J.Soori,Angy「セマンティックエラー」のあらすじ・感想・レビュー・試し読み|韓国発の超人気キャンパスBL、ついに漫画化!

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韓国の電子書籍プラットフォームRIDIBOOKS「2018年BL小説 大賞」受賞作がついに漫画化!J.Soori,Angy「セマンティックエラー」を読みました!

登場人物とあらすじ、どんな人にオススメなのかなど、ネタバレ感想とともにがっつりご紹介します!☺️✨

登場人物とあらすじ

引用:セマンティックエラー|無料マンガ|LINE マンガ

視覚デザイン科の自由人な先輩×コンピューター工学科の生真面目すぎる後輩 のお話。

<あらすじ>
チュ・サンウは韓国大学コンピューター工学科3年の秀才。
他人に無関心なロボットのような性格で、科では浮いている存在だ。
ある授業のグループワークでサンウが発表まで全てを一人でやってしまったことで、卒業間近のチャン・ジェヨンは単位不足で卒業できなくなってしまう。

 

こんな人におすすめ

  • 「セマンティックエラー」が好き❤️💚
  • 韓国BLに興味がある🇰🇷
  • 喧嘩ップルに弱い🤜💥🤛

 

本作をもっとよく知るための小ネタ

①LINEマンガでは3話まで無料、待てば全93話が無料で読める。

②ローカライズによる名前などの名称変更がないので、原作小説を読んだ人も世界観に入りやすい。翻訳も自然な言い回しだと好評。

③LINEマンガは”全年齢”対象のため、描写には規制がある。
本国(韓国版)については、1~2シーズンは全年齢、3シーズンは全年齢とR18版の2パターンが用意されている。R18版が読みたい人は、アプリ「RIDI」に登録すれば課金の上読むことはできるが、アプリ自体も作品の内容も日本語訳されていないので、スクリーンショットして画像アプリで翻訳する必要がある。

 

ネタバレ感想

①Angy先生の絵が上手すぎる!原作ママ!

初めて、漫画「セマンティックエラー」を読まれる方が驚くポイントは、Angy先生の絵の上手さじゃないかと思います。

まず、キャラデザインが原作のイメージ通り…どころか読者の想像を遥かに超える、まさにジェヨンとサンウそのもの!!
もう二人が何をしていても、原作の二人が生きているようにしか見えません。

また、セマンティックエラーは中盤ほどまでとにかくジェヨンとサンウが口喧嘩しまくり。他人のために全く譲歩しないサンウに呆れながらも、最初は嫌がらせをしまくり突っかかっていたジェヨンがだんだんと「会えば口喧嘩」程度へと変わっていきます。
そして終盤はまさかのセックス祭り。ジェヨンとひょんなきっかけでセックスしたサンウは、彼の魅力に取り憑かれていきます。

冒頭から中盤まではサンウとジェヨンの喧嘩が生き生きと描かれ、終盤のセックスシーンはとにかく二人が色っぽい。
ジェヨンの煽る言葉にいちいちイラつきながらも顔には出さないようにしてるサンウのささやかな表情や、サンウの言動にいちいち嬉しがったり悲しがったり怒ったりと忙しない表情豊かなジェヨンの表情…二人の感情が細やかに絵に表現されていて、心の動きの細部までがしっかりと伝わってきます。
セックスシーンでは、ジェヨンはガチムチ系、サンウは細マッチョ系の筋肉のつき方なのが見て分かるのですが、それもイメージ通りで、服を着ていても脱いでいても、まさに二人が存在している…と感嘆のため息が止まりません。

 

②場面場面をより魅力的に!効果的な演出に惹き込まれる

小説でできなくて漫画でできることの一つは、視覚に訴えること。漫画「セマンティックエラー」の良さは演出力の高さにもあります。

例えば85話、大嫌いだったはずのジェヨンの全ての要素を、いつの間にか「ジェヨンだから」好きになっていたと気づくサンウの独白のシーン。俺の嫌いなものを山ほど持っているのに…と思いながら、ジェヨンをどこか寂しげな目でサンウは見つめます。それは、ジェヨンが近いうちにフランスに行ってしまうから。去り行く彼を止めることなどできはしないのに、同じくらいジェヨンへの愛を止められなくなっている自分にもサンウは気づいているんです。
ジェヨンのあれも嫌い、これも嫌い…と挙げるシーンでは背景が赤のマーブル状になっていて、サンウの感情も怒りや寂しさのさまざまな感情で混沌としているのが分かります。
そして最後の最後にジェヨンを見つめるサンウの顔がアップになるのですが、ここのサンウの瞳が、まるで澄んだ水面のように、磨きたてのダイヤモンドのように、美しいんです。
憂いを帯びたサンウの表情と、今にも泣き出しそうに水分をたたえた大きな瞳。それを見た瞬間に、私の涙腺は崩壊しました。
この後にサンウは「好きです ジェヨンさん」と告白するのですが、告白の一つ手前のコマとして、これ以上ない演出だったと思います。あまりにもサンウの瞳が、物憂げな表情が美しくて、私はこの回を何度も何度も読み返しました。

続いて86話の演出も素晴らしいです。
ジェヨンを好きだと発言するに至った理由を、サンウは必死で考えます。
強すぎる性欲で言い訳ができる部分よりも、そうではない部分の方が多いことに愕然とするサンウ。例えば、ただジェヨンと買い物に行ったり、ジェヨンと添い寝したり、ジェヨンに作ってもらった料理を食べたり…。そんな日々の幸せを思い出しながら、サンウは「ただ純粋にチャン・ジェヨンじゃなきゃダメだったんだ」と気づきます。そして、ジェヨンが「挙げ句の果てには心まで奪っていった」と考えるシーン…ここが素晴らしいんです!
まさにジェヨンそのもののような、赤をベースにした極彩色の沼に、サンウが勢いよく落ちたような絵になっています。サンウがジェヨンという人間の魅力にどっぷりと溺れている様子が視覚的にはっきり伝わってきて、どれほどサンウがジェヨンを好きなのかが分かります。

ここでは二例しか出しませんでしたが、全編を通すともう限りないくらい見どころが満載です!漫画でしか見られないサンウ、ジェヨンの心の表現はどれも秀逸です。

 

③展開が原作に忠実なので、安心して読み終えられる

BL小説が漫画化される時に多くの方が心配するのは、「どの程度原作に準拠した内容になっているのか?」ではないでしょうか。

はっきり申し上げます。本作には、漫画オリジナルの展開は一切ありません!100%原作準拠で、原作のままの展開です!セリフの改変も全くありません!

原作小説は好きだけど、漫画は読み慣れていないから…と敬遠されている方や、漫画オリジナル展開があったら嫌だから…と心配されている方には、全く不安になることなく飛び込んできて欲しいです!

ただ、小説と同じ展開なら、漫画を読む時にその先の展開が分かってしまうから、読む楽しみがなくなるのではないかと思われる方もおられるかもしれません。しかし、そこは心配ご無用です。
私も原作小説を読んでから漫画を読んだ派なのですが、原作小説でその後の展開を知っていてもなお、漫画はドキドキさせられます!それは、やはり漫画ならではのAngy先生オリジナルの演出が光るから。
「あの時、サンウはこんな気持ちだったのか」「ジェヨンは、こんなに心を揺らしていたのか」など、小説だけでは分からなかった繊細な心の機微を感じられたり、小説では分からなかったキャラ(例えば、ジェヨンとサンウが作っているゲームのキャラ)の造形・デザインなんかが分かったりと、小説では想像するしかなかったことが、はっきりと絵として提示されることで、「作者はこういうものをイメージしてたのか!」と、より作品を深く理解することができます。
なので、原作小説を読んでしまったからといって、決して漫画がつまらなくなるわけではないので安心してください!むしろ、原作小説を読んで展開を知っていることで、安心して絵の美しさを堪能できます。

 

まとめ

超優秀なエンジニアでありながら対人関係に難のある大学3年生のチュ・サンウ。
ある授業のグループワークで共同発表者たちのサボりをサンウが告発したため、その一人であった卒業間近のチャン・ジェヨンは単位不足で卒業できなくなってしまいます。そのせいで内定先も蹴ることになり、サンウはジェヨンに逆恨みされてしまい…。

二人の出会いのきっかけは、ある種どの国の大学生にでもありえそうなリアルなもの。たしかにジェヨンもサンウもかなり極端な人間ではありますが、彼らに似た人はたしかに私たちの周りにもいて、だからこそジェヨンもサンウも「自分の周りに本当に生きていそう」とワクワクするのだと思います。
それに、とにかく二人が極端なところも面白い。人間の非効率的、非合理的な部分を最も大事にして生きているジェヨンと、むしろそういった部分を最大限に排除して生きているジェヨンでは、生きる世界が全く違います。見えているものも全く違います。だからこそ、二人はどれだけ話しても噛み合わず、最初はずっと平行線のまま。しかしジェヨンがサンウを理解したいと努め始めたことで、関係は変わっていきます。

正反対の二人が恋に落ちるはずなんてなかったのに、なぜか「ジェヨンでなければ」「サンウでなければ」とお互いに思い合うくらいに必要不可欠な人間になっていく…その過程は山あり谷ありでしたが、思い返してみればどれもドラマティックで甘美に感じられます。

愛を知ろうとしないロボット人間サンウと、愛のために生きている詩人ジェヨン。
二人の間にどうやって愛が生まれていくのか、ぜひあなたもその目で確かめてほしいです。

セマンティックエラー
作者:J. Soori(原作)・Angy(漫画)
チュ・サンウは韓国大学コンピューター工学科3年の秀才。他人に無関心なロボットのような性格で、科では浮いている存在だ。 ある授業のグループワークでサンウが発表まで全てを一人でやってしまったことで、卒業間近のチャン・ジェヨンは単位不足で卒業できなくなってしまう。

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