木原音瀬先生「灰の月 下」を読みました!
登場人物とあらすじ、どんな人にオススメなのかなど、ネタバレ感想とともにがっつりご紹介します!☺️✨
登場人物とあらすじ
<あらすじ>
嘉藤が惣一の傍を離れて2年―組長が倒れ、久し振りに会った惣一は昔のように冷徹でカリスマ性のある人物になっていたが、惣一はその座を降りようとする。引き留めるために惣一の願いを聞き、今夜だけと抱いた嘉藤だったが惣一の涙に嘉藤の気持ちは変化していく。
しかし組の抗争が激化し、惣一が行方不明になってしまいー!?
こんな人におすすめ
- 「灰の月 上」を読んだ!魅了された!!
- 木原音瀬先生作品が大好き🥺❤️
- 痛い、つらい、しんどい展開にカタルシスを感じたい🥺✨
ネタバレ感想
⚠️下巻、相当ヤバいです。一応ハピエンではありますが、「幸せいっぱい!超両思い!」という感じでは全くないので、光の腐女子・腐男子の方はお気をつけください。
惣一が心から求めていたものは、心も体も壊れて、ただの肉塊にならなければ手に入れられられなかったんだ…と絶望しました。
それで手に入れたものに、どんな意味があるのでしょうか。助け出された後の惣一は、惣一であって惣一ではありません。
惣一自身すら惣一であったことを覚えていません。それはもう惣一とはいえないでしょう。
そんなになって、やっと嘉藤が手に入ったとしても、それはハッピーエンドなのだろうか…何が惣一の幸せなのか、もう自分には理解できませんでした。
薬漬けにされて井内に犯され続けながらもずっと嘉藤を想って苦しんでいたと思うと辛くて…どうして2人はヤクザだったのか、どうして惣一がこんな目に遭わなくてはいかなかったのか。
読後、ただただ辛くて嗚咽が止まりませんでした。
あらためて「灰の月」という物語を見返してみると、簡潔な文章で表現される、大海のように広い極彩色の世界。凄まじい圧の作品でした。
なぜ生きるのか、どうして生きるのか。何が幸せで不幸なのか。清濁併せ呑んで生きるのが人生…いろんな思いが頭を駆け巡ります。
木原先生の作品を読んだんだな、としみじみと感じます。泣きすぎて頭が痛いです。
下巻で一番しんどいのが井内から助け出された惣一が「ちんぽ すきぃ」と言うシーンです。
これ書きながらも涙が止まりません…字面だけ見れば冗談みたいだけど、このシーンの心抉られる度合いは尋常じゃなかったです。
井内の体を末端から毎日cm単位で切り刻んで○したい…。
心の柔らかい部分を抉られたような読後感です。
つらいと分かっているのになぜ頁を捲ってしまうのか。
どこまで遡れば惣一は苦しまずに済んだのか。
死とレイプ、ヤク漬けにされる恐怖に日々怯えないで済むには、もはや惣一たちは生まれなければよかったのではないか…そう思い至ってしまって苦しいです。
苦しみも幸せも、それが何なのか、私にはもう分かりません…。
まとめ
一晩だけでいいから抱いてと縋る惣一に嘉藤が罵倒し続けるシーン、井内から助け出された後の惣一の一言、「本当って何?」「お腹の子って何?」と無邪気に尋ねる惣一…辛いです。
幸せって何なのでしょうか。読後ずっと涙が溢れて止まりません。
ただただ胸が苦しい。名作です。