J.L.ラングレー「狼の遠き目覚め」を読みました!
登場人物とあらすじ、どんな人にオススメなのかなど、ネタバレ感想とともにがっつりご紹介します!☺️✨
登場人物とあらすじ
<あらすじ>
人狼の私立探偵・ジェイクの伴侶<メイト>・レミは、父親・ダークの暴力に支配されていた。
レミの心身を自由に解き放ちたい一方で、ジェイクはレミの存在に狂おしいほどの支配欲をかき立てられていた。
そんなジェイクの思いに包まれたレミは、勇気を出して封印していた記憶と向き合う…それは目を背けたくなるような悪夢のような記憶だったー。
こんな人におすすめ
- オメガバース×半獣モフモフの海外verを見てみたい!🇺🇸
- 父親の残虐すぎる虐待を生き延びた、受けの壮絶な半生を知りたい😢
- 軽いSMっぽい濃厚なエッチをたっぷり楽しみたい❤️
ネタバレ感想
①M/Mロマンス特有のオメガバワールドに惹きこまれる!
オメガバースは日本のBL界でもかなり有名な設定ですが、海外のオメガバースはα×Ωという設定がかなり強固です。日本のようにα×α、Ω×Ωといったイレギュラーはほぼ存在しません。
また、海外では、オメガバースという設定と同時に人狼(狼になれる人間)という設定もついてくることが多いようです。これも日本のオメガバース事情とはちょっと違いますよね。
日本のオメガバースBLは、単に人間がαやΩと区分されているだけが圧倒的に多く、人外×オメガバースは主流とまでは言えません。
人狼×オメガバースと人間のオメガバースで何が違うかというと、一番は「群れ」の概念が出てくる点です。
人狼×オメガバースでは、αが群れを率いる父的役割、Ωはその群れ全体の母親的役割を果たします。つまり、バースはそのキャラが居住する地域の中での立ち位置を大きく左右していて、物語は大体その「群れ」「居住地域」の中で進んでいきます。
日本のオメガバースと同じく「運命の番」の概念もありますが、「運命の番αと恋人βの間で揺れ動くΩ主人公」とか「運命の番Ωとの関係を振り切って、恋心に従ったα×αのカップル」といった、「α×Ω」のルールを乱す関係性はないので、β×Ω、α×αのようなイレギュラーなカップルが苦手な方には精神衛生上とても良い気がします🫶
②リアルなサバイバー(虐待からの生還者)描写に息が詰まる
☆☆☆以下、盛大なネタバレを含みます☆☆☆
レミ(受け)は学生時代、ビリーという同級生と付き合っていました。レミの父、ダークはレミとビリーを「ホモ野郎」と罵り、ビリーを殴り殺します。
部族警察官であるダークは責任を追求されることなく今なおレミの弟であるスターリングを自分の意のままにしようと暴力を繰り返しており、レミは父の望むままに消防士になり、弟を必死で庇いながら日々生活しています。
ビリーが殴り殺される描写、レミがダークから言葉や態度での暴力を受ける描写はあまりに鮮烈で、読んでいると息が苦しくなります。
ダークから心も体も支配されていた日々から、ジェイク(攻め)がレミを解き放つまでの過程は、何度読んでも胸が熱くなります。
苦しみが大きいからこそ、ジェイクと結ばれた後の幸せな日々は何物にも代えがたい輝きをもって私たちに押し寄せてきます…!
③SMっぽい濃厚エッチがたまらない!
ジェイクがレミを「仔狼(パップ)」と呼び、乳首クリップや拘束など軽いSMプレイをするのが最高にhotでした…パップってなんて愛おしい響きなんだろう🐺🍼🌸
Ωはもともとαに比べて被支配的な言動を好む傾向があるようなのですが、ジェイクのレミに対するセックス中の言動が本当にほどよい紳士的Sっぷりで…💕「なめろ」と高圧的に言ったかと思えば、「おいで」と優しく導いたり、「お前はもう俺のものだ」と断言して逃げ場をなくしたり…💕
セックスシーンは本当にありがたいことに数えきれないくらいたくさんあるので、本編のシリアスさにうなりながらも、セックスシーンの濃厚さにも身悶えてほしいです💕
まとめ
超面白いっっ!!!!!
オメガバ×狼の習性の設定が個性的です。生々しい肉欲描写や息詰まるサスペンス展開にも大興奮!!
実はシリーズ物の2巻目だとは知らず買ったんですが…各巻で主役カップルが異なり1巻完結形式のようなので、1巻から順に読まなくていいのかも?🤔
とはいえ、1巻「狼を狩る法則」から読む方が、世界観を理解しやすいです!
もし本作を2巻目と知らず買われた方は、本文を読む前に、後書きに書かれたオメガバ×人狼の設定説明を読むと世界観を理解しやすそうです。
でも、前提知識ゼロでも「メイト=伴侶」とだけ分かっていれば大丈夫🙆♀️
暴力に怯え、もがきながら生きるサバイバーの半生を描ききる名作です📕✨