人ひとりに焦点を当てたお話です。
ユリアン、カイルはかわいそうで辛かったです。幸せになってほしい…。お気に入りはディルクのお話で、レオリーノの瞳に気が付いた父親とディルクとのやり取りには自然と涙が…。
ベルグンド夜想曲
まだ学生時代のイオニアたちのお話です。
イオニアにルーカスが「あーん」で肉を食べさせるシーンは、なんと挿し絵つき…!高等学校時代のヴィーとイオニアの切ない恋愛には苦しくなってしまいました。二人がどんな運命をたどるのか知っているので、直視するのがつらいです。
宰相と侍従
マルツェルとテオドールのお話です。
穏やかな知識人なのにどことなくSっ気のある苦労人・マルツェルと、普段は百戦錬磨なのになぜかマルツェルにはうまく転がされてしまうツンデレ・テオドール。2人の関係の変化とマルツェルのテオドールを誘導する手口とえっちににやにやが止まりませんでした。
背中を預けるには 外伝 この恋の涯てには
レオリーノの護衛役ヨセフの初恋のお話です。時系列は本編から本編後まで。若くて不器用なヨセフは、無愛想ながら周りの大人たちにかわいがられながら成長していきます。そして、亡き軍人イオニアの恋人であるルーカスへの初恋に気づき、ヨセフに想いを寄せるディルク(イオニアの弟で、平民ながら王弟の副官の男)も現れ…。
ヨセフのお話なんですが、イオニアにまつわる男たちの想いがあちこちに出てきて…これは「イオニアの物語」でもありました。イオニアという男の魅力と罪深さを再認識させられました。
まとめ
いや〜壮大だった!!!
登場人物が多いので、人物相関図必須ですw
本シリーズはグラヴィス(攻め)とレオリーノ(受け)が、イオニアという前世のグラヴィスの想い人の記憶をきっかけに愛し合う…というお話ですが、イオニアが死んだ18年前の戦争は国内に裏切り者がいて、それを探しつつ、恋もしつつ…なので、かなり血の気の多いラブストーリーでした。
あとは、想像以上に王家の血縁関係がドロドロです。終盤、たたみかけるように祖父王・父王の人を人とも思わないよう(特に女性や子供に対して)な鬼畜っぷりが明らかになるので、ガチで吐きそうになりました…。
ファンタジー作品ですが、心理描写・人間関係がとてもリアルで、つい世界観に没入してしまいます。
あと、本シリーズが好きな方は同レーベルから発売された、あべちか先生「遠い国の小さな花嫁」(推し作品)もお好きだと思います!!
こちらも「背中を預けるには」シリーズ同様、溺愛歳の差夫夫モノ(しかもかわいい子供もいる)ながら血生臭い政争モノでもあるので…ぜひ読んでみてくださいね😚❤️