「アマプラ同時上映会」第208弾!
当サイトの運営者3人が、Amazonプライムビデオでアニメやドラマ・映画を同時視聴する企画です🎬✨
大親友同士の13歳の少年に起こる関係性の移ろいを描いたヒューマンドラマ、「CLOSE/クロース」。
全編のネタバレ・あらすじ一覧・本作をより楽しむための小ネタなどを掲載しています。
早速見てみましょう!
登場人物とあらすじ
引用:Amazon.co.jp: CLOSE/クロースを観る | Prime Video
花き農家の息子と、大親友の幼馴染 のお話。
<あらすじ>
花き農家の息子のレオと幼馴染のレミ。
昼は花畑や田園を走り回り、夜は寄り添って寝そべる。
24時間365日ともに時間を過ごしてきた2人は親友以上で兄弟のような関係だった。
\ 国内最安の動画見放題サービス /
\ 140,000本以上の映画・ドラマ・ アニメ・ バラエティが見放題 /
予告編・予告動画
こんな人におすすめ
- 男性の生きづらさを垣間見たい👀
- 同性愛への偏見を生々しく体感したい👨❤️👨
- 少年・少女時代の生、性、愛、死について再考したい💭
本作をもっとよく知るための小ネタ
①第75回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、グランプリを受賞(クレール・ドゥニの「Stars at Noon」と同時受賞)。第80回ゴールデングローブ賞で外国語映画賞、第95回アカデミー賞でも国際長編映画賞にノミネートされた。
②トランスジェンダーの主人公がバレリーナを目指す姿を描いた「Girl ガール」でカンヌ国際映画祭のカメラドール(新人監督賞)を受賞したルーカス・ドン監督が、13歳の2人の少年に起こる関係の変化を描いた長編第2作。
③レビュー収集サイトのRotten Tomatoesでは87件の批評に基づいて支持率は92%、平均点は8.5/10となり、「上映時間の大部分において、操作的なエンディングでさえもその体験を台無しに出来ないほど感動的で、『CLOSE/クロース』は失われた子供時代の無邪気さを優しく、力強く描いている」とまとめられた。ルカ・グァダニーノの2017年の映画『君の名前で僕を呼んで』と比較された。
ネタバレ感想
レオの「兵隊に追われている」というごっこ遊びに付き合ってくれる幼馴染のレミ。兄の手伝いもせず、レオは「レミの家に泊まる」と遊んで回っています。
オーボエの練習をするレミに「お前のマネージャーになる。世界中を旅して回って、演奏する様子をYouTubeにアップするんだ。そして有名になる」と夢を語るレオ。最初にメキシコに行きたいと言うレミに、レオは賛同します。
眠れないレオはレミに話しかけます。「お前はアヒルの子だって想像してみろ。お前は周りと同じ黄色だけど、特別美しいんだ。ある日お前はヘビに出会う。ヘビを初めて見るから何なのかはわからないけど、お前は彼が自分と同じ色だから好きになる。そして、トランポリンで一緒に遊ぶんだ」と言うと、ヘビの鳴き声を真似するレオ。同じベッドで一緒に眠る二人。
二人は自転車で中学校まで競争し、生徒たちの自己紹介を聞きます。「緊張してる?」「ちょっと」とじゃれあう二人を、他の男子生徒は奇妙な目で見つめます。
休み時間も一緒にいる二人に、クラスメートの女子生徒は「二人は付き合ってるの?カップルに見える」とからかいます。「僕らはカップルじゃない」と怒るレオに、「怒らないでよ。付き合ったら教えて」と言い返す女子生徒。
レミは変わらずレオに接してきますが、レオはレミに触れられるのを避けるようになります。例えば、休憩時間にレオの腹を枕にしてレミが寝ようとすると嫌がったり。学校では、レミとも徐々に一緒にいないようになります。ただ、家に帰ると、二人はこれまでと同じように親しく振る舞います。
オーボエを練習するレミに、「お前が明日の演奏会の主役だよ」とレミを鼓舞するレオ。演奏会ではレオはレミの勇姿を微笑ましげに見つめていました。
演奏会が終わって、レオが女子生徒たちと話していると、男子生徒から「僕はレオ、オンナオトコ」とからかわれます。ホッケー選手になりたいバティストにホッケーは楽しいのかと尋ねるレオ。やりたいのかと問われ逡巡しますが、彼の押しの強さに負けて「やりたい」と返します。
どこか沈んだ様子のレオを元気づけようと、レミは「兵隊に追われている」ごっこをしようとしますが、レオは冷めた対応です。
レオはレミと寝ていたベッドから自分の布団へと移動します。「なんで離れるんだよ」と言うレミに、「そういう気分だから」と突き放すレオ。二人は取っ組み合いの喧嘩をします。
その後、食事中に両親とレミの前で泣き出してしまうレミ。両親は彼を心配し、温かいレモネードを作ります。
二人は一緒に学校へ向かいますが、レミは何も言わずに自転車の速度を上げ、レオを振り切ろうとします。レミを気にするレオに「生理か?」とからかう男子生徒たち。レオはレミに「怒ってる?」と尋ねますが、レミは「怒ってないよ」と言ったきり、ゲームに夢中です。
ホッケーを始めたレオは、筋が良いとコーチに褒められます。レミがホッケーの練習を見に来ると、周囲の男子生徒たちがからかいます。「僕もホッケーを始めようかな」とレオに話しかけるレミですが、レオは何も言いません。
「今日もレミの家に行く?」と尋ねる母に、「レミの家には行かない」とはっきり言うレオ。レオはレミではない男子生徒たちと学校に行きます。レミは学校で男子生徒たちと話していたレオに「僕を置いていったな」と言います。レオは「食事が早く終わったから先に行ったんだ」と言い訳し、レミは泣きながらレオに殴りかかります。しかし二人は教師に引き離されてしまいます。他の男子生徒に慰められながら、レミを見て静かに涙を流すレオ。
レオはほとんどレミと話さなくなり、レオはレミなしの日々に忙しくなります。レオは時折レミを見つめますが、レミから見返されることはありません。
遠足を終えたクラスの一同はなぜか親たちに迎えられます。困惑する生徒たち。担任から「レミはもういないの」と言われ、レオは自転車でレミの家へと一心不乱に走り出します。レミのバスルームの取っ手は血で汚れており、レオはその場で静かに泣き出します。
起床したレオは兄のバイクに乗せてもらい、学校へ向かいます。食欲はありません。 クラスでは生徒たちの心のケアがなされており、カウンセラーが児童たちになにか話したいことはあるかと尋ねていました。レオも聞かれますが、「特にない」と黙ります。カウンセリング後に「レミは誰が見つけたの?」と問うレオに、「お母さんが見つけたそうよ」と返すカウンセラー。レオの母はレミをホッケー場に送りながら「本当に行くの?」と尋ねますが、レオは頑なに頷きます。ホッケーの練習に没頭するレオ。
いざレミの葬式の日、同級生とその家族は参列することに。レミの母を遠くに見つけるレオ。レオは相変わらずホッケーの練習と他の男子生徒たちとの日々に忙しくしています。
レミの母が、レミの荷物を学校に取りに来たことに気づくレオ。その板、兄のベッドに潜り込むと、「苦しんだかな?何か残したと思う?」とレミのことを兄に尋ねます。兄は「どうだろう」とだけ言い、早く寝るようにレオに命じます。
カウンセラーの前で、「ジュリアも言ったけど、レミはすごく信頼できる子で明るかった。そんなレミが好きだった」という女子生徒。サルヴァという男子生徒は、「たまにめんどくさいやつだけどレミはレオの親友。いつもハッピーだった」と言います。「どうして分かる?”いつもハッピー”?」とムキになるレオを馬鹿にしたように笑うサルヴァ。「なぜ笑う?」とレオは激昂し、そのまま教室を出ていきます。
ミサに参加するレオですが、レミの母も来ていることに気づきます。ホッケーの練習をするレオは、観客席に来たレミの母に話しかけられます。「何か聞いてた?」と問われ、首を横に振るレオ。「うちにも来て。またね」と言われ、レオはその場を後にします。
レミの両親がレオの家に夕食を食べに来ます。レオの兄がこれから恋人と世界一周をしたいと楽しそうに話すのを聞きながら、レミの父・ピーターは泣き出してしまいます。
苛立ちを抑えながら、ホッケーの練習に励むレオ。家族のしごとの手伝いをする合間に、兄と畑で遊び回ります。父の運転するトラックの荷台に乗り、兄に肩を抱かれながらぼんやりと夕日を眺めるレオ。
バティストを家に泊めるレオは、彼がこれまでレミの寝ていたベッドで寝ていることを噛み締めます。
レミの家に行くと、レオの家で飼われている犬が喜び勇んで駆けてきます。父や兄から植え付けのやり方を学んでいるというレオを、レミの母・ソフィーは感慨深げに見つめます。「部屋に行っていい?」と問うレオに、ソフィーは頷きます。「欲しいものはあげる」とソフィーは言いますが、レオは拒絶します。「レオ、何があったの?」とソフィーは問いますが、レオは「家に帰らなきゃ」とすぐさま帰ります。
泣きながら苛立った様子のレオを見て、レオの母は彼を抱きしめてなだめます。
ホッケーの試合日、レオは相手にタックルされた拍子に腕を折ってしまいます。泣きじゃくるレオを心配する父。帰宅すると、レオは兄のベッドにもぐりこみます。「会いたい」とつぶやくレオを背中から抱きしめてくれる兄。
1年が終わり、レオは同級生たちとはしゃいでまわります。学校を終えて、一人でバスを乗り継ぎ、ソフィーの働く病院まで会いに来たレオ。帰りはソフィーが家まで送ってくれますが、その道中で「僕のせいだ。僕が原因だ。僕が突き放した」とレオはソフィーに告白し、泣き出します。ソフィーはレオを見つめ、泣き出してしまいます。「降りて」と言われ、レオは森の中を走り出します。レオを追いかけるソフィー。木の棒を構えて、ソフィーに振りかざすレオ。ソフィーはレオを抱きしめます。
骨折が完治し、レオはレミの家にあそびに行きますが、そこはもぬけの空になっていました。売り物の花畑の中、レオはレミの家の方を一度だけ振り返り、自分の家へと帰っていきます。
まとめ

「恋人同士なの?」、そのからかいさえなければ…。レミが死んだ直接の原因が何かは明確に語られていませんが、レオに突き放されたことは確実に「死にたい」と思う理由の一つだったと思います。レミにとっては、レオが自分のそばからいなくなることは、世界が崩れ落ちるくらい辛いことだったのかもしれません。残されたレミの両親たちの苦しみが伝わってきて、とても苦しい気持ちになりました。

「有害な男性性」のお話でした。男性と男性が仲良くしている時に「ゲイみたい」というからかいをする人というのは、愚かしいことに2025年の現在でも存在します。ゲイだから何?あなたに関係ある?と思うのですが、そういうからかいをする人にとっては、「人間はヘテロであるべき」「そうでない人間は差別すべき」という偏見に取り憑かれているのでしょうね。
ヘテロ男性らしくあらねばならないという呪いのせいで、レオとレミの間には修復できないほどの溝ができてしまいます。レミが周囲の目など気にせず仲良く居続けようとするのに対して、レオはムキになって「レミなんか好きじゃない」と距離を置こうとするのが、二人の生き方の大きな違いを物語っていましたね。
それにしても、グループセラピーで同級生たちが、大してレミのことなんて知らないくせに「いつもハッピーにしてた」とか、レミについてむきになるレオを馬鹿にしたように笑ったりしているのはかなりグロテスクでしたね。吐き気がしました。

ルーカス・ドン監督が本作について「子どもの頃の、ある種“ユートピア”のような時期には、“なにか”が起きた時に周りの大人たちから『とにかく前進しなさい』と言われます。でも“なにか”が起こったことでできたアザが体に残ったまま、きちんとケアをしないまま闇雲に前に進んでしまうと、いずれ硬化して重くのしかかってくる。そうした見過ごされたアザと、この映画でつながりたいという思いがありました」(引用:『CLOSE/クロース』ルーカス・ドン監督が語る、“走る”ことと“視線”の意味「見過ごされたアザとこの映画でつながりたい」)と語っていましたが、「アザ」のたとえはすごく的確だなと感じました。レオとレミの間に生じた亀裂はまさにそうで、彼らの負った傷などおかまいなしに周りはどんどん前進していく中で、二人だけがずっとそのアザの痛みに耐えて、苦しんでいます。特にレミは一人っ子で、普段から「いい子」だっただけに、いくら両親に愛されているとはいっても、レオのように年の近い兄に相談することも出来ず、ささやかなアザがガンのように全身に苦しみとして転移してしまったのかもしれないと思いました。強引にでもレミの苦しみを吐露させてあげられる相手がいたならと後悔の気持ちが湧いてしまいます。
今回3人が見た「CLOSE/クロース」は、Amazonプライムビデオ、Huluで無料視聴できます。
ぜひチェックしてみてくださいね〜☺️✨