Unit Vanilla「SASRA」シリーズを読みました!
登場人物とあらすじ、どんな人にオススメなのかなど、ネタバレ感想とともにがっつりご紹介します!☺️✨
登場人物とあらすじ
砂漠の国の王子×神官 に始まる、輪廻転生してきた非業の恋人たち のお話。
<あらすじ>
金色の砂、灼熱の太陽…夢に見た砂漠へ旅立つ蓮は、怪しげなアートディーラー・剛将と出逢う。
初対面なのに、なぜか彼と蓮だけが共有した、鷹の羽音の幻聴──それは遙かな昔に始まっていた、運命の恋の手がかりだった。
転生を繰り返し、巡り会った二人の愛は果たして叶えられるのか!?
こんな人におすすめ
- 和泉 桂、岩本 薫、木原音瀬、ひちわゆか先生が好き📚
- 輪廻転生ものが好き🐍
- 悲恋ものが好き😭
ネタバレ感想
SASRA1
- 現代:アートディーラー×大学生
- 古代エジプト:武に優れた優秀な王子×神官
- 古代中国:乞食から文官に成り上がった心優しき天才×顔にあざのある簪職人
と、3組の恋物語が展開されます。ただ、現代の2人はまだ恋仲には至っておらず、どちらかというと受けは攻めを毛嫌いしています😂
「SASRA」シリーズは、和泉 桂、岩本 薫、木原音瀬、ひちわゆか先生がリレーのように物語を綴っていく形式になっています。
物語自体は、古代エジプトで王子と神官が叶わぬ恋をして死に別れてしまったという非業の恋に始まり、彼らが生前つけていた焼きゴテの痕やあざが転生していく先の人間にも現れては彼らも惹かれあい…というお話になっています。
「SASRA1」のメインカプは、古代エジプト編のアケト(王子、攻め)とセシェン(神官、受け)。そして、古代中国編の鷹峻(文官、攻め)と紅蓮(簪職人、受け)です。
アケトとセシェンは無能な王とその部下たちにより無念の死に追いやられたものの、2人は生前深く愛し合っていました。立場が違うと分かっていながらも、惹かれ合うのは止められませんでした。
アケトは生まれながらに背中に鷹のようなあざがありました。セシェンはアケトが激しい戦地に行った時、祈りを込めて己の腕に大きな蓮の花の焼きゴテを自ら押します。この「鷹のあざ」「蓮の花のあざ」が今後の物語のキーワードとなるのです。
時は移ろい、古代中国。鷹峻(腕に鷹のようなあざがある)は親がどうしようもない酒飲みでいつもいじめられながら物乞いをしていましたが、偶然にも庠序(学校のこと)で優等生になり、どんどん出世していきます。一方紅蓮は顔の蓮の花のようなあざのせいで簪職人にしかなれず、しかも工房では上司に手柄を横取りされていました。
しかしそこに大成した鷹峻が現れ、紅蓮に名声を与えるのです。ただ、流行病で鷹峻は視力を失い一文なしになり、田舎に身を隠します。紅蓮はそこでやっと自分は本当は鷹峻のことを愛していたのだと気づきます。
…とここで、「SASRA1」は終わりです。紅蓮が何か病を患った(もしかしたら視力を失う流行病かもしれない?)ような描写で終わったので、続きを読むのがちょっと怖いです…😨💦
それにしても、「鷹のあざを持つ攻め」と「蓮の花のあざを持つ受け」というキーワードだけでこんなに多様なカップルが生まれるなんて凄い…!
しかも、古代エジプトも古代中国も、臨場感あふれる文章のおかげで、まさにその時代に転生したかのような気分にさせられます。さすが名作家たちの集まり…!神々の優雅な遊び…!!
どのカップルもどうか幸せになってほしいと願うのですが、今のところ古代エジプト編も古代中国編も両想いにはなっても死別しそうですね…💦
現代のカップルだけはせめて何の苦難もなく幸せに生きてほしいです😢
SASRA2
- 古代ローマ:剣闘士×ローマ軍指揮官
- 中世ヨーロッパ:傭兵の頭×名だたる騎士
と、2組の恋物語が展開されます。
「SASRA2」のメインカプは、古代ローマ編のアンドレアス(剣闘士、攻め)とルキウス(ローマ軍指揮官、受け)と、中世ヨーロッパ編のレオン(傭兵の頭)×アルフォンス(名だたる騎士)です。
どちらのカプも悲恋です。
特にルキウスは皇帝の寵愛を足蹴にしたため命を狙われ、アンドレアスと駆け落ちしようとするも追手に捕まり、2人とも殺されました。
レオンとアルフォンスは最期まで共にいられましたが、若くして戦いの中で死亡。老衰は叶いませんでした。
ティティは中世ヨーロッパ編に「リヒト」という名前で登場します。ティティは神の怒りを買った罰として不老不死になってしまったようです。ただし記憶を操れるという力はまだあるようで、それが今後の物語にどんなスパイスになるのか…楽しみです!
SASRA3
- インカ帝国:侵略者であるスペイン人通訳者×インカ帝国の王族
- 江戸時代日本:貧乏御家人×鉄の仮面を被せられ幽閉された少年
と、2組の恋物語が展開されます。
「SASRA3」のメインカプは、インカ帝国編のリカルド(侵略者であり通訳者、攻め)とキリヤ(披侵略者の王族、受け)と、江戸時代日本編の幸之助(貧乏御家人の長男、攻め)×一(鉄仮面を被らされ幽閉されている謎の少年、受け)です。
こちらもどちらも悲恋です。
1巻で登場したティティは神の怒りを買い、永遠の命を与えられてしまったためにそれぞれの転生したカップルの恋路をどうにか成就させようと奮闘するのですが…神の怒りのせいで、毎回どちらかが先に死に別れてしまいます。
リカルドとキリヤは、征服者と被征服者という敵同士の立場にありながら、会話を重ねるうちに2人は心を許しあうようになってしまいます。
キリヤはインカ帝国の滅亡を前に苦しみ自死を選びましたが、リカルドはそれを追ったのか?それとも愛する者の死を心に留めて帰国したのか…最後は謎でした。
これまで3巻読んだ中で私が一番泣いたのは、江戸時代日本編の幸之助×一。金に困っている貧乏御家人長男の幸之助は、ある日父が世話になっていた浅野という侍から極秘の仕事の依頼を受けます。
それが鉄仮面を被らされ座敷牢に閉じ込められている少年・一の世話をしてくれたいうものなのですが…幸之助は幽閉されている一をかわいそうに思い、情をかけてしまうのです。
しばし幸福な時間が続くのですが、最後は「どうしてこんなむごいことを」と本を破りたくなるほど辛い終わり方でした。しかし、とてつもなく耽美で美しく、江戸時代にもしかしたらこんなことがあったかもしれないという臨場感も素晴らしかったです。
各カプごとに話が独立しているので、幸之助×一だけを目当てにでも読んでほしいと思いました。
SASRA4
- 大正〜昭和日本:華族×ヤクザ
- 現代:アートディーラー×大学生
と、2組の恋物語が展開されます。
これまで悲恋続きでしたが、本巻では初めてハピエンに限りなく近い悲恋カップルが描かれました。それが京介(華族)×竜(ヤクザ)のカップルです。
一人は将校になり戦死、一人は浅草の大空襲で焼死したものの、死に目には互いに会えずとも愛し合ったまま死ねました。
そして話は現代に戻ります。
現代で2人はアケトとセシェンの犯した罪を償います。しかし時間はそれだけでは終わらず、命の危機に瀕し…!
過程はぜひ本編で見てドキドキハラハラしてほしいのですが、最後は圧倒的ハピエンでした🥹💕よかった…!!
まとめ
SASRAシリーズ、読破しました〜!!やった〜!!😭✨
第1巻序盤で神の怒りを買った2人が何千年もの間、さまざまな人間の魂に生まれ変わり、必ず恋をして、けれど毎回無惨にも死で引き裂かれる…その繰り返しがあまりにも辛かったです。「今度こそ神に許されるのではないか」と期待しては打ち砕かれて、心がボロボロになりました😭
けれど毎回2人の恋は一途で懸命で美しくて、どの恋も痛々しいほど純粋でした。苦しいけれど、読まずにはいられない。そんな悲恋ばかりで…。
最後に現代に戻り、2人とティティが神に許されるシーンでは大泣きしました…。長い間、寝ることも食べることも話すことも許されなかったティティ。2人だけでなく彼もきちんと命を終えられたことにほっとしました。1人でよく耐えたね、頑張ったね、ティティ😭✨
その後2人が犯罪に巻き込まれて命を落としそうになるシーンでは、「まだ神は2人を許していないのでは」と悲恋のトラウマが蘇り、不安が止まらなかったです。2人が生きて愛しあえる未来が来て、本当によかった…😭
4人の先生方がかわるがわる書かれているので、それぞれお話に先生方の特徴が表れているのも面白かったです!
輪廻転生もの、歴史もの、悲恋ものが好きな方にはぜひ!ぜひ!おすすめしたい名シリーズです!!🥹💕