葵居ゆゆ「皇たる鷹は若葉の月を寵愛する」のネタバレ感想|切れ者皇太子vs父の汚名を雪ぎたい下級貴族

小説

葵居ゆゆ先生「皇たる鷹は若葉の月を寵愛する」を読みました!

登場人物とあらすじ、どんな人にオススメなのかなど、ネタバレ感想とともにがっつりご紹介します!☺️✨

登場人物とあらすじ


次期帝兼皇太子×黒雀宮でただ一人、皇太子の寵愛を受ける者 のお話。

<あらすじ>
地方貴族の緑月は、父の自死に疑問を抱き“黒雀宮”の入宮を志願する。
黒雀宮とは皇太子のための宮で、覚えがめでたい者は貴族の最高位である“比翼”の座を手に入れることができる。
緑月はその地位と権力があれば、父の死の真相を明らかにするための再調査ができると信じていた。

 

こんな人におすすめ

  • 「魔道祖師」「千秋」など中華BLが好き🇨🇳
  • 政治的陰謀や駆け引きが大好き😏✨
  • 濡れ場のエロさにくらくらしたい💕

 

ネタバレ感想

①受けの父親の死の真相は?謎が解明されるまでだけでなく、その先まで面白い!

受けの緑月は生真面目な地方官僚だった父の突然の死に、ずっと疑念を抱いています。周りからは自死と決めつけられ、白い目で見られてきましたが、責任感の強い父が一人息子を置いて死ぬはずがありません。他殺だと信じ、それを証明する権力を欲して、皇太子の片腕である「比翼」の地位を目指す緑月ですが…。

父の死の真相が物語中盤で突如明らかになり、あまりの事実に緑月は空っぽになってしまいます。

緑月の父の死の真相もですが、真相を知った後の緑月の生き方に、ぜひ注目してほしいです。

父の汚名を濯ぎたい。それだけが人生の目的だった緑月は、死の真相を知った後、一体どうなってしまうのでしょうか?

 

②「利用し尽くして捨てるつもりだったのに…」攻め→受けの心の変化にドキドキ💕

攻めの静鷹は極めて合理的で、冷静沈着な男です。王宮内の不穏な空気を感じ取り、自分に反旗を翻そうとする者を炙りだすために緑月を利用します。
具体的には、緑月をことさら寵愛することで、王宮内のヘイトを緑月に集中させ、緑月を狙う者を捕えようという計画です。

緑月は意地っ張りではありますが、心根は無垢で素直。それゆえに、静鷹からの寵愛も、訝しみながらも心の底から受け入れてしまいます。懸命に、不器用に、愛を返そうとする緑月を見ているうちに、静鷹の心に何かが芽生え始めます。
本当は、緑月など、敵を炙り出すための餌に過ぎないのに…。

緑月を抱きながらも、彼を囮にし続けるかどうか悩み、変化する自分の心に戸惑う静鷹の心の変化にはモダモダさせられます😂
即断即決男の初めての不器用な恋模様、ぜひ楽しんでほしいです💕

 

③葵居先生節炸裂!濡れ場の多さと心理描写の丁寧さに脱帽

葵居先生といえば、唯一無二の濡れ場表現で有名なのは言うまでもないことですが…☺️💕 本作でも、がっつりエロエロな濡れ場を魅せてくれています!

しかも本作は冒頭からいきなり濡れ場!!お風呂の中でのエッチもあり、ベッドでの甘々エッチもあり、隙あらばエチエチ!!

なのに、ちゃんとエッチの中で静鷹と緑月の心のささやかな心の変化が毎回描かれているので、エッチな作品は読みたいけど心理描写もちゃんとされてる作品が読みたい!!という私のような強欲な読者には垂涎モノの名作でした✨

 

まとめ

父親の自死に疑問を抱く、弱小地方貴族の緑月。王宮内の毒出しのために、冷徹な皇太子・静鷹から偽の寵愛を受けることに。しかし、静鷹も緑月も、体を重ねて愛し合うほどに本気になってしまって…!?

心は奪われないとたかを括って接していたはずの静鷹。父の死の真相を暴くことだけが生きる意味だった緑月。それぞれの苦しみ、悩みが絡み合って、読者もドキドキハラハラさせられます。

濡れ場の濃厚エロっぷりも、さすがの葵居先生💕
特濃エッチ!でも、繊細な心理描写、恋の駆け引き、焦燥感も味わいたいという方におすすめしたい一冊です。

皇たる鷹は若葉の月を寵愛する
作者:葵居ゆゆ
地方貴族の緑月は、父親の自死に疑問を抱き、“黒雀宮”の科挙を志願する。黒雀宮とは皇太子のための宮であり、将来の腹心を育てる学府だが、実際は皇太子の夜伽の相手もしなければならないらしい。それでも、皇太子の覚えがめでたい者は、貴族の最高位である「比翼」の座を手に入れることができる。緑月はその地位と権力があれば、父の死の真相を明らかにする再調査ができると信じていた。

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