J.Soori「セマンティックエラー」シリーズのあらすじ・感想・レビュー・試し読み|社会現象を巻き起こし、世界中を夢中にさせた“セマエラ”がついに日本上陸!

小説

J.Soori先生「セマンティックエラー」シリーズを読みました!

韓国のRIDIBOOKS 2018年BL小説大賞受賞作がついに日本上陸です。

登場人物とあらすじ、どんな人にオススメなのかなど、ネタバレ感想とともにがっつりご紹介します!☺️✨

登場人物とあらすじ


グラフィックデザインの達人・留年生×プログラミングの達人・生真面目すぎる大学生 のお話。

<あらすじ>
2進法の世界で生きるコンピュータ言語ネイティブの「チュ・サンウ」の日常に、同じ大学でグラフィックデザインを学ぶ感覚で生きる先輩「チャン・ジェヨン」がウイルスのように侵入してきた。
サンウは人生を狂わすセマンティックエラー(文法的には正しくとも機能しないコンピュータ構文)を正すことができるのか……。
2進法のサンウの視点と総天然色のジェヨンの視点が織りなす、コミカルラブコメディ!

 

こんな人におすすめ

  • 韓国BLが好き🇰🇷✨
  • 正反対な2人がだんだんお互いを好きになっていく過程を見つめたい↔️
  • ケンカップルが好き🤜💥🤛

 

ネタバレ感想

①セマンティックエラー1

最初はジェヨンとサンウの一騎打ちでした。

サンウは悪くない、けれど、ジェヨンの悲しみや悔しさも分かる。だからといってサンウにつきまとって嫌がらせをするのはちょっとやりすぎでは?と引いたりしていました。
けれど…一番驚いたのが、いつの間にかジェヨンがサンウにとっての「良い先輩」になろうとしていたこと!!

最初はただサンウの嫌がる顔を見て楽しんでいたジェヨンが、自分は本当はサンウの顔を歪めたかったんじゃない、仲良くなりたかったんだと一生懸命優しくしようとするんですよね。でも何度かサンウの扱いがうまくできなくて爆発しちゃうことも。

結局、サンウがジェヨンに性欲を感じ初めて、2人は晴れてセックスする関係になったわけですが…。

サンウの中ではジェヨンとの関係は「終わりが確定しているセフレ関係」でしかなくて、ジェヨンもそう思ってもらっている方が、自分は卒業後に留学するのだし楽だと思っていたのに、なんだかモヤモヤしていて…。
ジェヨンは恋の経験値が豊富だからこそ悩むし、答えを出せないでいるのが焦ったいです。サンウはまだ恋に関しては赤ちゃんだから、今の関係に疑問を持っていないし…。

うーん、どうしたら「2人はずっと幸せに暮らしました」というハッピーエンドになるのか、まったく想像がつきません!
ああ、早く2巻が読みたい!

セマンティックエラー1
作者:J.Soori
2進法の世界で生きるコンピュータ言語ネイティブの「チュ・サンウ」の日常に、同じ大学でグラフィックデザインを学ぶ感覚で生きる先輩「チャン・ジェヨン」がウイルスのように侵入してきた。サンウは人生を狂わすセマンティックエラー(文法的には正しくとも機能しないコンピュータ構文)を正すことができるのか……。2進法のサンウの視点と総天然色のジェヨンの視点が織りなす、コミカルラブコメディ!

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②セマンティックエラー2

本編のあまりにも美しい終わり方に、本をいったん置いてスタンディングオーベーションしてしまいました。素晴らしかった。

特に好きだったのが、サンウの
「一瞬で煌めいて消える光でも美しいなら価値がある、ということをジェヨンが教えてくれた。うっとりとする感覚、煌びやかな現在、二度と来ない今。(最後でもいい)」
という独白です。

ジェヨンに出会って、刹那的なもの(恋心とか)にも価値があるのだと初めて心から理解し、卒業後は留学するジェヨンへのたち切れない想いに苦しむさまがあまりに哀しくて愛おしくて涙が止まりませんでした。

自分はブラックマンバだと豪語し、人には迎合しない、1人で生きていけると淡々と言っていたサンウが、ジェヨンへの恋心でこんなにもぼろぼろになっているのが衝撃的で…それほどジェヨンを愛していたのだと思うと、胸が苦しくなります。自分がジェヨンだったら、こんなに想われたらどうしてくれようと胸を掻きむしりたくなりそう。

全体の半分が本編で、もう半分が外伝だったのですが、外伝ではジェヨンの弟、サンウの両親がでてきてめちゃくちゃ面白かったです!卒業後のラブラブな2人が見られたのも嬉しい。欲を言うなら、ジェヨンのおじいさんとサンウの口論の様子を知りたいなあ。サンウがどんなふうにジェヨンのおじいさんを説き伏せたのか気になります。

ああ、もっとセマンティック・エラーの世界に浸りたい…!!

セマンティックエラー2
作者:J.Soori
2進法の世界で生きるコンピュータ言語ネイティブの「チュ・サンウ」の日常に、同じ大学でグラフィックデザインを学ぶ感覚で生きる先輩「チャン・ジェヨン」がウイルスのように侵入してきた。サンウは人生を狂わすセマンティックエラー(文法的には正しくとも機能しないコンピュータ構文)を正すことができるのか……。2進法のサンウの視点と総天然色のジェヨンの視点が織りなす、コミカルラブコメディ、遂に完結!

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まとめ

「韓国BLで一番有名な作品といえば、セマンティックエラー」というのは、以前から知っていました。ふだん韓国BLを読まない自分でも知っているほどだったので、いつかは読みたいと思っていたのですが…まさかこんなに面白い作品だったなんて!!

全く正反対な性格のジェヨンとサンウ。最初は、恋愛どころか友達になるのさえ難しいのではと思うほど、大激突の連続でした。2人の衝突がおかしいやらハラハラするやらで、目が離せず…次第にジェヨンがサンウにとって「良い先輩」になり、でもジェヨンがサンウの性格に耐え切れずに大爆発してしまい関係が元通りのギスギスしたものに戻ってしまったり、でもまたジェヨンが穏やかさを取り戻してサンウも懐いていって…としているうちに、いつの間にか2人の心に恋が宿るようになって…。
恋心が加速してジェヨンもサンウもめちゃくちゃになってしまうさまも苦しいくらい自然で…「恋ってするものじゃない、堕ちるものなんだ」と、2人が恋に苦しむのを見ながら何度も泣きじゃくりました。
2人がどうやって恋に落ちるのか、様子見〜と余裕綽々で読んでいたのに、いつの間にかどっぷり2人のペースにハマっていました。それくらい、読者を巻き込む魅力の強い作品です。

正反対の2人が惹かれ合う作品が好き、ケンカップルが好き、ギャップのある攻め受けが好き、恋に感動したい…そんなあなたに、ぜひおすすめしたい名シリーズです。
試し読みでもいいので、ぜひ「セマンティックエラー」に触れてみてほしいです!そこからどっぷり抜け出せなくなること、間違いなし…🫵💥