月夜先生「雪原の月影」シリーズを読みました!
登場人物とあらすじ、どんな人にオススメなのかなど、ネタバレ感想とともにがっつりご紹介します!☺️✨
登場人物とあらすじ
<あらすじ>
老人となっても少年のまま、成長することのない病、クルベール病。
皇太子でありながらこの病に冒されたエルンストは、位を剥奪され、国内で最も貧しい領地メイセンの領主に任じられる。
エルンストは彼にひそかに想いを寄せメイセンまで追ってきた戦闘種族の男ガンチェと恋に落ち、共に生きることを誓う。
こんな人におすすめ
- 政略モノが好き⚔
- 体格差(攻め>受け)のあるカプが好き👬
- 中世ヨーロッパのような世界観が好き❤️
ネタバレ感想
雪原の月影 三日月
序盤からいきなり皇太子の座を追われるところから始まり、「えっ一体どうなるの!?」ってドキドキしました。それに、「元」皇太子になった途端、周りはエルンスト様(受け)をいない者のように扱い始めて…これから相当つらい日々が待っているのではないかと不安でした。
けれど、そこに現れたのがガンチェ(攻め)!!
何もないメイセンにエルンスト様を慕っているという理由だけでこっそりついてきて、想いを伝えて、愛し合えるようになって…そこからはつらいことがある間に毎回二人のイチャイチャが挟まってたので、すごく安心した気持ちで読めました。
そして驚きだったのが、尊いエルンスト様が庶民がよくかかるといわれるクルベール病にかかったのは侍従長のトーデアプスが、食が細くすぐ熱を出す病弱なエルンスト様を助けようと薬草を入れてしまったから(100%善意)だったとは…思いもよらなかったです。トーデアプスは最期までエルンスト様のために尽くしたいと、老体には厳しいメイセンにまでついてきて子供たちへの教育を頑張ってくれて…本当に素敵なおじいちゃんでした。
そしてもう一つ驚いたのが、エルンスト様が追いやられた広大な土地だけがある貧乏な領地メイセン、ここがエルンスト様の目を通すと金の宝庫だったということ。村同士がいがみあっていたのを話し合いをさせることで解決してやり、何百年も後にしか必要ないかもしれない軍備なども気にかけて、本当にたった一つの頭で考えてるなんて有り得ない!というくらいいろんなことに気を配って考えているのがすごかったです。聖徳太子が生きていたらこんなだったのかなあと思いました。
雪原の月影 満月
いくら村同士の仲が改善してそれぞれどんな産業で生計を立てていくかの方針が決まったとはいえ、税を集めるのは一苦労。書庫の本を売ったりとエルンスト様は大忙しでした。さらに税を納めるのも一苦労。道中、盗賊たちから襲われたり本当に大変でした。
その後は年が経つほどエルンスト様が予言なされたことが次々と現実になり、村は少しずつ豊かになり…そしてその豊かさゆえに隣国から攻め込まれるという事態にまで発展。エルンスト様の治めている時に騒動が起こったことは不幸中の幸いでした。
また、これは脇役カップルの話ですが、タージェスとティスの仲が進展したのは意外すぎました。ティスの、心は女で体は男というのも素敵な設定でした。乙女な心のうちが可愛かったなあ。
何より泣いたのが、エルンスト様とガンチェの最期のシーン。
ガンチェが驚異的な長寿を成し遂げたのは、ひとえにエルンスト様への愛なのかなと思うと胸が苦しくなります。それでもガンチェを愛するあまり後を追いたくなってしまう彼に「最後のとっておきの我儘」だと言って、「私たちの愛するメイセン」を頼みますと言って逝く彼があまりにかっこよくて…私はこれを書きながらも嗚咽が止められません。
エルンスト様が最期に「いつガンチェが迎えにきてくれるのか楽しみだった」と言うのも胸が苦しくて…本当に二人は心から愛し合っていたんだなと涙が溢れます。エルンスト様、ガンチェがいない日々をよくぞ耐えられましたね…。天国で二人が昔の仲間たちと再会して、楽しくメイセンを見守りながら幸せに暮らしてくれることを祈っています。
まとめ
病気を理由に皇太子の座を追われたエルンスト様(受け)は辺境の地に飛ばされるも、持ち前の豊富な知識と先見の明で貧乏領地を見事再建!
元傭兵で元侍従という異例の伴侶・ガンチェ(攻め)と領地のために生ききった彼らの壮絶な人生に感動の涙が止まらない、重厚な名作です😭🏆✨