C.S.パキャット「叛獄の王子Ⅱ 高貴なる賭け」のネタバレ感想

小説

C.S.パキャット「叛獄の王子Ⅱ 高貴なる賭け」を読みました!

登場人物とあらすじ、どんな人におすすめなのかなど、ネタバレ感想とともにご紹介します。

登場人物とあらすじ


アキエロス国の王子×ヴァーレ国の王子 敵国の王子同士のお話。

アキエロス国の王子デイメンは、現国王の実弟。しかし兄に裏切られ、国民には「死んだ」と発表された。彼は奴隷として敵国に売られ、ヴァーレ国王子の閨奴隷として仕えることになった。

ヴァーレ国の王子、ローレントは戴冠まで残り10ヶ月だが、執政である叔父に失脚させられそうになっている。叔父による数々の暗殺や謀反の濡れ衣をかわしてきた。

そして、ローレントは叔父の罠にはめられ、ヴァーレ国の辺境へ飛ばされる。その移動の中で、ローレントを何度も危機が襲う。しかし、ローレントの知略とデイメンの奇抜な発想で死地を切り抜ける。

度重なる暗殺の失敗に痺れを切らした執政は、いよいよ王子との全面対決に挑むー。

 

こんな人におすすめ

  • 血肉沸き踊る、戦争モノが好き
  • 華麗な戦術や駆け引きが好き
  • 中世ヨーロッパの貴族社会が好き

 

感想

読み終えた後、ただただ涙が溢れて止まりませんでした。

アイメリックとニケイスという幼すぎる二人の犠牲が、あまりに辛すぎた。

アイメリックは、ただの甘えたい盛りの子供でした。周囲の大人たちにその美貌と孤独を利用され、ただ一人命をかけるほど愛した人にはゴミ屑のように打ち捨てられ心はぼろぼろになり、最期は自死した。戦場でただひとり、自分を庇ってくれた人への謝罪の言葉だけを残して。

アイメリックの最期は辛すぎて、なかなか読み進められなかったです。ジョードはどれほど傷ついたろう。友を失い、愛する人も失った。

ニケイスの最期も、あまりに残酷すぎた。ローレントがどれほどニケイスを大切に思っていたか…叔父の手駒でありながら、いつか彼が逃げ出せるようにと心を砕いていたことを知り、そしてニケイスもローレントを大切な友だと思い、命をかけてローレントを庇ったことを知った…。

ニケイスはただの美貌の小悪魔ではなく、ローレントの弟のような…賢く幼いただの子供でした。

2人とも、ありのままの自分を愛されたい、庇護されたいと…大人たちの愛を求めていました。

愛されたくて、認められたくて、孤独で、利用され、自分など取るに足らない存在なのだと絶望させられて死んだ…。あまりに辛すぎました。

書きながらも涙が止まらないです。

 

実兄のカストールにつけられた枷を、敵国の王子ローレントが解く。しかも、その枷が結果的にデイメンの命を大守から守った。不思議な因果です。

でも、その全てが執政が仕組んだゲームの筋書き通りだったのかもと、読みながらゾッとします。

 

ローレントとデイメンが陥った数々の窮地、そしてそれを切り抜けてきたローレントの先見の明、冒険譚はもちろん素晴らしかった。

少しずつ2人の心が近づき、いよいよ愛し合った時には歓喜で心が震えました。無骨で分析的な描写だけでなく、心のひだを丁寧になぞるような、デイメンたちの繊細な心理描写も素晴らしかったです。

でも、特に素晴らしかったのはアイメリックやニケイスという魅力的なキャラクターの死で、執政をどれほど血も涙もない残虐な人、そしてどれほど前からこの計画を練っていたのかという権力へのおぞましい執着心を浮き彫りにさせたところだと思います。

三巻で、ローレントは執政を倒すことができるのだろうか?デイメンはローレントに自分の出自を告げることができるのだろうか?

 

まとめ

‪‪ヒストリカルロマンスの傑作です。

執政に仕組まれた全ての罠を、ローレントとデイメンは切り抜けられるのか?戦争を止められるのか?アイメリックとニケイスという幼き犠牲にただただ悔しさが募ります。

二人と二国の未来はどうなるのか?次巻が楽しみです!

 

 

この記事を書いた人

たこわさ
たこわさ
夜明けの腐女子。樋口美沙緒先生「パブリックスクール」・葵居ゆゆ先生「愛傷コレクション」・伊勢原ささら先生「嫌われ魔物の大好きなひと」が愛読書。スパダリ執着攻め×一途健気受けが死ぬほど好き。