「きみには、大切にされる価値がある」ーー存在するだけで罪悪感と疎外感を抱き続けてきた青年が出会ったのは、愛を求める孤独な男だったーー、中庭みかな先生「黄金のひとふれ」を読みました!
登場人物とあらすじ、どんな人にオススメなのかなど、ネタバレ感想とともにがっつりご紹介します!☺️✨
登場人物とあらすじ
バイト先のオーナー社長×ダイニングレストランの新入りバイト のお話。
<あらすじ>
傷ついた指先を真っ新なハンカチで包んでくれたその人は、呆れるような千晶の言い間違いに怒ったりせず、ただ深く静かな瞳で見つめた―。
千晶はある事情から、生きて呼吸をすることすら困難に感じている。
バイト先のオーナー・神野からそっと触れてもらった出来事だけ大切にしようと決めるが、そんな千晶に神野は「きみが欲しい」と告げて…?
本作をもっとよく知るための小ネタ
①攻めの神野さんはボケ属性だそう(意外にも!😂)
すまほを変えてデータを移しているので古いのがいろいろ見つかる pic.twitter.com/BB9GyRBfP8
— 中庭みかな (@NNMikana) September 29, 2021
②中庭みかな先生にとって、「黄金のひとふれ」と「沈まぬ夜の小舟」は「(私にとっては)同じ部分で同じように思い入れるものが近く、自分にとっては生涯抱えていくぞ、と決めている大切な傷痕のような存在」とのこと。
お返事遅くなってしまい申し訳ありません😭なんとあたたかいお言葉でしょう
どの作品に触れてくださってもすごく幸せなのですが、黄金のひとふれと小舟は(私にとっては)同じ部分で同じように思い入…
続き→https://t.co/WN1Y4JSZ00#マシュマロを投げ合おう— 中庭みかな (@NNMikana) July 18, 2023
こんな人におすすめ
- 寡黙スパダリ攻め×可憐不憫健気受けにときめく🥹💕
- 中庭みかな先生作品が好き📚✨
- 心理描写が丁寧な作品が好き✒️
ネタバレ感想
①「子供が産めない体かもしれない」という強力な重圧
中学時代に髄膜炎にかかった主人公・千晶は、医者から「生殖機能に障害が残るかもしれない」と診断されます。その時から千晶は、
この世界に、千晶の座っていい椅子はない。たとえ空いているように見える椅子でも、それは、千晶以外の誰かのためのものだ。ずっと、そう感じて生きてきた。世界のために、千晶ができることが何ひとつないからだ。千晶はただ生きているだけで、誰かを傷つけてしまう気がした。存在していることそのものに、罪悪感と疎外感を抱き続けてきた。
(千晶の言葉)「怖かった。ずっと、嫌だった……」
ずっと怖くて、苦しかった。誰かを傷つけるだけの存在でしかない自分でいることが嫌で、生きていることが辛かった。
こんなふうに思うようになっていました。
精神科医のフロイトは、子どもは発達する上で5つの成長段階を経ると主張しており、そのうちの一つに、「性器期」と呼ばれるものがあります。身体の発達が成熟し、大人と同じ構造になることで、本能的な性的欲求が強くなる時期です。親以外の他者と親密な関係を築こうとする時期で、成熟した大人として自立していくことがこの時期の目標とされているのですが、千晶はここで躓いてしまったのではないでしょうか。
体が大人と同じ構造にはなっても、機能が伴わない。それで親以外の他人とうまく親密な関係を築くことができず、バイト先でいじめられたり、ちぐはぐな言動をしてしまう。また、この時期に多くの人は自我を確立するものの、千晶はそれがうまくいかず、同級生の晴人に心の主導権を渡すことでどうにか自我を保っていたのではないか…そんなふうに私は感じました。
もし自分が「あなたの生殖機能には不安がある」と診断されたら。新しい命を授かってみたいと少しでも思っていたら。そう診断された時に、どれほどショックを受けるでしょうか。
自分はなぜ生きているのか、どう生きたらよいかと考えると思います。
人は誰でも無意識にでも人を傷つけるものです。傷つけ、傷つけられ、生きていきます。しかし千晶はただでさえ人を傷つけることに恐怖を抱くような優しい性格に加えて、生殖機能への不安から、「自分は人を傷つけるだけで何も生み出せない無価値な人間だ」と思うようになってしまいます。
中学生で「もう自分の子どもを腕に抱くことはできないかもしれない」と宣告され、それからの60年70年を生きていかなければいけない孤独と恐怖は、どれほどのものだったのでしょうか。想像するだけで胸が苦しくなります。
②愛されることは精神的な強姦と同じーーそう思い詰めるほどの、己への加虐心
太宰治「人間失格」にこんな一節があります。
「弱虫は、幸福をさえおそれるものです。綿で怪我をするんです。幸福に傷つけられる事もあるんです」。
千晶はまさにその「弱虫」ではないかと思いました。それは以下のような本文があったからです。
世界に受け入れられない、自分は優しくされるべき人間ではない、と恐怖心を抱いている千晶にとって、神野の好意は爆弾のようなものだった。差し出されるままに胸に抱き続けていては、いずれ爆発して、自分が壊れるだけでなく、周囲の人まで巻き込んで傷つけてしまいそうだった。
千晶に必要なのは、優しさではない。なんの価値もない存在である千晶に、そんなものは与えられるべきではない。痛みや苦しみだけでいい。ずっと自分をそういうものだと受け入れて生きてきた千晶にとって、神野から与えられる丁寧で優しい愛撫は、まるで精神的な強姦だった。
──チアキって、痛いと、すげえ嬉しそうな顔する……。晴人が、痛くて辛い目に遭わせてくれると、許されたような気持ちになれる。千晶は優しいものが怖かった。だから、神野も怖い。あの人が、きれいな花とともに千晶に差し出した言葉も気持ちも、何もかもが怖かった。
神野に優しくされるほど、恐ろしい。それは精神的な拷問と同じだと思うほどに。
千晶はこれまで腐れ縁の晴人にDVをされたり、電車で席に座らない(この世界に自分に用意された席はないから)ことで、自分に罰を与え続けていました。生きているのを許されるために、罰を受けてきたのです。
千晶は、新たな命を生み出せない。ただ無意識に人を傷つけることしかできない(性器期をうまく通過できなかったため、他者とのコミュニケーションがうまくできないことを本人が一番痛感していたのだと思います)。そんな自分は本来生きているべきではない。生きるならば罰を受けなくてはならない。千晶はそんな思考をしていたのではないでしょうか。
愛されることは精神的な強姦と同じ、なんて、すさまじい一文です。これは文芸小説か、とみまごう、鋭い表現ですよね。
木原音瀬先生、凪良ゆう先生など一般文芸でも活躍中の先生方がお好きな方には絶対に刺さる作品だと思います。
③「君には大切にされる価値がある」、そう認められたいあなたへ
神野は、「愛しているならば自分を傷つけてほしい」と頼む千晶に「君には大切にされる価値がある」と説き、ひらすら優しく接します。
──大切にされる価値がある。そのほんとうの意味は、まだ理解できていない。けれど、いま信じるべきは、胸の中にあるこの言葉なのだとそんな気がした。どうせ怖いと怯えるのなら、幻覚のような世界からの声にではなく、神野の優しさに怯えたい。晴人の暗い顔を見ていて、千晶はそんなことを思った。それはまるで、ずっと存在すら忘れていた電気のスイッチを見つけたような気持ちだった。暗くて何も見つけられないと思っていた心の中を、明るく照らす方法があるのかもしれない。
「(中略)どうして自分を大事にできないのかと、そう思っていたが。きみは、その方法が分からないんだな」ずっと痛いところがあって、でもそれが、どこから発するものなのか千晶には分からなかった。それを、傷があるのはここだ、と、教えられたような気分になった。
千晶は自分が子どもを産めない可能性があるという診断を受けたことをきっかけに他人とのコミュニケーションをうまく取れなくなりましたが、それは自分自身では分かっていても、暴力を受けたり、粗雑に扱われることを求める気持ちの理由はよくは分かっていなかったようです。
しかし、神野と話す中で、千晶はなぜ自分が傷つけられたいと思うのかの理由や、千晶が千晶であるというだけで大切にされる価値があるのだということを教えられていきます。
私たちは日々社会で忙殺されていると、自分が誰にも愛されていない無価値な人間であるかのように感じることがあります。しかし、それはただ気づいていないだけ。あなたはあなたであるだけで大切にされるべき存在で、生きている意味も価値もあります。
そのことを、今一度私たちに思い出させてくれるのが本作です。
千晶を通して、私たちは自分たちがこの世に生きていていいのだと、改めて教えてもらえるのです。
フローレス
千晶と付き合いはじめ、変わっていく神野のお話です。
神野は幼い頃から高度で厳しい教育を受けてきました。立派な人間になるために、人の上に立つ人間になるために、と、神野は言われるがままに施される教育を受け入れていました。
家柄、育ち、成績、収入、社会性。幼い頃から周囲を取り囲んでいた大人たちは、そんなフィルターを使って他人を選別していた。彼らが千晶を目にすれば、おそらく、なんの価値も見抜けずに放り捨ててしまっただろう。優しく素直であることも、純粋さも、彼らの価値観では、「大人の男」に求められるものではない。 誰も傷つけたくないと怯え続けた、その寂しい優しさに、彼らは一生、気がつくことはない。そんなものは、なんの利益も生み出さないから。
しかし神野は自分を唯一心から愛してくれた祖父が亡くなる時に、初めて気づくのです。「触れるものはなんでも金に変わる」と周りがもてはやす自分の心の空虚さに。
千晶から初対面で「ロボットみたい」と自分の心の空虚さを言い当てられ、神野は千晶に興味を持ちます。そして、千晶の抱える生きづらさに触れ、千晶の優しさと恐怖を知るのです。
千晶には、「大人の男」に必要なものがありません。がっしりとした体躯や、低い声、きっぱりとした決断力、社会的地位の高さ…千晶にはそれらはなに一つも備わっていませんが、そんなことは神野にとってはどうでもいいことです。
自分は誰かを傷つけるためだけに存在しているのだと、身を縮こめて生きてきた千晶。そんな彼の「誰も傷つけたくない」という懸命な優しさを神野は愛したんです。
本編では神野視点がないので、彼がなぜ千晶を好きになったのかが唐突に感じられるもしれません。しかし、「フローレス」を読むと、その理由がはっきり分かるはずです。
なぜ神野には千晶でなければいけないのか。神野は千晶の何に惹かれているのか。それを知るほど、二人が愛おしくなります。
また、「フローレス」の中では、千晶は神野にこんなことを言っています。
「神野さんも、女の人と結婚したら、きっとかわいい赤ちゃんが生まれるよ」 俺は分かんないけど、と、小さく付け加えるように呟く。「そうなったら、俺は、その子にも会ってみたいと思う……」(中略)「でも、その人生には千晶がいない」 それなら神野は、他の何よりも、彼を選びたかった。う、と千晶が小さく呻いた。小さく肩を震わせて、神野の胸を涙で濡らす。彼が落ち着くまで、神野はずっとその背を抱いて、髪を撫でていた。千晶が腕の中にいるから、もうその場所は、寒くも、暗くもなかった。
なぜ付き合っている人にわざわざ「女の人と結婚したら」なんて言うのかと理解できない方もおられるかもしれません。しかし、これこそが千晶の「傷つけたくない」という思いの現れなんです。
もし神野が自分のために新しい命を生み出せる機会をあえて捨てて、後で後悔してしまったら…と千晶は思ったに違いありません。それならば、自分はこれまで神野が与えてくれた愛を何度も反芻して幸せに生きていけるから、後悔しない道を選んで欲しい…千晶はそう思ったのだと思います。実際、神野の子なら千晶は本気で愛せるのだと思います。愛している人の子どもだから。半分は神野の遺伝子が混じった子どもだから。
でも、神野は「でも、その人生には千晶がいない」ときっぱり答えた。神野が自分の子どもを腕に抱く未来(千晶には叶えてあげられない)を捨ててまで今の自分を選んでくれたこと、それほどまでに千晶を愛しているということを知って、千晶は涙したのかもしれません。この人はそれほどまでに自分を愛しているのだと痛感した、というような。
それと同時に、神野も、ずっと空っぽに感じていた自分の腕の中が満たされるように感じた(「寒くも暗くもなかった」)とも書いてあります。千晶を生涯の伴侶として選び、妊娠して子どもをもうけるという未来を選ばないということは、千晶のためだけではないのです。神野の腕の中を温たく照らしてくれるのは、千晶だけ。だから、神野は自分の遺伝子を持つ子どもを抱く「もしも」の未来ではなく、千晶と歩む未来を選んだのです。神野の千晶への揺るがぬ愛を感じる、美しい一文です。
神野の愛は気まぐれでもなんでもなく、千晶だけを一心に見つめています。その眼差しの強さに、これまで千晶が欠けたまま抱えていた心が満たされるように感じるし、二人がいつまでも愛し合ってくれる証のように感じます。
その日までの
神野に「明日休みか?」と聞かれ、えっちする気満々だった千晶のお話。
神野は、千晶が成人するまでえっちはしないでおこうと決めていたのですが、千晶はてっきり神野が誘ってくれているものと勘違い。その期待が裏切られると、突然不安に襲われてしまいます。
柔らかいパジャマの生地ごと、自分をそっと抱きしめてみる。もうすぐ、このぬいぐるみのような手触りのふわふわを着られる季節も終わる。そうなったら、これまでずっと部屋着にしていたジャージで過ごすつもりだった。ジャージはつるつるで、少し冷たい指触りだろう。ふわふわしていない千晶でも、神野は、きゅっと抱きしめてくれるだろうか。あの指で、変わらず、大切そうに触れてくれるだろうか。 一度不安にとらわれると、ずっと延々とそのことを考え続けてしまう。
冬が過ぎて夏になり、神野が買ってくれたふわふわのパジャマを着なくなったら、もう抱きしめてもらえないのではないか?大切に触れてはもらえないのではないか?愛されないのではないか?不安はどんどん雪だるま式に大きくなって、千晶の心をいっぱいにしてしまいます。
しかし、神野から抱かない理由を聞かされてほっと一安心。
神野の千晶の溺愛っぷりを見ていれば、パジャマが変わったくらいで心変わりするわけないと思われる方もおられるでしょう。しかし、千晶は物心ついた頃からずっと、「世界に自分の座る椅子はない」と思い込んで生きてきたのです。神野に椅子を用意されたからといって、すぐに「この椅子は当然自分のもの」だなんて我が物顔で生きられるはずがありません。誰かに椅子を取られてしまうかも、もしかしたらその椅子を取り上げるのは、椅子を用意してくれた神野自身かもしれない…と怯えてしまうのは当然のことです。
たかがえっち、たかがパジャマ。でも、千晶にとってそれは、「この世に初めて用意された自分用の椅子を取り上げられるかもしれない」という大問題なのです。
「ああ。どこか景色のいいホテルに部屋を借りて、そこでお祝いしよう。海外でもいい」「日付が変わった瞬間に、シャンパンで乾杯をする。そのあとは」「一日中、どこにも行かずにずっときみを抱く。朝から晩まで、ずっと」
「神野さん、俺、お祝いしてくれるなら、ホテルじゃなくてあの店がいい」 神野の経営している店で、千晶のアルバイト先。そこの赤い個室で、またふたりで向き合って、食事をしたい。海外も、景色のいいホテルも、必要なかった。「そこで、ノンアルコールじゃないサングリアを一緒に飲みたいです」
神野は成人した千晶をどうやってお祝いするかをかなり綿密に、しかも豪勢な計画を練っていたようですが、千晶は「自分たちが初めて出会った質素なレストランでいい」と笑います。千晶の控えめな主張に、また愛おしさが募ります。
神野にはいくらでも使えるお金があるし、神野はなんだって千晶に買い与えようとする(例えばふわふわのパジャマとか)のに、千晶は本当にそんなことはどうでもいいのだなあとおかしいような気持ちにもなったりして。千晶は本当に神野の心だけをまっすぐに愛していることを感じられる一作です。
可愛いきみ(電子限定SS)
千晶の父から沖縄旅行土産が届いたが、その中には謎のDVDが入っていて…?というお話。
「千晶(四歳)」と書かれたDVD、もうこの時点で察しの良い読者はDVDの内容がお分かりでしょう😂
違うよ、こうだよ、と、隣にいる賢そうな顔立ちの少年が、千晶に教える。彼は、千晶の兄なのだろう。『さ』の字を、『ち』に書き直してもらって、千晶は何が嬉しいのか、声を上げて笑う。甲高い、何の言葉もともなわない、ただ笑うためだけの明るい声だった。
千晶が自分の名前を紙に書くも、鏡文字なのでお兄ちゃんに訂正される…というだけのホームビデオなんですが、それがカワイイ。
「何の言葉もともなわない、ただ笑うための明るい声」という表現も素晴らしいですよね。子どもの笑い声って、まさに、何のてらいもない、何の意図もない、笑うための笑い声という感じがします。
千晶のお父さんは仲良くなったひとみんなにこのホームビデオを見せて回るのが趣味らしく、千晶は本当に愛されているなあとほっこりします。それと同時に、4歳の千晶にノックアウトされている神野さんもめちゃくちゃ面白いです😂
暗い画面に映り込んだ自分の顔が、水が温むように、ほのかに緩んだ気がした。
この物語はこの一文で締められているのですが、ふっと思わず笑顔が漏れた、その一瞬を「水が温むように」と表現できる言葉の巧みさに感動します。時折、「BL小説はただのエロ本」と言われることもありますが、文学作品なのだと声を大にして言いたくなる一文です。
まとめ
中学時代に髄膜炎を患ったせいで、生殖機能に不安を抱えるアルバイター・千晶。勤務先のレストランでミスを繰り返し、同僚たちにもいじめられ落ち込んでいると、たまたまオーナー社長の神野が視察にやってきます。
無表情で冷たい雰囲気の神野を前にした千晶は、思わず「ロボットみたい」と口を滑らせてしまい…というお話です。
子どもを産みたいと思っていたのに、自分が産めない体だと知ったら、読者の皆さんはどんな気持ちになるでしょうか。
それ以降の人生を、どんなふうに生きようと思うでしょうか。
千晶の抱える「生きづらさ」は、男性でも女性でも抱える可能性があります。だからこそ、読者の私たちは千晶の不安を自分のことのように感じられるし、もし自分がこんな人生だったらと、「もしも」の人生をこの小説の中で生きられるのです。
一方、神野は社会的には成功していますが、家族のつながりが薄く、友人などもいません。愛や情に飢えた人です。
彼の人生もまた、一面では、私たち読者が共感できるところもあります。人並みに、それ以上にならなければと幼い頃から努力し続けたのに、残ったのは空虚な金銀財宝だけ…。そんな彼の人生も、私たちは小説の中で追体験できます。
生きづらさを抱えたアルバイターと、大富豪のオーナー社長。一見なんの接点もない二人ですが、互いの心同士が呼び合うように急接近していきます。
千晶の生きづらさを読むほど、心がギュッと締め付けられ、辛くなります。けれど同時に、神野に救われていく姿にも同じだけ幸福感も覚えます。
健気な不憫受けが、冷たい現実から抜け出そうと抗いもがく姿を応援したい方、スパダリ攻めが受けを溺愛して幸せにする・自分自身も幸せになる姿を見たい方、生きづらさを抱えたすべての方に、本作を読んでいただきたいです📚✨
「黄金のひとふれ」の同人誌情報
Sucre glace
同人誌「Sucre glace」には、「黄金のひとふれ」も含む中庭みかな先生商業全9作品の書店特典SS・イベント等で配布したペーパーSS・書き下ろしSSが収録されています。「Sucre glace」のネタバレ感想はこちら⬇️
恋人はロバのみみ
同人誌「恋人はロバのみみ」には、書き下ろしSSが収録されています。「会いに行ける王子様」として千晶が雑誌に紹介されることになったというお話です👑✨️
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