あべちか先生「遠い国の小さな花嫁」を読みました!
登場人物とあらすじ、どんな人にオススメなのかなど、感想とともにがっつりご紹介します!☺️✨
登場人物とあらすじ
<あらすじ>
雪深い町に、遠い国からたった一人で嫁いで来たサガルは、妻に先立たれ幼い息子を持つローランの妻になった。貿易商の仕事で一年で冬の間しか町にいない彼の代わりに息子の子育てを担う一方で、寡黙だが優しいローランと穏やかで温かい夫婦の絆を紡いでいくサガルだが、彼には夫には秘密にしている別の姿があった。
小さな花嫁に隠された、想像もつかない過去とは?
こんな人におすすめ
- BL小説を読んで、度肝を抜かれたい!
- 木原音瀬先生、樋口美沙緒先生作品が大好き!
- さまざまな愛の形を見せられ、喜怒哀楽をぐちゃぐちゃにされたい!!
感想
最初に言います。この作品は、間違いなくBL史に残る傑作です。
完っ全に逆表紙詐欺でした。内容は完全に「プラトーン」「ブレードランナー」「ダウントン・アビー」な感じです。マジ最高。
こんな個性大爆発の重厚で骨太なBL作品を待ってた!!読みたかった!!!
丁寧な心理描写と世界観設定に作者の伝えたい人生哲学が整然と盛り込まれてて、その圧倒的な熱量に震えます!!😭🔥
本作は、正直本っっっ当にネタバレしたくないです。読むほど想像を裏切られていく心地よさをぜひ味わってほしい…🥺🙏
ただ1つ言うならば、人として生きるとは?愛とは?心とは?と、人間がなぜ人間でありうるかについて、人間の営み全般について価値観をガンガン揺さぶられます。
巧みなストーリー展開も登場人物達の多様で深遠な人生観も全部が尊いけれど、ラストの姫の言葉に大号泣しました…平和の犠牲として生まれたサガルが、人間らしい幸せを喜べるようになったのが本当に嬉しい…😭
サガルはきっとローランとハリファに出会うために生まれてくれたんだね、ありがとうね…🤦♀️
電子特典SS「父上とサガル」
ハリファ視点で痴話喧嘩するローランとサガルのお話。
豚の肺の料理、作り方が面白くて気になります🍳✨
ハリファが外で遊んでる間にいちゃつく両親…これは挿入あり?なし?気になるな…///
しどけない事後姿のサガルにドキドキ🤤穏やかで微笑ましい番外編でした❤️
コミコミスタジオ特典小冊子「おとぎばなし」
童話のお姫様達に物申したいサガルのお話。
苦難を乗り越え幸せになる母国の童話の姫達を思い出し、自分も彼女達と同じく「めでたしめでたし」の状態になれたのだと実感するサガルが胸熱です。
北国での自給自足な生活感も伝わってきてほっこり☃️❤️
WEB番外編「とおいくにのむすめたち」
本編を読んだ人は全員号泣必至。アンバーとシルキーが”サガル”に翻弄される前のお話が読めるなんて…😭
2人が2人のままで生きていけたらどんなによかったか。牧歌的な風景が逆に悲しみを煽ります。国家への憎しみが募る…。
番外編はどのお話にも各キャラクターの愛と苦しみの歴史が刻まれていて、こみ上げる涙と感動、喜びを抑えられません😭
まとめ
2019年BL小説界最強の神新人。凄まじい才能です。
間違いなく、1000年に1人の逸材です。新人でこの圧倒的な吸引力の文章を書く…化け物か?太宰治の生まれ変わりか?
ゆるふわ家族モノかと思いきや、まさかの血生臭い国政闘争SF物語。
壮大な世界観、哲学的な会話、予想外の展開、ページをめくる手が止まりません!🤭💥
重厚な名作です!!!