エデン・ウィンターズ「ドラッグ・チェイスシリーズ2 密計」のあらすじ・感想・レビュー・試し読み|全国的な医薬品不足により巨大小児がんセンターが危機に陥る!

小説

エデン・ウィンターズ「ドラッグ・チェイスシリーズ2 密計」を読みました!

登場人物とあらすじ、どんな人にオススメなのかなど、ネタバレ感想とともにがっつりご紹介します!☺️✨

登場人物とあらすじ


南東部薬物捜査局(SNB)エージェント× 新人エージェント・元海兵で薬剤師(リバ) のお話。

<あらすじ>
もと薬物の売人のラッキーは、刑期のかわりに政府の薬物捜査組織・SNBの一員となった。
処方薬の依存症をかかえた相棒のボーとは、前回の任務から秘密の関係が続いており、二人は今回も組んで小児がんセンターへの潜入捜査を命じられる。
全国的な医薬品不足によって治療すら受けられない患者が多数出る中、真面目で融通の利かないボーはその状況に対応できなくなり―!?

 

こんな人におすすめ

  • 医療系サスペンスドラマが好きだ🏥
  • ドラッグ・チェイスシリーズが好きだ😊❤️
  • リバップルに燃える🔥

 

本作をもっとよく知るための小ネタ

日本語翻訳版2巻が発売されるまで、なんと7年もかかったけれど、作中では1巻のラストから1ヶ月しか経っていません。

原作は全9巻(+番外編3本&スピンオフ1本)が発売済み。
3巻では、ボーの秘められた才能が開花します。バイカーギャングに身をやつしたボーが、ただ一人で敵地に潜入することになり、ラッキーは心配でヤキモキしっぱなし。
実をいうとこのシリーズは3巻からが本番といってもよく、ラストにはラッキーの前に、捨ててきたはずの過去の亡霊がその姿をあらわします!ボーの新たな性癖も出てきます。
4巻では、舞台はメキシコへ。誰を信じていいかもわからない敵地のただ中で、ただ互いの絆だけを頼りにラッキーとボーが強大な敵に立ち向かいます。物語はますますハードに、スリリングに、一瞬も目を離せない驚きの展開があなたを待ち受けます!

1巻でもリバだったけれど、2巻以降も2人はずっとリバです!

 

ネタバレ感想

①正反対のラッキーとボー。だからこそベストコンビ!

ラッキーとボーはまさに水と油、空と海、全くといって正反対な性格をしています。
ガサツで嫌われ者、超合理主義者で人を信じないチンピラ上がりのラッキー。
人情に厚く、情に流されがちで、相手が悪人でもすぐに信じてしまう完全無比な元エリートのボー。

上司のウォルターは、2人をこう評します。

「ラッキー。きみは表面から爪を立て、こじ開けて問題の核心まで掘っていく。ボーは、心の中心から始める」

ラッキーのように不良時代に鍛えられた野生の嗅覚で「悪」を嗅ぎ取り掘っていく男も必要ならば、相手の懐に心ごとすっぽりと入り込み、そこから「悪」を炙り出していくボーのような男も、SNBには必要不可欠です。
悪人は人畜無害な羊のような顔をして、人々の中に潜り込んでいるから。

全く違うアプローチで、それぞれなりに苦しみながら悪を暴いていく。しかも、互いに「そんな方法はありえない!」と貶し合いながらアプローチしていたはずが、いつの間にかお互いのおかげで悪人をうまく追い詰めていたという結果になっていたり。

その過程を追うのが面白く、「この2人ってやっぱりベストコンビ!」と改めて感嘆せずにはいられません!!😆✨

 

②人を信じない男・ラッキーが言った「愛してる」の重さ

ゲイ、同性愛、ハグ

ラッキーは長い間、ボーを大切だとは感じながらも、「恋人」と認めることや、「ボーを愛している」と認めることから必死で目を逸らしていました。

もしボーを愛していると認めたら、ラッキーの強さの源であった「守るものがない」ことを失ってしまうからでもありましたし、ボーに対してや何かに対して「負けた」とラッキーが感じてしまうからでもあったかもしれません。

理由は何にせよ、ラッキーはずっとボーへの思いや愛という感情を拒絶し続けていましたが、本作では、全編にわたってラッキーが、無償の愛、恋人としての愛を注ぎ続けてくれるボーに対して気持ちを抑えられなくなっていく様子が描かれています。

この〝愛〟だの何だのについては……どうやってボーに伝えればいいのかもわからないし、伝えるべきなのかどうかもわからないのだ。

と悩み、

これからどうなる? 仕事はどうする? ひとつだけ自分の中で確定しているのは、やっぱり朝には、腕いっぱいにボーのぬくもりを抱えて目覚めたいということだけだ。(中略)
アイシテルなんて人生を変える言葉は氷漬けにしてきたが、自分の本心を悟ったことでその氷も──ラッキーの心の中でさえ──溶けつつあった。ラッキーはアクセサリーをじっと眺める。

と、自分の本心と向き合い、そして最後には…

「言いたいことがある。その後で何時間も議論するのはごめんだし、深く考えたくもないし、どっかの給水塔にスプレーででかでか書き出す気もねえ」
口を開けたが、すばしっこい言葉は逃げてしまう。ラッキーを嘲笑いながら。畜生、ふざけんな。
「お前を愛してるよこのクソッたれが!」

とボーに汚く😂愛を叫ぶのです!

荒っぽく、偏屈で嫌われ者。人を信じず、冷徹…そんな、愛からかけ離れたチンピラ男が、まるで縋るように愛を叫ぶ姿…!!
感動で思わず、本を持ったままスタンディングオーベーションしそうになりました😭👏✨

 

③悪人に正義の鉄槌を!ラッキーのとった思わぬ行動に涙😭✨

仕事は仕事、とはっきり割り切れるのがラッキー。割り切れないのがボー。そんな凸凹コンビが本作で挑んだのは、小児がんセンターにはびこる違法薬物の摘発でした。

ただ、米国国内では薬が慢性的に足りておらず、苦しむ患者を救いたい一心でグレーな薬物に手を出してしまう善意の医者や、あえてグレーな薬物を作らせ売り捌く病院の重役などが入り乱れていました。

苦しむ子どもたちを救いたい一心で手を出した薬は混ぜ物だらけで、結果的に子どもたちを死に至らしめてしまった医者も、金儲けのためにあえて子供たちを苦しめておいて薬の価格を釣り上げていた重役も、アメリカの現行法では罪に問えない…。

そんな苦い思いを抱えて案件が終了しそうになった時、ラッキーはなんと職を捨ててまで容疑者たちを国外まで追跡するのです。結果的にラッキーによる匿名のタレコミにより、医者は捕まり、重役も世間から非難を浴びることになりました。

仕事は仕事と割り切るタイプのラッキーがそこまでの行動を起こしたことに驚きましたし、それはもしかしたらボーという恋人の優しさが彼に移ったのではないかと思わされ、なんとも嬉しくなってしまいました☺️❤️

 

まとめ

大人気ドラッグ・チェイスシリーズ第2弾!

今回のラッキーとボーは、小児がんセンターに潜入捜査します。違法薬物が高値で卸され、子どもたちに投与されているのでは…と調査する2人ですが?

荒くれ者で愛を知らなかったラッキーが、ボーに出会って情を知ります。トラウマを1人で抱え込んで苦しんでいたボーは、ラッキーに出会って愛し信頼することの安心感を知ります。

1巻から、時を共に重ねるほど、苦境を共に超えていくほど、絆が深まっていく2人に感動が止まりません!!😭✨

M/Mロマンス小説好き、医療系サスペンスドラマ好き、本格的なお仕事モノ好き、リバ好きなあなたにぜひとも!!おすすめしたい名シリーズです🥹❤️

ドラッグ・チェイスシリーズ2 密計
作者:エデン・ウィンターズ
もと薬物の売人のラッキーは、刑期のかわりに政府の薬物捜査組織・SNBの一員となった。処方薬の依存症をかかえた相棒のボーとは、前回の任務から秘密の関係が続いており、二人は今回も組んで小児がんセンターへの潜入捜査を命じられる。全国的な医薬品不足によって治療すら受けられない患者が多数出る中、真面目で融通の利かないボーはその状況に対応できなくなり―!?

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