たろまろ先生「八月三日」を読みました!
登場人物とあらすじ、どんな人におすすめなのかなど、ネタバレ感想とともにご紹介します。
登場人物とあらすじ
お人好しの介護士と交通事故で記憶障害を患った青年 のお話。
<あらすじ>
新米介護士の一ノ瀬優は、重い記憶障害を患う患者、白崎和人を担当することになる。
彼は大学二年の夏に交通事故に遭い、毎日10時間程度しか記憶が続かないという記憶障害を患っていた。
一ノ瀬は白崎を必死で支え、改善させようとし、彼の働きかけで少しずつ白崎の様子が変化する中、一ノ瀬の身にある異変が起きてー。
こんな人におすすめ
- ネット小説が好き💻
- ヘタレ攻め、美人受けが好き❤️
- タイムトラベルものなどファンタジーが好き⏰
感想
一ノ瀬くんが、白崎さんを担当した最初の日のエピソードが好きです。
事故以降の記憶がないことで混乱し暴れたり、抜け殻のように生きていた白崎さんが、好物のハンバーガーを齧って、一ノ瀬くんと普通に会話をした。これまでの淡々とした「無」の日々に亀裂を入れた日。記念すべき日です…😭
そして、施設から出られない白崎さんのために一ノ瀬くんが考えた特別メニューがどれもおいしそうで、私も食べたい!とヨダレが出ました🤤
一口サイズの茶碗蒸し、湯豆腐、マンゴープリン、煮凝り…悲嘆に暮れる白崎さんへの一ノ瀬くんの心遣いが伝わってくるメニューだったなあ。
ただ、一ノ瀬くんが過去の自分と会話するシーン
過去の一ノ瀬くん「ホモなの?」
現在(未来)の一ノ瀬くん「違うよ!」
がひっかかりました。
あれだけ白崎さんに執着している一ノ瀬くんが同性愛に否定的な考え方だとしたら、白崎さんの半裸を見た時の興奮した様子などは何だったのか?これまでの献身的な言動はどういう動機によるものだったのだろう…とモヤモヤ。
本編では明言されていませんが、一ノ瀬くんがゲイであることを否定するのであれば、一ノ瀬くんと白崎さんが結ばれることはないのかな?と思います(本編では、攻め受けがどちらかだけでなく、主要キャラが結ばれるかどうかも謎のまま終わっています)。白崎さんは純粋に一ノ瀬くんに愛情を感じているようなので、白崎さん好きの自分としてはちょっとショックでした。
また、苑生先生が描かれている、うっそりとした雰囲気の美青年白崎さんと、大型犬っぽい一瀬さんはまさに文章から受ける印象そのもの…!挿絵に何度もうっとりしました🌸
まとめ
白崎さん(受け?)が交通事故に遭った八月三日を中心に繰り広げられる、奇跡のラブストーリーです。
毎日14時間しか記憶が続かず、絶望を繰り返す白崎さんの闘病生活に胸打たれます。白崎さんの懸命さ、一ノ瀬くんの献身が愛おしい一冊でした。
「絶望しながら死を待つ人を介護する」というシリアスな前半に対して、後半は完全にファンタジー…と非常に奇抜な構成です。前半と後半で全く違う小説のような世界観設定になっているので、読みながら少し混乱してしまうかも。
たろまろ先生は「小説家になろう」出身で、本作でデビューしたばかりの先生です。これからの作品も、とても楽しみです!!