さとむら緑先生「月夜ぎんいろ山犬異聞」を読みました!
登場人物とあらすじ、どんな人にオススメなのかなど、ネタバレ感想とともにがっつりご紹介します!☺️✨
登場人物とあらすじ
大手製薬会社社員の妖怪「山犬」×蛇神に祟られている大学生 のお話。
<あらすじ>
蛇神に祟られている永島家の末裔・矜は、才色兼備のコワモテ弁護士・未知留にストーキングされている。
なぜなら、未知留の正体は妖怪「山犬」ー永島家の主を守るのが彼ら一族の役目だからだ。
矜は物心ついた時からずっと未知留を慕い頼っていたが、数年前に、矜を妖怪たちから守るたび未知留が怪我を負うと知ってから、心を鬼にして彼を遠ざけている。
ツンを装う純情一途大学生と、ご主人大好き妖怪の弁護士が織りなす、妖怪バトルラブストーリー!!
切ない両片思いに悶えつつ、激しい戦闘シーンやおどろおどろしいミステリーにドキドキさせられます。
そして本作は、「いちご牛乳純情奇譚」シリーズの2作目です。
シリーズの読み順は「いちご」→「山犬」→「リコリス」がおすすめですが、各作品単体でも読めます。
三作品それぞれに各作品の主要キャラたちが登場するので、作品同士が繋がる楽しみが味わえますよ〜!!
こんな人におすすめ
- ツンデレに見せかけた純情一途健気受けが好き🥺
- 受け大好きなクール系執着攻めが好き✨
- 妖怪同士の戦いなど、和物ファンタジーが好き💥
ネタバレ感想
この作品の中で大好きなところはたくさんあるんですが、特にお気に入りのセリフを中心に見どころを紹介していきます!!
まず最初はこちら。矜が自分に取り憑いていた蛇神に呪い殺されそうになった時、心の中でつぶやく一言です。
ウ゛ワ゛ーーーーーーーッッッ😭😭😭😭😭(号泣)
矜が蛇神に呪い殺されれば、未知留はもう彼を庇って傷を負うことはなくなります。未知留は好きな人と好きな場所で好きなように暮らしていけます。
ずっとずっと、大好きな人に自分の呪いを肩代わりさせることに苦しんでいた矜。
いつも未知留に守られていたけれど、自分が死ぬことで、今度は未知留を守ってあげられるという喜び、生まれた時から背負わされていた呪いや孤独から解放されるという安堵が感じられて、涙が溢れます。つらい。
そして二つ目。なんと蛇神を殺し、矜を間一髪で助けた未知留に、「俺は一人で死ぬんだと思ってた」とつぶやいた矜への一言。
こんなのプロポーズじゃん…泣いちゃうよ…😭👏💐💍🤵🤵🔔💕✨
大好きな未知留を傷つけたくなくて、死ぬまで1人で生きようと決意していた矜。未知留を必死で避けていたのも、未知留を怪我させたくなかったから…。
そんなことは矜から説明されずとも分かっているとばかりに、矜を抱きしめる未知留がメチャメチャカッコよくてまぶしかったです😭✨
そしてこれが最後!三つ目です。素直に矜への恋心を打ち明けた未知留に、矜が万感の思いを込めて言った一言。
ハァァァァ……本当に本当に感動しました……。未知留がいてよかった、矜が愛おしいよ、2人が大好きだよ…!😭✨✨
さとむら先生の作品は、ものすごく完成度が高いです。
シリアスだけどコミカルで、辛い展開に胸を痛めたり感動で震えたりしつつ、最後は爽やかな気持ちで読み終えられて…まるでNHKの朝ドラみたいな、爽やかで重厚な人生哲学図鑑を見せてもらったような読後感があります。
長文でも文章がだれず、全登場人物の物語がきちんとまとめあげられていて、その整然とした文章の美しさにも感動します。
物語をこんなに美しく書き上げる書き手を、私は他に知りません…!!😭👏✨
本当に素晴らしい才能を持った作家さんです。もっともっと評価されてほしい!!!
まとめ
矜を守るためならどんな痛みも辛くないと、体を張って守り続ける未知留。
未知留や大切な人たちを傷つけないためなら、自分は死んでもかまわないと苦しむ矜。
何百年も続くおぞましい呪い、すれ違う両片想い、可愛い妖怪たち…。
摩訶不思議で愛おしい、感動の名作です!!🐺✨