ベッカ・シーモア「帰郷」を読みました!
登場人物とあらすじ、どんな人にオススメなのかなど、ネタバレ感想とともにがっつりご紹介します!☺️✨
登場人物とあらすじ
<あらすじ>
8年間のNASAでの海外生活を終えて故郷に戻ってきたショーンは、幼なじみのミッチと再会した。
ミッチはかつてショーンが救いようもないほどに恋していた相手。
ショーンはNASAで夢だった仕事に情熱を燃やすか、愛する人の近くで暮らすかの選択を迫られる――。
こんな人におすすめ
- 幼馴染同士の恋に萌える💕
- 周囲に祝福されているカップルにホッとする👬
- 過去の叶わなかった恋の、叶う瞬間が見たい👀
ネタバレ感想
①まるで映画!短編とは思えない緩急あるストーリーが素晴らしい
主人公ショーンと幼馴染ミッチとの再会から、物語は始まります。楽しげに見えた再会は、徐々に不穏な雰囲気に…。そして、ショーンが、ミッチからアメリカに発つ、8年前にキスされた日のことをずっと引きずっていることが明かされます。
そこから、主人公の家族を巻き込み、ミッチの企みが分かり、ショーンの気持ちは揺れ…。読みながら、ショーンの気持ちに共感したり、ミッチの葛藤に心揺さぶられたり、心がジェットコースターのように動き回ります。
全部でたった60ページしかない(一般的なBL小説の1/4ほど)のに、2時間ほどの映画をじっくりと鑑賞しているような、丁寧な心理描写、次々出てくる驚きの事実、少しも飽きる瞬間がありませんでした。
②愛していたからこそ、想いを伝えられなかった…相手を想って気持ちを殺した8年間
ミッチはショーンがNASAに就職するためにアメリカに発つ日に、彼に餞別のキスをします。しかしミッチはキスの理由を明かしませんでした。ショーンは訳もわからぬまま、しかし片想いの幼馴染からのキスに心を乱され、アメリカへと向かいます。
しかし、ミッチも、ショーンの家族も、実はそのキスの意味を知っていました。ミッチは既にショーンを愛していたのです。けれど、ミッチたちが住むオーストラリアのど田舎では、類稀なる天才児のショーンが力を発揮することはできません。
ミッチはショーンの夢を応援するために、自分の恋心に蹴りをつけるために、ショーンにキスをして送り出したのでした。
それから8年間、二人はずっと互いのことを想いつづけていました。あの時、NASAに行かなければ?キスの意味を尋ねていたら?ショーンを引き留めていたら?
本気で愛していたからこそ、キスをして送り出したミッチの覚悟。8年間ずっと互いを想い続けていた二人の純愛。涙が止まりません😭
③ラストに向けて駆け上がる、圧倒的幸福感!!
ミッチはショーンに地元で転職しないかと誘い、ショーンはそれに応えるのですが…それに至るまでの幸福感がたまらないんです。
ミッチがショーンを口説き落とすためにもぎ取った1週間の休暇の間、二人は思いきり愛を交わし合います。そして、互いの未来について考え抜きます。周囲の視線をものともせず、ショーンを一途に愛するミッチ。少年時代と同じように、楽しげにショーンをいたずらに誘うミッチ。ミッチの自分への無邪気な愛に、ショーンは心打たれます。
ショーンが「お前と一緒にいたい」と決断してから、二人が心も体も結ばれるまでの怒涛の展開は、言葉では言い表せないほど、幸福感に溢れ、官能的です💋✨
最後の一文、「あるべき場所に帰る時が来たのだ」を読んで、ぜひ二人の深い愛に涙してほしいです😭
まとめ
オーストラリアに残してきた幼馴染ミッチへの恋心を、8年間も引きずっているショーン。もう恋心に別れを告げて、アメリカに骨を埋めようと決意して帰省した際、なんとミッチから愛を告げられます。
噴き出す8年分の想い。ミッチとショーン、それぞれがどんなふうに互いへの想いを積み重ねてきたのか。そして8年間、どんな想いを抱えて過ごしてきたのか。
ぜひ、本編でじっくりと噛み締めてほしいです🥺✨